---
> [!NOTE] 目次
```table-of-contents
title:
minLevel: 0
maxLevel: 0
includeLinks: true
```
---
> [!NOTE] リスト掲載用文字列
- [【特集】 懐かしのテープやフロッピー、CD/DVD、そしてUSBメモリに至るまで。外部記録メディアの変遷](https://pc.watch.impress.co.jp/docs/topic/feature/1657515.html)【PC Watch】(2025年02月14日)
---
> [!NOTE] この記事の要約(箇条書き)
- **PC以前/初期の記録メディア**: 紙テープ、パンチカード、オープンリール/DCシリーズのカセットテープが mainframe/minicon で使用された。
- **カセットテープ (1970年代~1980年代)**: マイコンや初期PCの安価な記録メディアとして普及(例: PET-2001, MZ-80, PC-8001)。低速で信頼性に欠けたが、FDD価格下落で衰退。
- **FD (フロッピーディスク) (1980年代~1990年代)**:
- 8インチFDから始まり、5.25インチ(IBM PC, Apple II)、3.5インチ(SONY, Macintosh)へと進化。
- 容量が急増(125KB→1.2MB/1.44MB)し、価格も下落。データ交換やソフトウェア配布の主流に。3.5インチが主流になる中で、PC-9801とIBM-PC間で互換性の問題も発生。
- **CD (1990年代~2020年代)**:
- 音楽用CDがベースのCD-ROMが登場。Windows 3.0 MMEやSound Blasterキットで普及が加速。
- 大容量化が進むOSやアプリケーションのインストールメディアとして主流化(Windows 95など)。
- CD-R/RWも登場したが、書き込み速度や手軽さ、価格面で限定的な普及にとどまった。
- **DVD (1990年代~)**:
- CD-ROMの後継としてDVD-ROMが登場し、ゲームやOSの配布メディアとして移行(Windows Vistaなど)。
- 書き込み可能なDVD±R/RW規格は乱立し、普及を阻害。
- **BD (2000年代~)**:
- HD映像向けにBlu-ray Discが登場。PCでは主に映像コンテンツ再生用。
- ソフトウェア配布はネットワーク配信(Steamなど)が主流となり、BD-ROMのPCでの普及は限定的。BD-R/REは容量単価でHDDより安価なバックアップ手段として一部利用が続く。
- **USBメモリ (2000年代~)**:
- USB Mass Storage ClassとUSB 2.0の登場により普及。
- 小型・大容量・高速な特徴から、FDや光学メディアに代わりPCの主要な外部記録メディアとなる。
- 現在ではOSインストールやデータ転送に広く利用されるが、ネットワーク経由のデータ移動がより手軽になりつつある。
- **主要にならなかった/消えた記録メディア(番外編)**:
- **デジタルカセット**: TEAC MT-2など。高価、I/F限定で普及せず。
- **FD競争相手**: 2ED FD, SuperDisk (LS-120/LS-240), HiFD, UHC FDD, Pro-FD, it Drive。ZipドライブやUSBメモリ、CD-ROMとの競争に敗れる。
- **リムーバブル磁気ディスク**: SyQuest (DTP市場で成功するもIomegaとの競争で破産), Bernoulli Disk, Zip (低価格で大ヒットするもUSBメモリに駆逐される), MicroDrive (小型HDDだが脆弱性やフラッシュメモリに敗北)。
- **光磁気記録メディア**: MO (日本でバックアップ用途に人気もUSBメモリに置き換え), MD DATA (音楽用MDベースもZipに敗れる)。
- **その他光学メディア**: PD (信頼性高いが低速), DVD-RAM (独自規格で普及せず), HD DVD (BDとの規格争いに敗北)。
> [!NOTE] 要約おわり
---
特集
## 懐かしのテープやフロッピー、CD/DVD、そしてUSBメモリに至るまで。外部記録メディアの変遷
[](https://pc.watch.impress.co.jp/img/pcw/docs/1657/515/html/image_o.jpg.html)
記録容量1.2MBのFD(フロッピーディスク)と、1TBのUSBメモリ風SSD
いつものように依頼は突然である。「古の外部記録メディアの変遷を追う記事をお願いしたいのですが……」。パピルスあたりから?それとも石板?
記事目次
1. [パンチカードやマークシートなどのPC以前](https://pc.watch.impress.co.jp/docs/topic/feature/#c01)
2. [カセットテープ(1970年代~1980年代)](https://pc.watch.impress.co.jp/docs/topic/feature/#c02)
3. [FD(1980年代~1990年代)](https://pc.watch.impress.co.jp/docs/topic/feature/#c03)
4. [CD(1990年代~2020年代)](https://pc.watch.impress.co.jp/docs/topic/feature/#c04)
5. [DVD(1990年代~)](https://pc.watch.impress.co.jp/docs/topic/feature/#c05)
6. [BD(2000年代~)](https://pc.watch.impress.co.jp/docs/topic/feature/#c06)
7. [USBメモリ(2000年代~)](https://pc.watch.impress.co.jp/docs/topic/feature/#c07)
8. [まとめ](https://pc.watch.impress.co.jp/docs/topic/feature/#c08)
9. [番外編](https://pc.watch.impress.co.jp/docs/topic/feature/1657515-2.html)
## パンチカードやマークシートなどのPC以前
まぁパピルスはちょっと(?)行き過ぎというか、そもそもコンピュータの外部メディアでないから却下するにしても、どのあたりから始めるか?という話である。
あくまでコンピュータにつながる外部記録メディア、という意味では紙テープ(穿孔テープ」)とかパンチカード/マークシート、テープドライブあたりが最初であろうかと思うが、さすがにこれをリアルタイムで使ったことのあるユーザーはだいぶ少ないと思う。
かくいう筆者も紙テープは幸いにも(?)経験がない。まぁさすがに紙テープが使われていたのは1960年代から1970年代中頃ぐらいまで、パンチカードはさらにその前の1950~1960年代前半位までが主流だったから、PCの外部メディアとして使われなかったのも無理はない。
もう少し長生きしたのはテープドライブのほうである。テープドライブと言ってもこれも何種類かあり、筆者が最初に扱う羽目になったのは2400ftのオープンリールタイプのものだった。
もっともこれはメインフレームとかミニコンで利用されていたケースが多いかと思う。ではパーソナルワークステーションとかで使われていたのは?というと、DCシリーズのカセットテープカートリッジである。
[](https://pc.watch.impress.co.jp/img/pcw/docs/1657/515/html/01_o.jpg.html)
HP85
出典:[2012 Wolfgang Stief, File:Running HP 85 with BASIC listing, 2012.jpg](https://en.wikipedia.org/wiki/File:Running_HP_85_with_BASIC_listing,_2012.jpg),[CC BY 2.0](https://creativecommons.org/licenses/by/2.0/deed.en)
DECやHPは、このDC100をベースに独自のDC150とかDC200といった、より容量の大きいカートリッジを開発している。一方DC300のほうは、その後さらに容量を増して、こちらも広く利用された。DC300の容量を増やしたDC300XLはQIC-11と称され、その後QIC-24/120/150/525/1350と段々容量を増やしながらさまざまな用途で利用された。
[](https://pc.watch.impress.co.jp/img/pcw/docs/1657/515/html/02_o.jpg.html)
カセットカートリッジ
出典:[2016 Dave Jones, File:HP85 Computer Teardown (27834341303).jpg](https://commons.wikimedia.org/wiki/File:HP85_Computer_Teardown_\(27834341303\).jpg),[CC0 BY 1.0](https://creativecommons.org/publicdomain/zero/1.0/deed.en)
テープで言えばさらにDLT(Digital Linear Tape)とかもあってこちらはまだ一部大規模バックアップ用途向けに健在ではあるが、もうPCの範疇は完全にはみ出している気はする。
[](https://pc.watch.impress.co.jp/img/pcw/docs/1657/515/html/03_o.jpg.html)
DLT(Digital Linear Tape)
出典:[2005 Christian Taube Chtaube, File:DLTtape-chtaube050402.jpg](https://commons.wikimedia.org/wiki/File:DLTtape-chtaube050402.jpg),[CC BY 2.0](https://creativecommons.org/licenses/by-sa/2.0/de/deed.en)
そんなわけでPC用の外部記録メディアとして、ここに挙げた紙テープやパンチカード/マークシート、テープドライブなどはまるっきり一般的ではなかったことだけは記しておきたい。
## カセットテープ(1970年代~1980年代)
ではマイコンやPCが世の中に出た時に、記録メディアとして何が使われたか?というとまずはカセットテープであった。ちょうどAKIBA PC Hotlineに以下のような記事があったので御覧になった方もおられよう。
もっともこの記事には「一般的なラジカセなどでもデータの保存や読み込みは可能ですが、確実にセーブやロードを行なうには専用の機器が欠かせません」とか書いてあったが、筆者の記憶では専用の機器でも大して変わらなかった気はする。
仕組みそのものは簡単で、0と1をそれぞれ1,200Hzと2,400Hzの音として出力、あるいは入力する形だ。この程度のものであれば簡単なRC回路で実現できるから、高価なADC/DACを使う必要もない。要するに理屈はモデムと一緒で、ただ送受信する先が電話線か、それともカセットデッキのイヤフォン/マイク端子かというだけである。
使い方もある意味簡単で、たとえばBASICならLoadコマンド(これは方言が各種あり)を発行してから、プログラムが入ったカセットの再生を押すと、カセットからの音声がI/F(インターフェイス)経由でPCに取り込まれる。通常はEOF(End of File)もカセットに記録されているから、LoadコマンドはこのEOFを検出したら読み込みを終了するので、再生を止めて完了である。
逆に書き出しは、まずカセット側の録音をスタートしてから、BASICのSaveコマンドを発行すると書き出しが行なわれる。こちらも書き出しが終わるとSaveコマンドが完了するから、カセットの録音を終了して完了、というわけだ。
[](https://pc.watch.impress.co.jp/img/pcw/docs/1657/515/html/04_o.jpg.html)
IMSAI-8080
出典:[2011 Rama & Musée Bolo, File:IMSAI 8080-IMG 1477.jpg](https://commons.wikimedia.org/wiki/File:IMSAI_8080-IMG_1477.jpg),[CC BY 2.0](https://creativecommons.org/licenses/by-sa/2.0/fr/deed.en)
このカセットI/F、たとえばIMSAI-8080のオプションにもUCRI-1(Universal Casette Recorder Interface)がちゃんとラインナップされているほどに、マイコン初期から存在していた。
IMSAI-8080の場合、ほかにもFIF(Floppy I/F)とかHDIF(HDD I/F)も用意されていたが、お値段は以下のようになっている。
| | \- | Kit | Assembled |
| --- | --- | --- | --- |
| UCRI-1 | \- | $69 | $99 |
| FIF w FDC2-1 | $399 | $599 | \- |
| FDC2-1 | \- | \- | $1,295 |
| HDIF | \- | \- | $3,900 |
| DISK-50 | \- | \- | $12,500 |
IMSAI-8080の場合、部品だけが届いて自分で組み立てを行なうKit Priceと、完成品の形で購入できるAssembled Priceがあるのだが、カセットI/Fの場合は自分で組み立てるならたったの$69(+ご自宅にあるカセットデッキか何か)で済むのに対し、FD(Floppy Disk)だとFIF+FDC2-1の構成になるから、FIFを自分で組み立てたとしても$1,649、50MBのHDDの場合はI/Fと合計で$16,400で、ちょっとホビイストの手には余るお値段である。とにかくこの「リーズナブルな価格」というのがカセットI/Fの最大の魅力であった。
それもあって家庭用PCは、当初からカセットドライブを搭載したものもいくつかある。1977年発売のPET-2001とか、1978年発売のMZ-80などはその代表例だろう。
[](https://pc.watch.impress.co.jp/img/pcw/docs/1657/515/html/05_o.jpg.html)
Commodore PET-2001
出典:[2022 OliverGalvin, File:Commodore 2001 Series-IMG 0448b.png](https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Commodore_2001_Series-IMG_0448b.png),[CC BY 2.0](https://creativecommons.org/licenses/by-sa/2.0/fr/deed.en)
[](https://pc.watch.impress.co.jp/img/pcw/docs/1657/515/html/06_o.jpg.html)
MZ-80
出典:[2024 Darklanlan, File:MZ-80K at KCG museum.jpg](https://ja.wikipedia.org/wiki/MZ-80#/media/%E3%83%95%E3%82%A1%E3%82%A4%E3%83%AB:MZ-80K_at_KCG_museum.jpg),[CC BY 1.0](https://creativecommons.org/publicdomain/zero/1.0/deed.en)
たださすがにカセットドライブまで内蔵するとかさばると思ったのか、1977年のTRS-80や1979年のPC-8001などはカセットI/Fのみを標準装備し、そこに適当にカセットデッキなり何なりをつなぐという形を取っている。一応標準のカセットドライブも発売されていたが、そんなに売れなかった記憶がある。
[](https://pc.watch.impress.co.jp/img/pcw/docs/1657/515/html/07_o.jpg.html)
PC-8001
[大河原克行の「パソコン業界、東奔西走」](https://pc.watch.impress.co.jp/img/pcw/docs/1199/709/html/383_o.jpg.html) より引用
というよりもこの時期の家庭向けPCで、カセットI/Fを持っていなかった製品はかなりまれ(LKIT-8とかLKIT-16ですら存在した。TK-80はただのパラレルポートしか搭載していなかったが、TK-80BSでカセットI/Fが搭載された)だったと記憶している。
【2月16日追記】転送速度の誤りについて追記いたしました。
初出時に、転送速度について、PC-8001は600bps、MSXは1,200bpsなどと記載していたが、データレートで言えばそもそもStart/Stop bitが付加されて11bitになるので、bpsで言えば大体436.4bps、872.7bps程度になる。定義的には変調速度なのでbaudを使うのが正しい。以上お詫びして訂正する。
上記の速度を超えて高速化しようとすると転送エラーが段々洒落にならない状況になってきて、これを回避するためにメタルテープを使うとか、データレコーダを使うとかいう話になりそうだが、1980年代に入ると次第にFDD(Floppy Disk Drive)の値段が下がってきたことで、次第にFDDにユーザーがシフトし始めたかと思う。
ちょっと昔話をすると、ちょうど筆者は大学入学(1983年4月)のタイミングでPC-9801(初代)を購入したのだが、同級生も何人かやっぱりPC-9801を買っていた。
なのだが、
- 筆者: 本体+SONYの200Lineモニター+互換メーカーのFDD(2ドライブ)
- 同級生: 本体+400Lineモニター+漢字ROM+カセットI/F
で、要するに漢字ROM+モニターの差額とFDDが大体同程度の価格であった。
またMSXを購入した同級生も何人かいたが、FDDを購入した人はいなかった。まだ1983年は高嶺の花、といった感じだったと思う。ちなみにその1983年に発売されたPC-9801E/F1/F2であるが、
| 機種名 | 価格 |
| --- | --- |
| PC-9801E(FDDなし) | 21万5,000円 |
| PC-9801F1(1 FDD) | 32万8,000円 |
| PC-9801F2(2 FDD) | 39万8,000円 |
といった値段になっていた。1ドライブあたり7万円の計算である。それでもPC-8001の外付け5インチ FDDとしてNECから発売されていたPC-8031(1981年発売)が31万円(2ドライブ)だったことを考えるとずいぶん安くなったとは思うのだが。
ところが1985年に発売されたPC-9801VMは、
| 機種名 | 価格 |
| --- | --- |
| PC-9801VM0(FDDなし) | 29万5,000円 |
| PC-9801VM0(2FDD) | 41万5,000円 |
で、2ドライブで12万円、ドライブあたり6万円に値下がり。1987年に発売されたPC-9801VXシリーズは、
| 機種名 | 価格 |
| --- | --- |
| PC-9801VX0(FDDなし) | 35万3,000円 |
| PC-9801VX2(2FDD) | 43万3,000円 |
で2ドライブで8万円でしかない。これはNECの定価であり、NEC互換のFDDはさらに安価だった。実際筆者の記憶でも、1986年頃にはみんな何らかの形でFDDを手に入れて使っていたと思う。カセットI/Fは、このFDDの急速な値下がりに押される形でその存在意義を失うようになっていった。
【お詫びと訂正】初出時にPC-9801VX0および同2の表の価格が逆になっておりました。お詫びして訂正させていただきます。
## FD(1980年代~1990年代)
[](https://pc.watch.impress.co.jp/img/pcw/docs/1657/515/html/27_o.jpg.html)
FD(Floppy Disk)
カセットに変わる形で長く使われた(というか、まだ使われているらしい)のがFD(Floppy Disk)である。FDDの原型というかご先祖様はIBM 3330 DASD(Direct Access Storage Device)に内蔵されたIBM 23 FDである。
DASDは名前の通りディスクアレイで、何でFDDが必要なのか?というと、このDASDのICPL(Initial Control Program Loader、要するにブートのためのコード)をこの23 FDに格納しておき、ここから読み込んでシステムを起動する形にしたそうだ(もともとはIBM 370用のICPL用に開発が始まったらしい)。このIBM 23 FDは8インチサイズで、容量は80KBほどである。
この23 FDを開発したAlan Shugart氏はその後IBMを退職し、(間にMemorex勤務を挟んで)1973年にShugart Associatesを創業したが、ここで開発されて1977年に発売されたのがSA400という5.25インチのFDDである。
ちなみにFDDの値段は当時の価格で425ドル、FDは10枚で45ドルとなっていた。容量は未フォーマット時で125KB(Single Density:Double Densityで250KB)、転送速度は125Kbpsである。ヘッドは1つ(つまりFDの片面しか使わない)の構成であるが、当時のマイコン向けとしてこれは十分に高速かつ大容量だった。
「Apple\]\[」はいち早くこれに対応した機種の1つで、このSA400のカスタム版であるApple Disk \]\[は1978年の発売当初には毎日4千台が売れていたなんて数字もある。
[](https://pc.watch.impress.co.jp/img/pcw/docs/1657/515/html/08_o.jpg.html)
Apple Disk \]\[
出典:[2006 All About Apple museum, File:Disk II.jpg](https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Disk_II.jpg),[CC BY 2.5](https://creativecommons.org/licenses/by-sa/2.5/it/deed.en)
何でこんなに売れたのか?という答えの1つは、世界最初のマイコン向け表計算ソフトであるVisiCalcがApple \]\[の上で動作しており、特にビジネスユーザーがこれを使いたがったからである(厳密に言えばVisiCalcの出荷は1979年に入ってからなので、発売当初はほかのビジネス用ソフトの利用が目的だったと思うのだが)。
VisiCalcの動作には32KBのRAMとカセットないしFDDが必要で、さすがにビジネス用途だとカセットは現実的でないため、本体まで合わせると4,000ドルほどの出費になった。1979年当時だから今で言えば17,720ドル相当。250万円以上の出費に当たるわけだが、その価値があると判断されたわけだ。
Apple Disk \]\[はPre-orderが495ドル、店頭価格は595ドルというお値段で、当時の換算レートで言えば16万8,800円ほどになるから、それを考えればPC-8001とかPC-9801のFDDが結構な値段だったのもまぁ分からなくもない。
そんなわけで1980年初頭はまだ「高値の華」だったFDDであるが、そこから急速に大容量化と低価格化が進んでゆく。SA400は片面あたり125/250KBで、しかもヘッドが1個しかないのでFDを手でひっくり返して裏面に記録すると250/500KBという仕様であったが、間もなくヘッドが2つ搭載された両面対応のSA450が登場、手でひっくり返さなくても両面を使えるようになった。
なお、裏面記録が可能になるのは両面対応のFDであったが、実際にはノッチとか位置検出のホールの穴が空いているかいないかが片面対応との違いであった。なので片面対応のFDを購入し、カッターで注意深くノッチやホールの穴をあけてやることで、両面対応FDに変身できた、というか筆者も実際にやった。
さらに記録密度を2倍にしたSA410/SA460では記録容量が250/500KBおよび500KB/1MBに増加している。
この頃になると、FDDはShugart Associates以外の会社からも多く登場するようになり、また薄型化や大容量化も進んだ。たとえばPC-8001が登場した時にNECから標準オプションとして1979年に提供されたPC-8031は、5.25インチで容量が320KBだった。
そして1983年のPC-9801Fには容量が倍の640KB(2DD)になったFDDが搭載され、さらにその翌年登場したPC-9801Mではその倍、1.2MB(2HD)の容量になったFDDが搭載され、この2HDが長く使われた。
これは海外も同じで、1982年発売のIBM PCは容量160KB(2S)のフルハイトドライブが内蔵されたが、1983年発売のIBM PC/XTはフルハイトながら容量が360KB(2D)に増加。1984年発表のIBM-PC/ATではハーフハイトになるとともに、容量も1.2MB(2HD)に強化された。
[](https://pc.watch.impress.co.jp/img/pcw/docs/1657/515/html/09_o.jpg.html)
IBM PC
出典:[2004 Dpbsmith, File:IBM PC 5150.jpg](https://commons.wikimedia.org/wiki/File:IBM_PC_5150.jpg),[CC BY 3.0](https://creativecommons.org/licenses/by-sa/3.0/deed.en)
[](https://pc.watch.impress.co.jp/img/pcw/docs/1657/515/html/10_o.jpg.html)
IBM PC/XT
出典:[2007 Ruben de Rijcke, ファイル:Ibm px xt color.jpg](https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%82%A1%E3%82%A4%E3%83%AB:Ibm_px_xt_color.jpg),[CC BY 3.0](https://creativecommons.org/licenses/by/3.0/deed.ja)
ちなみに、これに先立ち1980年以前から1MBを超える容量が利用できたのは8インチのFDである。IBM 23 FD由来の8インチサイズで、当然寸法が大きければ記録面積も大きくなるわけで、同じ記録密度ならより大量のデータを記録できる。
実際5.25インチFDDが普及する前は8インチFDDが広く利用されていた。5.25インチFDDを開発したShugart Associatesですら8インチFDDを手掛けており、1981年のカタログにはSA801(400/800KB: Single Sided)とSA851(800/1,600KB: Double Sided)の2種類の8インチFDDが掲載されていた。
日本でも、たとえばPC-9801が登場した当初は「業務用は8インチ、ホビー向けは5.25インチ」的な発想があったのか、8インチFDDと組み合わせた写真がよく示されていた。
[](https://pc.watch.impress.co.jp/img/pcw/docs/1657/515/html/11_o.jpg.html)
PC-9801
当初、PC-9801向けの業務用ソフト(代表例は管理工学研究所の「松」だろう)は8インチFDでの供給例が多かった。業務向けには320KBの5.25インチ 2Dでは容量的に足りない、という判断もあったのだろう。容量は5.25インチの2HDと同じ1.2MBだった。
ただ5.25インチはFDD/FDともに時間の経過で急速に価格が下がったのに対し、8インチはそこまで需要がなかったためか、FDD/FDともに価格は高止まりし、さらに大きさ的に本体に内蔵できなかったので、FDD内蔵型の機種が登場すると急速にマーケットが縮小した。
1979年には8インチ 2D FDD×1をやはりモニターの横に配したTRS-80 Model IIも発売されたが、やっぱりこれも売れなかった。そんなわけで、一部の特定顧客向けには長く使われた8インチFDDだが、メジャーマーケットからは1980年あたりを境に撤退というか敗退していった感がある
[](https://pc.watch.impress.co.jp/img/pcw/docs/1657/515/html/12_o.jpg.html)
TRS-80 Model II
出典:[2021 Piergiovanna Grossi, File:TRS-80 Model II foto1.jpg](https://commons.wikimedia.org/wiki/File:TRS-80_Model_II_foto1.jpg),[CC BY 4.0](https://creativecommons.org/licenses/by-sa/4.0/deed.en)
こう言っては何だが、8インチ 2Dのほうが5.25インチ 2HDより頑丈、つまり記録が揮発しにくかったように思う。無理に記憶密度を上げなくても記録面積が大きいために容量を確保できたのがその要因であり、そのあたりも業務用で長く使われた一因かもしれない。
この5.25インチを完全ではないにせよ置き換えたのは、3.5インチFDDである。3.5インチFDDはSONYが1980年に開発し、1981年に同社の英文ワープロであるSeries 35 Model 10に初搭載された。
このSeries 35はあまり売れ行きが芳しくなかったが、ここで採用された3.5インチFDDは、1982年のソニーSMC-70や1983年のHP-150(HP 45611A)などに採用されたが、やはりメジャーという意味では1984年にMacintoshに採用されたことだろう。
[](https://pc.watch.impress.co.jp/img/pcw/docs/1657/515/html/13_o.jpg.html)
ソニー「SMC-70」
出典:[2009 Dan Century, File:Sony SMC-70 Micro Computer.jpg](https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Sony_SMC-70_Micro_Computer.jpg),[CC BY 2.0](https://creativecommons.org/licenses/by-sa/2.0/deed.en)
[](https://pc.watch.impress.co.jp/img/pcw/docs/1657/515/html/14_o.jpg.html)
HP-150
出典:[2013 Thomas Schanz, File:HP-HP150II 04.jpg](https://en.wikipedia.org/wiki/File:HP-HP150II_04.jpg),[CC BY 3.0](https://creativecommons.org/licenses/by-sa/3.0/deed.en)
当初は400KB、すぐ後に800KBを追加した(1.4MBへの移行は1989年とちょっと遅い)。ただMacintosh以外の機種にも3.5インチは急速に広まった。
理由の1つは5.25インチよりもFDDが小型に収まるということで、実際たとえば1985年に発売されたPC-9801Uは、従来のPC-9801シリーズから大幅に小型化された。
[](https://pc.watch.impress.co.jp/img/pcw/docs/1657/515/html/15_o.jpg.html)
PC-9801U
[AKIBA PC Hotline! ボクたちが愛した、想い出のレトロパソコン・マイコンたち](https://akiba-pc.watch.impress.co.jp/img/ah/docs/1252/532/html/s0.jpg.html) より引用
IBM-PCシリーズはもう生産が終了しており、IBMから次に出て来たのは1987年のPS/2シリーズになるが、こちらはもう3.5インチに切り替わっている。これに先立ち、互換機メーカーはいち早く3.5インチへの移行を果たしている。
[](https://pc.watch.impress.co.jp/img/pcw/docs/1657/515/html/16_o.jpg.html)
IBM PS/2
出典:[2022 DigitalIceAge, File:IBM PS-2 Model 30 286 front view.jpg](https://en.wikipedia.org/wiki/File:IBM_PS-2_Model_30_286_front_view.jpg),[CC BY 4.0](https://creativecommons.org/licenses/by/4.0/deed.en)
こうして1980年代中旬は、5.25インチと3.5インチの両方が入り乱れる感じとなり、実際この当時パッケージソフトは5.25インチFD版と3.5インチFD版が用意された(中には両方のメディアを梱包したものもあった)。
1985年にソニーが2HDバージョンの3.5インチFDDを開発したことで、容量的にも5.25インチと差がなくなったのだが、ここでちょっと混乱が生じた。5.25インチの場合、PC-9801とIBM-PC、どちらも2DDは640KB、2HDは1.2MBの容量だったのに対し、3.5インチではPC-9801は5.25インチと同じく2DDは640KB、2HDが1.2MBだった。そして、IBM-PCは2DDが720KB、2HDは1.44MBになったため、メディアの互換性がなくなってしまった。これもあって、1.2MB/1.44MB両対応のFDDとかも登場したりした。
機械的強度という意味ではプラスチック製でシャッターが付いている3.5インチFDのほうが若干5.25インチFDよりも強く、かつFDDのほうも3.5インチのほうが小さいということで、1990年に入るともう5.25インチはマイナーな扱いになり、3.5インチのほうが主流になっていたかと思う。
90年代に入ると、後述するCD-ROMが配布メディアとしては一般的になってきたが、CD-ROMは容量こそはるかに大きいものの、書き込みができないのでFDを完全に置き換えるのは無理であった。それもあってCD-ROMとFDは1990年代は共存していた。
ただし90年代に一般的なユーザーが扱うデータ量が増えて1枚のFDでは収まらなくなってくるようになると、FDの有用性が急速に薄れることになる。
## CD(1990年代~2020年代)
[](https://pc.watch.impress.co.jp/img/pcw/docs/1657/515/html/17_o.jpg.html)
CDドライブ
FDDとUSBの間を埋めるような形で登場したのがCD-ROMである。ベースになったのはCD(Compact Disc)で、これはソニーとPhilipsによる共同開発の音楽用メディアとして1982年に登場したが、そもそもCDが音声データをPCM(Pulse Code Modulation)を用いてデータの形で記録できるから、当然音楽以外のデータの記録も可能である。
世界最初のCD-ROMドライブであるPhilipsのCM100(単体だとただのCDプレーヤーだが、別売のCM153というI/Fカードを組み合わせるとCD-ROMドライブになる)は1985年に発売されたが、当時の価格は1,495ドルでちょっと普通のユーザーに手が出る代物ではなかった。
1990年に発売されたWindows 3.0は、単体ではマルチメディア機能(音楽や動画の再生)がなかった。これを補うべく、1991年にWindows 3.0 MME(MultiMedia Extensions)がリリースされたのだが、このWindows 3.0 MMEでCD-ROMの取り扱い機能も追加された。
このWindows 3.0 MMEに併せてCreative Labsが発表したのがSound Blaster Multimedia Kitである。 [こちらの記事](https://pc.watch.impress.co.jp/docs/topic/special/1203443.html) でも触れられているが、Sound Blaster(記事ではPro 2ベースとされているが、それ以前にProベースもあったような気がする)とCD-ROM、接続ケーブルをセットにしてお安い価格で提供するというものだ。
この時のCD-ROMは確か等倍速か2倍速くらいで、Sound Blasterカードに直接接続するというものだったが、とにかくこれでDOSとWindowsでCD-ROMを扱えるようになった。
これを受けて、そのほかのメーカー(Multimedia Kitはソニーとパナソニックというかミツミのドライブのどちらかが同梱されていたように思う)は、価格を下げるとともに速度を向上させるなどの形で次々に製品投入を行なった。
なによりWindows MMEやSound Blaster Multimedia Kitなどが呼び水になり、さまざまなソフトがCD-ROMでの提供を始め、これによりマーケットが広がってユーザーが増えるという好循環が形成され、市場が一気に拡大したことも価格下落の要因に挙げられるだろう。ちなみにこの時に登場したソフトの代表例がMicrosoftの [Encarta](https://twitter.com/Encarta95/status/1361033083676463105) (MicrosoftによるCD-ROMベース百科事典)である。
CD-ROMは別の理由からも普及が必至となった。それはソフトの肥大化に伴うインストールメディアの増大である。MS-DOSのインストールにはFDが3枚、Windows 3.1で6枚、Windows for Workgroupは8枚で済んだが、Windows 95は15枚で、正直FDからのインストールはかなり苦痛だった。
なお、OS/2 2.0は20枚を超えており、もちろんこれをすべて使ったわけではないが、インストールにはかなり時間がかかった。これがCD-ROMを使うと1枚で済み、しかもはるかに高速であった。
このあたりから、OSやアプリケーションのインストールにはCD-ROMを使う、という流れが明確に生まれ、これはDVD-ROMが本格的に普及する2000年頃まで続いた。2000年以降も、1枚のCD-ROMで収まる容量のソフトウェアやデータの配布には引き続きCD-ROMが使われている。
その一方で立ち上がりが遅れたのはCD-RやCD-RWである。要するに1回書き込みが可能なCD-ROM(CD-R)や、複数回の書き込みが可能なCD-ROM(CD-RW)であるが、規格こそ1988年に出たものの、なかなか普及しなかった。
[](https://pc.watch.impress.co.jp/img/pcw/docs/1657/515/html/20_o.jpg.html)
CD-R
当初はCD-ROMのマスタリング用、つまり大量生産するCD-ROMの原板を作るために使われていたが、書き込み速度は1倍(つまり1枚のCD-ROMの容量をフルに使おうとすると書き込みに1時間かかる)な上、ちょっと転送が滞ったりするとそれで書き込みに失敗した。
なので登場当時は、ソニーの1倍速CD-Rドライブの、それもSCSI接続の物を利用し、書き込み中は一切ほかの作業をさせないといった、非常に使い勝手が悪いというか気を使う必要のある代物だった。
このあたりがだいぶ解消されたのは、バッファーアンダーラン対策が施されたドライブが出現してからだ。2000年3月に、 [最初のBURN-Proof対応ドライブが秋葉原に並んだらしい](https://akiba-pc.watch.impress.co.jp/hotline/20000304/burnproof.html) 。この後、さまざまなメーカーがこうしたBurn-Proof対応ドライブをリリースし、当初はちょっと高め(12倍速書き込みで5万円前後)だった価格も、競合製品が多数出ることで比較的穏当な価格に収まった。
ただCD-Rは一度書き込むとそれ以上書き込みができないので、バックアップ用途とかには良いのだが、FDの代わりに受け渡しに使うというにはちょっと不便なケースもあった。
そこで書き換え可能なメディアであるCD-RWが1997年あたりから発売され、CD-Rドライブは大体がこのCD-RWに対応した。なのだが、こちらもあんまり普及することはなかった。
「書き換え可能」というと、まるで記録の一部分だけを書き換えできるように思えるが、実際は全部を真っさらに消去して、改めて書き込めるというだけである。なのでメディア代の節約になるかもしれないが、実際には全消去→全部書き直しということになるので、CD-Rよりも書き込み時間が延びることになった。
またCD-Rは最大で52倍速が、CD-RWは最大32倍速で書き込み時間は2分半、さらに全消去とかファイナライズまで含めると10分弱の書き込み時間がかかった。これは、手軽に書き込んで渡すといった用途にはあまり適したものとは言えなかった。
メディア代も問題だった。CD-RもFDのごとく価格が暴落してゆき、ピーク時には100円ショップで購入できた(ただし100円ショップで売っていたCD-Rメディアは、割と早く経年劣化で読めなくなった)が、CD-RWはそこまで値段が下がらなかった。
それもあって、広く使われたとは言いにくい状況のまま終わることになった。結局CD-RもCD-RWも、DVD-RやDVD-RWが登場するようになると、次第に使われなくなっていったのは当然ではある。
## DVD(1990年代~)
[](https://pc.watch.impress.co.jp/img/pcw/docs/1657/515/html/22_o.jpg.html)
DVDドライブ
さて、1990年代末にはCD-ROMの後継規格というとちょっと語弊があるのだが、より大容量なメディアとしてDVD-ROMがまず登場した。DVDそのものは1996年に標準化が完了してすぐに市場に流通を始めたが、DVD-ROMは最初の標準化が完了したのが1997年12月とやや時間を喰っており、これが影響した感じだ。
ちなみにCD-ROMが元々音楽再生用メディアとして開発されたのに対し、DVD-ROMの元となるDVDは映像再生用メディアとなったこともあり、著作権保護機能やリージョンコードなども盛り込まれたのだが、この辺はDVD-ROMにはあまり関係ないので割愛する。
DVD-ROMはちょっと容量が複雑で、
| 記録層 | 容量 |
| --- | --- |
| 片面1層 | 4.70GB |
| 片面2層 | 8.54GB |
| 両面1層 | 9.40GB |
| 両面2層 | 17.08GB |
という大容量を誇る。片面1層でもCD-ROM 6~7枚分に相当するわけだが、実はこのDVD-ROMが出た頃は、「CD-ROMでは容量が足りない」という事態に陥るケースがしばしば出てきた。
主にゲームであるが、Cyan Worldsが大ヒット作となったMystの続編として1997年にリリースしたRivenは実にCD-ROMが5枚組であった。要するにインタラクティブ性を出すために動画を多用したのだが、当時の事だからGPUでリアルタイムに3Dレンダリングして表示なんぞ能力的に不可能である。
なのであらかじめ作成した動画をCD-ROMから読み出して再生するわけだが、その動画サイズが大きすぎてCD-ROM1枚に収まらなかったのだ。結果、ゲーム中に煩雑にCD-ROMの入れ替えが発生した。
筆者がプレイしたゲームで言えば、Rivenほどの頻度ではないが、1993年にTrilobyteが開発したThe 7th GuestもやっぱりCD-ROMの入れ替えが発生して面倒だった記憶がある。多分この頃の、インタラクティブ系のゲームは多かれ少なかれ同種の状況だったと思う。こうしたことから、特にマルチメディア系ゲームの現場では「より大容量のメディアを」という声は2000年以前から起きていた。
こうした事情があったことと、DVD-ROMドライブはCD-ROMドライブからそれほど大きな価格差がなかったこともあって、比較的スムーズにCD-ROM→DVD-ROMへの移行が進んだ記憶がある。
1999年10月の [Akiba PC Hotline](https://akiba-pc.watch.impress.co.jp/hotline/991030/etc_cdr.html) では、リコーのMP9060(4倍速DVD-ROM)が3万5,800円~3万7,800円と、ややお高めではあるものの、これはむしろ当初から価格が下落する事を嫌い、多機能にすることで値段をそこそこ高値に維持したいというメーカーの意向だったと思われる。実際2003年になると、16倍速のDVD-ROMのバルクが6,000円代で発売されるまでに [価格は下落した](https://akiba-pc.watch.impress.co.jp/hotline/20030222/ni_i_dd.html) 。
2000年代も中頃になると、ゲームだけでなく一般的なアプリケーションとかOSも次第にインストールメディアがCD-ROMからDVD-ROMに切り替わった。
2001年のWindows XPはまだインストールメディアがCD-ROMだったが、2006年のWindows VistaではDVD-ROMになっており、もうこの時点でCD-ROMドライブしかないと詰む状況であり、また後方互換性があったから(DVD-ROMドライブでCD-ROMを利用できた)、CD-ROMをDVD-ROMに置き換えても特に支障は発生しなかったと記憶している。
これに続き、DVD-Rから始まる一連の書き込み可能なシリーズが出たが、こちらは正直自滅に近かった。何が問題って規格が乱立し過ぎたことで、8種類(実質6種類)の規格が存在した。
| メディア | 仕様 | 記録層 |
| --- | --- | --- |
| DVD-R | 1回書き込み可能なDVD-ROM CD-RのDVD版 | 片面1層 |
| DVD+R | 1回書き込み可能なDVD-ROM ファイナライズ処理が要らない | 片面1層 |
| DVD-RW | 複数回書き換え可能なDVD-ROM CD-RWのDVD版 | 片面1層 |
| DVD+RW | 複数回書き換え可能なDVD-ROM ファイナライズ処理が要らない | 片面1層 |
| DVD-R DL | 1回書き込み可能なDVD-ROM CD-RのDVD版 | 片面2層 |
| DVD-R DL | 1回書き込み可能なDVD-ROM ファイナライズ処理が要らない | 片面2層 |
| DVD-RW DL | 複数回書き換え可能なDVD-ROM CD-RWのDVD版 ※存在せず | 片面2層 |
| DVD+RW DL | 複数回書き換え可能なDVD-ROM ファイナライズ処理が要らない ※存在せず | 片面2層 |
ちなみにこのうちDVD-RW DL/DVD+RW DLは標準化の途中でBD-R/BD-REが出てしまったことで、仮に製品化しても需要が見込めないという判断で、製品化が断念されている。
[](https://pc.watch.impress.co.jp/img/pcw/docs/1657/515/html/19_o.jpg.html)
DVD-R
DVD-R/RW/R DLのほうは比較的DVD-ROMドライブとの親和性が高く、ちゃんと書き込んだものが読み出せるのだが、DVD+R/RW/R DLの方は微妙に規格が違う(DVD-R/RW/R DLはDVD Forumが仕様を策定したが、DVD+R/RW/R DLはDVD Allianceが仕様を策定していた)、うまく読み出しできない場合もあった。ちなみにDVD-R DLでも、一部通常のDVD-ROMドライブで読み出せない、なんてケースも。
もっともたとえば [2004年7月3日付の新製品](https://akiba-pc.watch.impress.co.jp/hotline/20040703/newitem.html) に出て来たプレクスターのPX-708A2のように、「8倍速DVD±R/4倍速DVD±RW」対応(DVD-R/RWとDVD+R/RWの両方に対応)なんてドライブもあったから、ほかの人と交換を考えるならともかく自分で使う分にはどちらでもあまり困らない、という感じになっていたかと思う。
ただこういう具合に規格が乱立して勝負がつかない状況だと、市場サイズは大きくなりにくい。個人的な視点で言えば、PC向けのDVD±R/RW/R DLより、HDDレコーダのバックアップ用のほうがマーケットが大きかったのではないかと思うが、こちらはHDDレコーダの種類でバックアップ用メディアがほぼ一択になるので、あれこれ選ぶ余地がなかった。
そして市場が拡大する前に、BD-R/REが登場することになってしまい、正直現状ではどの程度使われているのか良く分からない。ただDVDベースのHDDレコーダがこの世からなくならない限りバックアップ用のDVD±R/RWメディアは必要なわけで、現在でも普通に購入可能である。
## BD(2000年代~)
[](https://pc.watch.impress.co.jp/img/pcw/docs/1657/515/html/23_o.jpg.html)
BDドライブ
さて、このDVDに続いて今度はBlu-Ray Disc(BD)が登場することになる。これもDVDと同じく映像向けであり、720p映像を想定したDVDに対して1080p以上の映像を想定し、容量・転送速度ともにずっとDVDより大きくなっている。
BDそのものは2006年頃からタイトルが出始めており、当初のBD-ROMドライブはこうしたBDの再生に向けたものとなった。このBDのデータ記録版がBD-ROMということになるのだが、DVDと異なりBD-ROMで提供されているアプリケーションとかはあまり聞いたことがない。
XBox One/Series XとかPS4などはBD-ROMドライブを搭載しているが、ゲームそのものをBD-ROMで配布するからというよりは、BDで提供されている映像コンテンツの再生向けと理解している。理由は簡単で、DVDで足りないような容量のコンテンツは、すでにネットワーク配信になってしまったからだ。
2003年にサービスが始まったSteamはその先鞭を付けたものの1つ、とも言えるかもしれない。実際筆者も昔はベンチマークをするために、大量のゲームDVDやらCDやらを所有しており、これを毎回インストールしてベンチマークを走らせていたのだが、SteamになってからはSteamをインストールして、あとはベンチマークに使いたいゲームをダウンロードするだけで済むようになった。
こうなると、「メディアを大量に生産、パッケージングして流通に流す」コストが削減できる分、ゲームメーカーにはありがたい。その代わりCDN(Contents Deliver Network)業者に、ダウンロード量に見合った料金を支払うことになるのだが、売れ行きが悪い=ダウンロード量が少なければそのぶん支払いも減るから、在庫を抱えるリスクを大幅に減らせることになる。
昨今ではほとんどのソフトウェアがダウンロードで入手できるようになっており、もうDVD-Rですら使うケースはレアになってきており、BD-ROMを使うのは本当にDVDなりBDで保有する映像コンテンツの再生の時だけ、という感じになってきた。
そんなわけでCD-ROMからスタートした光学メディアドライブそのものが、最近ではほとんど使われなくなってきた。とはいえ、BD-R/RLに関してはバックアップメディアとしてそれなりに有用である。
BDは仕様上ディスクの多重化(複数枚を重ねる)が可能であり、すでに2層構造のBD DL(Dual Layer)は広く使われている。名前としては3層構造BD TL(Triple Layer)や4層構造のBD QL(Quad Later)もあるが、現実問題として3層以上は見かけたことがなく、一層(SL:Single Layer)と2層しか流通していない気がする(試作品では6層の発表もあったらしい)。
で、BDにも1回書き込み可能なBD-R(Blu-Ray Disc Recordable)と、追記/書き換えが可能なBD-RE(Blu-Ray Disc REwritable)があり、容量はどちらもSLで25GB、DLで50GBとなっている。このBD-R/REであるが、 [Amazonでの価格](https://www.amazon.co.jp/b?node=2151837051&tag=impresswatch-6-22) を見ると、BD-R SLが50枚セットで2,500円未満、BD-R DLが50枚で8,000円弱といったところだった。
[](https://pc.watch.impress.co.jp/img/pcw/docs/1657/515/html/24_o.jpg.html)
BD-Rディスク
それぞれ2,500円/8,000円として、容量単価は2円/GBと3.2円/GBということになる。BD-R DLのほうがちょっとお高めであるが、その代わり枚数がBD-R SLの半分で減る(あと書き込みの手間も半分になる)事を考えると、BD-R DLをバックアップ用に使うのは可能性として十分アリだとは思う。
これ、実はHDDをバックアップに使うよりも考え方としてはお得である。例として [Seagate IronWolf Pro](https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B0D8KQBP3N/impresswatch-6-22/ref=nosim) の価格(昨年調べ)を例に挙げてみる。
[](https://pc.watch.impress.co.jp/img/pcw/docs/1657/515/html/25_o.jpg.html)
Seagate IronWolf Pro
| 容量(TB) | 価格 | 容量単価(GBあたり) |
| --- | --- | --- |
| 2 | 1万9,982円 | 9.99円 |
| 6 | 3万1,282円 | 5.21円 |
| 8 | 4万1,093円 | 5.14円 |
| 10 | 5万554円 | 5.06円 |
| 12 | 5万8,891円 | 4.91円 |
| 14 | 5万3,479円 | 3.82円 |
| 16 | 6万8,980円 | 4.31円 |
| 18 | 7万4,855円 | 4.16円 |
| 20 | 8万2,480円 | 4.12円 |
| 22 | 8万6,764円 | 3.94円 |
| 24 | 9万4,981円 | 3.96円 |
これを見ると、値段のこなれて来た8TBあたりを使ってバックアップするよりもBD-RなりBD-R DLを使ってバックアップを取るほうが単価ははるかに安い(24TB品だと結構いい勝負になってくるが……)。
どの位の頻度でその書き込んだデータを読み出すか次第ではあるが、「普段は使わないけど、なくしたくはない」といった重要データのセカンダリバックアップ用といった用途では、BD-Rは価格的に結構優秀なソリューションであることが分かる。
ちなみにこれをDVD-Rでやった場合、たとえばこちらの [50枚セット](https://www.amazon.co.jp/dp/B006JFH5DK/) が原稿執筆時に961円だったので、まぁ1,000円と考えると1枚あたり20円だが、容量4.7GBだから容量単価は4.26/GBとなり、もうBD-Rに比べると旨味がだいぶ少ない。
もちろんBD-R SLで1TBあたり40枚、DLでも20枚が必要になるから、昨今の大容量HDDのバックアップ用としてはいろいろ不便なのも事実ではあるが、HDDを丸ごとバックアップというのではなく、特定のファイルだけをバックアップしたいといった用途には適切なメディアとして生き残りそうだ。
## USBメモリ(2000年代~)
[](https://pc.watch.impress.co.jp/img/pcw/docs/1657/515/html/26_o.jpg.html)
USBメモリ
現状PC用の外部記録メディアとして一番広く使われているのはUSBメモリまたはUSB Flash Drive(以後は前者で統一)であろう。
これはUSB I/Fの仕ように、Mass Storage Class(MSC)が定義された1998年10月に利用可能になった。実はこれ以前は、USBの先にフラッシュメモリやらHDDやらを付けても、そもそもStorage Deviceとして認識されない。Microsoftで言えば、Windows 2000以降のOS環境で初めて利用可能になった格好だ。
ただ1998年と言えば、もう16MB位のメディアカードが利用可能だった時期であり([AKIBA PC Hotlineの1998年12月26日号 に、Diamond Rio用の16MBカードが掲載されている](https://akiba-pc.watch.impress.co.jp/hotline/981226/newitem.html))、技術的にはすでにこの時点でUSBメモリを開発することは可能だったと思う。
しかし、現実問題としてUSBメモリが最初に市場に出て来たのは2000年の後半あたり。本当に広く製品投入されるようになったのは2002年以降だったように記憶している。主な理由は次の通りだ。
1. **当初はUSBのStorage Class Controllerの単価が安くならなかった**
フラッシュメモリをそのままUSBにつなぐわけにはいかないので、USBのI/FとStorage Classをサポートし、かつフラッシュメモリと接続できるコントローラが必要になるが、これのお値段が当初はなかなか高価だった。こちらは量産に伴い劇的に価格が下落したが、それにはちょっと時間が必要だった。
2. **USB 2.0の登場が待たれていた**
USB 1.1だと最高でも12Mbps、つまり1.5MB/sで、ちょっと遅かった。コントローラの話とも絡むが、どうせコントローラを出すなら480MbpsのUSB 2.0のタイミングで、という機運がこの当時コントローラメーカーにあったようで、結果としてUSB 2.0の標準化とこれをサポートしたホストが出てくるまで製品が遅れることになった。
USB 2.0の対応はIntelで言えばICH4が登場する2002年5月だし、AMDだと自社チップセットで対応したのはAMD-8111の登場する2003年4月、ATI由来のIXP 200も2002年8月までUSB 2.0対応を果たせなかった。
では2000年末~2002年までの間は?というと、 [NECのUSB 2.0ホストコントローラを搭載したカードが2001年3月にすでに出荷されている。](https://akiba-pc.watch.impress.co.jp/hotline/20010331/usb20pci.html) 拡張カードだけでなく、これを搭載したマザーボードなども登場し、こうしたものに接続する形でUSB 2.0が利用できた。もちろんスピードに目を瞑れば、USB 1.1ポートに接続しての利用も可能だったが……。
当初は4MB~64MB位までのラインナップだったように記憶しているUSBメモリだが、次第に大容量の製品が登場していった。2006年にWindows Vistaが登場した時、 [USBメモリを利用したWindows Ready Boostが利用できる](https://pc.watch.impress.co.jp/docs/2007/0226/mobile366.htm) という話で、ベンチマークのためにショップに4GBのUSBメモリ(Windows Vistaでは最大でも4GBまでしか利用できない)を購入しに行ったら、すでに主流は8GBとか16GBになっていて、4GB品は結構少なかった記憶がある。
もう一つ、筆者の記憶で言えばこの2000年後半から、たとえば企業の発表会とか展示会での資料配布が、それまでは紙ベースあるいはCD-Rなどでの配布だったのが、USBメモリに切り替わり始めた時期だったと思う。
容量は256MB~1GB位で決して大容量とは言えないのだが、そういう小容量の配布向けUSBメモリというものが市場に出回り始め、大量にバラ巻くのにはCD-Rとかよりも安くなってきた時代である。
結果、手元に山のように小容量のUSBメモリが集まることになり、結局フリーマーケットとかで無料配布したりする形で片づけることになった。
この後も順調にUSBメモリの容量は増え、またUSB 3.0の登場やこれに対応したUSBメモリの出現で、かなり転送速度なども改善されることになった。もう昨今ではOSのインストールもUSBメモリから行なうのが一般的になっている。
普通に使っている分には何回も書き換えができるし、寸法も小さい。こうなるとPCの外部記録メディアの主流の座を掴んだのは当然である。
昨今はより高速なI/FであるUSB 3.2 Gen 2やUSB4なども出て来ており、これに対応して内部に従来のUSB向けフラッシュメモリの代わりにNVMe M.2 SSDを内蔵したものまで登場、外部接続SSD的に使える製品まで登場している。今のところこれを置き換える「次の外部記録メディア」は見えていない。
## まとめ
とりあえず知っている範囲での変遷を紹介した。まぁ今はUSBメモリ一択であって、そのUSBメモリですらネットワーク経由でのコピーが一般的になった昨今ではあまり使われなくなってきた。実際ネットワーク経由での移動のほうが楽である。
大昔、まだ雑誌の時代は原稿の入稿にFDを使っていた(原稿を収めたFDを編集部に持参したり、たまには取りに来てもらうこともあった)。それがメールベースに切り替わり、今でも小さな原稿はメールを使うことが多いが、重めの原稿だとクラウドサービスを使って編集部に送る形になっている。外部記録メディアはバックアップ用など限られた用途向けになりつつある昨今、もうすぐ「外部記録メディア」という概念すらなくなるのかもしれない。
※ここで掲載し切れなかった記録メディアは「 [番外編](https://pc.watch.impress.co.jp/docs/topic/feature/1657515-2.html) 」で紹介しています。
[PAGE 2](https://pc.watch.impress.co.jp/docs/topic/feature/1657515-2.html)
**ここでは本編の番外編として、メインストリームになり損ねてしまった外部記録メディアについて紹介しています。**
記事目次
1. [デジタルカセット](https://pc.watch.impress.co.jp/docs/topic/feature/#c01)
2. [FDに負けたさまざまな磁気記録型メディア](https://pc.watch.impress.co.jp/docs/topic/feature/#c02)
3. [光磁気記録メディアいろいろ](https://pc.watch.impress.co.jp/docs/topic/feature/#c03)
4. [PDとDVD-RAM、HD DVD](https://pc.watch.impress.co.jp/docs/topic/feature/#c04)
## デジタルカセット
カセットテープのところで書いたように、基本カセットテープI/F(インターフェイス)は極めてアナログ的に利用された。MZ-80シリーズにもいくつかあるが、たとえば1981年4月に発売されたMZ-80Bのケースで言えば、記録速度は2,000bpsと結構高速であった。
さらに、再生/録音/停止/巻き戻しに加え、頭出しまでプログラム側から管理可能だったので、カセットを入れさえすれば後は人間が直接操作しなくても(=再生ボタンを押したり停止ボタンを押したりしなくても)操作できたが、ほとんどのケースは外に接続したカセットデッキを人間が操作する必要があった。
そうしたケースがほとんどの中でティアック(TEAC)が発売した [デジタルカセット](https://twitter.com/ogawa_tter/status/607823992452300800) は、形状こそカセットテープなものの、テープ自体はティアックが提供する独自の物が必要で、記録密度は1,600bpi、記録速度は15ips、転送速度は24,000bpsとかなり高速であった。
【お詫びと訂正】初出時に転送速度を間違って掲載しておりました。お詫びして訂正させていただきます。
このMT-2はNECのCompo BS/80にオプションとして内蔵できたほか、外付けで接続も可能(こちらはPROLINE-100という名称)だった。テープ1本あたりの最大容量は760KBとFD(Floppy Disk)に匹敵するものだった。ちなみに筆者も稼働する実物にお目にかかったことがある。
……と書いたら読者より「Compo BS/80の内蔵ドライブはMT-2ではなく1,200bpsのカセットドライブで、差額は4万円だ」というご指摘をいただいた。どうも記憶違いをしていたらしい。お詫びして訂正したい。
ちなみに筆者が見た稼働する実物は、COMPO 80/BSに外付けで動作しているMT-2ドライブであった。
[](https://pc.watch.impress.co.jp/img/pcw/docs/1657/515/html/29_o.jpg.html)
NEC「Compo BS/80」
そんなMT-2やPROLINE-100だが、普及したとは言い難かった。なにせPROLINE-100の価格は9万5,000円(発売当時)。当初こそFDDよりも安価だったが、すぐにFDDのほうが安価になった。
あとMT-2/PROLINE-100は標準I/Fがなく、CPUバスに直結するという乱暴な構成なので、接続できる機種が限られた。
ちなみにPROLINE-100は6502/6800向けの構成だったので、8080向けとしてPROLINE-200という機種があったという情報もあるのだが、筆者は確認できていない。
MT-2は [ティアックの情報](https://tcs.teac.co.jp/newitem/363) によれば2018年4月に完売したそうだが、マーケットとしては大きなシェアを取ることは一度もないままだったと記憶している。
## FDに負けたさまざまな磁気記録型メディア
FDおよびFDD(Floppy Disk Drive)は比較的改変が容易ということもあって、独自の規格の物が多数存在する。筆者が知っている(≠使ったことがある)だけで4/3.8/3.25/3/2.8/2.5/2インチの寸法の物があり、このうち2.8インチはQuick Diskという名称でシャープのMZシリーズやMSXに採用されていたが、どれも独自規格ということもあって長続きはしなかった。
### 2ED FD
同様に、1.44MB容量の2HD FDの容量を増やす試みも成功しなかった。最初に出て来たのは2.88MBの容量を持つ2ED(Extra high Density)で、3.5インチFDと同じ寸法ながら容量が2倍というものだ。
2EDは1990年頃に発表されたが、 [1997年1月末の秋葉原での調査](https://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/970204/pa_disk.htm) ではまだ3.25インチ 2EDが1枚980円で販売されていたそうだから、この頃まではFDも販売されていたのは間違いない。
ただ肝心のドライブのほうはほとんど流通しなかった。1994年に発売されたThinkPad 755にオプションで2ED FDDが用意されたほか、1990~1993年に発売されていたNeXTstationは、筐体の左側面に2ED FDDが1ドライブ搭載されている。
[](https://pc.watch.impress.co.jp/img/pcw/docs/1657/515/html/67_o.jpg.html)
NeXTstation
出典:[2014 Rama & Musée Bolo, File:NeXT Pizzabox-IMG 7227.jpg](https://en.wikipedia.org/wiki/NeXTstation#/media/File:NeXT_Pizzabox-IMG_7227.jpg),[CC BY 2.0](https://creativecommons.org/licenses/by-sa/2.0/fr/deed.en)
ただ筆者の知っている例はこの程度で、自作マーケットに2ED FDDが流れてくることはなかったし、そのほかのメーカーが積極的に2ED FDDを搭載したという話も聞かない。
### SuperDisk
1996年に、松下寿とImationは共同でLS-120という、その名の通り容量120MBのFDDと対応FDを発売、翌1997年にSuperDiskに改称された。
[](https://pc.watch.impress.co.jp/img/pcw/docs/1657/515/html/51_o.jpg.html)
SuperDisk
このSuperDiskの顛末は [こちらの記事](https://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/yajiuma/1173555.html) に纏まっているので繰り返さない。2000年には容量を240MBに倍増したものも登場した(FDD/FDともに120MBのものとは互換性はない。ただ240MBのFDDで120MBのFDDの読み書きは可能)。
この240MBのFDDには、通常の3.5インチ 2HD FDの容量を32MBに拡大できるという謎の [FD32MBという機能](https://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/20001016/pana.htm) も搭載された。なのだが、そこまでしても確たるシェアを確保するには至らず、消えていってしまった(筆者の家のどこかに、1台だけ120MBのUSB接続のSuperDiskのFDDがあるはずなのだが、発見に至らず)。
### HiFD
1997年にはソニーと富士フイルムが共同でHiFDという名称の200MB FDD(とFD)を [発表](https://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/971014/hifd.htm) するが、製品そのものの市場投入は [2000年までずれ込んだ](https://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/20000120/fuji.htm) 。本体との接続はパラレルポートであった。
[](https://pc.watch.impress.co.jp/img/pcw/docs/1657/515/html/52_o.jpg.html)
HiFD
富士フイルムはこれに加え、スマートメディアとPCカードまで搭載したトリプルドライブであるFinePix Platform HA-700なる製品を3月から [発売予定](https://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/20000201/fuji2.htm) だったが、延期されたのちに理由不明で発売中止になってしまった。
[](https://pc.watch.impress.co.jp/img/pcw/docs/1657/515/html/53_o.jpg.html)
FinePix Platform HA-700
代わりに同年11月5日にZipを搭載した [HA-770](https://k-tai.watch.impress.co.jp/cda/article/news_toppage/1583.html) が発売される。秋葉原の店頭でドライブ150台が販売され、即完売なんて [ニュース](https://akiba-pc.watch.impress.co.jp/hotline/20001228/etc_hifd.html) もあったが、結局HiFDは市場に大量に流れることなく消えてしまった。
[](https://pc.watch.impress.co.jp/img/pcw/docs/1657/515/html/54_o.jpg.html)
FinePix Platform HA-770
### UHC FDD
[](https://pc.watch.impress.co.jp/img/pcw/docs/1657/515/html/55_o.jpg.html)
UHC FDD
同じように消えてしまったものにUHC(Ultra High Capacity) FDDがある。これはミツミ電機とSwan Instrumentsが共同開発した容量120MBの規格で、1996年9月に生産計画が [発表](https://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/960912/uhc.htm) され、1997年春に発売が開始されるという [アナウンス](https://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/961212/huc.htm) もあったのだが、発売されたという話は遂に聞くことがないまま終わったように思う。
発売元になる予定だった亜土電子工業は1999年にCSKの子会社となり、Swan Instrumentsもその後の行方が不明なままである。仮に市場出荷されていたとしてもさほど取れたシェアは大きくなかっただろうし、実際には出荷される前になくなった可能性もある。とりあえず筆者は実物を見たことは一度もない。
### Pro-FD
同じく実物を見たことがないものには、Pro-FDがある。 [TechMonitorの1998年11月15日の記事](https://www.techmonitor.ai/hardware/does_samsumg_have_the_elusive_replacement_floppy) によれば、Samsung Electronicsが発表したそうで、容量は123MBで2HDおよび2DDのFDと互換性がある、という話であるがこれもこの記事だけの話で、サンプルの写真すら見たことがない。
### it Drive
[](https://pc.watch.impress.co.jp/img/pcw/docs/1657/515/html/56_o.jpg.html)
中央にあるのが「it Drive」。左はSuperDisk、右はHiFD
もう一つit Driveもあった。こちらはCaleb Technologyが1997年に発表した製品で、米国ではUHD144という名称で販売されていた。UHDはUltra High Densityの略で、容量は最大144MBである。
こちらも筆者は見たことがないのだが、故元麻布春男氏が [製品比較](https://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/20000823/hot105.htm) と [ベンチマーク](https://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/20000830/hot106.htm) までなさっておられ、あと [こんな記事](https://akiba-pc.watch.impress.co.jp/docs/column/past/1264260.html) や [こんな記事](https://akiba-pc.watch.impress.co.jp/img/ah/docs/1040/248/html/tuhd1441.jpg.html) もあったので、ある程度の数量が流通していたのは間違いなさそうだ。
そんなit Driveであるが、こちらはCaleb Technologyが2002年早々に破産して、そのまま消えてしまった。
ここまでは既存のFDと互換性のある、あるいは互換性はないがFDの延長にあったメディアであるが、まったく違う格好の物もあった。
### SyQuest SQ306
まず最初はSyQuestを紹介したい。同社はShugart氏がShugart Associatesを退職してSeagate Technologyを創業した際の創業メンバーの1人であるSyed Iftikar氏が1981年に創業したメーカーである。
最初の製品であるSyQuest SQ306は容量6MBのリムーバブルメディアである。1982年当時としては、HDDと同等の容量とアクセス速度でありながら、メディアを交換可能という画期的な製品であった。
これに続き、1986年には容量15MBの「SQ319RD」ドライブと「SQ300」カートリッジを、次いで容量44MBの「SQ555」ドライブと「SQ400」カートリッジを発表する。
[](https://pc.watch.impress.co.jp/img/pcw/docs/1657/515/html/57_o.jpg.html)
SQ400
出典:[2006 Arnold Reinhold, File:Syquest44MBcartridge.agr.jpg](https://ja.wikipedia.org/wiki/SyQuest#/media/%E3%83%95%E3%82%A1%E3%82%A4%E3%83%AB:Syquest44MBcartridge.agr.jpg),[CC BY 2.5](https://creativecommons.org/licenses/by/2.5/)
このSyQuestのリムーバブルメディアは、ちょうど1987年にMacintosh IIが発売され、この上でDTP(DeskTop Publishing:コンピュータ画面上で印刷物の生成を行なう)のマーケットが立ち上がったタイミングをうまく掴んだ。
この当時の事だからDTPソフトはAldus PageMakerが唯一のものであるが、さすがに初代Macintoshの512×384pixelではまともに作業するには画面が狭すぎた。
ところがMacintosh IIでは大画面やマルチモニターが利用可能となり、版下までの生成をMacintoshで行なうことが可能になった。それは良いのだが、その版下データは当然かなりの容量になるため、これを印刷所にどう届けるか?という問題が出てきた。
まだインターネットなんぞない時代だし、FDだとウン十枚になる。最終的には版下データを収めたSCSI HDDを、送ると途中で壊れそうなのでハンドキャリーで持っていくとかいう騒ぎになったわけだが、言うまでもなく大きいし重い。
こうした用途に44MBのSQ555/SQ400は非常に適しており、米国におけるDTP向けマーケットのほとんどをSyQuestが抑えることに成功する。
1988年の売上は2,000万ドルだったが、1990年には8,000万ドルまで伸ばした。この1990年に同社はドライブを15万台、カートリッジを70万個売り上げている。1991年には容量を倍増させたSQ5110ドライブとSQ800カートリッジを、1994年には容量200MBのSQ5200CとSQ2000カートリッジをそれぞれ投入する。
### Bernoulli Disk
[](https://pc.watch.impress.co.jp/img/pcw/docs/1657/515/html/58_o.jpg.html)
Bernoulli Disk
出典:[2009 Evil saltine, File:Bernoulli230.jpg](https://ja.wikipedia.org/wiki/Bernoulli%E3%83%87%E3%82%A3%E3%82%B9%E3%82%AF#/media/%E3%83%95%E3%82%A1%E3%82%A4%E3%83%AB:Bernoulli230.jpg),[CC BY 3.0](https://creativecommons.org/licenses/by-sa/3.0/)
ただ1990年が同社のピークであった。というのは後述するIomegaが同じマーケットに参入してきたからで、IomegaのBernoulliドライブがSyQuestのシェアを奪い始める。
また仏Nomai Inc.がSyQuest互換カートリッジの販売を始め、Iomegaは1993年にこの互換カートリッジの取り扱いを始めたことで、両社は本格的に競合することになる。
### Zip
[](https://pc.watch.impress.co.jp/img/pcw/docs/1657/515/html/68_o.jpg.html)
Zip
そのIomegaが1994年に低価格のZipドライブを投入したことを受け、SyQuestは1995年に3.5インチサイズのカートリッジを持つEZ135(容量135MB)をまず投入、その後は容量230MBのEZ230、容量1.5GBのSQ1500、容量1GBながらより低価格なSparQ、最後には容量4.7GBのQuest driveを発表するが、失ったシェアを取り戻すことはできないまま、 [1998年11月3日に破産](https://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/981105/syquest.htm) した。
これに先立ちIftikar氏は1996年に経営悪化の責任を取る形で退任していたが、氏が次に興したのがCastlewood Systemsで、COMDEX/Fall 98では2.2GBのORB Driveというリムーバブルメディアの新製品をデモしていた。
[](https://pc.watch.impress.co.jp/img/pcw/docs/1657/515/html/Photo05_o.jpg.html)
その11月15日から開催されたCOMDEX/Fall 98の会場近くのタクシーには、取り下げが間に合わずに掲載されたSyQuestの広告が。ちなみにRoom N234はドアが閉ざされたままになっていた
[](https://pc.watch.impress.co.jp/img/pcw/docs/1657/515/html/Photo06_o.jpg.html)
COMDEX/Fall 98におけるORB Driveの展示。これはセットトップボックスと組み合わせたという例である
ただ量産に入ったところ、製造工程のトラブルにより製造した35万台のORB Driveのリコールが必要ということが判明、結局製品発売前に会社ごと消えることになってしまった。同社はこれに続き5.7GBの製品も開発中だったが、全部幻と化してしまった。
そのSyQuestを追い詰めたのがIomegaである。1980年創業の同社、元々はBernoulli Diskと、これを利用できるBernoulli Boxを開発していた。
ベルヌーイの法則から取られたこのDisk、要するにヘッドとディスクの間の流速を下げることで、ヘッドがディスクにクラッシュしないという仕組みを持ち込んだことからこの名前が付けられたが、実際にはしばしばクラッシュしたというのがなんともはや。
それでもいろいろトラブルを克服して1984年にはBernoulli Box A220とBernoulli Diskを発売している。容量は5/10/20MBで、当時のHDDの代替を狙ったものだ。
1988年には第2世代製品が登場。こちらはまず20/35/44MBのものがリリースされ、最終的には230MBまで容量を拡大している。
このあたりでSyQuestで追撃の準備が整った格好だが、1992年あたりに市場の飽和もあって業績は再悪化。そこで市場調査を行なったところ、「容量は少なくてもいいから低価格のメディアが必要」という結果が出たそうだ。
これを受け、同社はBernoulli Diskを捨て、まったく新しいメディアとして [Zip](https://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/yajiuma/1022828.html) の登場である。こちらはドライブとメディア、どちらも結構安価でそのわりにアクセスは高速だった。当初リリースされたのは外付けのタイプで、
まずはパラレル、次いでUSB接続であったが、後には3.5インチドライブサイズの内蔵用(接続方法はATAPI)ドライブも登場し、これを組み込んだBTOマシンなども存在した。
SyQuestの製品、あるいはIomegaでもBernoulli Diskはまったくと言っていいほど日本国内では見かけなかったが、Zipは国内でも広く流通した。同社はこれに続き、容量1GB(のちに2GB)のJaz、PC向けのテープドライブであるDitto、超小型ドライブである [Clik!](https://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/990607/iomega.htm)などを相次いで発売。
[](https://pc.watch.impress.co.jp/img/pcw/docs/1657/515/html/69_o.jpg.html)
Clik!
また倒産したSyQuestの資産を丸ごと買収するなど勢いに乗っていたが、USBメモリの登場で急速にシェアを失い、2008年にEMCに買収されて消えることになった。
### MicroDrive
[](https://pc.watch.impress.co.jp/img/pcw/docs/1657/515/html/60_o.jpg.html)
MicroDrive
広義に磁気記録メディアに含まれるものとしては、1999年にIBMが発表した [MicroDrive](https://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/990618/ibm2.htm) も含まれるかもしれない。I/FはCompact Flash Type 2準拠ということで、理論上はそのままCompact Flashの代わりに利用できた。
当初は340MBだったが、その後 [512MB/1GB](https://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/20000621/ibm.htm) 、 [2/4GB](https://pc.watch.impress.co.jp/docs/2003/0826/hitachi.htm) 、 [6GB](https://pc.watch.impress.co.jp/docs/2005/0224/hgst.htm) ときて最終的には [8GB](https://pc.watch.impress.co.jp/docs/2005/0902/hgst.htm) まで容量を伸ばした。
もっともこのMicroDrive、確かに信号こそCompactFlash Type 2互換ながら、中に小型のプラッタが格納さてモーターで駆動しているため、消費電力はCompact Flash Type 2の規定をぶっちぎっており、なので現実問題としてMicroDriveに対応したCompact Flash Type 2対応機器でしか使えない、という非互換性があった。
筆者も(なぜか)所有していたが、まともに動かない機器のほうが多かった。あとHDDだから耐衝撃性にも乏しく、そういう意味でも外部記録メディアというにはちょっと脆弱であり、フラッシュメモリの大容量化に負けて消えてしまった。
## 光磁気記録メディアいろいろ
日本でSyQuestのSQ400とかIomegaのBernoulli Diskが入ってこなかった理由はいくつか考えられるが、すでに光磁気記録メディアが結構流通していたから、というのは1つの要因ではあるだろう。
### MO
[](https://pc.watch.impress.co.jp/img/pcw/docs/1657/515/html/61_o.jpg.html)
MO
その代表格がMO(magneto-optical)ディスクである。いわゆる光磁気ディスクというもので、1990年後半にはエンタープライズ向けに8インチや5.25インチのものが利用されていた(昔はさらに大きいサイズの物もあったらしいのだが、筆者は見たことがない)。
8インチはさすがに廃れてしまったが、5.25インチのディスクはまだAmazonで販売されていたし、ドライブの方もAmazon USで販売されていた。ただこれらはPC向けの外部記録メディアというよりは、企業における重要データのバックアップ用といった位置づけで、あまり一般的とは言えなかった。
一般的なのは3.5インチサイズのもので、まず最初は128MBのものが登場したのだが、これの登場時期が今一つ分からない。Google BooksでPC Magazineのバックナンバーの広告を調べると、1994年1月11日号に初めてMOドライブの広告が掲載された模様だ。
この時は799ドルとちょいお高めであった。日本での流通開始時期は不明だが、多分そう変わらなかったように思う。この後、日本では急速にMOの普及が進む。
[](https://pc.watch.impress.co.jp/img/pcw/docs/1657/515/html/Photo08_o.jpg.html)
探したらジャンク箱の中から出て来た1.3GB MOドライブ。SCSI接続なので、すでに筆者宅では接続できる環境がない(USB SCSI I/F買えばいいのだが)
普及と言ってもドライブ単価はそれなりに高かったからZipに比べるとそんなに多くはなかったが、2年後の1996年3月12日号では230MBのFujitsu DynaMO 230が [$499](https://books.google.co.jp/books?id=9rGvyMX6n8cC&pg=PA173&dq=Fujitsu+MO+Drive&hl=ja&sa=X&ved=2ahUKEwjnneu37MuIAxUee_UHHYJrJG0Q6AF6BAgIEAI#v=onepage&q&f=false) になったとされているなど、ドライブの低価格化も進んでいたから、結構手頃であった。
筆者もバックアップやデータ交換用にMOドライブを多用していた。 [こちらの記事](https://akiba-pc.watch.impress.co.jp/docs/wakiba/find/1040916.html) によれば1999年には日本で高いシェアを誇っていたとあり、実際筆者もこの意見に同意する。
もっとも2000年に入ると先に書いたようにUSBメモリの急速な普及もあって、次第にニーズが減ってきたのも事実である。2000年代後半になるとほぼ新製品が絶えた中、2011年11月にロジテックがWeb販売限定で [1.3GBまでに対応するMOドライブ](https://www.logitec.co.jp/press/2011/1102_03.html) を発売。
これがいよいよ最後か、と思ったらまだニーズがあったようで、2013年にも [640MB対応ドライブ](https://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/603495.html) を発売したが、これがおそらく最後の新製品のドライブの発売と思われる。
### MD
[](https://pc.watch.impress.co.jp/img/pcw/docs/1657/515/html/62_o.jpg.html)
ソニー「DSC-MD1」
もう一つ、普及に至らず消えていったのがMDである。元々は音楽用として1991年に発表され、1992年から製品が市場に出て来た。これはこれで結構便利で、筆者も取材の録音をカセットテープからMDに切り替えたりしたのだが、これはあくまで音楽用の話である。
データ交換用としては1993年にMD DATAという規格(というか、名称)が定められ、1995年頃からドライブやメディアも登場した。外付けタイプ以外に3.5インチドライブベイ内蔵タイプの [MDM-111](https://www.minidisc.wiki/equipment/sony/misc/mdm111-00) も存在した。容量は140MBであるが、実は別にMD DATAでなく音楽用のMDであってもフォーマットし直せばMD DATAとして使えるということで、メディアの入手性はMOに比べるとずっと高かった。
【お詫びと訂正】初出時に「Data MD」としておりましたが、正しくは「MD DATA」となります。お詫びして訂正させていただきます。
ちなみにPCの周辺機器だけでなく、デジタルカメラのストレージとしても検討されており、シャープは1996年のエレクトロニクスショーで [参考展示](https://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/961001/shrapmdc.htm) を行なっているし、ソニーは1997年に [DSC-MD1](https://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/971022/sony.htm) を発表している。
ということでソニーを中心に結構普及に向けて努力はしたのだが、思ったようにはMD DATAは普及しなかった。これは国内だけでなく海外も同じであった。
理由の1つはZipとモロにタイミングがぶつかったことだろう。容量もそう大差なく、価格はZipのほうが安いとあれば、それはMD DATAには苦しい戦いになるのは仕方がない。
実際メリットと言われても、Zip Driveで時々起きていたClick of death(Zip Driveにアクセスに行くと「カンカン」というクリック音が鳴るだけで一切アクセスできなくなる現象。Zip Driveと、その時装着していたカートリッジの両方がお亡くなりになる)がMD DATAでは発生しなかった程度しか思いつかない。
MD陣営もそのまま手をこまねいていたわけではなく、1996年には容量を650MBに増やしたMD DATA2を発表したが、製品化は遅れて1999年11月まで延びることになった。しかもメディアはともかくドライブのほうはビデオカメラであるDCM-M1のみが発売され、PCの周辺機器としてのドライブは発表されなかったため、MD DATAと言いつつ映像記録用としての使われ方のみであった。
ソニーはこの後、MDを改良したHi-MDと呼ばれる規格を2004年に発表、データ用として使うと1GBの記録が可能だったが、先のMOと同じくこの頃には光磁気メディアはUSBメモリなどに駆逐されてしまっており、もうPC用の外部記録メディアとして使われることはなかった。
## PDとDVD-RAM、HD DVD
[](https://pc.watch.impress.co.jp/img/pcw/docs/1657/515/html/63_o.jpg.html)
パナソニック「LF-D101N」。CD、DVD、DVD-RAM、PDに対応する
まずPDからいこう。PDはPhase-change Discの略(Phase-change Dualの略という説もあり)で、相変化を利用した記録メディアであり、松下が1995年に開発した。当初登場した [LF-1002](https://panasonic.jp/p3/c-db/products/LF-1002JB.html) というドライブはSCSI接続で、容量650MBのPDと4倍速CD-ROMドライブの兼用という構成になっていた。
筆者も長らくこのPDは使っており、当時のCD-Rに比べると信頼性が高く書き込みの失敗もなかったが、アクセス速度はお世辞にも高速とは言えなかった(特にランダムアクセスは猛烈に待たされた)。
それでもバックアップ用としては優秀であり、容量も当時のMOに比べると大きいということで、一部のユーザー(含筆者)には支持されたが、それ以上にはシェアが広がらなかったように記憶している。そうこうしている間にMOの容量も追い付いてきて、最後には追い越された格好だ。
[小型のPDドライブ](https://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/970519/matusita.htm) の発売などはあったほか、CD-Rの書き込み機能を追加したドライブも登場したが、PDそのものの容量増加とか高速化といった更新は遂に行なわれないままであった。
### DVD-RAM
[](https://pc.watch.impress.co.jp/img/pcw/docs/1657/515/html/64_o.jpg.html)
パナソニックのDVD-RAM「LM-DB26J」と「LM-DA52J」
その代わりと言っては何だが、1997年に標準化されたのがDVD-RAMである。これはDVD Forumで標準化が完了しており、1997年のV1.0は片面2.6GB、2000年のV2.0は片面4.7GBになって、ほかのDVD±R/RW規格と肩を並べることになった。
ただ制御方式がDVD±R/RWとまったく異なる関係で、通常のDVDドライブなどでは読み出しすら不可能で、DVD-RAMドライブが必要というあたりがこの製品の扱いを難しくした。
PC向けとしては、PDとDVD-RAM(+CD+DVD)を扱える [LF-D101](https://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/yajiuma/1174823.html) が1998年に発売されているが、非常に限られたシェアしか取れなかったのは無理もないところだろう。
### HD DVD
[](https://pc.watch.impress.co.jp/img/pcw/docs/1657/515/html/65_o.jpg.html)
東芝のHD DVDドライブ「SD-L902A」
最後がHD DVDである。これはBDに対抗する形で東芝とNECが立ち上げた規格である。BD対抗なのでこちらも容量は大きく、片面1層で15GB、2層で30GBなほか、Version 2.0では1層あたり17GBにして3層で51GBの容量を持つ規格も標準化された。
またメディアの種類としては以下の4種類が定義されている。
- HD DVD-ROM: 読み取り専用
- HD DVD-R: 1回書き込み可能
- HD DVD-RW: 複数回の書き込み/消去が可能
- HD DVD-RAM: PC向け、複数回の書き込み/消去が可能
また2006年にはXBox 360用の [HD DVDドライブ](https://av.watch.impress.co.jp/docs/20061122/xbox.htm) も発売された。
なのだが、ご存じの通りBDとの標準規格争いに敗れ、2008年に東芝が全面撤退。この時点でメディアとしての命運は絶たれた。実際この時点でHD DVDのドライブは映像の録画/再生用のものしか市販されておらず、PCにつないで書き込みをできるものは皆無だった。
ちなみにXBox 360用のHD DVDドライブはWindows 7では使える(ただし対応する再生ソフトが必要)ということで、結構買ったユーザーはいたと思うが、今となってはDVD-ROMドライブとしてしか使えない。そういう意味でも、PC用の外部記録メディアになる前に終わってしまったメディア、として良いかと思う。
[](https://pc.watch.impress.co.jp/img/pcw/docs/1657/515/html/Photo09_o.jpg.html)
当然筆者も所有している。でももう稼動させられる環境がない
### フラッシュメディア
[](https://pc.watch.impress.co.jp/img/pcw/docs/1657/515/html/66_o.jpg.html)
サンディスクのminiSDカード
いわゆるメモリカードの類で、CF(Compact Flash)/CFExpress、スマートメディア、メモリースティック、xD Picture、SDカード/MMCカード/miniSD/microSDあたりが日本で利用されていた主なところかと思う。
これらはPCの外部記録メディアというよりは、デジカメだったりビデオカメラだったりの記録メディアという意味合いが強く、こちらもさまざまな変遷を経て昨今はSDカードやmicroSDカードが広範に使われている。
このSD Cardの歴史は以前 [こちらに書いた](https://pc.watch.impress.co.jp/docs/topic/feature/1459819.html) し、PCの外部記憶メディアという今回の趣旨からメモリカード類はちょっと外れる気がするので内容は割愛させていただく。