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ソフトバンクは、法人向けイベント「SoftBank World 2025」を開催した。特別講演に登壇したソフトバンクグループ 代表取締役 会長 兼 社長 執行役員の孫正義氏は、AIエージェントが社会のあらゆる側面を根本的に変革すると予測し、同社が取り組む「10億エージェント」の世界などについて話した。

ソフトバンクグループ 代表取締役 会長 兼 社長 執行役員の孫正義氏
AIが作曲・歌唱を手がけるバーチャルバンド「ベルベットサンダー」の音楽に合わせて登場した孫氏は「人間が作ったものと区別できないほどのクオリティー。動画、物語、芸術の世界まで、AIは一気に進化し、近い将来、AIが感情を理解し、自らが感情に相当するようなものを持ち始めると信じている」とAI時代の到来を強調した。
AIの進化については「次の段階としてAIエージェントの時代を迎えている」とし、自然言語で指示を出すだけで複雑なタスクを理解し実行できるようになることを示唆。社内に掲げている「10億エージェント」という目標について説明した。
ソフトバンクグループでは、AIツールを導入するだけでなく、AIエージェントが自律的に思考し、行動し、さらに自己増殖・自己進化することで、企業のあらゆる業務を根本から変革することを目指す。
現在、OpenAIと共にAIインフラストラクチャーを米国内で構築する「Stargate Project」を展開しているほか、2月には、企業向け最先端AIである「クリスタル・インテリジェンス」を発表。AI関連の事業を積極的に推し進める。
孫氏は「Intelの創業者であるGordon Moore(ゴードン・ムーア)氏は『CPUの演算能力は大体18カ月ごとに2倍になる』と予測していた。Stargate Projectは、1回のサイクルで10倍程度チップの数を増やす。これにより1チップ当たりの演算能力は、1回のサイクルで10倍になる。このサイクルを繰り返せば3回目のサイクルで10億倍になる。自転車と新幹線のスピードの差は約20倍。たった20倍の差で全く別の乗り物になり、見える景色も異なる。これが10億倍違うとしたら、想像もできない。常識が変わる」と進化の速度について言及した。

「Stargate Project」

スターゲートの法則
また、登壇前日の夕方に社内で進捗(しんちょく)報告のミーティングがあり、そこで「10億(エージェント)いけそうです」と報告を受けたことも明かした。「報告を受けうれしかった」としながらも「10億本のAIエージェントを作るのは簡単ではない。当初は『社員1人当たり100本のエージェントを作ろう』と思っていたが、それでは甘い。社員1人当たり1000本くらいエージェントをつくらないと足らない」とし、(1)多数のエージェントが協調して動作するための「エージェントOS」、(2)エージェントを容易に作成できる「エージェント生成ツール」、(3)エージェントが自ら子、孫、ひ孫エージェントを生成していく「エージェントの自己増殖・自己進化」――と、達成するための3つのアプローチ方法を紹介した。

1人1000のAIエージェントを持つ時代へ
中でも(3)のエージェントの自己増殖・自己進化については「エージェントは、会議や電話、メールといった日常業務をマルチモーダルで常時モニタリングし、社員が持つプロジェクトのゴールや進捗状況を自動的に把握し、問題点を検出する。検出された問題を解決するため、強化学習(Reinforcement Learning)を活用する」とその中身を説明した。
さらに「エージェントの最先端の使い方は、この強化学習にある。エージェントが自らを進化させ、自らのゴールに向かって思考体系を変えていく。鍵になるのはエージェントに報酬を与えること。ここでいう報酬とはお金ではなく、難題が解けた時に感じる脳の快感に当たる。これらがエージェントの自動生成につながる。これがないと10億はいかない」と戦略を明かす。
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