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> [!NOTE] 目次
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> [!NOTE] リスト掲載用文字列
- [AI時代は哲学専攻ひっぱりだこ? LinkedIn肩書に「倫理」5年で6倍 - 日本経済新聞](https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC04A660U5A101C2000000/)【日本経済新聞社】(2025年12月08日)
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> [!NOTE] この記事の要約(箇条書き)
- 人工知能(AI)の急速な進化に伴い、哲学の重要性が増している。
- ビジネスSNS「LinkedIn」のデータ分析によると、AIスキルと倫理関連のキーワードを持つ人材のうち、哲学専攻者は全体の4.3%に対し、9.9%と突出している。
- AIと倫理に関連するスキルを持つ人材は過去5年で6倍に増加し、IT大手やコンサルティング企業で顕著。
- 米エール大学教授は、AIがもたらす予測不能な未来に既存の価値観では対処できないため、哲学が求められていると説明。
- AIの倫理的判断の例として「トロッコ問題」が挙げられ、AIの判断に透明性と説明責任を与える「AIガバナンス」の視点が必要とされる。
- 著名投資家ピーター・ティール氏は「効果的加速主義」を体現し、技術革新を優先し、一部は民主主義的倫理観がAIの進歩を妨げると考える「暗黒啓蒙」の思想も台頭。
- ドイツのマルクス・ガブリエル教授はこうした動きに警鐘を鳴らし、「倫理資本主義」を提唱、倫理的AI人材育成の新会社を設立。
- AIが自律的に計画を実行する未来において、その根本的な判断は開発者の思想に左右されるため、現世代が未来に責任を持って解決策を実行する必要がある。
> [!NOTE] 要約おわり
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# AI時代は哲学専攻ひっぱりだこ?LinkedIn肩書に「倫理」5年で6倍
超知能 第3部 仕事再定義(1)
[仕事再定義](https://www.nikkei.com/theme/?dw=25120104)
2025年12月8日 2:00[会員限定記事]
[
多様な観点からニュースを考える
加藤雅俊さん他1名の投稿
](https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC04A660U5A101C2000000/#k-think)
【この記事でわかること】
・なぜ今、哲学なのか
・「トロッコ問題をAIが判断」必要な能力
・「開発加速」vs「倫理観」の対立
人工知能(AI)が飛躍的な進化を遂げる「超知能」の時代に、哲学の重みが増している。
取材班はビジネスSNS「リンクトイン」上のデータを分析するツール「オーディエンス」を使い、延べ13億人分の肩書やスキルに関する情報を調べた。明らかになったのは、哲学を専攻した人材が活躍の場を広げているという実態だ。
## AIスキル持つ人、LinkedInの肩書を見てみると…
AIのスキルを持ち、肩書の説明に倫理に関連するキーワードを含んだのは約8万9000人だった。うち9.9%が哲学やその一分野である倫理学などの専門教育を受けていた。こうした学歴を持つ割合がリンクトイン全体では4.3%であることを考慮すると、突出した高さだ。

肩書を使い始めた時期を調べるため400人をランダムに抽出して集計したところ、AIと倫理に関連するスキルを持つ人材は過去5年で6倍に増えていた。IT(情報技術)大手やコンサルティング企業に勤める人々の間で増加が目立った。
なぜ今、哲学なのか。米エール大学心理学部のローリー・アン・ポール教授は「AIがもたらす予測不能な未来に、既存の価値観では対処できなくなりつつあるためだ」と説明する。新たな時代に備え、企業や働き手の間で仕事を再定義する動きが広がる。
## 「トロッコ問題をAIが判断」どんな視点が必要?
AI開発のジレンマを巡る思考実験としては「トロッコ問題」がよく引き合いに出される。暴走するトロッコが線路上で作業する5人の作業員に向かっている。AIがポイントを切り替えれば別の線路に誘導できるが、そこには別の作業員が1人いる。どうするか。

正解はない。求められるのはAIの判断に透明性を与え、説明責任を果たす「AIガバナンス」の視点だ。だが、こうした倫理的な枠組みを抜きにしてでも、技術開発を急がなければならないと考える人々もいる。
米スタンフォード大学で哲学を学んだ著名投資家のピーター・ティール氏は母校での講義録をまとめた2014年の著書で、常識にとらわれない合理的発想で世界を変えるべきだと主張している。米オープンAIに資金支援するなど、AI業界への影響力は絶大だ。
ティール氏は「効果的加速主義」と呼ばれる思想を体現する人物とみなされている。技術革新こそが地球温暖化や貧困、戦争といった文明レベルの課題を解決するという考え方だ。超知能の開発を競うシリコンバレーに浸透しつつある。
## AI巡り「開発加速」と「倫理観」が対立
テクノロジーを信奉する効果的加速主義者の一部は、民主主義に根ざす倫理観がAIの進歩の足手まといであると見なし始めている。より権威主義的な統治形態の下で技術革新を加速させるべきだと説く「暗黒啓蒙」と呼ばれる思想運動も起きている。

ドイツのボン大学のマルクス・ガブリエル教授は、現代の普遍的な価値観を後退させかねない事態に警戒感を強める。同氏が提唱する「倫理資本主義」は道徳的な行動を企業活動の根本に据える。ティール氏については「悪い哲学を学んでいるだけだ」と容赦ない。
「テック企業の中には暗黒啓蒙を支持する人々もいる。対抗する道は、良い哲学で応戦することだ」。ガブリエル氏は自らの思想を実践できる人材を育成する新会社ディープインAIを5月にドイツで立ち上げた。
AIはいずれ与えられた最終的な目標に向けて自ら計画を立て、必要なタスクを自律的に実行するようになると見込まれている。そのとき、AIの根本的な判断を左右するのは開発者の思想にほかならない。
超知能の開発レースは過熱する一方だ。AIがもたらす負のインパクトを過小評価し、暴走する巨大なトロッコを生み出す結果にならないか。未来に責任を持つ現役世代が考え、解決策を行動に移さなければならない。
◇
人知を超える勢いで進化を遂げるAIが、様々なビジネスの現場に浸透し始めた。連載企画「超知能」の第3部「仕事再定義」ではAIが人々の職務を変革し、社会の仕組みを転換しつつある姿を描く。
【関連記事】
- ・[AIガバナンスとは 誤情報や差別リスクを抑制、推進組織に哲学人材も](https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC017AP0R01C25A2000000/)
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- ・[AI超える翻訳を 井口耕二さんが目指す地平、マスク氏ら伝記で脚光](https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA032S20T01C25A1000000/)
- ・[京都会議「AIの舟で人間はどこへ」 哲学とビジネス、白熱の対話](https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUD06AYT0W5A001C2000000/)
[多様な観点からニュースを考える](https://www.nikkei.com/topics/topic_expert_EVP00000)
※掲載される投稿は投稿者個人の見解であり、日本経済新聞社の見解ではありません。
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[加藤雅俊](https://www.nikkei.com/topics/topic_expert_EVP01173)関西学院大学経済学部教授

今後の展望
大学の教育と研究においても倫理教育の重要性は一段と高まっている。学生に対するAI(IT/データ)教育と倫理教育がセットで提供されるだけでなく、研究者に対しても研究および教育に関する倫理研修が義務付けられるようになっている。 いくら能力が高くても、どの世界においても倫理違反は「一発退場」となる時代だ。倫理的素養“だけ”で生きていくことはできないが、倫理的素養がなければ生きていけない時代になったとも言えるだろう。
2025年12月8日 6:55 (2025年12月8日 6:59更新)
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[楠正憲](https://www.nikkei.com/topics/topic_expert_EVP01084)デジタル庁統括官 デジタル社会共通機能担当

ひとこと解説
博士号の肩書として付けるPh.Dは、本来「哲学博士」。日本ではSTEMとデータ人材育成に政策資源が集中してきたが、AI開発競争を支える思想には功利的利他主義など哲学的背景も色濃い。いま社会で起きていることを理解し、AIを使いこなすにも、プログラミングやデータ分析だけでは足りず、倫理、思想、歴史まで含んだ幅広い教養が不可欠になっている。人間の価値判断そのものが技術に組み込まれていく時代に、教養の再評価は静かな希望でもあり、なお備えなければならない現実的な危機でもある。

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