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> [!NOTE] 目次
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> [!NOTE] リスト掲載用文字列
- [「イノベーション」より「信頼性」へ--ITRが読み解く2026年のIT投資](https://japan.zdnet.com/article/35242016/)【ZDNET JAPAN】(2025年12月31日)
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> [!NOTE] この記事の要約(箇条書き)
- ITRが国内企業を対象に実施した「IT投資動向調査2026」によると、IT予算は過去最高水準に達したが、物価高や人件費の増加が実質的な投資量を圧迫している。
- IT戦略上の最重要課題は、これまでの「デジタル技術によるイノベーション創出」から「システムの性能や信頼性の向上」および「サイバー攻撃への対策強化」といった「守り」の姿勢へと変化した。
- IT人材の正社員比率が低下しており、若手の採用難から中途採用や定年後のシニア人材の活用が進んでいる。生成AIの登場も採用抑制に影響している可能性がある。
- IT投資の予算権限は、IT部門だけでなく業務部門や経営企画部門へと分散する傾向にあり、DXやAI活用が全社的な課題となっていることを示す。
- 新規導入の可能性が高い製品・サービスとして、AI関連プラットフォームに加え、AIと連携する「VR/AR/MR」(スマートグラス)が注目されている。
- 2026年のIT投資は、「止まらないシステム」「確実なセキュリティ」「現実的な人員配置」といった、足元固めの「守り」に重点を置く1年になると予測される。
> [!NOTE] 要約おわり
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IT市場調査やコンサルティングを行うアイ・ティ・アール(ITR)は、国内企業を対象とした「IT投資動向調査2026」を発表。それに伴いアナリストによる座談会を実施した。プリンシパル・アナリストの三浦竜樹氏、シニア・アナリストの水野慎也氏、アナリストの村井真人氏が、企業のIT予算が過去最高水準にある現状や2026年におけるIT投資動向などを解説した。
IT投資動向調査は、国内企業を対象に2025年8~9月にかけて実施。IT戦略・IT投資の意思決定に関与する役職者に対して、ウェブサイト経由で回答を呼びかけ、2214人から有効回答を得た。
## IT予算は過去最高も「物価高・人件費増」が圧迫
調査結果によると、IT予算については、47%の企業が増額しており、2026年度も引き続き増えると予想される。水野氏は「増額基調だとは思っているが、実質賃金と同様に、物価も上がっていることから単純増ではない」と現状を述べる。村井氏もユーザー企業で働いていた経験を踏まえ「値上げの影響は、2023年ぐらいから出てきていると思う」とした。

アナリストの村井真人氏
企業のIT予算が前年度と比べてどの程度増減したかを数値化した指標となる「IT投資インデックス」においても4.10となり、日本版SOX法(J-SOX)対応時であった2006年度の3.88を超え、過去最高を記録した。
しかし、こちらも手放しでは喜べないのが実態だ。三浦氏は「名目賃金と実質賃金の話に近い。予算は増えたが、実質的な投資量は増えていない可能性がある」と慎重な見方を崩さない。
この背景にあるのは、ライセンス料の値上げやベンダーにおける人件費の高騰だ。特に人件費はここ5年程度で3~4割増しになるなど、予算を圧迫する。水野氏は、「売り上げに対するIT予算比率とその内訳の経年変化」の図を示し、「IT投資動向調査レポートでは『定常費用を減らし、新規投資していこう』と言い続けているが、新規投資の伸びはわずか。比率も(定常費用)7対(新規投資)3で変わらず、増えた予算の多くが維持管理費の値上げ分に消えている懸念がある」と指摘した。

過去最高値となったIT投資インデックス。落ち込んでいる2009年度はリーマンショック時

業種別に見る、売上げに対するIT予算比率は
## 戦略課題は「イノベーション」から「守り」へ急変
「最重要視するIT戦略上の課題」にも変化が見られた。2025年度で1位だった「デジタル技術によるイノベーション創出」が2026年度は2位に後退し、代わって「システムの性能や信頼性の向上」が前年度の6位から1位に躍り出た。

最重要視するIT戦略上の課題の変化
「これは、近年多発する大規模システム障害や、ランサムウェアの被害が経営リスクとして顕在化し、捨て置けなくなったためだ。ゼロトラストセキュリティへの移行は思った以上に進んでいない」(三浦氏)とし、水野氏も「2025年度もいろいろな被害があったが、完全に投資のテーマとして現れるようになったのが2026年度の特徴」と強調する。
ここでは、2025年度で7位だった「サイバー攻撃への対策強化」も4位に浮上するなど、「守り」をテーマにした戦略課題が伸びてきており、「イノベーション」を重視していた以前から一転、「信頼性」確保へと振れてきている様子が見てとれる。
## 正社員比率が低下、進む「シニア人材」の活用

プリンシパル・アナリストの三浦竜樹氏
深刻さを増しているのが人手不足だ。水野氏は「総従業員数に占めるIT人員比率の経年変化」の図を示し、「企業におけるIT人材の割合は6~7%程度。採用したくても若手が採れず、自然減で正社員比率が下がっている」と分析する。
中でも「製造業」(2.9%→2.5%)、「卸売・小売」(2.7%→2.4%)、「サービス業」(2.7%→2.2%)の業種で正社員比率が減っている背景について、IT人材の給与水準が高騰する中、自社で全てのIT人材を正社員として抱えることへの慎重論が出ていると分析した。「生成AIなどの登場により、コーディングや定型業務が自動化される可能性がある中、採用を抑制し始めた可能性もある」(水野氏)と新たなフェーズに入ったことを指摘する。
こうした中、目立つのがキャリア採用(中途採用)だ。「キャリア採用は、『デジタル戦略遂行のための人材配備策の変化』における『現在実施』の回答率が57%に上り、例年より少し多い。さらに『定年後や再雇用者などのシニア人材の活用』は同15%になっており、定年延長の流れや、若手人材の獲得難への対応策として、経験豊富なシニア層を再雇用する動きが広がっている」(三浦氏)と注目ポイントを挙げる。こうした変化から、企業がIT人材の育成よりも即戦力の確保や外部リソースの活用に重点を移しつつある現状がうかがえる。

新卒/中途・キャリア採用中心が継続
[PAGE 2](https://japan.zdnet.com/article/35242016/2/)
## IT投資の権限は各部門へ分散、注目は「スマートグラス」
一方、水野氏はIT支出から見たIT部門の役割の変化に注目する。2024年度と2025年度では、業務部門や経営企画部門においても「予算権限なし」(0%)が減っており、この状況を「デジタルトランスフォーメーション(DX)やAI活用などのテーマが全社的な課題となり、各部門がそれぞれの領域でIT投資の判断を下すケースが増えている」と指摘する。これは、IT予算をIT部門だけが握るのではなく、さまざまな部門が役割に応じて予算権限を分担し始めていることを示唆しており、「IT部門だけがDXやAIなどを進めていく時代ではない。健全な方向で予算を配分して使い、実務に近いところで意思決定がなされていると思う」とコメントした。

シニア・アナリストの水野慎也氏
IT投資動向調査では、AI関連の製品・サービスに関する導入状況や新規導入の可能性についても言及している。
新規導入の可能性では、「AI/機械学習プラットフォーム」「AI支援開発」「生成AI」が上位を占める。ベスト10の中で三浦氏が注目するのが、5位にランクインした「VR/AR/MR」だ。「スマートグラスはAIと連携させ、音声認識や画像認識をして何かを伝える使い方が注目されているので、(AI関連で注目され)上位に入ってきたと思う」とし、建設や不動産業界における安全管理や観光、金融業界での活用が期待できるとした。

新規導入可能性の上位10製品・サービスの変化
これらの調査結果から、2026年のIT投資は、「止まらないシステム」「確実なセキュリティ」「現実的な人員配置」など「守り」の姿勢が感じられ、足元固めの1年となりそうだ。
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