---
> [!NOTE] 目次
```table-of-contents
title:
minLevel: 0
maxLevel: 0
includeLinks: true
```
---
> [!NOTE] リスト掲載用文字列
- [なぜAI活用は「空回り」で終わる?ガートナーが伝授、能力を引き出す“3つの秘策”](https://www.sbbit.jp/article/cont1/183063)【ビジネス+IT】(2026年03月26日)
---
> [!NOTE] この記事の要約(箇条書き)
- **記事タイトル:** なぜAI活用は「空回り」で終わる?ガートナーが伝授、能力を引き出す“3つの秘策”
- **公開日:** 2026/03/26
- **執筆者:** フリーライター 岡崎 勝己
- ガートナーの林宏典氏が、急速に進化する生成AIのワークプレースでの効果的な活用方法を解説しています。
- 生成AIは、「アプリ組み込み型」「汎用アプリ型」「プラットフォーム型」の3種類に分類されます。
- AIの選択は、売上拡大やコスト削減、独自サービス創出といった最終的な目的に応じて行うべきとされています。
- 記事は、アプリ組み込み型の課題やRAG調整における外部専門家の活用、見極めの重要性についても言及しています。
> [!NOTE] 要約おわり
---
1
いいね!でマイページに保存して見返すことができます。
- [AI・生成AI](https://www.sbbit.jp/genretaglist/175)
|
タグをもっとみる
急速な進化を背景に、企業における生成AIの活用への期待が高まっている。一方で、活用に関する知見が不足していることから、どのように業務に取り入れるべきか悩む企業も少なくない。では、その能力を最大限に引き出すにはどうすればよいのか。ガートナーのディレクター兼アナリストである林宏典氏が、ワークプレースでの活用が見込まれる生成AIと、その進化形であるAIエージェントについて、望ましい導入方法や活用の進め方を解説する。
執筆:

ワークプレイスでAI活用を効果的に行うには
(出典:ガートナー(2025年8月))
**<目次>**
1. [活用すべき生成AI「3種類」](https://www.sbbit.jp/article/cont1/183063#head1)
2. [アプリ組み込み型で難点になる「縛り」とは](https://www.sbbit.jp/article/cont1/183063?page=2#head2)
3. [RAG調整は「外部の専門家頼み」がおすすめのワケ](https://www.sbbit.jp/article/cont1/183063?page=2#head3)
4. [なぜ「見極め」が超重要?](https://www.sbbit.jp/article/cont1/183063?page=3#head4)
### 活用すべき生成AI「3種類」
生成AIの進化は著しく、応用範囲も急拡大している。ただし、その活用はまだ緒に就いたばかりで知見に乏しいこともあり、生成AIをどう業務に取り込むかに悩むデジタル・ワークプレース(DW)リーダーは数多い。
ガートナー ディレクター,アナリストの林宏典氏によると、DWリーダーが導入に関わる生成AIは、3つに分類されるのだという。

ガートナー
ディレクターアナリスト
林 宏典氏
まずは、生成AIが組み込まれた「AIアプリ」のうち、特定用途のアプリに組み込まれた「アプリ組み込み型」、次が、AIアプリのうち、SaaSで提供される幅広いユースケースに対応した「汎用アプリ型」、最後がクラウド・プラットフォームが提供する生成AI機能の「プラットフォーム型」だ。

生成AIの3つの分類
(出典:ガートナー(2025年8月))
これらをどう使い分けるかは、生成AI活用の最終的な狙いから整理できる。売上拡大やコスト削減など、何らかの目的達成を目指すのであれば、標準で何らかの作業を支援できるアプリ組み込み型と汎用アプリ型が、独自サービスの創出を目指すのであれば、自由度が高く、運用を通じてノウハウの蓄積が可能な「プラットフォーム型」が選択肢になるといった具合だ。[イベント・セミナー](https://www.sbbit.jp/eventinfo/detail/88009?ref=relc1tp183063id)
# なぜAI活用は「空回り」で終わる?ガートナーが伝授、能力を引き出す“3つの秘策”(2/3)
### アプリ組み込み型で難点になる「縛り」とは
この3つのうち、アプリ組み込み型はアプリによる機能の制約に注意が必要なのだと林氏は話す。たとえば、Microsoft TeamsやWord、ExcelといったアプリでのMicrosoft 365 Copilotの使い勝手についてガートナーがグローバルで調査したところ、OutlookやWordでは要約や検索、翻訳などの機能で高く評価される一方で、Excelなどではほとんど評価されていなかった。
「アプリ組み込み型の生成AIはアプリ内で動くため利用に乗り出す際のハードルは低い一方で、アプリが縛りとなり思い通りの活用は困難です。活用の効果は限界があることを納得の上で、アンケートや事前の効果分析により、効果が確実に見込める部門や職種を特定し限定的に採用すべきです」(林氏)
一方で、「活用の自由度が高い」と林氏が指摘するのが汎用アプリ型とプラットフォーム型だ。プラットフォーム型は導入や運用で技術的な知見が必要だが、実作業はクラウド・サービス部門に任せることで、汎用アプリ型と同様の手法で活用促進に取り組める。
その際ポイントとなるのが、次の3つだと林氏は話す。
**■1.各部門のユースケースに踏み込み利用機会を増やす。**
生成AIは文書/メールのドラフト作成や翻訳、要約などの活用が広く知られるが、活用を現場に任せた場合には、取り組みはそのレベルで停滞しがちで、生成AIの効果は極めて限定的なものとなると林氏は警鐘を鳴らす。
より大きな成果を狙いに取り組むべきは、部門のユースケースに踏み込んだ活用提案だ。まずは公開データを基に、顧客情報や製造技術動向の収集、プレゼンのドラフト作成、Pythonのコード生成などの用途で、各部門に広く利用を呼び掛ける。その上で自社だけが持つデータを用い、提案承認申請のドラフト作成など、自社業務により踏み込んだ活用を訴えるといった具合である。
「業務に近い範囲まで活用が進むと、現場の生成AIに対する見方が変わります。仕事に直接的に役立つツールであることが理解してもらえて、それが自発的な活用を促します」(林氏)
### RAG調整は「外部の専門家頼み」がおすすめのワケ
**■2.現場のリテラシーのせいにせず、活用の障壁を下げる。**
生成AI活用で参考になるのが、いち早く成功を収めている日清食品の取り組みだ。同社では営業部門を皮切りに活用に着手。プロンプトの書き方などの生成AI研修をまずは実施した上で、効果が見込める業務を洗い出し、プロンプトのテンプレートまで用意することにより、今では52%の月次ユーザー率を達成しているという。
「日清食品では現場の声を基に、プロンプトの改善にも継続的に取り組んでいます。生成AIの利用には一定のスキルが必要です。全社での利用促進に向け、スキル不足の社員をサポートするための何らかの施策が不可欠です」(林氏)
**■3.回答品質の改善を早めるために、社内外の知見者を頼る。**
生成AI活用を進める企業の大半が抱える課題が「AIの回答品質の低さ」だ。その向上に向け鍵を握るのが「高度なプロンプト作成」「検索拡張生成(RAG)の調整」などである。
「日清食品でも40行ものプロンプトを用意することで、初めて使えるレベルの回答が得られるようになったケースもあります」(林氏)
同社でも当初はプロンプト作成に苦労したのだという。その打開に向け外部企業に協力を仰ぎ、作成されたプロンプトを参考に試行錯誤することで記述力を高めてきたと林氏は話す。
RAGの調整に関しては、ポイントが明らかになりつつある。林氏が挙げたのが、目的別の細分化したナレッジ・ベースの整備と、データを最新に保つためのメンテナンスだ。
[](https://www.sbbit.jp/article/image/183063/l_bit202603231700275297.png)
RAGの調整は、目的別のナレッジ・ベースの整備と、そのデータを最新に保つためのメンテナンスがポイントとなる
(出典:ガートナー(2025年8月))
ただし、ナレッジ・ベースに格納するデータの準備は、前処理から埋め込みまでの作業における自由度の高さゆえに、「成功の方程式」がいまだ確立されていない。現実解となるのが、信頼に足るベンダーへの依頼だ。
「RAGの調整には生成AIとデータにまつわる多様な知見や能力が必要です。中でも『生成AI人材』『エンジニアリング・ツールの知識』『データエンジニアリングの知識』『チェンジマネジメントの能力』は必須となります。能力は担当者によっても変わり、成果が出ない場合には、ベンダーの担当者の交代も検討すべきです」(林氏)
# なぜAI活用は「空回り」で終わる?ガートナーが伝授、能力を引き出す“3つの秘策”(3/3)
### なぜ「見極め」が超重要?
生成AIの発展形として「AIエージェント」が注目を集めている。ガートナーではAIエージェントを、「状況を知覚し意思決定を下し、アクションを起こす自律/半自律的ソフトウェア」と定義する。
林氏によると、現状のAIエージェントは自律性の面で十分な能力を備えておらず、また、能力獲得に今後、どれだけ要するかも未知数だという。
ただし、「現状のAIエージェントの実力でも、成果を出せる見込みは十分あります」と林氏は指摘する。AIエージェントはいくつかの種類に分類できるが、そのうち検証すべき対象として林氏が挙げるのが、用意されたエージェントをそのまま利用する「事前構築済みエージェント」と、コーディングを抜きにエージェントの構築が可能な「ノーコード・エージェント・ビルダー」だ。
振り返れば、これまで“ブーム”となったテクノロジーは数多くあったと林氏は指摘した上で、そこで成果を継続的に出せているテクノロジーがある一方で、成果を出せずに廃れていったものも少なくないと話す。このうち後者の共通点として林氏が指摘するのが、テクノロジー主導で多様な課題解決を図る「テクノロジ・ドリブン」のアプローチを採っていることだ。
「テクノロジーには得手不得手があり、不得手にあえて挑んでは失敗も当然です。それは生成AIやAIエージェントでも同様で、活用推進に向けては、得手を生かすための使いどころの見極めが鍵を握ります。そのための戦略実現や業績向上の課題明確化が、活用推進に向けた成功の一番の近道です」(林氏)