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> [!NOTE] 目次
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> [!NOTE] リスト掲載用文字列
- [ソニーは、なぜレコードを捨てなかったのか 7年ぶり新プレーヤー投入の背景](https://www.itmedia.co.jp/business/articles/2603/10/news022.html)【ITmedia ビジネスオンライン】(2026年03月10日)
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> [!NOTE] この記事の要約(箇条書き)
- ソニーは7年ぶりに2機種の新型レコードプレーヤー「PS-LX3BT」と「PS-LX5BT」を発売し、予約数、売れ行きともに好調である。
- 両機種はBluetooth接続に対応し、エントリー層から高音質を求める層まで幅広いターゲットを想定している。
- 日本のアナログレコード生産金額は2025年に80億円を超え、新譜LP盤の売上が増加するなど、世界的にアナログレコード市場が拡大している。
- 人気アーティストがLP盤をデジタルと同時発売するなど、ファンへの重要なツールとしてLP盤を位置付けている。
- 前モデル「PS-LX310BT」が若年層を中心に売上を伸ばし続けたことが、今回の新モデル投入の大きな要因となった。
- ソニーはレコードが下火の時代も「アナログプレーヤーは職人技の塊」という信念と社内のオーディオ愛好家の存在により、販売を継続してきた。
- アナログ回帰は一過性のブームではなく、スマホから離れて音楽に集中する「儀式のような体験」や、LP盤ならではの「モノとしての価値」が支持されていると分析している。
- 今後はヘッドホンからスピーカーへと段階的な音楽体験を提案し、レコードを聴く文化のさらなる定着を目指す。
> [!NOTE] 要約おわり
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## ソニーは、なぜレコードを捨てなかったのか 7年ぶり新プレーヤー投入の背景(1/5 ページ)
» 2026年03月10日 07時00分 公開
\[, ITmedia\]
ソニーは2月14日、7年ぶりとなるレコードプレーヤーの新製品を発売した。詳細な販売数は非公開だったが、予約数は想定を上回り、売れ行き好調だという。しかし、ストリーミング全盛の時代に、なぜソニーはアナログの新製品を投入したのか。商品企画部の三浦愛さんに話を聞いた。
[](https://image.itmedia.co.jp/l/im/business/articles/2603/10/l_kk_sony_03.jpg) ソニーが7年ぶりにレコードプレーヤーを発売(画像はソニー提供、以下同)
今回発売したのは「PS-LX3BT」(ソニーストア販売価格4万700円)と、上位モデルの「PS-LX5BT」(同4万9500円)だ。両機種ともBluetooth接続に対応し、ワイヤレスイヤフォンやスピーカーでも手軽にレコードを楽しめるようにした。
[](https://image.itmedia.co.jp/l/im/business/articles/2603/10/l_kk_sony_01.jpg) 「PS-LX3BT」
[](https://image.itmedia.co.jp/l/im/business/articles/2603/10/l_kk_sony_02.jpg) 「PS-LX5BT」
PS-LX3BTはエントリーモデルとして、レコードをこれから始めたい若い世代や、初めてプレーヤーを購入する層がターゲットだ。一方、上位モデルのPS-LX5BTは、若い頃にレコードに親しみ、再び楽しみたい40~60代や、より高音質なプレーヤーへのステップアップを求める層を想定する。
宣伝ビジュアルも意図的に分け、エントリーモデルはヘッドホンで聴くシーンを前面に出し、上位モデルはアンプとスピーカーによる本格的な環境を訴求した。
国内では上位モデルの売れ行きが好調で、店頭にて2機種を聴き比べた購入者からは、「音の差がはっきり分かる」という声が多く寄せられており、納得した上で上位機種を選ぶ傾向が強いという。
[アナログ回帰の背景](https://www.itmedia.co.jp/business/articles/2603/10/news022_2.html)
[PAGE 2](https://www.itmedia.co.jp/business/articles/2603/10/news022_2.html)
## LP盤の売れ筋も「名盤」から「新譜」に
ソニーがレコードプレーヤーの新商品を発売した背景の一つに、市場の拡大がある。日本レコード協会によると、2025年の国内アナログレコード生産金額は、1988年以来37年ぶりに80億円を超えた。数量・金額ともに5年連続のプラス成長で、この流れは欧米を中心に世界的なトレンドとなっている。
三浦さんは「10年前はLP盤の売り上げランキング上位のほとんどが往年の名盤だった。今は、トップ20のうち名盤は1~2枚で、ほとんどが新譜」と指摘する。海外に目を向けると、テイラー・スウィフトやレディー・ガガなど、人気アーティストがLP盤を積極的に発売するようになり、購買層の若年化も後押ししている。
[](https://image.itmedia.co.jp/l/im/business/articles/2603/10/l_kk_sony_04.jpg) アナログレコード市場も拡大傾向にある
アーティスト側の意識の変化もあるという。数年前までは、デジタル版の数カ月後にLP盤を出すのが一般的だったが、現在はほとんどのアーティストが同時発売に切り替えている。「アーティスト側がLPをおまけではなく、ファンに思いを届ける大事なツールとして捉えるようになっている」(三浦さん)
こうした市場環境の変化に加え、新モデルの開発を後押ししたのが前モデル(PS-LX310BT、希望小売価格4万2900円)の異例ともいえる売れ方だった。
[](https://image.itmedia.co.jp/l/im/business/articles/2603/10/l_kk_sony_06.jpg) 前モデル「PS-LX310BT」
通常、ホームオーディオ製品は発売直後に売り上げのピークを迎え、その後は緩やかに下降する。しかし前モデルは年を追うごとに伸び続け、購買層もZ世代を中心に若年層へ広がっていた。
実際、ソニーの2024年度におけるレコードプレーヤー売上高は、2019年比で約2倍に伸び、2025年度も計画比を上振れる見込みで推移するなど好調だ。1機種では需要をカバーしきれないと判断し、ターゲットを分けた2機種の投入に至った。
[レコード不振を耐えた理由](https://www.itmedia.co.jp/business/articles/2603/10/news022_3.html)
[PAGE 3](https://www.itmedia.co.jp/business/articles/2603/10/news022_3.html)
## レコード不振でも販売を続けた「オーディオ魂」
ソニーがレコードプレーヤーを手がけてきた歴史は、半世紀以上に及ぶ。その間、同社はCDやハイレゾなどデジタル化を推し進めてきたわけだが、レコードが下火になった”不遇の時代”が続いても、プレーヤーの販売は絶やさなかった。なぜ、撤退しなかったのか。
その理由を三浦さんは「アナログプレーヤーは職人技の塊(かたまり)。溝を正確にトレースするための技術やノウハウが詰まっている。一度やめてしまうと、二度と戻れない」と語る。ソニー社内にも「仕事を超えた、心からオーディオが好きな人たち」が在籍しており、1機種でも続けようという信念が途絶えなかったという。
[](https://image.itmedia.co.jp/l/im/business/articles/2603/10/l_kk_sony_08.jpg) ソニーはレコードが下火の時代も販売を絶やさなかった
とはいえ、今回の新機種の開発に際しては、社内に懐疑的な声もあった。「アナログは終わったメディアではないか」という意見も挙がったが、人気アーティストがLP盤を同時発売する動きや、アナログ回帰を示すトレンドなど、客観的なデータを一つ一つ示すことで理解を得た。
技術面でも進化を遂げている。新モデルでは、振動を抑えるためのシミュレーションを繰り返し、筐体(きょうたい)内部の構造を最適化した。レコードの溝をいかに正確に読み取るかが音質の肝であり、そのために振動を抑える設計が重要となる。
[「一過性のブームではない」](https://www.itmedia.co.jp/business/articles/2603/10/news022_4.html)
[PAGE 4](https://www.itmedia.co.jp/business/articles/2603/10/news022_4.html)
## 「一過性のブームではない」と考える理由
アナログ回帰は、一過性のブームなのか。三浦さんはそうは考えていない。数年前に実施したユーザーインタビューで聞いた、とある若年層ユーザーの音楽の楽しみ方から確信を得たという。
テレビを消し、スマートフォンも手放し、音楽だけに集中する――。土曜の朝や就寝前の深夜に、自分だけの空間で音楽を楽しむ。「ながら聴き」ではなく、音楽と真剣に向き合う時間として位置付けるユーザーが多かったという。「QOL(クオリティ・オブ・ライフ)を上げるための儀式のようなものとして、音楽を楽しむ時間をつくっていた」(三浦さん)
[](https://image.itmedia.co.jp/l/im/business/articles/2603/10/l_kk_sony_05.jpg) 一過性のブームではない?
アーティスト側も、LP盤には歌詞を手書きで記したり、写真集を封入したりと、デジタルでは届けられない体験を盛り込んでいる。ユーザーからは「アーティストの思いに直接触れられる」という声も寄せられており、モノとしてのレコードが持つ価値は、ストリーミングとは別の軸で広がりを見せている。
アナログ回帰の動きは、レコードに限った話ではない。例えば、カメラの分野でも富士フイルムの「チェキ」や「写ルンです」が若年層を中心に支持を広げ、長期的な成長を続けている。デジタル全盛だからこそ、手間をかけて楽しむ体験に価値を見いだす消費者が業界を問わず増えているようだ。
[市場拡大する中、課題も](https://www.itmedia.co.jp/business/articles/2603/10/news022_5.html)
[PAGE 5](https://www.itmedia.co.jp/business/articles/2603/10/news022_5.html)
## レコードを聴く体験をいかに引き上げるか
レコード市場が広がりを見せる一方、課題もある。ユーザーの音楽体験を、いかにもう一段引き上げるかという点だ。三浦さんによると、ヘッドフォンとスピーカーでは、音楽体験が根本的に異なり、スピーカーから流れる音は「聴く」というより「浴びる」という感覚だという。
[](https://image.itmedia.co.jp/l/im/business/articles/2603/10/l_kk_sony_07.jpg) まずはヘッドホンから段階的な体験を提案
しかし、その体験にたどり着くには、アンプとスピーカーをそろえる経済的なハードルや、置き場所の問題などもあり、踏み出せないユーザーが少なくない。若年層のさらなる拡大も含め、まずはヘッドフォンで気軽に楽しんでもらい、やがてスピーカーへとステップアップしてほしいと、同社は段階的に体験が広がるシナリオを描く。
「今回の2機種で、1人でも多くの人にレコードを聴く体験を届けたい。その中で反響をいただければ、次の展開も考えたい」と三浦さんは語る。アナログだからこそ得られる体験が、新たな文化として根付き始めているようだ。
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