2015年2月17日 田屋裕之・中山正樹 (要旨) 情報処理技術と通信ネットワーク技術の発展と融合によって、1990年代に先進各国では相次いで電子図書館事業に取組み、日本も早い時期から資料デジタル化及びその発信に着手してきた。日本において率先してデジタル化事業に着手し、国内をリードしてきた国立国会図書館の取組みを中心に、日本での電子図書館と資料デジタル化の歴史的沿革と特色、また現在取り組んでいる事業を紹介する。さらに資料のデジタル化は既存の図書館の枠を超えて広がりを見せている。文化財保存のためのデジタル化の意義、MLA連携や、日中韓連携、各種サービスを融合するトータルな提供システム等、将来計画についても言及する。 # 1 目次 ```table-of-contents title: minLevel: 0 maxLevel: 0 includeLinks: true ``` # 2 自己紹介 ## 2.1 私のバックグラウンド 電子工学→民間システム→政府機関のソフトウェアの生産工業化→国全体の情報資源の保存と提供 一貫してシステム屋であり、図書館屋ではなく、ごく一般の図書館利用者 ルーティンワークを効率化して、人は知識・教養・感性を得て、より創造的な行動に ~~~~ 図書館システムは、世の中の情報システムのアプリケーション分野の一つ。基本は効率化と戦略的なシステムの活用が重要 ~~~~ 略歴 1975年、電子機器メーカーに入社【民間】 > 業務効率化システムの設計を担当。 1986年に情報処理振興機構(IPA)に入社【行政府所管】 > ソフトウェア生産効率化事業→㈱シグマシステム【第3セクター】 > > 現在の国立国会図書館(NDL)の電子図書館事業の原型であるパイロット電子図書館プロジェクト、総合目録ネットワーク等の開発及び運用を担当。 > > 情報セキュリティ対策業務 2002年、NDLに入館【立法府】 > 電子図書館事業の企画立案、デジタルアーカイブポータル及びデジタルアーカイブの構築、現在の図書館サービスシステムの構築口運用を管理 > > 2011年10月~2014年3月、電子情報部長として、資料のデジタル化、デジタル著作物の収集・提供、国立国会図書館サーチを中核とした関係機関と連携した電子情報サービスの企画・構築・運用、東日本大震災アーカイプの構築事業を統括. > > また、CIO(情報化統括責任者)として、次世代図書館サービスの構築に向けたシステム最適化計画を策定 > > 2014年4月から、専門調査員、総務部司書監(情報化担当) # 3 はじめに 私は、情報処理振興事業協会(現 情報処理推進機構(IPA))に在籍中の1995年からパイロット電子図書館プロジェクトに関わり、2002年から国立国会図書館(以下、NDL)において電子図書館事業、情報システム関連事業に従事してきました。  2014年は、NDLでの電子図書館サービスの構築に着手して20年を経過したところであり、事業を担当してきた立場から今までの歩みを振り返るとともに、デジタル情報化時代が本格化する中で、これまでの経験を踏まえた私見として、図書館サービスシステムの今後の方向性について考察します。 2014年は、当館での電子図書館サービスの構築に着手して20年を経過したところであり、今までの歩みを4つのステージに分けて振り返るとともに、デジタル情報化時代が本格化する中で、今後の活動の方向性についてについて考察します。 ## 3.1 はじめに(詳細) 国立国会図書館(NDL)は、「電子図書館中期計画2004(以下、「中期計画」という。)」(2004年2月)を策定し、目標を設定した。 中期計画が示す電子図書館サービスの目標は、デジタルコンテンツを広汎な利用者に提供するために、NDLが国のデジタルアーカイブの重要な拠点となるということ、また国内外の多様な利用者層の需要に応じ、日本のデジタル情報全体へのナビゲーションを行う総合サイトを構築することである。 策定以来、目標の達成に向けて、様々な課題の提起と、課題解決のための方策の検討、関係機関の協力を経て、一歩ずつ実現に向けて行動してきた。 この間、国の施策、社会での表現、事業の括りは、微妙に変化しているが、大きな施策としての方向性は変わっておらず、確実に進んできたと認識している。この10年間の実績により、NDLのアーカイブの提供を含めて、MLA等の各アーカイブ機関と合わせて、国としてのアーカイブを構築し、保有しているコンテンツへのナビゲーションサービスの道筋ができた。この間の活動成果により、NDLは、国の文化的資産の保存と利活用を促進するための中核的な役割が期待されるようになった。 今後は、ナショナルアーカイブとして、各機関が保有しているコンテンツを国全体のアーカイブとして保存し、かつ見つけやすくするとともに、アーカイブ内の知識を利活用した新たな知識が創造される環境の整備と、目的に応じた知識が自由に利用できるようにすることにより、創造された知識がアーカイブされ、より豊かな知識として循環し共有化が進むようにする。 そのような施策の1つとして、「デジタル文化資産の「保存・活用」の基盤の整備」がある。 電子書籍関連の利活用の促進に関する議論と、文化財、ポップカルチャーに関する保存と利活用に関する機論が進み、国としての文化的資産の保存と活用基盤の概念と構築のフレームワークが見えてきた。その概念は、NDLの中期計画に基づいて進めてきたアーカイブ構築の発展形として考えられる。2020年東京オリンピックの開催の時点での実現を目指すアーカイブのフレームワークとサービスを想定する。 # 4 電子図書館20年の歩み【概要】 ![[Untitled 29.png|Untitled 29.png]] ![[Config/Extra/Untitled 1 9.png|Untitled 1 9.png]] この後の細かい話しの前提として、電子図書館に関連する構想とサービスの変遷をイメージしておいていただくための図 横軸が時系列 # 5 コミュニケーションの保存を振り返る ## 5.1 記録における時間と空間への広がり 人間の知的な活動は、記録されることで歴史性と社会性を獲得する。 人間は知的な営為を行い、また豊かな感情をもって社会生活を営んでいるが、それは関係する人々の記憶に束の間の時間だけ残されるが、記憶は時と共に風化し、消えていく。人々は、自分たちの記憶が消えないように、記録する手段を発明した。文字と、それを記録する媒体と。人間の文化や文明は、人間の精神的な活動が支えるが、その多くは文字によって記録され、継承され、伝播する。 文字は、言葉であるが、何かの物理的な媒体に固定されることで、定着し、歴史を越えたものとなる。固定させる対象は、石でも、貝殻でも、植物でも動物の一部でもよい。西洋では、粘土版、パピルス、羊皮紙(パーチメント)を使ったが、日本では、紙の前には竹簡、木簡などが用いられた。しかし、洋の東西を問わず、紙が発明されてからは、軽く、強く、扱いやすい紙が、情報を蓄積するのにもっとも適しており、1000年以上に亘って紙がつかわれることになる。 言葉を物理的な媒体に記録することで、時間性を得ると共に、言葉は空間的な広がりをもつ。言葉に表されたメッセージは、何かに記録されない限り、声の届く範囲にしか届かない。しかし、一度紙なり、物理的な媒体に固定されると、数千キロ離れたところにも、届けることができる。しかし、それでもオリジナルは1点であり、それを見ることのできる人は限られている。 メッセージは記録されることで歴史性と社会性を獲得し、印刷物は、同じものを複数・容易に作ることを可能にすることで、記録されたメッセージの伝播を加速させる。デジタル化は、複製の今日的形態と言える。 ## 5.2 日本における印刷の嚆矢 印刷は、デジタル化に先立つ記録の複製であり、紙と印刷術の歴史については、東洋は西洋に先んじている。 紙については、中国後漢の蔡倫が2世紀の初めに発明し、中国の4大発明の一つとして数えられている。他に、羅針盤、火薬、印刷術とあり、いずれも後世の西洋に大きい影響を与えたものと言われているが、印刷術については、歴史上年代のはっきりした印刷物で最古のものは、日本に存在し、国立国会図書館もその一部分を所蔵している。 「百万塔陀羅尼(ひゃくまんとうだらに)」 は770年に刊行された制作年代が明確な世界最古の印刷物とされている。4種の仏典のお経を印刷し、それぞれを百万基の小塔に納め法隆寺をはじめとする十大寺に分奉したといわれる。 [http://www.ndl.go.jp/exhibit/50/html/catalog/c002-002-l.html](http://www.ndl.go.jp/exhibit/50/html/catalog/c002-002-l.html) [http://www.ndl.go.jp/exhibit/50/html/catalog/c002-001-m.html](http://www.ndl.go.jp/exhibit/50/html/catalog/c002-001-m.html) お経という知恵のメッセージを大量に複製し、広く頒布するために印刷という手段が発案されたわけである。 ## 5.3 デジタル化 デジタル化は、ごく近年の技術であるように感じられるが、実は電気通信の歴史ではそれなりに古い技術に属する。19世紀の前半に電話、電信に関するさまざまな発明、発見、改良が続くが、ファクリミリもその一連の発明に含まれ、基本原理は今日のデジタル化と大きく変わるものではない。送信側(読み取り側)で二次元情報を線または点に分解し読み取り、信号処理をして、受信側(再生側)で信号を復調して画像を復元する。19世紀の前半にはハムステッドのFrederick Collier Bakewellの発明・特許によるファクリミリが存在し、円筒に巻いた図をスキャンしながら信号を送るという原理で、手書き文書の送信ができた。Image telegraphと呼ばれ、現在のファクシミリの原型である。 [http://www.ndl.go.jp/exposition/data/R/573r.html](http://www.ndl.go.jp/exposition/data/R/573r.html) ファクリミリが商用で使われるようになるのは、20世紀のマスコミュニケーションの発展に伴ってであり、その後改良が進む。日本においては、1929年に丹羽保次郎と小林正次が独自方式の写真電送装置を発明し、昭和天皇の即位式の写真をいち早く新聞に掲載し、読者に届けている。この発明で丹羽保次郎は、日本の十大発明家の一人に名を連ねている。[http://www.jpo.go.jp/seido/rekishi/pdf/09niwa.pdf](http://www.jpo.go.jp/seido/rekishi/pdf/09niwa.pdf) また、日本語に使用する文字が数千種類の文字種をもち、欧米語と比較して言語の機械処理が容易ではなかったこともあり、日本では、文字や文字の書かれた原稿をファクリミリで送信する画像通信が、欧米以上に広く行われることとなった。その後、電子図書館の開始においても、画像デジタル情報がテキスト情報に先行する一つの理由でもある。 # 6 インターネット文化でのデジタル化の意義 ## 6.1 共通のコンセンサスを目指して 知識や情報の発生と流通、継承は、それを作成する著者が存在し、頒布を行う出版者等があり、アーカイブする図書館等の機関があって成り立つ。著者も、最大の情報の利用者という立場をもっており、社会的な共通の基盤としてのアーカイブの必要性は、著者や出版者にも、理解されることと思われる。 しかし、一方とりわけ近年刊行の著作物についてはデジタル時代の特性を生かした制度の整備ができているわけではなく、著作物の取扱いをめぐって共通ルールがあるわけではない。安定的したデジタルアーカイブの運営と発展にとっては、権利者にも協力・参加していただける制度の確立が必要である。関係者の共通のコンセンサスを確立し、明確で簡素で制度の確立が望まれるところである。 ## 6.2 知識の断片化と浮遊 今日、技術進展によって、文化の構造が急速に変化しているように見える。 インターネットの普及や、携帯電話などによる情報の迅速で簡易な伝達によって、生活は便利になり、地球は狭くなっている。インターネットも、ブログ、FACEBOOK、Twitterといったより簡便で双方向性の強い新たな手段が、次々に誕生し、インターネットの地図を塗り替えつつある。 そのようなインターネット文化にあって、資料デジタル化は技術を活用しつつも、かなり違った側面がある。 世界はより早く情報が行きかい、情報は断片化し、細分化された知識や情報の断片が際限のないネット上の空間に散らばっていく傾向がある。また、情報や知識の根拠や信頼性も見失われ、放っておくと意味を失った断片が膨大な情報空間の中に漂うことにもなりかねない。実はデジタルアーカイブは、断片化する情報や知識を統合し、空間的に広がる情報に時間軸も与え、ネット空間に意味や信頼性の基盤を作る試みでもある。 ## 6.3 公共的基盤として 文化は、長い歴史によって培われ、根付き、浸透し、継続し、発展する。文化的所産の多くは、文字による記録や文化的遺産の中に表現されているものである。われわれはこれからも文化を維持し、継承していくわけであるが、過去からの豊富な知識や、膨大な遺産を抜きに、文化を豊かにしてゆくことはできない。 ここでは、デジタル化の日本における経験と実践について論じたが、どの国においてもそのような状況は同じである。文化を記録し、正確に伝え、将来に引き継ぐこと。デジタル化の目的は、これまでの伝達と記録に関する発展の長い道のりにつづくものである。インターネットの環境の中で、文化の継承と保存は、デジタル化とデジタルアーカイブによって新しい意味と役割を獲得しつつある。 デジタル化した資料が、社会にとって共通の公共的な社会基盤として存在することの意義は大きい。それを物理的なインフラである水道に例えることもできよう。健康な社会にとって、良質の水が安全に供給されることの意義は大きい。各家庭やオフィスで、水道の蛇口をひねれば、いつでも安全な水を飲むことができるように、知識・情報社会にとって必要な公共的な知的基盤の役割を果たすこと、そのために取り組むことが我々の役割であるように思われる。 # 7 日本における大規模デジタル化の端緒 デジタル化が印刷術によるコミュニケーションの変革や、ファクリミリによる電気通信技術の延長上に存在するとしても、今日におけるデジタル化はコンピュータと高度情報通信技術が発展した1980年代以降の技術発展、とりわけ1990年代に始まるインターネットの急速な発展を背景に語られるべきである。 この流れは、20世紀後半から世界の先進国においてほぼ同時に、相互に影響を与えながら、渦を巻くように猛烈に進んできた。日本の場合、とりわけ国立国会図書館が中心となって進めてきた資料デジタル化と、電子図書館に関する動きを概観する。 ## 7.1 21世紀型図書館としての関西館 他の多くの先進的な図書館同様、電子技術と情報通信ネットワークが急速に発展し社会的コミュニケーションの枠組みが変わり始めた1980年代から、日本でも資料のデジタル化に向かい合ってきた。 1988年、国立国会図書館は歴史的文化遺産の多く残る関西地区に新たな大規模図書館(関西館)を設置する構想を取りまとめた。その構想では関西館は最先端の技術を十分に活用した情報処理センター機能を有することとした。1その後、1992年、21世紀初頭に関西学術文化研究都市の京都府側の一角に国立国会図書館関西館を設置することとし、具体的な構想を取りまとめたところから、事態は大きく動くことになる。2 国立国会図書館関西館ではその基本機能を情報発信拠点とし、中でも電子文献提供サービスをその中心軸に据えた。具体的には、日本国内の雑誌論文を中心に本文情報を画像情報としてデジタル化し、オンラインによる電子文献提供サービスを行うことを、中心の機能に掲げた。ただし、この時点ではサービス提供方法は、一般家庭等へのネットワーク伝送に先立ち、画像データベースからのファクシミリ出力・通信であった。 # 8 【概要】国立国会図書館における電子図書館の発展の概要 > 1980年代から、海外の多くの先進的な図書館同様、日本でも電子図書館事業に取り組んできました。NDLは1992年、21世紀初頭に関西学術文化研究都市の一画に関西館を設置するために、具体的な構想を取りまとめました。関西館の予定する機能が、電子図書館的な機能であったこと、また国の産業構造審議会情報産業部会が公共部門の情報化を積極的に進めるべきとの提案を行ったことで、1994年に我が国で最初の大規模な電子図書館の実証実験プロジェクトを実施することとなりました。その後、2002年から本格的なサービスとして離陸し発展させて、現在に至っています。 国立国会図書館の電子図書館事業は、ここに述べた1994年のパイロット電子図書館事業からスタートし、次の4つの主な画期において、発展してきた。資料のデジタル化も、電子図書館事業の発展と軌を一にしてきている。 当館では、1990年代に始まるインターネットの急速な発展を背景に、1994年に我が国で最初の電子図書館の実証実験プロジェクトを開始し、2002年から本格的なサービスとして離陸し発展させて、現在に至っています。 - 第1ステージ【1994~1998】 揺籃期 - 計画策定と実証実験 - 第2ステージ【1998~2002】 始動期 - 組織整備、コンテンツ作成開始、システム構築 - 第3ステージ【2002~2009】 サービス離陸期 - 専管的な部署(関西館電子図書館課)の設置 - 各種サービスの提供 - 第4ステージ【2009~2012】 発展期 - 国内外における各種連携・協力 - コンテンツの質・量・種類の拡充 - 第5ステージ【2012~2014】 総括と再始動期、見直し期 - 将来構想、使命・目標設定 - リニューアル総括、次期最適化計画 - 基本問題検討 - 第6ステージ【2015~2024】 本格的なデジタル情報の普及期、サービスの変革期 - 2020年東京オリンピック開催時期から数年のサービスを見据えて ## 8.1 第1ステージ【1994~1998】‐揺籃期‐ > NDLは、1994年1月、通商産業省(現 経済産業省)の高度情報化プロジェクト事業の一環で、情報処理振興事業協会と協力して、パイロット電子図書館プロジェクトを開始しました。このプロジェクトの目的は、21世紀の高度情報社会において、地球規模の知的財産を誰でも容易に利用できるように、広く分散して個々に収集・蓄積されている知的資源を、空間的・時間的制約を越えてアクセス可能とする環境を提供するというものです。 > ①総合目録ネットワークプロジェクト >  NDLを含む都道府県立・政令指定都市立の58館の公共図書館がこのプロジェクトに参加し、約1,400万件の書誌データを蓄積しました。 > ②電子図書館実証実験プロジェクト >  NDL所蔵の貴重書、明治期刊行図書、国内刊行雑誌、出版社から提供を受けた資料等約1,000万ページ(CD-ROM約2000枚相当)をデジタル化しました。そのコンテンツを利用して、効率的な検索・利用方法、ユーザインタフェース、電子化データの高度利用、効果的な電子図書館の構築支援の手法等について実証実験を行いました。 >  これらの成果であるシステムおよびデジタル化コンテンツは、その後の電子図書館サービスに引き継がれています。 この時期は、電子図書館の実施に向けた計画策定と実証実験の時期であった。パイロット電子図書館実証実験事業等による技術課題の検証、電子図書館推進会議による報告書の作成を踏まえ、1998年5月に「国立国会図書館電子図書館構想」3を策定した。それ以降の国立国会図書館の電子図書館構築の骨格が、この構想で記された。関西館の中核的機能である電子的情報提供機能(電子図書館機能)を実現させるため、技術的実証実験を行い、同時に将来に向けた実施計画を策定した時期である。 また各国でも各種の研究がなされ、先進7カ国首脳会議(G7)の共同研究テーマの一つに電子図書館が取り上げられ、日本がG7電子図書館プロジェクトの共同幹事国をフランスと共管した(1995~99)。4(5) ## 8.2 第2ステージ【1998~2002】‐始動期‐ > 実証実験の成果を踏まえて、2002年10月に開館した関西館を拠点として、近代デジタルライブラリー、インターネット資源選択的蓄積実験事業(WARP)、各種の電子展示会を公開・提供しました。 >  国の取り組みとしては、e-Japan重点計画―2003、e-Japan戦略Ⅱ加速化パッケージ(内閣官房IT戦略本部)策定の議論の中で、「国のデジタルアーカイブ構想」、「ジャパン・ウェブ・アーカイブ構想」の実現を、またe-Japan重点計画―2004策定時には「国立デジタル・アーカイブ・ポータル構想」を一層推進することとされました。 この時期は、組織整備、コンテンツ作成開始、システム構築を行った時期である。2002年の関西館の設置が具体化したところから、1999年には電子図書館推進室を設置し、具体的なサービス計画である「電子図書館サービス実施基本計画」を策定。併せて資料のデジタル化を進めるとともに、システムの構築にも努めた時期である。 2000年3月には、国立国会図書館ホームページにおいて「国会会議録」、「貴重書画像データベース」、「国立国会図書館蔵書目録」、電子展示会などの電子図書館のメニューを公開した。2000年5月に部分開館した国際子ども図書館でも、「絵本ギャラリー」など電子図書館機能を活用するなど、具体的なサービス及び準備作業を推進した。 ## 8.3 第3ステージ【2002~2009】‐サービス離陸期‐ 第4ステージは、国立国会図書館がこれまでの電子図書館の実績に基づき、さらに飛躍する時期だと考えられる。 その方向性として、国内においては館種を問わない全国の図書館との連携の強化と、博物館や文書館などの文化機関との連携の強化が考えられる。また、海外に対しては東アジアの日中韓3カ国を初めとするアジア諸国との連携の強化や、世界各国とのグローバルな協力の推進も大事な課題となっている。 デジタル化対象コンテンツについてはこれまで主として資料のデジタル画像を作成し蓄積してきており、画像データベースの拡充は今後も継続するが、これまで不十分であったテキスト化した資料のデータベース化も、重要な課題となる。さらに、音楽・動画データ等文書記録のデジタル化にどどまらない、別のカテゴリーの資料のデジタル化も、視野に入ってくるものと考えられる。 これらの実現をサポートするため2011年には国立国会図書館の大規模機構改編を、また2012にはるユーザフレンドリーで、高付加価値を実現する新システムを公開することを予定している。 ## 8.4 第4ステージ【2009~2011】‐サービス発展期‐ 本格的なサービスはこの段階で開始する。 電子図書館サービスを中心的な機能に置く関西館が2002年に開館し、本格的な電子図書館事業を開始した。「近代デジタルライブラリー」(明治期(1868~1912)以降の出版物のデジタル画像データベース)の公開、インターネット資源の選択的収集事業(WARP;Web ARchiving Project)、データベースナビゲーション事業(Dnavi ;Database Navigation Service)、各種の電子展示会の開催など各種の新規サービスを公開・提供するとともに、電子情報の保存に係る調査研究等を開始した。 - 2004年2月に、「国立国会図書館電子図書館中期計画2004」が策定されました。 - この中期計画では、デジタルコンテンツを広汎な利用者に提供するために、当館が国のデジタルアーカイブの重要な拠点となるということ、また国内外の多様な利用者層の需要に応じ、日本のデジタル情報全体へのナビゲーションを行う総合サイトを構築し、利用者がワンストップで利用できるようにすることを目指しました。 また、資料デジタル化とは直接には関係しないが、全国の各館種の図書館が行うレファレンス活動を支援し、作成したレファレンス事例を統合するレファレンス協同データベースを開始し、全国の各種デジタル情報資源を一元的に検索し、ナビゲーションを可能とするポータルシステム(PORTA)に着手するなど、日本全国のデジタル資源の連携を視野に入れたサービスを始めたのもこの時期である。 - 知識インフラの構築の方向性 - 東日本大震災アーカイブの構築決定 ## 8.5 第5ステージ【2012~2014】 総括と再始動期、見直し期 これまで進めてきたサービスの総括と新たな方向性を示す時期です。新たな事業・サービスとして、民間オンライン資料制度収集(2013年7月)、図書館向けデジタル化資料送信サービス(2014年1月)を開始しました。 - システムリニューアル - 2008年度から2012年度までのシステムリニューアルの実施では、パッケージ製品を核として構築したシステムに、基幹業務・サービスを適合させ、同時に類似のシステム群を統合する取組を行った。 - システムリニューアルの総括として、企画(サービス要件定義)、業務要件・システム化要件定義、業務・システム構築、移行・研修の各段階での合意形成、各工程での実施内容の妥当性を評価できるスキル向上が教訓として洗い出された。 - システムのリニューアルにより、当館の業務・システムの最適化は進んだが、緊縮予算の中にあっても発展していく当館のサービスを業務・システムが支えるためには、更なる最適化が不可欠である。次期の業務システム最適化計画を策定した。 - _業務システム最適化計画_ - 「私たちの使命・目標2012-2016」の策定 当館として今後果たすべき使命とおおむね5年間にわたって取り組むと目標して、「私たちの使命・目標2012-2016」を策定し、デジタル時代に適合した図書館を目指しています。 _「私たちの使命・目標2012-2016」では、「国立国会図書館は、出版物を中心に国内外の資料・情報を広く収集し、保存して、知識・文化の基盤となり、国会の活動を補佐するとともに、行政・司法及び国民に図書館サービスを提供することを通じ、国民の創造的な活動に貢献し、民主主義の発展に寄与します。」としています。_ - 基本問題の検討 _デジタル情報時代における課題を洗い出し、緊縮財政の中で、如何にして資源を確保して当館の事業を進めていくかの検討を始めており、まず、当館としての蔵書構築、利用者者サービスのあり方から着手しています。_ # 9 電子図書館構想の策定及び実施に向けた検討 ## 9.1 構想策定の経緯 国立国会図書館では、国立国会図書館関西館(仮称〉(以下、「関西館」という。)を21世紀初頭に設立する計画を立てた時から、 情報通信技術等の新技術を活用した新しい機能と役割に関するいくつかの構想を描いてきた。この数年においては社会の高度情報化の進展は著しく、インターネットでの情報流通も急速に普及するようになってきた。 国立国会図書館は、 館の電子図書館への取り組みの指針とする構想を取りまとめるため、1997年4 月に館に電子図書館推進委員会を設置し、 また館外識者、 関係者で構成する電子図書館推進会議(座長: 原田勝図書館情報大学教授〉を平行して開催した。 電子図書館推進会議は、 国立国会図書館が実現すべき電子図書館の全般にわたって検討し、1998年2 月に国立国会図書館電子図書館推進委員長に宛てて、「知識・情報・文化の新しい基盤の構築をめざして一自由で創造的な情報社会のために一」と題する報告書を提出した。「電子図書館構想」は、 電子図書館推進会議報告書を受けて、国立国会図書館が実現すべき電子図書館のあり方を示したものである。 ## 9.2 電子図書館構想のあらまし 「電子図書館構想」は、 序章(「はじめに」〉と終章(「電子図書館実現に向けての取り組み」)をはさんで、 全9章から構成される。1 章に電子図書館の定義と目標、2 章に提供すべき「蔵書」、 3 章から5 章は国立国会図書館のサービスの対象者と主たるプロジェクトとの関わり、 6 章に協力活動、 7 章に制度的課題、 8 章に技術的課題、 9章にシステム基盤構築としている。 ### 9.2.1 基本認識 構想が示している電子図書館は国立国会図書館が全体として実現するものである。しかし、とりわけ平成14年度に開館を予定している関西館と、 平成12年度に第1期開館を予定している国際子ども図書館の重要な機能として、 さらには国会サービス拡充のための手段として、 その実現を図るものである。 ### 9.2.2 国立国会図書館が実現する電子図書館 国立国会図書館は、 国会法第130条及び国立国会図書館法により国会に設置され、 図書及びその他の図書館資料を収集し、国会議貝の職務の遂行に資するとともに、行政及び司法の各部門、更に日本国民に対し図書館奉仕を提供することを目的とする図書館である。 構想では、国立国会図書館にとって電子図書館とは、「図書館が通信ネットワークを介して行う一次情報(資料そのもの)及び二次情報(資料に関する情報)の電子的な提供とそのための基盤」と定義し、 資料を電子化するとともに、電子化された資料及び電子出版物を通信ネットワークを介して提供するものである、 としている。資料を通信ネットワークを介して提供することによって、 利用者にとって豊富な情報の入手、 地域による情報へのアクセスの格差及び情報へのアクセスの格差の是正が可能となる。 国立国会図書館が実現する電子図書館は、 情報の保存とアクセスにおいて、 電子情報の時代に、 印刷物中心の時代と同様に、あるいはそれ以上に、 必要な役割を果たすことを目指すものである。 ### 9.2.3 電子図書館の「蔵書」の構築 電子図書館が提供する電子的情報資源(「蔵書」)は、一次情報及び二次情報に分けられる。一次情報は、本や雑誌、 インターネット情報やCD ?ROM の申眛のように、 言わば情報そのものである。二次情報は、それら一次情報を探すための手掛かりになる情報で、目録索引、 リンク集などである。構想は、「蔵書」として以下のカテゴリーを想定する。 ### 9.2.3.1 〈二次情報〉 国立国会図書館では、 図書の目録、 雑誌記事の索引等については、 すでに数百万件のデータベrr スを維持管理しているが、電子図書館の一次情報にアクセスするためには、これらの二次情報は適切に維持、管理されなければならない。 ### 9.2.3.2 〈電子情報として収集するもの〉 館が収集する電子出版物である。館長の諮問機関として設置した納本制度調査会では、 1999年2 月にパッケージ系電子出版物を網羅的に納入対象とすること、 またネヅトワ ーク系電子出版物は納入対象外とするが、 積極的に収集する旨の答申を提出したe 利用形態についてはこれから関係者と協議しつつ明確なものとしてゆくことになる。 ### 9.2.3.3 〈印刷物の遡及電子化〉 印刷物をイメージ(画像)情報、テキスト(文字)情報の形態で遡及して入力するものである。刊行年代が古い歴史的な印刷物等については、 画像入力することになるだろう。既存印欄物を画像で入力する場合の入力条件等は、最適な条件を選択する必要がある。比較的新しい出版物については、出版社等がコンピュータを用いて出版データを作成していることがほとんどであり、協議の上、出版データを活用するという方法も考えられる。 ### 9.2.3.4 〈インターネット情報資源〉 世界中に膨大に存在しているインターネット情報資源を何らかの方法で収集し、保存できないか、 ということである。すべてのインターネット.情報資源を収集保存し、アクセスを提供することは困難であるが、選択的にでも貴重なものを収集・保存することは必要であろう。 〈レンタル・スペース〉国立国会図書館の電子図書館の中に、 ネットワーク出版を可能とする領域を用意し、それらの出版者等と協議の上、協力事業として進めることを一案として示している。 ### 9.2.3.5 〈外部情報資源へのナビゲーション〉 電子図書館はネットワーク上に存夜するもので、本質的に分散型のものであり、 すべての電子的情報資源を収集・保存・提供することは非現笑的である。しかし、館が所蔵するか否かに係わらず、メタデータ等を用意し、 適切に案内できるようにすることは必要な役割であり、 それらの案内自体が電子図書館の蔵書のカテゴリーになるものと考えられる。 電子図書館の蔵書として想定できるカテゴリーを示したが、 提供に当たって、中立性・公平性への配慮、利用ニーズベの的確な対応、長期的なアクセスの保障、学術的・文化的価値の尊重、 蔵書の包括性と一貫性の確保等の方針で望むべきことを構想では示している。 ### 9.2.4 特に優先すべき資料群 構想では当面、 特に優先して電子化すべき資料群を列挙している。以下の資料群は、 国立国会図書館として電子化及びその提供において特に優先度が高いもの である。 ### 9.2.4.1 〈立法その他の国会活動に係わる情報〉 立法活動の支援をより適切に行うとともに、 電子化した国会情報を国民に広く提供することは、 国会情報の国民へのアクセスを改善し、国民の国政への関心と参加意識を喚起することにも貢献する。 ### 9.2.4.2 〈行政機関が発行する出版物〉 国立国会図書館はこれまでも我が国の行政機関の発行する出版物り収集と提供に特別の役割を果たしてきた経緯がある。.また、広く国民に提供されるべき点からも、行政機関等と協議し、 国立国会図書館が統合的なアクセス窓口を提供することは意義が大きいものと考えちれる。 〈利用頻度の高い国内刊行雑誌〉 利用頻度の高い国内刊行雑誌については、 著作権者・出版者等との協議の上、電子的ドキュメント・サプラ.イ・システムとして、電子図書館に組み込むことが望まれる。 ### 9.2.4.3 〈科学技術情報〉 特に大学、 学協会、 研究機関等の科学技術情報生産機関の研究成果に関する情報の収集を進めることにより、科学技術情報流通の円滑な流通に寄与する。 〈国の文化遺産としての図書館資料〉重要文化財等を含む貴重書、江戸期、明治期及び大正期等に発行された図書館資料である。資料保存の観点からも電子化及 び提供が望まれる.。 ### 9.2.4.4 〈児童書〉 国際子ども図書館の開館を目前に控え、 その児童関連コレクション構築を優先すべきである。 これらの資料群の他に、 情報を適切に編集し、利用者にとって魅力あるコレクションを形成することも必要な課題である。米国議会図書館は、 「アメリカン・メモリー」のプロジェクトで米国のさまざまな文化・歴史資料を電子化しているが、資料と情報を編集して、コレクションを形成することも必要な取り組みである。 また、電子図書館での資料保存にも取り組む必要がある。電子情報の保存については、技術革新の速度がきわめて早く、対応が困難な面もあるが、電子情報も国民の文化的所産であるという観点から、 技術的な面の検討も行いつつ、 保存の問題についても適切に取り組むことが必要である。 ### 9.2.5 国会及び行政・司法の各部門へのサービスの強化 国立国会図書館は、 電子図書館を実現することで、国会サービスの拡充、国会情報の電子化及びその利用の促進並びに行政・司法の各部門への図書館サービス の強化を図る。 ### 9.2.6 電子図書館の協力活動 我が国を代表する図書館として、 これまで国内・国外の多くの機関との協力活動を行ってきているが、 電子図書館においても協力が必要である。 各国の国立図書館、電子図書館プロジェクトを実施する他の機関、 学術研究機関等と協力を行う体制を整備する。さらに、 将来的には各種情報の生産及び提供 に直接に関わる機関等との協力も行う。協力活動の一環として、 様々な機関が電子化した資料の総合目録(台帳) を作成し、 分散して存在する電子化資料及び電子出版物を的確に検索できる使いやすい仕組みづくりを行うことも構想は述べている。 ### 9.2.7 電子図書館の制度的課題 電子図書館を実現する上で、 著作権を含む、 制度的な課題の解決は極めて重要である。 電子図書館が提供する一次情報及び二次情報の多くは著作権の葎在する著作物である。著作権法においては、:.図書館等の施設では、 利用者が調査研究等の目的 で公表された署作物の一部の複製を行うこどが認められている。しかし、 電子図書館は図書館が収集した電子出版物あるいは電子化した資料をサーバに蓄積し、 通信ネットワークを介して提供するものであるため、 その実現に当たっては、 著作権法に規定する複製権及び公衆送信権が関係する。著作権法第31条により図書館等は一定の条件の下で著作権者の許諾を得ずに著作 物を複製できるが、電子図書館の実現のために必要な複製を著作権法第31条で対応することは困難である。電子図書館を実現するに当たっては、 電子情報の特徴を考慮しつつ、権利者の権利と公正な利用について、広く杜会的な合意が形成されるべきである、 としている。 その上で、 電子図書館の実現のためには、 複製及び通信ネットワークを介した提供にあたっての許諾事務の膨大さにかんがみ図書館の公共的な側面を考慮したルール作りを国立国会図書館と著作権者との間で行う必要がある.ルール作りを行うに当たって、 個々の資料の属性、 利用者への提供方法、送信を行う範囲、 対価の徴収、 権利処理の方法等について勘案すべきである。とりわ.け民聞出版物については、 市場原理に留意し、著作権者、出版者どの連携・協力を図りつつ取り組む、 と述べる。 ### 9.2.8 電子図書館の技術課題 電子図書館の基本的な機能を実現する技術はすでに存在しているものの、利用者にとっての使いやすさ、検索機能、電子化した資料及び電子出版物の権利保護、その保存や標準化の観点からは、 まだ多くの課題が残されている。 また、国立国会図書館ではこれまでも図書館業務を支える情報システムを構築し、 多くのデータベースの作成を行ってきた。しかし、 近年の情報処理技術の進展や情報流通形態の変化に対応する必要があり、 そのために、新たな情報システムとして電子図書館基盤システムを構築する。東京本館と関西館をはじめ、 国立国会図書館を構成する施設は、 電子図書館基盤システムによって、一つの「国立国会図書館」として機能する。 ### 9.2.9 構想実現に向けて 構想は末尾に、 構想実現に向けてという章を置く。電子図書館の実現には、 財政的課題、 著作権や課金の問題を含む制度的課題、技術的課題等、さまざまな課題が存在するが、これらの課題について、国立国会図書館は多面的な検討と解決に向けた努力を行うとともに、 関係者間での合意形成に努め、 実現に向けた取組みを行う、と結ぶ。 # 10 電子図書館のシステム基盤の整備 ## 10.1 電子函書館基盤システム計画 構想の中にも織り込まれているが、 「電子図書館構想」策定と同時期に、国立国会図書館はもう一つの計画を取りまとめた。その計画は「電子図書館構想」と対になる計画であり、 システム面から構想をサポートするものである。計画の名称は、 「電子図書館基盤システム基本計画」である。 国立国会図書館が電子図書館を実現する上で、強固なデータベースとネットワークのシステム的基盤、 関西館・国際子ども図書館・東京本館の3館の組織と業務の有機的な相互連携、さらにコンピユータやネットワークの近年の急速な発展への対応が必須である。計 画では約2 年の予備調査を経て1998年からスタートし、 1999年以降、2002年まで順次システム構築を行うとともに、段階的にシステムを拡充させ、2003?2004年には高次機能を付加することとしている。 ## 10.2 電子図書館基盤システムの機能 電子図書館基盤システムの目的は、電子図書館サービスの提供だけにあるものではない。基盤システムの名称にあるように、 国立国会図書館のシステム的基盤として、 従来からのサービス及び業務を支援し、 効率的で充実したサービスの提供を実施するための基盤である。と同時に、同じ基盤に立脚して電子図書館サービスを提供することになる。 地理的に分散した施設をネットワークで接続し、シームレスな相互連携を可能にすること、 印刷出版物、電子出版物、電子化情報のように媒体の異なる資料群の収集、 整理・蓄積・保存・提供を統合的に行うこと、さらに国立国会図書館の情報資源に加えて、 国内外の機関の提供する情報資源への適切なナビゲーションを可能とすることなどを目的とする。 システムは、 データベースとネットワーク基盤の上に、業務目的に応じた複数のサブシステムから構成される。利用者にとって、また職員にとっても、 使いやすく、 かつ安全で統合された共通のシステム的な基盤とすることを想定している。 電子図書館基盤システムの構築によって、国立国会図書館の電子図書館の本格的な構築の基礎ができることになる。 ## 10.3 個別システム開発の取り組み 国立国会図書館では、 本格的な電子図書館事業はまだ実施していないものの、 数々の電子図書館関連の個別システム開発を行ってきた。こζ でこれらの個別システムについて概略を紹介する。なお、 ここに紹介するシステムのうち幾つかは、 現在まだ機能確認のためのプロトタイプ・システムであったり、 提供のために制度的条件について検討している段階であったりするため、現時点で広くインターネット提供をしているものではないこをお断りする。また、先に述べた電子図書館基盤システム計画の中で今後は順次、統合・更改も考えられる。 # 11 全国公共図書館総合目録ネットワーク事業 国立国会図書館では、1993?1994年にかけて総合目録パイロット・プロジェクト(第1 期) を実施し、 その可能性について初期的検証を行った。その後、第2期プロジェク.トは、 、1994?1998aPに情報処理振興事業協会(IPA :通産省認可の特別認可法人)と共同で、同協会の実施する「パイロット電子図書館プロジェクト」のサププロジェクトとして実施した。1998年にはその成果を継承して、 国立国会図書館の事業として実施するところになった。 全国51 の主として都道府県立・政令指定都市立図書館がネットワークに参加し、 書誌情報の提供は26の図書館から受けている。1、250万件に及ぶ書誌情報(内、基本書誌数430万件) がデータベースに収録されており、 全国的な公共図書館間の資料相互貸借に貢献するところとなっている。 # 12 パイロット電子図書館実証実験プロジェクト 関西館の予定する機能が、電子図書館的な機能であったこと、また日本の産業構造審議会情報産業部会が公共部門の情報化を積極的に進めるべきとの提案を行ったことで、新しい動きが開始された。1995年、通商産業省(現:経済産業省)は「高度情報化プログラム」5を打ち出し、公的分野の一つとして図書館の情報化の推進を取り上げることとなった。社会資本としての総合的な情報提供が重要であり、関西館が情報発信を行う図書館としての基本理念をもつところから、1996年、国立国会図書館と通商産業省は電子図書館の実現に向けて共同して研究することとし、執行は情報処理振興事業協会(現:情報処理振興機構)が担うこととなった。 この研究事業は、我が国で最初の、また最大規模の電子図書館の実証実験を行うところとなり、その後の国立国会図書館の電子図書館事業に多大な影響をもたらした。 ![[Untitled 2 8.png|Untitled 2 8.png]] IPA時代にNDLとの共同事業の構築と運用に携わる。NDLの電子図書館事業のスタート パイロット電子図書館プロジェクトを目的は、21世紀の高度情報社会において、地球規模の知的財産を誰でも容易に利用できるように、地球上に広く分散して個々に収集・蓄積されている知的資源を、空間的・時間的制約を越えてアクセス可能とする環境を提供するための実証実験です。 パイロット電子図書館プロジェクトの成果は、IPAよりNDLに移管され、総合目録ネットワーク実験は、全国公共図書館総合目録(ゆにかねっと)として継続され、また、パイロット電子図書館実証実験は、貴重書デジタルライブラリー、近代デジタルライブラリー、NDLデジタルコレクションのベースとして引き継がれています。 国立国会図書館が所蔵する重要文化財等も含む7,221枚の貴重書、653万ページの明治時代刊行の図書、利用頻度の高い国内刊行雑誌24タイトルの過去15年分等、全体で1000万ページ近くに及ぶ資料をデジタル化した。(出版社から原資料の提供を受けた資料に、少年サンデーなどもあり、創刊号が画面で見られることに感動した記憶がある) 出版社から原資料の 提供を受けた資料 ●帝国議会議事連記録(東 京大学出版会) ●文章倶楽部(八 木出版) ●幕末明治日本国勢地域地図集成(柏 書房) ●マルクス・ェンゲルス全集(大 月書店) ●東京都市計画資料集成 明治大正編(本 の友社) ●田辺元全集(筑 摩書房) ●世界大百科辞典(平凡社) ● 朝日ジャーナル(全 巻) (朝 日新聞社) ●萬朝報(日 本国書センター) ●法律新聞(不 二出版) ●少年サンデー(小学館) ●別冊医学のあゆみ メディカルトビックス(医 歯薬出版) ## 12.1 電子図書館実証実験内容 パイロット電子図書館事業は、折しも地球規模でインターネットが急速に普及し、高機能なPCを個人が所有し、サイバー空間が新たに出現しようとした時期に開始されたことから、インターネットの技術的発展を視野に入れて実験を行うこととなった。また、米国におけるDigital Libraries Initiativesによるデジタル図書館研究等の海外の電子図書館研究からも触発を受けたものであった。このプロジェクトは、インターネット上のサイバー空間において、図書館における情報の蓄積と提供についてその可能性を検証する実験であった。実験事業は、二つの柱から構成された。一つは電子図書館実現に向けての実証実験を行うプロジェクトであり、もう一つは自動化総合目録データベースの構築と運用に係る実験であった。ここでは、前者の電子図書館実証実験に言及する。 この実証実験の特色は、将来の電子図書館を想定したプロトタイプ環境の構築であり、そのために実際に1000万ページに及ぶ資料をデジタル化した。その上で利用を予測して大規模ストレージに格納し、大容量のマルチメディア通信回線を用いて試行提供した。さらに、プロトタイプシステムを用いてさまざまな検索手法、ナビゲーション手法、効果的な利用環境等を検証し、併せて電子図書館構築に係る制度的課題等の問題も評価した。 この実験を行うに当たって、国立国会図書館が所蔵する重要文化財等も含む7,221枚の貴重書、653万ページの明治時代刊行の図書、利用頻度の高い国内刊行雑誌24タイトルの過去15年分等、全体で1000万ページ近くに及ぶ資料をデジタル化した。利用については、評価目的で特定の人々に限定したとは言え、インターネット技術を用いて利用可能にしたことは特筆できる。 入力方法も、高精細カラーイメージ入力、マイクロからのモノクロ入力、現物からのスキャナー入力、テキスト入力等、さまざまな方法で入力し、コンテンツをさまざまな観点で、検索、表示、ナビゲーション等ができるようにした上で、利用者の立場から評価を行った。6(4) なお、ここでデジタル化した資料の多くは、その後、国立国会図書館において書誌情報の確認、著作権調査・処理を行い、現在の国立国会図書館電子図書館サービスで利用されている。 # 13 国会情報 国立国会図書館にとって国会サービスの拡充は、 電子図書館の重要な柱である。1998年10月に、 国会議員及び関係者を対象としたホームページを開設した。半年間の試行的な提供を行い内容の充実に努め、1999年4 月以降、本格実施の運びとなった。 また、19961 から衆参両議院事務局と協力し、 国会会議録フルテキスト・データベース・システムの開発を行ってきた。1999年1 月には一般向けの閲覧システムが完成し、 第145回通常国会開始時から試験的に国民に対して擾供を開始した。1999年4 月には、過去15年分遡及の上公開し、過去の会議録についてもさらに順次遡及入力した上、提供してゆく計画になっている。 # 14 国際子ども図書館のシステム 「国立国会図書館が所蔵する児童書の書誌データベース(約13万件) を整備するとともに、昭和30年以前に刊行された児童書の一部を画像情輾として電子化し、 本文を読むことができるようにしている。その他に、 デジタル・ミュージアム・システム等のマルチメデliアを活用したシステムの実験開発も行っている。 # 15 各種協力活動への取り組み ## 15.1 国際的協力活動 ユネスコ「仮想世界の記1意」プロジェクトへの協力、G8電子図書館共同プロジェクトの実施等を行っている。 G8 プロジェク}は、現在日本とフランスが共同幹事国となって進めているプロジェクトである。日本では、国立国会図書館、外務省、 通産省、 文部省、 郵政省が参加し、 国立国会図書館が実質的に日本側窓口として進めてきた。1999年以降は、G8 の枠組みでの共同プロジェクトは終了する。電子図書館の事業は各国の国立図書館間で行うことになる。各国国立図書館は「世界図 書館」(Bibliothe Ucaniversal)iのs名称 の 仮 想 的 電子図書館に、「入々の交流」に関するテーマの電子化データを作成することになっている。欧州国立図書館会議(CENL )のホームページであるGabrielで情報が提供される、 ## 15.2 国内各機関との協力活勳 ### 15.2.1 次世代電子図書館研究開発プロジェクトヘの協力 パイロット電子図書館実証実験プロジェクトに引き続いて。次世代電子図書館も通産省,IPAに国立国会図書館が協力して行っている事業である。この事業は,I通産省からIPAが委託を受け,IPAが再委託先である日本情報処理開発協会(JIPDEC)と共に実施するものである。1995、19"年までの期間,研究開発を行うことになっている。個別の研究開発技術としては,高度・高速な情報検索,:情報利用技術,大量文献の自動電子 化・蓄積技術,高度な情報表示技術,ュージェントの応用技術,著作権の管理・運用技術等が含まれている。 ### 15.2.2 BBCCとの連携実験 関西に所在する研究機関であるBBCC(新世代通信網実験協議会)と連携し,電子図書館システム実証実験を実施している。この実験の下環として,出版社,印刷会社が所有する出版データを電子出版及び電子図書館のコンテンツとして活用するための機術的課題について検討する「出版データのHTML変換及びインターネット実験」も行っている。 1 1 ### 15.2.3 電子図書館全国連絡会議(仮称) 電子図書館事業に取り組む我が国の大学,公共図書館等の情報交換を目的に,平成10年度に「電子図書館全国連絡会議(仮称)」を開催した。1学術情報センター,科学技術振興事業団他,大学図書館,公共図書館,専門図書館(行政司法部門支部図書館を含む。)の参加を得て,館種にとらわれず,電子図書館を実施する上での共通の課題等について検討し,経験を交流している。 # 16 電子図書館中期計画2004 > このような動きを踏まえて、NDLでは、2004年2月に「電子図書館中期計画2004」を策定しました。この中期計画において、デジタルコンテンツを広汎な利用者に提供するために、NDLが国のデジタルアーカイブの重要な拠点となるということ、また国内外の多様な利用者層の需要に応じ、日本のデジタル情報全体へのナビゲーションを行う総合サイトを構築し、利用者がワンストップで利用できるようにすることを目指すとしました。 >  この計画に基づき、様々なデジタルアーカイブ内の情報を統合検索する仕組みの実用性を検証するために、デジタルアーカイブポータルプロトタイプ(ndldap)を開発・試験公開し、その後、実用システムとしてPORTAを構築、2007年10月に正式公開しました。この開発にあたっては、可能な限り先進技術の適用を意識したのも特徴です。 - 2003年には、政府においてe-Japan重点計画2003(内閣官房IT戦略本部)が策定され、「国のデジタルアーカイブ構想」、「ジャパン・ウェブ・アーカイブ構想」が掲げられ、それにあわせた形で、2004年2月に、「国立国会図書館電子図書館中期計画2004」が策定されました。 - この中期計画では、デジタルコンテンツを広汎な利用者に提供するために、当館が国のデジタルアーカイブの重要な拠点となるということ、また国内外の多様な利用者層の需要に応じ、日本のデジタル情報全体へのナビゲーションを行う総合サイトを構築し、利用者がワンストップで利用できるようにすることを目指しました。 - _「国立国会図書館 電子図書館中期計画2004」(2004年2月17日)(http://www.ndl.go.jp/jp/aboutus/elib_plan2004.html)や、「e-Japan重点計画 - 2004」(http://www.kantei.go.jp/jp/singi/it2/kettei/ejapan2004/040615honbun.html)での実施内容が示されている「デジタル・アーカイブの推進に向けた申入れ(自由民主党デジタル・アーカイブ小委員会)」は、現在のナショナルアーカイブ構築に向けた具体的な活動の原点に当たると思われる。_ - _これらが策定されてから、10年以上経過した。当時の想定や、現在に至るまでの活動を振り返ってみると、各機関が想定通り事業を展開できたこと、社会情勢の変化などで事業ができなかったことなど、いろいろ見えてくる。総括すると、今後のナショナルアーカイブ関連の議論をする際に、参考になるのではないか。_ - _また技術的な観点から、_ - _実現に当たって、2003年頃は、データの相互運用性を確保して検索性能の向上や利便性を高める次世代Web技術として、「セマンティックウェブ」関連の技術要素である、XML、RDF、OWL、URI等の適用を掲げてきたところである。昨今は、セマンティックウェブの実現への新しい潮流のなかで、Linked Open Data(LOD)として利用できる形での公開と識別子での相互関連付けを広めようという表現になっている。_ - _2003年頃に目指したアーカイブ構築の実現方法は、技術的な仕組みとしては微妙に変わってきているが、より一般にもわかりやすい「相互にデータを連携できる形での公開・利用」をLODという表現が定着することにより、普及が加速される時期に来ているように思える。_ - _以下、経緯。_ - _デジタル・アーカイブの推進に向けた申入れ(2008年3.月19日 自由民主党デジタル・アーカイブ小委員会)_ - _<http://www.noda-seiko.gr.jp/column/?catid=15&itemid=193> から遡ること4年、_ - _「デジタル・アーカイブの推進に向けた申し入れ」(2003年7月29日 デジタル・アーカイブ小委員会)により、自由民主党e-Japan重点計画特命委員会から政府に申し入れられている。_ - _「国立デジタル・アーカイブ(略称:Dアーカイブ)」構想の推進_ - _内閣官房_ - _統一的かつ整合的なデジタル・アーカイブ政策を推進するため関係府省等の間の調整・連携を効率的に行うこと_ - _国立国会図書館_ - _国立国会図書館は、国が保存し、国民に提供すべきコンテンツのアーカイブ化に努めること_ - _関係府省等の協力のもと、「国立デジタル・アーカイブ」のポータルサイトを運営すること_ - _各種ポータルサイト、地方自治体・民間のアーカイブと連携し、国民が必要とするあらゆるコンテンツへの道しるべとしての役割を果たすこと_ - _関係府省等(国立国会図書館、独立行政法人を含む)_ - _公共的なコンテンツ・情報のデジタル・アーカイブ化を一層推進する_ - _「国立デジタル・アーカイブ」が有機的に機能するように、各アーカイブ間の互換性の確保・標準化への協力にしっかりと取り組む_ - _関係府省は、「国立デジタル・アーカイブ」構築・運用の際に生じる課題の検討と解決にも協力すること_ - _デジタル・アーカイブに関する国際的な動向と整合性を図ること。諸外国との連携に努めること(とりわけ近隣アジア諸国)_ - _デジタル・アーカイブとそのネットワーク化の推進に向けて、必要な研究開発を推進すること_ - _「ジャパン・ウェブ・アーカイブ」構想の推進_ - _内閣官房_ - _統一的かつ整合的なデジタル・アーカイブ政策を推進するため関係府省等の間の調整・連携を効率的に行うこと_ - _国立国会図書館_ - _アーカイブ化について、関係府省等の協力のもと、公共図書館、NPO等の参加を得て、「ジャパン・ウェブ・アーカイブ」構想を推進すること_ - _関係府省等(国立国会図書館、独立行政法人を含む)_ - _アーカイブ化について協力すること_ - _複数の主体によるウェブ・アーカイブが相互に連携し、1つのウェブ・アーカイブとして機能するよう、ウェブページ間の関連性・更新履歴を踏まえた情報解析等の研究開発、ウェブページの保存・検索等に要するメタデータ・フォーマットや自動情報収集等の技術の共通化・標準化・原本性認証・時間認証等の認証基盤の確立などを図ること_ - _欧米の先進事例等を踏まえた世界最先端のものを目指すこと_ - _ウェブページの収集等に当たっては、既に収集を開始している欧米諸国等との連携に努めるとともに、ODA等の活用も含め、近隣アジア諸国との連携・協力に努めること_ - _その他_ - _「国立デジタル・アーカイブ」構想や「ジャパン・ウェブ・アーカイブ」構想など、統一的かつ整合的なデジタル・アーカイブ政策を推進するため、内閣官房を中心として、関係府省等の間の調整・連携を効果的に行うこと_ - _我が国の豊かな文化的伝統をできるだけ多くの人々が享受できるようにする手段として文化遺産オンラインが機能できるように、地域の特性だ度も踏まえ、文化遺産のデジタル・アーカイブ化を推進するためのインセンティブの付与方法について検討すること_ - _整備が進みつつある放送アーカイブの活用を促進するため、特定地域において、生活実用番組や社会教育番組等の放送コンテンツをブロードバンド・ネットワークを通じて家庭に提供するビジネスモデル・プロジェクトを実施すること_ - _このような動きを踏まえて、NDLでは、2004年2月に「電子図書館中期計画2004」を策定した。この計画は、NDLが所蔵している図書のデジタル化、オンライン系情報資源の収集によるデジタルアーカイブの構築、インターネット上にある情報を一つの大きなデジタルアーカイブとして利用できるようにする「日本のデジタルアーカイブ・ポータル」の構築と提供を目指すものである。_ - _更に、この中期計画の実現を後押しする形で、「デジタル・アーカイブの推進に向けた申し入れ-「COOL」(かっこいい)国家をめざして-」(2004年6月2日 デジタル・アーカイブ小委員会)により、デジタル・アーカイブの推進の加速に向けた申入れがあった。_ - _「ジャパン・ウェブ・アーカイブ」構想を、関係府省等の協力を得ながら、国立国会図書館が中心となって加速化すること_ - _関係府省等は、国立国会図書館が構築する「ウェブ・アーカイブ」に対して、それぞれのウェブページの提供を行い、わが国の公共的なウェブページの体系的な収集・保存に協力すること。_ - _国は、複数の主体によるウェブ・アーカイブが相互に連携し、一つのウェブ・アーカイブとして機能するよう、ウェブページの収集・保存やアーカイブ間の連携・横断検索のためのメタデータ等の技術の確立・共通化・標準化に努めること_ - _国は、「国立デジタル・アーカイブ・ポータル」構想を一層推進すること。_ - _① 関係府省等は、国民・企業での視聴・利用ニーズの高い公共的なコンテンツ・情報のデジタル・アーカイブ化を一層推進すること。その際、各地で構築される同様のアーカイブも含めて各アーカイブ間の連携利用のための互換性の確保などに取り組み、国と地方がシームレスに繋がり、あたかもインターネット上に巨大なアーカイブが存在しているかのような利用環境の整備に努めること。また、そのための研究開発・技術開発を一層推進すること。_ - _国立国会図書館は、技術面も含む関係府省等の協力のもと、ネットワーク上に日本のデジタルアーカイブ全体へのナビゲーションの総合サイトとしてのポータルサイトを構築し運営すること。_ - _政府は、「e-JAPAN戦略Ⅱ加速化パッケージ」 において、政府コンテンツの利用機会の拡大と保存を図るため、NDLにおける政府刊行物アーカイブ構築及び政府各機関ホームページの長期保存に関して、協力体制を確立することを示した。さらに、デジタルアーカイブ小委員会の申入れを含めた形で「e-JAPAN重点計画2004」において 、加速化パッケージの内容が、2005年の目標達成への施策の重点化の中の、「加速化5分野」として掲げられ、「コンテンツ政策の推進」の具体的施策の一つとして、「連絡会議の場において、国立国会図書館で検討しているアーカイブのポータルサイトとの連携のあり方についても検討する。」ということが決定された。_ ![[Untitled 3 8.png|Untitled 3 8.png]] 2003年には、政府においてe-Japan重点計画2003(内閣官房IT戦略本部)が策定され、「国のデジタルアーカイブ構想」、「ジャパン・ウェブ・アーカイブ構想」が掲げられ、それにあわせた形で、2004年2月に、「国立国会図書館電子図書館中期計画2004」が策定されました。 NDLでは、「電子図書館中期計画2004」において、電子図書館サービスの目標として、 「国のデジタルアーカイブの重要な拠点となる」ということと、 「日本のデジタル情報全体へのナビゲーションの総合サイトを構築する」 という2つの目標を掲げました。 アクションプランとしては、3つを挙げており 1つ目は、 「デジタル・アーカイブの構築」 です。 これには、書籍のデジタル化の推進と、インターネット情報の収集と保存の2つがあります。 2つ目は、「情報資源に関する情報の充実」と言っているもので、レファレンス情報などナレッジの蓄積と提供です。 最後は、 「デジタル・アーカイブのポータル機能」です。 ## 16.1 はじめに 国立国会図書館(NDL)では、2004年2月に「電子図書館中期計画2004」を策定した。この計画はNDLが所蔵している図書のデジタル化、オンライン系情報資源の収集によるデジタルアーカイブの構築、インターネット上にある情報を一つの大きなデジタルアーカイブとして利用できるようにする「日本のデジタルアーカイブ・ポータル」の構築と提供を目指すものである。この計画の策定と時期を同じくして、政府は、「e-JAPAN戦略Ⅱ加速化パッケージ」 において、政府コンテンツの利用機会の拡大と保存を図るため、NDLにおける政府刊行物アーカイブ構築及び政府各機関ホームページの長期保存に関して、協力体制を確立することを示した。さらに、「e-JAPAN重点計画2004」 では、加速化パッケージの内容が、2005年の目標達成への施策の重点化の中の、「加速化5分野」として掲げられ、「コンテンツ政策の推進」の具体的施策の一つとして、「連絡会議の場において、国立国会図書館で検討しているアーカイブのポータルサイトとの連携のあり方についても検討する。」ということが決定された。 ## 16.2 電子図書館中期計画2004策定の背景 NDLでは、これまでの事業を継続すると同時に、国会の図書館として、また、我が国唯一の国立図書館として、次の認識を重要視した。 第一は、情報通信ネットワークを活用することによって、時や場所に制約されることなく、当館のサービスの利用機会を格段に広げることができること。 第二は、国内外の動きや情報環境の変化の中で、デジタル情報の収集・組織化・保存・提供の重要性が高まっていること。 第三は、NDLの電子図書館サービスを充実するためには関係諸機関との連携協力が不可欠であり、当館の目指す方向を明示し、関係諸機関の理解を得ることが重要であること。 ## 16.3 国立国会図書館電子図書館中期計画2004の骨子 NDLの目指す電子図書館サービスの目標は、デジタルコンテンツを広汎な利用者に提供するために、当館が国のデジタルアーカイブの重要な拠点となるということ、また国内外の多様な利用者層の需要に応じ、日本のデジタル情報全体へのナビゲーションを行う総合サイトを構築することである。 ### 16.3.1 デジタルアーカイブの構築 NDL資料の利用における地域間格差を改善し、利用者の利便性を高めるために当館所蔵の資料の電子化を推進することと、オンライン系情報資源を広く収集し、消失を防ぐとともに、永続的な利用を確保することとした。 オンライン系情報資源の収集では、インターネット上のウェブ情報を、可能な限り発信時と同様な構造をもったウェブ・アーカイブとしてサイト単位に収集し、時系列的認識が可能な形で蓄積・保存・提供するものと、知的な著作単位で取り扱うべき情報資源を対象として、個別に収集・組織化・保存・提供するものがそれぞれある。 ### 16.3.2 情報資源に関する情報の充実 NDLが集積し、構築するデジタルアーカイブを利用者が的確に利用できるようにするため、全文検索、知的概念検索等、新しい検索インターフェース、辞書等を用意し、また、必要な参考情報、レファレンスツールを充実させる。 ### 16.3.3 デジタルアーカイブのポータル機能 利用者の必要とする情報を入手できる窓口として、情報の探し方を利用者にオンラインで提供する機能、利用者が主題に沿って系統的に情報資源を発見できるよう案内する機能とともに、当館のデジタルアーカイブやOPACを含めて、国等の公的機関を中心とした電子的情報資源や情報提供サービスが提供している情報そのものに、サイトを渡り歩くことなく、一つの窓口で適切に案内する「日本のデジタルアーカイブ・ポータル」(仮称)の構築を目指す。その次の段階として、他の機関のウェブ・アーカイブ構築の動向を見つつ、日本全体のウェブ・アーカイブのポータル機能の構築も目標としている。 ## 16.4 デジタルアーカイブ・ポータルの構築に当たっての考え方 まず、自らが所蔵している膨大な図書のデジタル化およびオンライン系の情報資源の収集によって、デジタルアーカイブを構築する。その際には他機関のデジタルアーカイブとの連携を意識した仕様を適用する。次に、各デジタルアーカイブの提供機関に対しては、連携を意識した仕様の適用を求める。そして、連携が可能になったデジタルアーカイブを統合して利用できるようにしたデジタルアーカイブ・ポータルを構築する。様々な利用者層、利用形態に応じ、様々な機関が自らの優位性を生かして情報に到達するための情報、ナビゲーションの仕組みなどを付加価値として提供するポータルを構築する。NDLは、ポータルの1つとして、自らが保有する膨大な情報を、広く一般に提供するためのポータルの構築を目指し、様々なポータルとともに、日本のデジタルアーカイブ・ポータルを構築し、利用されることを目指す。 ![[Untitled 4 8.png|Untitled 4 8.png]] これは、2004年に作成したイメージ図です。 ポータルの背景として電子図書館サービスの全体像です。 右下の「デジタルアーカイブ」として、デジタル化したリソースやインターネット情報などを蓄積し、長期保存します。 そのとなりが、既存システムのNDL-OPACなどの「蔵書目録」などです。 これらの書誌情報やデータベース内のメタデータを提供する機能を備えることにより、デジタルアーカイブポータルから統合的に利用できるようにします。 上の、この「ポータル」は、これら当館の資源だけでなく、左下にある、他機関のデジタルアーカイブや目録などの有用情報も合わせて案内できるようにしたいと考えています。 左の、「ポータルのインターフェース」としては2つ、利用者へのニーズに合わせた検索手段の提供と、他システムがポータルの機能を利用するためのAPI機能を持ちます。 _また、右の、「主題情報、目次情報、解題情報、レファレンス情報などの当館のナレッジデータベース」を、検索を支援する情報として、位置づけています。_ 2004年に描いたイメージの実現形として、ポータルを発展させた 「情報探索サービス(NDLサーチ)」の構築をめざしました。 # 17 デジタルアーカイブの構築 > 資料のデジタル化に関しては、2009年5月から大規模なデジタル化を開始し、2015年1月までに、冊子体としては約246万冊、約2億枚の画像をデジタル化しました。これらは現在、国立国会図書館デジタルコレクションで提供しています。 >  また、2010年4月には 国等の公的機関のウェブサイトの制度収集を開始しました。 ## 17.1 国立国会図書館のデジタル化コレクション ## 17.2 WARP ## 17.3 デジタル化コレクションの全体構成 国立国会図書館は、すでにデジタルコレクションを有する図書館としては世界でも有数の図書館となっている。現在、冊子体の数としては230万冊、画像ファイル数で総勢約2億ファイルの画像をデジタル化に取り組んでいる。2011年末の見込みでは、国立国会図書館が所蔵する日本国内で刊行された資料は、その全ページの約1/4がデジタル化済みになることになる。主だった内訳は次のとおり。 ◎古典籍資料 6万冊(全所蔵数29万冊中の21%) ◎和図書 89万冊(全所蔵数411万冊の22%) ◎和雑誌 121万冊(全所蔵数436万冊の28%) ◎博士論文 14万冊(全所蔵数39万冊の36%) ## 17.4 デジタル化の目的と特徴 当初デジタル化は、従来、インターネットを通じていつでも、どこでも読むことのできる電子図書館の「蔵書」構築を目的として行われてきた。 江戸期以前(~1868)の古典籍資料、明治期刊行資料等、著作権保護期間が満了した資料か、そうでないものは著作権者の許諾の得るか、著作者不明のため文化庁長官による裁定を受けることによってインターネットでの提供を可能としてきた。今後も、インターネットで提供できる資料を増やすために努力を続けていくつもりである。 なお、2009年以降、新たな枠組みによるデジタル化にも着手している。それは、保存を目的とするデジタル化である。国立国会図書館での法定納本は1冊であり、利用と保存を両立させることが困難なため、利用による資料損傷を避けるためにデジタル化を行うものである。従来は、マイクロフィッシュ等で保存をしてきたものであるが、利用のしやすさや技術環境の変化を考慮して、資料保存の主たる方法をデジタルによる保存に切り替えている。 なお、2010年の1月に施行された新著作権法で、国立国会図書館が資料保存の目的でデジタル化することを法律上明確にする法改正が行われた。現在、インターネットでの提供を可能とする権利処理を行う前に、まずは保存目的でデジタル化を行っている。 ## 17.5 国立国会図書館の主なデジタル化資料 国立国会図書館は1990年代から古い時代の資料を中心に着々と資料デジタル化を進めてきたが、予算的にも、数量的にも必ずしも十分とは言えない状態であった。しかし、2009年には、国の緊急経済対策の一環として、127億円(1.5億ドル)の補正予算が計上され、また2010年にも10億円(1200万ドル)が計上されている。これらの予算によるデジタル化は、2012年末には完了する予定であり、国立国会図書館構内では1968年までの図書、また2000年までの主要な雑誌がデジタル形態で閲覧ができるようになる。 なお、外部への提供であるが、著作権調査・処理を行ってインターネット提供の可能な資料範囲を拡大する努力を行うと同時に、出版者、著作権者等によって構成される関係者協議会でデジタル化資料の提供範囲について、協議を重ねている。現在、インターネットで誰でもが利用できる資料群で、主要なものは次のとおりである。 ## 17.6 近代デジタルライブラリー http://kindai.ndl.go.jp 近代以降(1868年~)に日本で刊行された図書を、共有の文化遺産として電子化し、広くインターネットを通じて利用できるようにしたデジタルライブラリー。約17万冊。 ## 17.7 貴重書画像データベース [http://rarebook.ndl.go.jp](http://rarebook.ndl.go.jp/) 国の重要文化財を含む貴重書等から特色のある資料を取り上げ、和漢書、錦絵、絵図等をカラー表示するデータベース。日本を代表する浮世絵版画師北斎や、歌麿の浮世絵などもこのデータベースに数多く収載されている。約5万枚。 ## 17.8 電子展示会 http://www.ndl.go.jp/jp/gallery 主に総合テーマ「日本の記憶」の下に、日本の歴史と文化に関するテーマを立て、ユニークな所蔵資料を中心に、わかりやすい解説を加え、電子的な展示会として紹介している。 展示会数17。 ## 17.9 絵本ギャラリーと児童書デジタルライブラリー [http://www.kodomo.go.jp/gallery](http://www.kodomo.go.jp/gallery) http://kodomo4.kodomo.go.jp いずれも国立国会図書館国際子ども図書館が作成・提供する。 絵本ギャラリーは、絵本に関してテーマをもったマルチメディア展示会。絵本作品に解説、音声等も加え、インターネットで提供。ギャラリー数6。 児童書デジタルライブラリーは、国立国会図書館が所蔵する児童書の画像データベース。 ## 17.10 国会会議録検索システム http://kokkai.ndl.go.jp/ 第1回国会(1947年)以降、現在までの日本の国会会議録の全文を提供するデータベース。フリーキーワードでの全文検索ができ、また画像データも収録している。衆議院、参議院と協力して作成。150万ページ以上。 また関連システムに帝国議会会議録システムがある。帝国議会(1890~1947年)の第1回から92回の全会議録を画像で収める。31万ぺージ以上。 # 18 デジタルアーカイブシステムおよびウェブアーカイブシステム ## 18.1 デジタル化資料の提供状況~資料群別 ![[Untitled 5 8.png|Untitled 5 8.png]] 現在、当館が提供しているデジタル化資料は、この表に示す通りです。 所蔵資料の4分の1をデジタル化した 137万点が公共図書館で閲覧できるようになったことは大きい しかしながら、62万点が公共図書館では図書館間貸し出しでも利用できなくなった。 ## 18.2 【現状】資料デジタル化と提供状況 ![[Untitled 6 8.png|Untitled 6 8.png]] 中期計画の1つ目の柱。デジタルアーカイブの構築。その中の「資料デジタル化と提供状況(インターネット及び図書館送信)」 今日の話しの中のメインではないので参考として ●所蔵している資料の原本保全のために、所蔵資料をデジタル化できる ・資料デジタル化は、全248.5万点 ●著作権が切れたものはインターネット公開 ・48万点 ●著作権が存続していても、市場で流通していない(絶版本)は公共図書館等で閲覧できる ・137万点 ●NDL館内限定 ・62万点 ■考察 ●「いつでもどこでもだれでも」が電子図書館サービスの理念 ●185万点(48万+137万点)は、公共図書館でも利用できる。公共図書館の蔵書と言える ●しかし、インターネット公開していない200万点は、ILLもできない。 ・著作権が存続していても、絶版になっているものは、広くインターネット公開まで拡大できないか? ・館内限定のデジタル資料は、本を裁断したものもあり、原本保全のため、図書館間貸出もできない⇒図書館送信できる図書館の範囲が広がることを期待したい ■文化庁の著作権法の解釈変更 ・公共図書館、大学図書館でも絶版本はデジタル化ができる ・公共図書館、大学図書館がデジタル化した資料も含めて、図書館送信ができる ●(検討中) ・権利者への補償を事後供託とする制度 ・孤児著作物の権利者捜索要件の緩和 # 19 ナレッジデータベースの構築 # 20 デジタルアーカイブのポータルの構築 - この計画に基づき、2004年10月から、様々なデジタルアーカイブ内の情報を統合検索する仕組みの実用性を検証するために、デジタルアーカイブポータルプロトタイプ(ndldap)を開発・試験公開し、その後、実用システムとして「PORTA」を構築し、2007年10月に正式公開しました。 - これらの膨大なデジタル情報資源を、個別のサイトを探し当て、探索し、必要なコンテンツを入手するためには、いくつものサイトを渡り歩かなければならず、不便である。また、GOOGLE等の検索エンジンでアクセスできるものもあるが、検索ノイズが多く、さらにかなりのデータがデータベース内に存在する深層ウェブの情報として存在するため、検索エンジンで探しあてられない。 - そこで国立国会図書館では、我が国のデジタル情報資源や情報探索サービスを案内し、さまざまなデジタルコンテンツを一元的に検索可能とするポータルシステムを開発し、提供してきた。システムの名称は、国立国会図書館デジタルアーカイブポータル(PORTA)である。このシステムは、国立国会図書館が作成したデジタル情報資源の他、国、公共機関、民間に関わらず、また図書館資料、公文書、博物館資料、美術作品等、広範な分野のデジタルコンテンツを利用可能とするものである。現在、162種類のデジタルアーカイブが利用可能となっており、コンテンツ総数は約2800万件である。利用に当たっては簡易検索の他、詳細検索、連想検索、分類検索等様々な検索手法を用意するとともに、また利用者登録を行うことで利用者がデザインや検索方法についてカスタマイズすることを可能にする。 - このPORTAシステムは先端的なシステムではあるが、現在さらに意欲的なシステムの開発に着手し、試行システムを最近公開した。システム名称は「国立国会図書館サーチ(開発版)」(NDL Search)で、試行公開は2010年8月、2012年からは本格システムとして稼働することを予定している。このシステムはPORTAシステムを継承し、PORTAシステムは役割を終えることになっている。現在試行運用の段階であるが、すでに34個のデータベースから収集した約5,500万件の文献情報等を検索でき、9種の他機関の大規模データベースを横断検索できる。PORTAとの最大の相違点は、デジタル情報資源だけでなく、紙とデジタルを区別なく統合的に検索できること、また豊富なユーザ支援機能をもつことである。 - 2010年10月には、「日韓・日中・日英翻訳機能」を追加するなど、継続的な機能拡張を図っている。このシステムは、2012年の本格運用まで、ユーザの評価等に基づく改善を重ね、我が国を代表するデジタル情報検索の玄関となることを目指す。 - 以降、全国の図書館や、博物館、美術館、公文書館等の文化機関との連携先の拡大を進めると同時に、「PORTA」の後継として、国立国会図書館サーチ(NDL Search)の開発を進め、2010年8月に試験公開、2012年1月のシステムリニューアル時に、新NDL-OPAC等と併せて、正式運用を開始しました。 - 冊子体刊行物の収集・組織化業務及び、蔵書検索・申込システム「NDL-OPAC」を、パッケージに切り替えることによる開発・運用コストの大幅な削減 - デジタル化資料の来館者サービスシステム、国立国会図書館サーチ等、デジタル時代の次期図書館利用者サービスの基本機能の充実 # 21 デジタルアーカイブポータルのプロトタイプ(ndldap) - _構築に当たっては、Web2.0次代のサービスを目指すこととして、_ - _著作単位に、媒体、所蔵場所に依らない一元的な検索を可能とするために、書誌・所蔵の視点でのコンテンツの体系的整理の概念として「書誌的記録の機能要件」(FRBR)に準拠したメタデータデータベースを適用_ - 様々なデジタルアーカイブ内の情報を統合検索する仕組みの実用性を検証 - サービスの有用性、適用技術の妥当性を検証 - SOA指向、OSS(Linux, Apache, Xoops, MySQL, PHP, Dspace, chasen, GETA等)の適用、標準プロトコル(OAI-PMH,RSS,SRU,SRW等)の実装 - RSSによる新着情報のアグリゲーション、CMSによる機能追加の容易性確保 # 22 PORTA > PORTAの統合検索対象は、近代デジタルライブラリー、青空文庫、国立公文書館アジア歴史資料センター、NDL-OPAC、デジタル岡山大百科等です。媒体形式が異なるもの、分散所蔵しているもの、地域情報をまとめているアグリゲータ等を統合検索し、コンテンツにたどりつけるようにしました。PORTAの公開以降も、科学技術振興機構(JST)、国立情報学研究所(NII)をはじめ、全国の図書館や、博物館、美術館、公文書館等の文化機関との連携の拡大を進め、PORTAの後継として、国立国会図書館サーチの開発を進めました。 - 大量アクセス、大量データ、大量ユーザ対応 - 拡張容易性、障害時運用継続性、環境変更容易性、直感的操作性の確保(ベンダーに依存しないパッケージ、OSSの適用) - 可能な限り、先進技術の適用を目指す。(VMWareによる仮想サーバ環境の適用) - 各データベース保有機関に対して、メタデータ交換のための標準APIの実証を働きかけ - 標準メタデータとして、DCベースのDCNDL+α(DCNDL_Porta)を適用 - 標準プロトコル(OAI-PMH,RSS,SRU,SRW(SRU/SOAP)、OpenSearch、OpenURL等) # 23 国立国会図書館サーチ > PORTAが担ってきたデジタル情報のポータルとしての役割を継続するとともに、総合目録ネットワークシステム(ゆにかねっと)が担ってきた各地の図書館蔵書の総合目録としての役割を引き継いだうえ、NDLの主要データベース(NDL-OPAC、インターネット資料収集保存事業(WARP)、国立国会図書館デジタルコレクション、国会会議録検索システム、リサーチ・ナビ(調べ方案内)、レファレンス協同データベース等)を統合検索することを可能としています。また、収集したメタデータをオープンデータとして、APIで外部システムに提供する「情報ハブ」の役割も提供しています。 >  2010年8月に試験公開、2012年1月のシステムリニューアル時に、新NDL-OPAC等と併せて、正式運用を開始しました。このシステムリニューアルでは、冊子体刊行物の収集・組織化業務およびNDL-OPACをパッケージに切り替えることにより、開発・運用コストを大幅に削減するとともに、デジタル化資料を利用しやすい来館者サービスシステム等、デジタル時代の図書館利用者サービスの基本機能の充実を図りました。 PORTAが担ってきたデジタル情報のポータルとしての役割を継続して、人間文化研究機構、**商用電子書籍ポータル**のhon.jpとの連携を進めるとともに、ゆにかねっとが担ってきた各地の図書館蔵書の総合目録としての役割を引き継いだうえ、NDL-OPAC、インターネット資料収集保存事業(WARP)、国立国会図書館デジタルコレクション、国会会議録検索システム、リサーチ・ナビ(調べ方案内)、レファレンス協同データベース等の当館の主要データベースを統合検索することを可能としています。システムの構築に当たっては、外部専門家の参画、OSSの更なる適用によるコストダウン、次世代技術の試行、共通APIの実装の働きかけによる連携先拡大の加速化、著作単位でのグルーピング表示、キーワードサジェスト、障害者向け機能、日中韓英翻訳機能、パーソナライズ機能、スマートフォン対応を実装しました。また、GUIでの提供だけでなく、収集したメタデータをオープンデータとして、APIで外部システムに提供する「**情報ハブ**」の役割も提供しています。 2010年8月に試験公開、2012年1月のシステムリニューアル時に、新NDL-OPAC等と併せて、正式運用を開始しました。冊子体刊行物の収集・組織化業務及び、蔵書検索・申込システム「NDL-OPAC」を、パッケージに切り替えることによる開発・運用コストの大幅な削減するとともに、デジタル化資料の来館者サービスシステム等、デジタル時代の図書館利用者サービスの基本機能の充実を図ってきました。 また、デジタルアーカイブでは、資料のデジタル化に関しては、2009年5月から大規模なデジタル化が開始され、2011年までに、冊子体としては230万冊、約2億枚の画像をデジタル化しており、また、2010年4月には 国等のウェブサイトの制度的な収集が開始されました。 ## 23.1 国立国会図書館サーチの現状 ![[Untitled 7 7.png|Untitled 7 7.png]] ■図 ・各分野のアグリゲータ機関からメタデータを集約 ・そのメタデータを、個別の目的に応じたサイトが利用して、検索サービスを提供 ![[Untitled 8 7.png|Untitled 8 7.png]] 国立国会図書館サーチ [http://iss.ndl.go.jp](http://iss.ndl.go.jp/) - 国立国会図書館及び他機関が保有する紙・デジタル媒体等の様々な形態の情報資源の書誌・メタデータを横断的に検索 - 図書館、博物館、美術館、公文書館、民間企業等分野も問わない - 約**100**データベース、約**1億**件のメタデータを検索 - 同じ書誌をグループ化し、各種の入手手段に案内 - 「外部提供インタフェース(API)」提供 - 多言語対応(日/中/韓/英):各言語版+翻訳機能 - スマートフォン対応 【説明】 ![[Untitled 9 7.png|Untitled 9 7.png]] ## 23.2 国立国会図書館サーチの検索・閲覧対象データベース- 知識インフラのベースとして発展 - ![[Config/Extra/Untitled 10 5.png|Untitled 10 5.png]] ## 23.3 知の提供に向けたNDLサーチのイメージ ![[Config/Extra/Untitled 11 4.png|Untitled 11 4.png]] NDLサーチを核とした、現状のサービスのイメージです。 ●まず、情報を集約 _国立国会図書館【蔵書目録、デジタルコンテンツ(当館デジタル化、収集コンテンツ)】、公共図書館、大学図書館【デジタルアーカイブ】、専門図書館_ ●そして、それを提供する _提供方法として、__NDLが直接__利用者に届けるサービス_ _関係機関と相互補完__して利用者に届けるサービス_ _サービスプロバイダを通じて__利用者に届けるサービス_ ●NDLSearchでは、 デジタルネットワーク時代に、**利用者に求められるサービスと機能を持ったシステムを構築し提供するため****には、****外部の機関との連携協力が必須**であり、当館は積極的に連携協力を行っていきます。その連携の姿勢として、次のような方針を掲げています。 ①統合検索サービスの提供 外部機関・サービスが提供するコンテンツのメタデータを当該機関・サービスの許諾を得て収集、もしくは横断検索します。 ②外部Webサービスとの連携 外部で提供されている連想検索サービスや機械翻訳サービス等のウェブサービスを有機的に組み合わせて、付加価値の高い検索サービスを実現します。 また、外部の情報サービスへの効果的なナビゲーションを実現することにより、利用者の情報探索を支援します。 ③研究開発における連携 利便性の高いシステム構築のためには、現状で確立した技術のみでは実現が困難です。 大学の研究室、官民の研究機関、ベンチャー企業等による各種の情報技術に係る研究開発を支援するために、当館の情報資源を利用した実用化・実証実験を行うことができるよう、テストベッドの場を提供します。 ④統合利用促進のための環境整備 有用なコンテンツを保有しているにもかかわらず、データベースの構築や検索サービスの提供ができない機関に対して、データベースの構築やAPI実装等を支援します。 このように、**他の機関との連携により、補完しあいながら、利用者が必要とする情報を利用できるようにすることを目指しています。** # 24 知識インフラの構築を目指して【デジタルアーカイブのポータルの発展形】 > 2010年に、我が国の第4期科学技術基本計画の策定に向けて決定された「科学技術基本政策策定の基本方針」(2010年6月総合科学技術会議基本政策専門調査会決定)で、「文献から研究データまでの学術情報全体を統合して検索・抽出が可能なシステム(「知識インフラ」)の展開を図る」という方向性が提示されました。これを踏まえて、NDLにおいて、2011年に「第三期科学技術情報整備基本計画」を策定し、国の知識インフラの構築の一翼を担うこととしました。「知識インフラ」とは、情報資源を統合して検索、抽出することが可能な基盤で、国内の各機関が保有する情報を意味的に関連づけて知識として集約し、新たな知識の創造を促進し、知識の集積・流通・活用と創造のサイクル構築を目指すものです。 >  知識インフラ構築の実現形の先行事例として、2013年3月には、「東日本大震災アーカイブ(ひなぎく)」を構築しました。大震災に関連する災害現象そのもの、災害前・災害直後・復興の過程、災害時の対応、他地域・次世代への教訓等のあらゆる記録を後世に残すとともに今後の防災に生かすため、関係府省、各種震災関連情報の保有機関と協力して分担収集・保存し、一元的に検索・閲覧できるようにしたものです。知識インフラ構築に必要なフレームワークと次世代技術を積極的に適用しています。 また、2010年 に、我が国の第4期科学技術基本計画の策定に向けて決定された「科学技術基本政策策定の基本方針」_(2010年6月総合科学技術会議基本政策専門調査会決定 )_で、「文献から研究データまでの学術情報全体を統合して検索・抽出が可能なシステム(「知識インフラ」)の展開を図る」という方向性が提示されました。これを踏まえて、当館において、2011年に「第三期科学技術情報整備基本計画」を策定しました。「知識インフラ」とは、情報資源を統合して検索、抽出することが可能な基盤で、国内の各機関が保有する情報を知識として集約し、新たな知識の創造を促進し、知識の集積・流通・活用と創造するサイクルの構築を目指すものです。 - _新たな知識の創造のためには、分野を越えた知識の関連付けが必要であり、日本中に散在するコンテンツの所在を集中管理し、そこに検索をかければ、関連する全ての必要なコンテンツが得られるようにするものです。そこでは、単に情報を集めたものではなく、関連するものが有機的に結合され、ネットワーク的に統合化されたものであり、日本中にある芸術を含んだあらゆる学問・研究のコンテンツ、研究ツール、社会状況データ等が知識の形に組織化され、これらの知識・情報が公開され、全ての人が共有できることを目指すこととされました。_ - 情報資源を統合して検索、抽出することが可能な基盤で、国内の各機関が保有する情報を知識として集約し、新たな知識の創造を促進させるもの。その知識をさらに集積・流通・活用と創造するサイクルの構築を目指す。 - 新たな知識の創造のためには、分野を越えた知識の関連付けが必要であり、日本中に散在するコンテンツの所在を集中管理し、そこに検索をかければ、関連する全ての必要なコンテンツが得られるようにする。知識は関連するものが有機的に結合され、ネットワーク的に統合化されたものであり、単に情報を集めたものではない。日本中にある芸術を含んだあらゆる学問・研究のコンテンツ、研究ツール、社会状況データ等が知識の形に組織化され、これらの知識・情報が公開され、全ての人が共有できることが大切である。「情報管理54(11), 715-724」(科学技術振興機構2012年2月) ## 24.1 知識インフラの必要性 ![[Untitled 12 4.png|Untitled 12 4.png]] ●知識インフラとは、 研究情報全体を統合して検索、抽出することが可能な基盤 ●知識インフラの必要性 ・第4期科学技術基本計画「科学技術に関する基本政策について」【内閣府 総合科学技術会議】(2010年12月24日)を答申された。 ・文献等研究情報のデジタル化、オープンアクセスの推進等とともに、「文献から研究データまでの学術情報全体を統合して検索・抽出が可能なシステム(「知識インフラ」)の展開を図る」とされている 。 ・今後、科学技術研究等を推進していくためには、国全体として新しい科学技術情報基盤として「知識インフラ」の構築及び推進が必要である。 ●知識インフラの構築の目的 知識インフラは、科学技術研究活動の実践を根本で支え、科学、技術、学術、文化活動によって生み出される多様なデータ、情報、文献、知識を開放し、それらへの迅速で適切なアクセスを可能にすることで、次の研究、開発、教育、その他の社会的・文化的実践へとつなげる動的サイクルを形成することを目的としている。つまり、情報の生産→流通→アクセス→再生産という**知識の循環を促進するネットワーク、プラットフォーム**となることを目指す。 また、**組織や個別学術分野を越えた知識の融合を可能**とし、学際的な新しい知識やイノベーションの創造を容易にするものである。 _●機能_ _・知識インフラにおいては、__文字データだけでなく多様な形式で表現されるデータや情報を対象__とし、__収集、保存、識別、組織化、検索、表示、公開といった機能を実現させる__必要がある。利用者は、__大量のデータに対して特定条件に適合したデータだけを抽出__したり、__多様な分野の情報を一括して検索__したり、__自分の関心に合わせて実体のリンクやネットワークを形成したり__といったことが自由にできることが求められる。_ _・また、単語等による検索だけでなく、__自動分類や収集された全体を見通した上での体系化や秩序化__がなされることも__期待される__。_ ## 24.2 次世代技術の研究開発成果の活用 ![[Untitled 13 4.png|Untitled 13 4.png]] 次世代技術の研究開発成果を活用して、これまでの単なる「情報検索」から、事実としての「知識検索」へ進化させ、知識の再利用による新たな知識の創造に寄与することを目指す。 図のようなアプローチを想定。 ■目的 新しい知識の創造への寄与 ■背景 増え続けるテキスト、データ、コンテンツ(国の諸機関の各種資料、統計データ、大学・研究機関の研究成果・研究データ、全国の電子図書館、デジタルアーカイブのコンテンツなど) ■研究開発の概念 様々な形態の知識・情報を組織化し、関連する知識・情報がうまくつながって取り出せる仕組み(知識インフラ)の整備 ■研究開発機関の研究成果 情報の可視化技術、情報の収集の効率化技術、情報の組織化技術、情報の集合知化技術、情報検索技術、閲覧・表示技術 ■これを実現するために NDLはテストベッド(NDLラボ)において、情報資源(実験環境・コンテンツ)を提供し、研究開発成果を適用したサービスシステムを構築する。 ## 24.3 知識情報基盤の構築モデル ![[Untitled 14 4.png|Untitled 14 4.png]] NDLサーチの前身のPORTAと、NDLデジタルアーカイブが進めようとしていた概念がベースになって、知識情報基盤の構築モデルが描かれた。 のちの「ひなぎく」により、実現を目指した。 2010年 に、我が国の第4期科学技術基本計画の策定に向けて決定された「科学技術基本政策策定の基本方針」_(2010年6月総合科学技術会議基本政策専門調査会決定 )_で、学術会議での長尾先生のご尽力により「文献から研究データまでの学術情報全体を統合して検索・抽出が可能なシステム(「知識インフラ」)の展開を図る」という方向性が提示されました。 「_これを踏まえて、_NDL_において、2011年に「第三期科学技術情報整備基本計画」を策定しました。_ 「知識インフラ」とは、情報資源を統合して検索、抽出することが可能な基盤で、国内の各機関が保有する情報を知識として集約し、新たな知識の創造を促進し、知識の集積・流通・活用と創造するサイクルの構築を目指すものです。 _新たな知識の創造のためには、分野を越えた知識の関連付けが必要であり、日本中に散在するコンテンツの所在を集中管理し、そこに検索をかければ、関連する全ての必要なコンテンツが得られるようにするものです。そこでは、単に情報を集めたものではなく、関連するものが有機的に結合され、ネットワーク的に統合化されたものであり、日本中にある芸術を含んだあらゆる学問・研究のコンテンツ、研究ツール、社会状況データ等が知識の形に組織化され、これらの知識・情報が公開され、全ての人が共有できることを目指すこととされました。_ # 25 東日本大震災アーカイブ 2011年3月には、東日本大震災が発災し、甚大な被害をもたらしました。この被災・復興の記録を後世に残すとともに、今後の防災・減災に役立てるように、知識インフラの構築の一環で、分野を特定した実現形の先行事例として、2013年3月には、大震災に関するあらゆる記録、記憶を保存し、一元的に検索できるようにする「東日本大震災アーカイブ(ひなぎく)」を構築しました。構築に当たっては、図書館サービスを効率的、効果的に進められるように、次世代技術の実用化実証実験に取り組み、成果の積極的な活用を図りました。 - _映像・観測データ等を受け取ることを想定して、処理能力、ストレージ容量を必要に応じて増強できる仕組み、として、分散処理サーバ、分散ファイルシステムを導入_ - _大震災アーカイブ自身が、災害で消失してしまわないように、ディザスタリカバリも考慮_ - _画像・映像なども的確に検索ができるように、明確なメタデータが付与されていない情報にも可能な限りメタデータを自動付与する仕組み_ - _本文も含めたテキストの全文インデキシング等の実装_ - 知識インフラの構築の一環で、分野を特定した実現形の先行事例として、大震災アーカイブ及び大震災アーカイブポータルを構築した。構築に当たっては、効率的、効果的に進められるように、次世代技術の研究成果の積極的な活用を図った。 - アーカイブでは、クローラによる収集のみならず各機関が収集したアーカイブを将来的には長期保存のために一括して受け取る仕組みを構築する。また、画像・映像なども的確に検索ができるように、明確なメタデータが付与されていない情報にも可能な限りメタデータを自動付与する仕組み、本文も含めたテキストの全文インデキシング等を行う。さらに、今後、復興の記録なども含めていくことを想定して、ストレージ容量や大量の情報の組織化のための処理能力も必要に応じて増強できる仕組みを構築する。また、震災アーカイブ自身が、災害で消失してしまわないように、ディザスタリカバリも考慮する必要がある。それらの要件を満たすシステムとして、必要に応じて、処理能力、ストレージ容量が段階的に増やせる、PaaS(Platform as a service)、分散処理サーバ、分散ファイルシステムの導入を検討した。 ## 25.1 東日本大震災アーカイブの基本理念 ## 25.2 NDL東日本大震災アーカイブの概念 ![[Untitled 15 4.png|Untitled 15 4.png]] 東日本大震災アーカイブの基本理念 「防災基本計画」 (中央防災会議 2012年9月6日決定)等 ■目的:東日本大震災の記録等を広く国内外に発信し、後世へ永続的に震災の記録を引き継ぐとともに、被災地の復興事業及び今後の防災・減災対策、学術研究等に役に立つように。 ―各府省・関係機関と協力して国全体で記録を分散収集・保存 ―震災記録を一元的に活用できる仕組みの構築 個別に保有 情報の集約 国全体で、大震災の記録を後世に 一元的なアクセス 新たな知識の創造を ~~~~ 大震災関連の記録を収集し、長期保存し、他の機関が保有している情報とあわせて提供するシステムです。 構築に当たっては,効率的,効果的に進められるように,これまでの成果であるNDLサーチ、ウェブアーカイブシステム、デジタルデポジットシステム等の既存のシステムをベースに、機能拡張する形で構築します。構築に当たっては、総務省殿に全面的にご協力いただいています。 また、より利便性の高いサービスにするために、次世代技術の研究成果を積極的に活用しようとしている。 ■収集の基本的な考え方 国全体としての「東日本大震災アーカイブ」は、当館の事業として取り組んでいますが、当然のことながら、当館だけで全てを収集し保存することは不可能です。国全体で分担して収集し、分担して保存する形を目指します。 ■収集範囲 様々な機関が保有している、大震災前の記録、大震災後の事象・被害、状況の記録、今後の復旧・復興の記録等、過去から、現在、未来に亘って、可能な限り収集・保存していきたいと考えている。 ■収集方法 (1)当館による直接収集 制度的に収集可能な記録のほか、他の機関が保存の対象としていない記録等については、積極的に受け入れたい (2)他機関による記録等の保存の推進・支援 記録の保有機関、アーカイブ機関、当館のいずれかで記録等を保存し、その所在情報を把握できるように、記録の保有機関を支援してしていきます。 (3)メタデータの収集又は検索の機械的連携 現在のNDLサーチと同様に、可能な限り、メタデータの収集、もしくは横断検索による機械的連携を行う。 (4)働き掛け・協議 を、行う。 国等の各機関で、国全体としての記録等の保存の必要性の認識を共有し、当館のプロジェクトへの協力をお願いする。 ●大震災アーカイブの構築は、「情報、記録を収集、永久保存して、提供する」という当館の使命を達成するための、今後数年間で、取り組むべき課題のかなりの実施すべき事項が含まれている。 ## 25.3 東日本大震災アーカイブのシステムイメージ ![[Untitled 16 4.png|Untitled 16 4.png]] 構築に当たっては、図書館サービスを効率的、効果的に進められるように、次世代技術の実用化実証実験に取り組み、成果の積極的な活用を図りました。 ・映像・観測データ等を受け取ることを想定して、処理能力、ストレージ容量を必要に応じて増強できる仕組み、として、分散処理サーバ、分散ファイルシステムを導入 ・大震災アーカイブ自身が、災害で消失してしまわないように、ディザスタリカバリも考慮 ・画像・映像なども的確に検索ができるように、明確なメタデータが付与されていない情報にも可能な限りメタデータを自動付与する仕組み ・本文も含めたテキストの全文インデキシング等を試行した _・_最も次世代の図書館システムを指向したシステム ===== 分散保存、一元的アクセス 各機関が分散して保有するコンテンツ NDLで一部収集し、分散保存 全体をポータルで一元的にアクセス ## 25.4 NDL東日本大震災アーカイブの取組 NDL東日本大震災アーカイブの取組の現状 連携機関39、連携データベース44、検索対象メタデータ数約317万件(2015年9月末現在) 当初の計画と比較して全く少ない ## 25.5 大震災アーカイブの課題と対策 - 課題 - 未だ知られていない記録の把握 - ひなぎくで検索可能な記録が増えない - WARPで収集した国、被災地のサイト内の大震災関連の情報が検索できない - 各種団体への働きかけを進めているが、実収集へたどり着けない - 各府省が保有する情報の収集 - 震災に関する記録等の保存に関する、全省庁に対する呼び掛けの実施 - 行政文書のうち、歴史文書としての保存 - 公文書という観点からの、大震災に関する記録等の保存の推進と、保存後のメタデータ連携 - 権利未処理記録の収集とダークアーカイブ化 - インターネットアーカイブ社による民間サイトのアーカイブ - 復興支援としての利活用 - 復興状況のタイムリーな情報提供 - 近い将来での利活用(防災、減災) - 関係機関の研究開発成果の技術移転 - 将来的な利活用(記録としての永久保存) - 知識インフラの1分野の情報として利用 - 大震災を含めて、防災アーカイブへの発展 - 対策 - WARPのコンテンツの可視化 - 「ひなぎく」から横断検索もしくはWARPへのナビゲーション - インターネット上の大震災関連記録の発見 - 利用を促進することにより、不足している記録の発見 - 利用者がインターネット上で発見した記録をソーシャルブックマーク - ソーシャルブックマークされたページを「ひなぎく」に登録し検索対象にし、ナビゲート先の拡大 - 発見した記録へのナビゲーションの拡大により、更なる利用の促進 - ウェブ上からページが消滅する前に、可能な限り許諾を得て収集 ## 25.6 ひなぎくで検索可能にしたい記録 - 行政機関、独立行政法人の資料 - 決裁文書、通知文書、活動に関する報告書、会議資料、検討資料、連絡メモ、共有された写真等 - 自衛隊、警察、消防、海上保安庁が現地で撮影した映像、動画、その他活動記録 - 調査研究の成果物、関連する調査研究のために収集・作成された資料及び調査研究データ - 地方自治体の資料 - 各自治体の公文書 - 復興計画等関連計画・方針書、議会の審議記録 - 警察等の活動記録と活動時に撮影した写真・動画等 - 自治体が保管する津波による流出個人資料(アルバム等) - MLA等の資料 - 各自治体における公文書館、博物館・美術館等による震災関係収集資料 - 被災状況及び復旧・復興の記録、体験記、証言 - 放送(テレビ・ラジオ) - 放送した番組 - 番組未使用の映像素材、取材記録等 - 新聞 - 新聞記事 - 記事作成のための取材記録、録音、動画、写真等の各種素材 - NPO法人 - 被災・復興の記録や語り継ぎに関する活動を行っているNPO団体等の活動成果(刊行物、ウェブサイト、動画等) - 学会研究機関 - 実施した関連調査プロジェクト等の内部記録、非公開学術データ - 民間企業 - 被災企業、支援企業の活動報告(CSR報告書など) - 各企業内部の震災関連文書 - 個人 - 個人で撮影した、写真、動画 - 日記、手紙など、行動を記録した私的資料 - ブログ、Twitter、Facebook等 - 個人の体験談 ## 25.7 「ひなぎく」での課題⇒ナショナルアーカイブでの課題と同様 - 技術面での課題 - 大規模分散ファイルシステム、分散処理システムの適用⇒実際には、想定ほど集まっていない - NDLサーチおよびNDLデジタルコレクションの発展形として開発⇒Factデータに関してはメタデータまで - ウェブコンテンツの可視化⇒ウェブアーカイブからの大震災関連の情報の自動切出しが困難 - 検索およびハーベスト用のAPIの未実装、不整合 - 収集前データに永続的識別子がない - メタデータの記述規則の差異、記述要素の不足 - 組織、アーカイブごとのメタデータの差異、画像、写真等、メタデータが不完全 - 不完全なメタデータへの自動付与 - 利活用のための検索・閲覧機能⇒本文テキスト、イメージ認識技術等により、内容を関連付けた検索技術が必要 - 人材面での課題 - 専門分野に関する知見、文化資産の収集・保存・修復・公開の技能の不足 - 文化資産を取り扱うための知識・技能の不足(プリザベーションエンジニア、コーディネータ、エンベデッドライブラリアン) - デジタル技術を活用したアーカイブ化のための知見の不足(アーキビスト、法規担当) - システム開発・運用管理の一般的な知識・技能の不足(システムライブラリアン、ITエンジニア) - 協力体制の課題 - 縦割り行政 - ⇒立法府であるNDLが進めることに警戒感 - 表現・報道の自由 - ⇒「放送アーカイブ」とする構想に対する報道圧力・事後検閲の可能性に対する警戒感 - 制度面・運用面での課題 - 情報公開法 - 行政文書管理簿に掲載されていない軽微な資料は、保存期限は1年未満 - 公文書管理法 - 軽微な資料も歴史的公文書と指定されなければ公文書館に移管されない - 肖像権、プライバシー権、人格権 - 権利処理がされなければ、収集できない(ダークアーカイブ) - 維持できなくなったアーカイブのコンテンツを預かることもできない - 国有財産法、財政法 - 維持できなくなったアーカイブのために、Webサーバやストレージを貸し出すことができない - 民間および個人のサイトは個別許諾に基づく収集 - 個別に許諾手続きが必要なため、網羅的な収集が困難 # 26 【オリジナル】今後10年で目指すところ(2015年~2024年) > 次のシステムリニューアルが予定される2020年から展開されるサービスの構築にあたっては、今後10年の社会の要請を踏まえて、情報技術の実用化動向を想定した図書館サービスの姿と、その実現に向けて実施すべき事項を明確にする必要があります。 >  分野を越えた知識インフラの実現形として、あらゆる記録を情報として集約し、相互に関連づけて知識化し、将来にわたって利用を保障するとともに、「社会・経済的な価値を創出」できる「新たな知識の創造と還流」の仕組みを構築することを想定しています。 ## 26.1 第6ステージ【2015~2024】 本格的なデジタル情報の普及期、サービスの変革期 次のシステムリニューアルが予定される2020年から展開されるサービスの構築に当たっては、今後の社会の要請、情報技術の実用化動向を想定した図書館サービスの姿と、その実現に向けて実施すべき事項を明確にする必要があります。 知識インフラの実現形として、様々な分野のあらゆる記録を情報として集約し、相互に関連付けて知識化し、将来にわたって利用を保証して、「社会・経済的な価値を創出」できる「新たな知識の創造と還流」の仕組みを構築することを想定しています。 - 「私たちの使命・目標2012-2016」の期間は過ぎるが、理念的には不変。今後の具体的な実施内容を想定する - 目指すところ - 知識インフラの実現形として、「様々な分野のあらゆる記録を情報として集約し、相互に関連付けて知識化し、将来にわたって利用を保証して、「社会・経済的な価値を創出」できる「新たな知識の創造と還流」の仕組みを構築する」。 ## 26.2 2020年から数年の予測と、国全体での対応 我が国では、「知的財産政策ビジョン」(2013年6月7日知的財産戦略本部)等により、今後10年を見据えた政府の取組が示されました。従来の事業モデルの「改善」だけでなく、事業モデルそのものを創造・転換する「イノベーション」を創出すること、あらゆる分野の知的財産を対象としたビッグデータも含めたクラウド化、非営利目的での利用のみならず産業利用も含めたコンテンツの多岐にわたる利活用の仕組み(オープン化)、ユーザが共同でコンテンツを制作するクラウドソーシング、産業競争力強化のための知財人財の育成・確保、新しい産業の創出環境の形成に向けた制度整備、コンテンツの権利処理の円滑化、電子書籍の普及促進、コンテンツがプラットフォームをリードするエコシステムの実現、データの収集・蓄積・分析による多様な付加価値の創造の研究開発、日本の伝統や文化に根ざした魅力あるコンテンツ・製品などの発掘・創造等が示されています。 このビジョンが想定する10年後の社会の姿の実現に向けて、国全体の方針として、「経済財政運営と改革の基本方針2014」、「学術研究の大型プロジェクトの推進に関する基本構想ロードマップ」等、具体的な実施に繋がる計画が検討されています。 学術情報ネットワーク(SINET)の整備に関する提言、ロードマップは、大学を中心とした機関での学術分野にフォーカスしたものではあるが、文化資産を含めたデジタルコンテンツの保存・活用基盤での課題と整備すべき内容と、かなり重なっているもので。国全体のアーカイブ構築の施策は学術分野の成果を活用することで、効率的・効果的に構築できると思われます。 - 知的財産政策ビジョン(2013年6月内閣官房知的財産戦略本部) - 今後10年を見据えた政府の取組 - 改善だけでなく、イノベーション - 従来の事業モデルの「改善」だけでなく、事業モデルそのものを創造・転換する「イノベーション」を創出する - オープン化 - オープン化された知的活動環境を活用し、世界中で創造された価値を取り込んで事業に繋げていくことが重要 - ③デジタル・ネットワーク社会に対応した環境整備 - クラウド化 - 利用の都度クラウド上のコンテンツにアクセスする形態 - ユーザが作成したメディア、ビッグデータも含めて - クリエーターが作成するコンテンツのみならず、ユーザが作成するものや、教育コンテンツ、更には公共セクターが保有する公共データ、ビッグデータ - 多岐にわたる利用を想定 - 活用される場面も、教育・医療・電子商取引にまで多岐にわたるなど、従来の文芸やエンターテインメントに止まらない広がりや変容 - 関連産業全体を見通して - 検討にあたっては関連産業全体を見通した視点が不可欠 - 利害対立の構造を越えて - 権利者と利用者の利害対立の構造を超えた柔軟な制度設計により、コンテンツの活用と再生産につながるサイクル - ④コンテンツを中心としたソフトパワーの強化 - 知的財産として、あらゆる分野を含めて - 知的財産としてのマンガ、アニメ、ゲームといったコンテンツに止まらず、我が国独自の文化としてのファッション、食、伝統芸能・工芸、観光などまで含めて - 第1.産業競争力強化のためのグローバル知財システムの構築 - 3.グローバル知財人財の育成・確保(p.35) - 第2.中小・ベンチャー企業の知財マネジメント強化支援 - 第3.デジタル・ネットワーク社会に対応した環境整備(p.50) - 非営利目的での利用のみならず産業利用も含めたコンテンツ利用の促進 - クリエイティブ・コモンズ・ライセンスといったパブリックライセンスの普及(文科省) - ビジネスや教育を含む公共サービスにおける利用促進のための統一的なルールなどの基盤整備(内閣官房) - 魅力的なコンテンツを通じて日本のプレゼンスの向上に大きく寄与するコンテンツ産業に対して、資源配分の重点化と政策資源の充実を図る。(内閣官房)⇒デジタル化 - 3.コンテンツ産業の市場拡大に向けた環境醸成 - (1)新しい産業の創出環境の形成に向けた制度整備(p.54) - クラウドサービスやメディア変換サービスといった新たな産業の創出や拡大を促進。(文部科学省) - (2)クリエーターへの適切な対価還元に向けた制度整備 - コンテンツの再生産につながるサイクルを生み出すための仕組みを構築する。(文部科学省、経済産業省) - (3)新しい産業の創出・拡大に向けたコンテンツの権利処理の円滑化 - コンテンツにIDを付与し、権利処理に係る情報を集約してクラウドなどによりネットワーク上で参照可能とするデータベースの整備とコンテンツ利用に係る対価の徴収・分配システムの整備を促進する。(総務省、文部科学省) - (5)電子書籍の普及促進(p.60) - 海外の巨大プラットフォーム事業者などに対する交渉力向上 - 個人の作品や専門書を含む多種多様な電子書籍コンテンツ数の拡大 - オープン型電子出版環境を実現するため、電子書籍交換フォーマットの標準化や国内外への普及促進 - (6)プラットフォームの形成の推進 - 多様なコンテンツを提供するプラットフォーム支援を通じてコンテンツがプラットフォームをリードするエコシステムの実現の促進を支援する。(総務省、経済産業省) - (7)ビッグデータビジネスの振興 - 大量に生成されるユーザー情報、映像・音声、センサー情報といった、価値ある知的財産を生み出すビッグデータを経営資源として捉え、データの収集・蓄積・分析による多様な付加価値の創造に資する研究開発などに取り組む。(総務省、文部科学省、経済産業省) - 4.デジタル・ネットワーク環境促進の基盤整備(p.64) - (1)文化資産のデジタル・アーカイブ化の促進 - コンテンツを利用するためのハードの保存や文化資産としてのデジタル・アーカイブ化及びクラウド上に存在する新しいタイプのコンテンツの記録方法についても検討が必要 - 文化資産及びこれらの関連資料などのデジタル・アーカイブ化を促進するとともに、各アーカイブ間の連携を実現するための環境整備及び海外発信の強化について検討し、必要な措置を講じる。(内閣官房、総務省、文部科学省、経済産業省) - 第4.コンテンツを中心としたソフトパワーの強化(p.68) - 1.コンテンツ産業を巡る生態系変化への対応 - コンテンツ関連施策に対して重点的に資源配分するとともに、政府としての総合的な推進体制の在り方について検討し、必要な措置を講じる。(内閣官房) - 2.日本の伝統や文化に根ざした魅力あるコンテンツ・製品などの発掘・創造 - (1)ターゲット国・地域で売るためのコンテンツ・製品の制作などに係る支援 - (2)世界のコンテンツの中心となる人財・開発拠点の整備 - (3)地域ブランドの確立 - (4)日本の高度な技術力を生かしたコンテンツ制作の促進 - 3.日本ブランドのグローバルな発信(p.74) - 4.戦略的な海外展開の推進 - 5.国内外から人を日本に呼び込むインバウンドの推進 - 6.模倣品・海賊版対策の強化 - 7.コンテンツ人財の育成 - (1)クリエーターの裾野の拡大 - (2)若手クリエーターの育成 - (3)グローバル人財の育成 - (4)コンテンツ制作現場の環境の改善 - ⇒これらの施策の実現により、現状の制度的な制約が解消されていることを想定できるか?知的財産政策等の進捗を見てから検討を始めたのでは遅い。 - 経済財政運営と改革の基本方針2014(2014年6月24日閣議決定) - (スポーツ・文化芸術の振興) (p.8) - また、文化芸術立国を目指し、地方公共団体や民間団体等、文化芸術の振興に取り組む様々な主体との適切な連携の下、観光等他の分野との協働や産業振興等の視点も踏まえつつ、「日本遺産(Japan Heritage)」など魅力ある日本文化の発信、子どもの文化芸術体験機会の確保、国立文化施設の機能強化、文化芸術の担い手の育成、文化財の保存・活用・継承等に取り組む。 - SINETの持続的整備に向けて(2014年5月9日日本学術会議情報学委員会提言) - SINETの整備に関する提言、ロードマップは、大学を中心とした機関での学術分野にフォーカスしたもので、デジタル文化資産の保存・活用基盤での課題と整備すべき内容は、かなり重なっている。デジタル文化資産分野の施策は学術分野の成果を活用することで、効率的・効果的に構築できるのではないか。 - 学術情報の公開と共有の拡充(p.16) - 高度な研究成果の発信手段として、動画像、音声情報、発表資料、更には研究データなどの関連情報をも対象とした公開・共有の仕組みが求められる。 - 多様で不均質なコンテンツを管理するためのメタデータの整備を進める - 大容量のデータを効率よく収集するためにアカデミッククラウドの有効活用を図る - 膨大なコンテンツ群の中から適切なデータを検索・発見するサービスを整備する - 様々なコンテンツを関連付けて、利用者がもとめる情報をパッケージとして提供できるようなシステムが必要 - 教育のビッグデータ基盤の提供と活用を研究活動に展開し、機関を横断した情報共有を可能にするシステムも - ⇒文献以外の関連情報を容易に入手し利活用が可能となることで研究活動がさらに高度化する - 学術研究の大型プロジェクトの推進に関する基本構想ロードマップ(平成26年8月26日 > 科学技術・学術審議会 学術分科会 研究環境基盤部会 学術研究の大型プロジェクトに関する作業部会) - 新しいステージに向けた学術情報ネットワーク(SINET)532億円(H28-H32) - 全学術分野にとって重要な国家的インフラ整備計画 - 大量の研究データを有効に利用して幅広い科学分野の研究を推進するための基盤 - 研究設備とその整備を可能とするためのネットワーク技術の研究 - 一分野や研究組織の視点にとどまらず国として取り組むべき政策 - 日本語の歴史的典籍の国際共同研究ネットワーク構築計画 88億円(H25-H35) - ナショナルアーカイブに関連した政府、学術機関、民間の取組 - 電子書籍、文化財のアーカイブ構築の動きを簡単に。 ## 26.3 (予測)2020年から数年を見据えて、情報の提供と利用はどうなっているか? - 今後10年を見据えると、現在の制度的課題、技術的課題はかなり解決されていると思われる。 - 出版界 - _出版形態の主体が紙からデジタルへ移行する時期_ - _出版物としての流通から、情報としての流通へ。_ - _出版社による電子書籍販売サービスのビジネスモデルは成熟しているであろう_ - _大半の雑誌は、電子雑誌化_ - _サブスクリプションサービスが一般化_ - _雑誌単位、記事単位_ - _少量出版物は、PODに移行しているであろう_ - _孤児作品や絶版作品、フェアユースのための法制度が導入_ - _容易に電子書籍化ができるようになっているであろう_ - _現在のような閲覧を不可にするDRMでなく、電子透かし的なDRMに代わっているだろう_ - 国 - _公的資金で作成された出版物は、オープンアクセスになっているであろう?_ - NDL - _コンテンツ生成_ - _当館所蔵資料のデジタルコンテンツ化率はかなり高くなっているであろう_ - _(関係者協議内容が見直されて)全文テキスト化も可能になって、フィックス側、リフロー型が1つになった電子書籍化も行えているであろう_ - _収集_ - 電子書籍・電子雑誌 - _収集の主体はデジタル化コンテンツになっているであろう_ - _当館によるオンライン資料(電子書籍・電子雑誌等)の収集は軌道に乗っているであろう_ - インターネット情報 - _収集するインターネット情報は、公共機関、NPO、民間に広げている。_ - _ウェブアーカイブとデジタルアーカイブの情報が関連付けられる技術も相当進展している_ - _セマンティックウェブ技術や、新しい技術開発が進み、人工知能(AI)も実用レベルになっているであろう_ - _組織化_ - _物としての組織化から、マイクロコンテンツとしての情報の組織化へ移行?_ - _情報自身、情報間の関連付けもかなりの精度で自動化されているであろう_ - _保存_ - _紙とデジタルでなく、媒体としての長期保存、情報としての利用、情報の長期保存_ - _原本性を保証する役割を果たすことが必要である_ - _一つの識別子で、バージョンを管理することは現時点においても可能となっている_ - _提供_ - _登録利用者への特別サービスが考えられる_ - _有償で、付加サービスも_ - _デジタル複写サービス_ - _認証も、マイナンバー、Open-ID_ - _図書館資料を有償で利用することの結論は10年では出ないだろう_ - 公共図書館 - _当館、公共図書館では、商用の電子書籍販売サービスを活用しているであろう。_ - _閲覧提供は、有償オンラインとして収集した情報か、電子書籍サイトかは、予想できない_ - _当館のデジタル化資料送信サービスもほとんどの図書館で利用されているであろう。_ - _(海外の図書館も、出版社への支援活動が功を奏していれば、自宅への配信も可能になっているかも知れない)_ # 27 国全体の活動の方向性 > 我が国では、「知的財産政策ビジョン」(2013年6月7日知的財産戦略本部)等により、文化資産のデジタルアーカイブ化を推進する政策も含めて、今後10年を見据えた知的財産関連の政府の取り組みとしての目標が掲げられました。政策としては、従来の事業モデルの「改善」だけでなく、事業モデルそのものを創造・転換するイノベーションの創出、日本の伝統や文化に根ざした魅力あるコンテンツ・製品などの発掘・創造を目指すとともに、実現に向けて、ビッグデータの収集・蓄積・分析による多様な付加価値の創造に資する研究開発、オープンデータ化、権利処理の円滑化、人材の育成・確保等の取り組みが示されています。 ## 27.1 考察 知の共有化を目指した知識情報の保存基盤と、新たな知識の創造を目指した利活用基盤の構築を目指して、今後は、国としてのアーカイブを更に利用しやすくするとともに、アーカイブ内のコンテンツを利活用した新たな知識の創造と、目的に応じた知識の発信を充実させることにより知の循環が更に進むようにする施策の実施の一翼を担えるようにしていくことが重要と考える。 そのような施策の1つとして、「デジタル文化資産の「保存・活用」の基盤の整備」がある。 電子書籍関連の利活用の促進に関する議論と、文化財、ポップカルチャーに関する保存と利活用に関する機論が進み、国としての文化的資産の保存と活用基盤の概念と構築のフレームワークが見えてきた。その概念は、NDLの中期計画に基づいて進めてきたアーカイブ構築の発展形として考えられる。 ## 27.2 検討の方向性 - 大きなビジョンみたいなものが常に振られているということが重要 - 全体像が見えている中で自分は何をやっているのかというのが見えると、モチベーションも上がるのではないか ## 27.3 アーカイブに関連した国の活動の方向性 > 「知的財産政策ビジョン」に基づく国の施策の中で、NDLに直接関連する計画として、デジタル画像の電子書籍化と利活用の促進に関する構想、デジタル文化資産の保存・活用の基盤の整備に関する構想、学術情報の公開と共有の拡充に関する計画、大規模災害の記録と記憶の保存などのアーカイブの構築等が検討されました。 >  一方、個々の施策の目的は異なっていても、対象とする文化資産は相互に関連するものであり、知識インフラを目指した仕組みとして、国全体で文化資産の価値を高め、新たな文化や情報を生み出す社会基盤として「恒久保存・継承・公開・活用」が可能な、出版領域を含む文化資産のナショナルアーカイブとなることが望まれ > ます。「資料・情報を文化資産として収集・保存する」ということは、従来からの出版物に相当する情報の範囲だけではなく、美術館、博物館、文書館等が保有する無形・有形の文化財をデジタル化した情報を含め、インターネット上で流通している著作物全てを文化資産としてアーカイブすることです。 >  文化資産のナショナルアーカイブの構築と運用にあたっては、制度的な課題解決のために、アーカイブ基本法の法制化、推進体制作りなどが議論されています。また、具体的なサービスシステムの仕組みとして、技術的課題のための研究開発が進んでいます。 >  そのような状況を踏まえて、私見として、国のデジタル文化資産のアーカイブに必要なサービスシステムのフレームワークと主な役割を想定すると、次のとおりです。 _これからの当館の電子図書館事業の展開を考える上で、国全体の議論として押さえておきたい。_「知的財産政策ビジョン」に基づく国の施策の中で、当館に直接関連する計画として、電子書籍化と利活用の促進に関する構想、デジタル文化資産の保存・活用に関する構想、学術情報の公開と共有の拡充に関する計画、大規模災害の記録と記憶の保存などのアーカイブの構築等が検討されています。 _その中で取り上げられている文化的資産は、無形・有形を問わず、また媒体を問わず、多岐にわたっており、様々な機関により分散してアーカイブされています。_ これらは、目的は異なっていても、対象とする文化的資産は相互に関連するものであり、知識インフラを目指した仕組みとして、国全体で_文化関係資料の価値を高め、新たな文化や情報を生み出す_社会基盤として、「恒久保存・継承・公開・活用」が可能な、ナショナルアーカイブとなることが望まれます。文化財のナショナルアーカイブの構築と運用に当たっては、必要性の認識の共有や振興に向けた案が様々な組織体によって提起され、制度的な課題解決のために「宣言、アーカイブ基本法の法制化、推進体制作り」などが議論されており、また、仕組みとして必要な技術的課題も研究開発が進んでいる。そのような状況を踏まえて、実現形として国のデジタル文化財のアーカイブとして、実現形のサービスシステムの基盤を想定する。 ## 27.4 文化財情報の位置づけ - 「国立デジタル文化情報保存センター」構想 デジタルによる日本文化の「恒久保存・継承・公開・活用」の戦略ビジョン - 要約 - 日本の文化戦略の立ち遅れ(欧米・アジア国家レベノレでの戦略攻勢、脆弱な恒久保存・活用基盤) - 2020年東京五輪開催契機、国内外への「日本文化」魅力発信=正しい日本文化理解へ - (国際交流、日本の誇り・アイデンティティ=リスペクトされる日本=「文化立国」実現へ) - 「デジタル」による文化資源の活用(=デジタル文化資産)土台づくりの重要性 - (デジタルで「情報を届けやすく」「現物(有形・無形)にはない新たな価値を提供」) - デジタルの脆弱さを補う恒久保存基盤体制の確立 - 「恒久保存」と「活用Jの中核を担う強力な推進母体(司令塔)としての戦略センターの必要性 - 背景 - わが国では、近年、ミュージアム、図書館、大学、民間企業、寺社などが保有するさまざ文化資源のデジタルアーカイブによる「デジタル文化資産」の活用が進みつつある。 - しかし、それらは各機関の自己努力による断片的な取り組みであり、各機関相互の連携。足並みは十分とはいえず、また、日本全体を統括的に俯腋した戦略であるとは言い難い。 - そこには、瞬時に消失のリスクを抱えるデジタルデータ特有の脆弱性やバックアップ機能を考慮したデータの恒久保存課題をはじめ、人材不足課題、資金不足課題、権利処理コスト課題など、デジタル文化資産の活性化を阻害する要因が構造的・複合的に内包されており、緊急に解決すべき問題が山積している。 - 趣旨 - 「魅力的な日本」に接する機会づくりと、それをきつかけとして「日本文化」を正しく、より深く理解するには、我が国の貴重な財産としての文化資産を全国規模で俯敗した上で国内外へ効果的に情報発信するとともに、それら文化情報を「コンテンツ」や「サービス」に編集・加工することでうまれる「デジタル文化資産」活用の土台づくりが重要であり、その基盤整備への着手は2014年のこのタイミングをおいてほかはない。 - そのためには、先述したデータ保存課題、人材不足問題、資金不足問題、権利処理コスト問題など、デジタル文化資産の活性化を阻害する課題を様々な観点から洗い出した上で、これを制度的に克服する方策(人材育成策・予算措置・権利処理に関する法改正など)を導き出し、文化戦略を国際競争力の重要軸に位置づけしっかりと実現していくことが肝要であり、このような戦略を実行力を持つて継続的に実現するためにも、その中核を担う強力な推進母体(司令塔)としての組織・体制が必要である。 - 個別機関の多重投資による非効率を脱し、社会全体での大幅なコストダウンと、デジタル文化資産を活用した事業機会の創出と拡大による経済的波及効果を見据えた戦略展開こそ、『文化立国」実現のための、わが国の最重要課題である。 - 骨子 - 2020年東京五輪開催というエポックは、「スポーッの祭典」としてだけでなく「文化の祭典」として、日本文化や日本の魅力、日本の誇り・アイデンティティを世界に知らしめる基盤整備の最大にして最後のチャンスである。 - 日本が世界に誇るべき有形・無形の文化資産をデジタル技術を利用して情報として発信し世界中に届け「日本文化のファンになつてもらう」ことを可能にする基盤整備を短期集中で進め、さらにはそれら情報のコンテンツ化やサービス化を通じて、日本文化をより正しく、より深く、より楽しく理解を促すための「デジタル文化資産の活用」を国家戦略として取組む。 - その推進基盤整備を通じた、世界の見本となる「文化立国=リスペクトされる日本」の実現こそが、 - 国家の成長戦略としても位置づけられると同時に、 - 今後日本が世界の中で国際的なプレゼンスを向上させ確固たるポジションを築く唯一の方策である。 - 文化関係のアーカイブの役割 - 文化財をはじめ、文化関係資料は、我が国の歴史や文化等の理解のために欠くことのできない貴重な資料。将来の文化芸術の発展の基礎を成すもの。 - 文化関係資料のアーカイブは、我が国の多様な文化を保存・継承するとともに、国民が文化芸術を鑑賞し、自ら活動に参加し、新たな文化を創造していくための社会的な基盤となるもの - バリューの生産が産業の根幹 - 進め方 - 省庁横断的な文化政策の戦略を講じるべき。文化のための文化振興だけではなくて、福祉、教育、産業、観光等との連携。 - 領域横断という意味では経済産業省などと一緒になって、本当に日本の価値を創り得る産業の形というものを、もう少しリアルに議論 - 日本の強みを生かす国際的な拠点づくりを推進すべき - ストックを生かしてフローを創出する - 当面の目標 - 2020年を契機とし、2020年以後をも見据え、文化振興方策を講じていく必要性がある。 - 日本文化のファンを世界に創造に、日本ブランドの認知度向上により、市場の創造につなげる。 ## 27.5 文献情報の位置づけ - _「電子書籍議連の方向性」を考慮して。_ ## 27.6 アーカイブ全体 ### 27.6.1 考察 知の共有化を目指した知識情報の保存基盤と、新たな知識の創造を目指した利活用基盤の構築 今後は、国としてのアーカイブを更に利用しやすくするとともに、アーカイブ内のコンテンツを利活用した新たな知識の創造と、目的に応じた知識の発信を充実させることにより知の循環が更に進むようにする施策の実施の一翼を担えるようにしていくことが重要と考える。 そのような施策の1つとして、「デジタル文化資産の「保存・活用」の基盤の整備」がある。 電子書籍関連の利活用の促進に関する議論と、文化財、ポップカルチャーに関する保存と利活用に関する機論が進み、国としての文化的資産の保存と活用基盤の概念と構築のフレームワークが見えてきた。その概念は、NDLの中期計画に基づいて進めてきたアーカイブ構築の発展形として考えられる。 - デジタルアーカイブは、世界的な情報発信のバックヤード(福井氏) - アーカイブの最大の価値は、ほとんど流通していない多様な作品をデジタル化して、どこからでもアクセスできるようにすること - 企業活動・教育研究・防災・外交交渉のバックヤード - 東京オリンピックに向けて、素晴らしい伝統、先進的な文化・革新的な技術を発信 - 文化スポット、街並み、ファッション、舞台・映画・音楽、食文化、書画、工芸品、マンガ、J-POP - 町の記憶を、埋もれた名作、貴重な行政資料 - 背景 - 従来は、基本的にファクトリー化していく日本。文化というのは、どうしても守っていかなきゃいけない、保存していかなきゃいけない、義務的な、お荷物的なものだった。 - ヨーロピアーナでは、ルールを作ることによって、非営利で公共的な文化組織は発信してよろしいという形で少しずつ緩めていく工夫がなされている - 目指すところ - アーカイブは保存のための機関ではなくて、アーカイブしたものの資料を活用しながら、いかに新しい価値をクリエートしていくかということが使命 - 成長するアーカイブスであってほしい【長官】 - ある意味でスタティックに、網羅的に、ある時代であらゆる分野のものを集めることも非常に重要 - 一方で、完璧な網羅性がないかもしれないけれども、徐々に集まっていくというダイナミックアーカイブス - アーカイブスに調査研究、それから開発という機能と結ぶ付けるようなもの - 作られるイメージ - 縦割りを強調するような、何か閉じた拠点があるのではなくて、その拠点はいろいろな窓口になり得るし、そこに問い合わせれば、その領域を中心とはするのだけれども、すぐに横につながっていく - 異種のアーカイブスと結び付いて、それでお互いにアーカイビングという1点でマテリアルが人を媒介にして新しい価値を持ち出すことは十分考えられるので、そういう仕組みをずっと残していってほしい - 情報を編集して、誰にでも見えるような形で、ウエブ上で、あるいは展覧会という形で外に向けて作っていく。それで文化が横断的に情報を編集することによって、大きな知になって、そうしないことには、この一番上の赤いところには全くたどり着かない - 進め方 - 「使い、創り、繋がり、伝えるアーカイブ」という観点で考えて、それをドライブするのがコミュニティーであり、コミュニティーの中核となっている中核機関、ハブとなる機関、拠点機関だとするならば、それはそのドメインの方が今は何を集め、どのようにつなげていこうか。 - 何をコレクションすべきかということをまず考える。何がテーマになるべきかということをまず考える。 - 情報というのは、あるフォーマットでまとめておけばいいのではなくて、どういう作り方をすると流線型のように世界中にうまく回っていくのかを考える。 ### 27.6.2 検討の方向性 - 大きなビジョンみたいなものが常に振られているということが重要 - 全体像が見えている中で自分は何をやっているのかというのが見えると、モチベーションも上がるのではないか ### 27.6.3 拠点 ### 27.6.3.1 拠点の位置づけ - 拠点には、文化的資産を館種毎に集約している中核的機関としての拠点と新たな知識(コンテンツ)を創造し発信する拠点がある - 両者は実体があるかバーチャルなものかは問わず、機能として位置付けられる - また、コンテンツを集約する拠点と、コンテンツを創造する拠点も、一体か独立かは問わず、役割として認識する - 従来は、集約する拠点が、コンテンツを創造し発信していく役割を担っていたために、縦割りのアーカイブと館種毎のポータルが構築されてきたのではないか。 ### 27.6.3.2 新たな知識(コンテンツ)を創造し発信する拠点 - 連携の強化、アーカイブの構築・運用、窓口としての調整や利用者への支援、人材育成等に当たる - デザイン分野の中核施設となる「国立デザインミュージアム(仮称)」を設立 - 拠点でこれだけ国も応援するし、みんなもコミュニティーを中核として応援するのだから、ある種のサービスをコミュニティーに対して意識的に返していくマッチングが重要 ### 27.6.3.3 文化的資産を館種毎に集約している中核的機関としての拠点 - 国立美術館、東京国立博物館、国立公文書館、人間文化機構、JST、NII、NDL、総務省行政管理局、、、、 ### 27.6.4 個別分野 ### 27.6.4.1 文献分野 - 電子書籍を中心に - 全体で必要な機能を、出版界と図書館界でどのように役割分担していくか - ビジネスモデルの想定図で説明 ### 27.6.4.2 文化財分野 ### 27.6.4.3 メディア芸術分野 - 漫画、アニメーション、ゲーム等は、我が国を代表するボップカルチャー - メディア芸術は、商品であり、文化財ではなくて、恐らく文化資源 - 「伝統的なアーカイブとは異なる仕組み・手法を検討すべき」 ### 27.6.4.4 デザイン分野 - 工芸品等々、多岐にわたっており、我が国ではデザインとしての公的な美術館は無く、デザインに関わる作品・資料が諸施設で分散して収集・保存 - 例えばホテル1つとっても、ホテルはいろいろな文化の複合 - 全てアーカイブすることは不可能。我が国の文化と産業を俯瞰してテーマを設定 - 同時代における文化、歴史、技術等をセットして保存することが重要 - ある意味では現代アートの目的は、欲しいと思わせる価値をどうやって生み出せるか - 海外でも評価が高く、世界の文化の振興に貢献することが期待されるメディア芸術やデザイン等は、現在も新しい作品が次々と生み出されている。伝統的なアーカイブとは異なる仕組み・手法を検討 ### 27.6.4.5 防災情報分野 - 大震災に関する防災、減災に資する情報を集約している「ひなぎく」を各として、様々な防災に関連するアーカイブを構築する ### 27.6.4.6 学術情報分野 - SINETとの連携 ### 27.6.5 アーカイブの整備のために国はどのような役割を果たすべきか - 国としてのアーカイブ構築施策の一環としての位置づけ - 恒久保存と利活用のための共通プラットフォームは、産学の研究成果を活用する形で国が構築し維持する - 個別の利用者ニーズにあった利用基盤は、民間ビジネスでより創造的なサービスが構築されることが望ましい。 - 民間ビジネスでデジタル化が進まない分野、時代の文化財のデジタル化 - 権利情報・管理情報の管理機能の構築支援 # 28 電子書籍のナショナルアーカイブの方向性 「ナショナルアーカイブ」の構築の方向性 分野を特定しない「知識インフラ」の具体的な実現形 「ひなぎく」の構築・運用での課題解決・成果を踏まえて 文化資源の保有機関が何に留意して何をしていくべきか ## 28.1 国立国会図書館サーチの現状(2012年1月から運用) 国立国会図書館サーチ [http://iss.ndl.go.jp](http://iss.ndl.go.jp/) - 国立国会図書館及び他機関が保有する紙・デジタル媒体等の様々な形態の情報資源の書誌・メタデータを横断的に検索 - 図書館、博物館、美術館、公文書館、民間企業等分野も問わない - 約**100**データベース、約**1億**件のメタデータを検索 - 同じ書誌をグループ化し、各種の入手手段に案内 - 「外部提供インタフェース(API)」提供 - 多言語対応(日/中/韓/英):各言語版+翻訳機能 - スマートフォン対応 ## 28.2 分野を越えて情報を関連付けたデータベースと目的毎のポータルサービス ![[Untitled 17 4.png|Untitled 17 4.png]] アグリゲータのメタデータを集約し、様々な機関へAPIにより提供。NDLサーチはハブ的な役割。 ・今後の例として、国文研で進めている日本語歴史的典籍データベースや、出版界からの有償電子書籍等も含めて、この枠組みの中で展開されることを期待している ## 28.3 ディジタル時代の図書館と出版社・読者長尾前館長資料にコメント(私見) ![[Untitled 18 4.png|Untitled 18 4.png]] ディジタル時代の図書館と出版社・読者 長尾前館長資料にコメント(私見) これに今進めているNDL等の事業をマッピングしてみた ほとんどが、はまる ## 28.4 書籍分野のナショナルアーカイブの概念モデル-出版界との役割分担- ![[Untitled 19 3.png|Untitled 19 3.png]] これは電子書籍分野での必要な機能を5つに分解。それぞれ、出版界と図書館界の役割分担を例示。 以前、長尾構想として示された内容と酷似。 電子書籍議連に提示。 ## 28.5 電子書籍分野のアーカイブの機能モデル ![[Untitled 20 3.png|Untitled 20 3.png]] これは電子書籍分野での必要な機能を5つに分解。 議員、財務省等に提示した図の元となった、出版界と図書館界の役割分担を情報と機能をデータフロー図的に表現したもの。システム屋的にはわかりやすい。 以前、長尾構想として示された内容と酷似。 **商用コンテンツは電子書籍サイトから提供**。電子書籍サイトが**アーカイブを保持できない場合、NDLの恒久保存用アーカイブを利用して電子書籍サイトから提供**。 この構想は、NDL内有志での検討をまとめたもの。館内オーソライズに至っていないが、考え方は議員、財務省等に提示。 ~~~~~ 電子書籍に関するナショナルアーカイブは、コンテンツの生成機能、収集・一時保管機能、保存機能、権利情報・管理情報の収集・管理機能、配信・流通機能の5つの機能を想定する(図1)。 コンテンツの創出から収集・保存、配信・流通に至る全体の流れを一元的に集約するため、恒久保存のアーカイブと共に、ナショナルアーカイブ全体のメタデータを集約するデータベース(以下、「中央データベース」という。)においては、多様な主体が多様なデータを扱えるよう、柔軟かつ多層的なデータ構造を実現する。具体的には、著作物・著作者・出版者等の書誌情報、販売データ・販売者・所蔵機関等の所蔵情報、目次・索引・シソーラス等の情報探索情報等の多様なデータを一元的に管理可能な仕組みとする 出版界とNDLの役割分担 ## 28.6 【問題提起】一般国民の情報へのアクセスを保証(NDL・県立図書館へ行けない国民の情報格差の是正) ![[Untitled 21 3.png|Untitled 21 3.png]] ■各図書館の位置づけ ●市町村立図書館は、市町村民のための図書館 市町村立図書館は、国民にとって最も身近なアクセスポイント 市町村民への直接サービス 市町村で収集した情報に加えて、県立図書館、NDLが保有している情報を提供 ●県立図書館は、県民のための図書館 県民への直接サービス 県が収集した情報に加えて、NDLが保有している情報を提供 市町村立図書館を経由した情報提供 ●国立国会図書館は、国民、議員のための図書館 国民への直接サービスとして、インターネットでの情報提供 間接サービスとして、県立図書館を経由した情報提供 全国書誌を提供する役割として、NDLが収集した出版物のみならず、全ての刊行物の存在と所在場所を提供する ■商用電子図書館サービスの位置づけ 商用電子書籍を、県立等の図書館へ配信し、各図書館が自ら保有する情報と合わせて、各図書館の利用者へ提供 ■検討の観点 ●提供は、フローとして NDLが自ら保有している情報に加えて、他組織の情報を補完的に提供するのではなく、 最も身近な市町村立図書館が、自ら保有する情報に加えて、県立、NDLが提供する電子図書サービスを合わせて利用できるようにする NDLは、市場で流通せず、県立、市町村立図書館でも所蔵していない書籍を、提供する責務がある ●収集・保存は、ストックとして 市町村立図書館が収集した情報を、県立図書館が収集。県立図書館が収集した情報を、NDLが収集 ## 28.7 出版界と図書館界の役割分担と連携協力 ![[Untitled 22 3.png|Untitled 22 3.png]] 2012年10月(3年前)、フランス国立図書館(BnF)のラシーヌ館長を招いた日仏シンポジウム「デジタル時代における本のゆくえ」でプレゼンした資料。あくまで私案。 ~~~~~ 電子書籍ビジネスにおけるNDLの役割を改めて考えるとすれば、それは「電子書籍の普及によって読者人口が増え、出版全体の市場が拡大して、出版ビジネスが加速されていく」という流れを支援することだと思います。その背景には、資料や情報などの文化的資産を長期保存し、その利用を将来にわたって保障する、つまり利用者にとってはラストリゾート(最後のよりどころ)、提供者にとってはダークアーカイブとなるという、NDLの役割があるわけです。私たちはそのいずれにおいても関係機関と連携しながら、今後さらに対応を進めていきたいと思います。 ~~~~~~~~~~~~~~~ 連携先として、最重要な出版界との連携協力の案です。私案の提案段階であり、具体的な調整はまだ進んでいません。 電子書籍は,印刷出版物の延長にあるものであり、文化的資産の1つの形態である. 現在,電子書籍出版は,ビジネスとして立ち上がろうとしている.NDLは,電子書籍によって読者人口が増えて,**出版全体の市場が拡大し,出版ビジネスが加速されるように支援する**とともに,電子書籍をの将来に亘るって利用を保証することが役割と考える.そのためにも,民間の市場経済活動を阻害することなく,**市場拡大のために,出版界と下記のような様々な連携協力を検討している**が今後の課題である. ・電子書籍ビジネスのプラットフォーム整備への協力 収集・組織化・保存・提供のモデルで、電子出版社とNDLが連携したサービス、システムモデルの構築と相互利用 電子書籍サイトの統合検索、サイトへのナビゲーション ・電子書籍フォーマットの共通化 ONYX、MARC、DC(ダブリンコア) EPUB、 PDF等のフォーマット、ビューア、DRM _電子書籍フォーマットの国際標準,業界標準の策定を支援して,共通フォーマットの普及を促進させたい._ ・出版情報と書誌情報の連携 JPOの出版情報を活用して、利用者に近刊図書を公知するとともに、それを活用して書誌を作成する。 また、印刷刊行物を利用して電子書籍出版をする場合の書誌的事項として、当館の書誌情報の活用を推進する。 そのために、出版情報と書誌情報の相互運用ができるように、書誌調整を行う。 ・著作権管理センターの構築・運用の協力 _今後、NDLでの資料のデジタル化状況,出版社でまだ電子書籍化されていない資料の著作権状況など,出版界とNDLで協力して,著作権管理データベースを構築すべきと考える._ 公共図書館への送信条件の1つの「絶版本であること(市場で電子書籍として流通していない)」の調査と、出版界での電子書籍化において、まだ電子書籍化していない書籍のリストは、目的は違っていても、リストとしてはほぼ同様のもの。協力して構築できるのではないか。 ・公共図書館での利用環境の共通化 _今後,電子書籍が,公共図書館等でも電子書籍サイトからそれぞれのビューアを利用する形で提供されることが予想される.NDLからの提供は,別の著作権保護方式で別のビューアを利用する形では,利用者にとって利便性が悪い.電子書籍サイトとNDLとで,共通の著作権保護機能とビューアで提供できるように,公共図書館での電子書籍閲覧環境,コンテンツ配信システムの共通化を図っていくことが,市場の拡大に繋がると考える._ ・NDLデジタル化コンテンツの二次利用の促進 _国のオープンガバナンスの方向性に沿って,NDL保有の資産で,第三者の権利を侵害しないものは,積極的に二次利用を促進させたい.原出版社に,画像データをとして提供し,二次利用によって,電子書籍を作成してビジネスが行えるように支援することも想定する_ ・電子書籍サイト等,商用サイトへの案内の強化 _NDLサーチは,紙・デジタル,有償・無償,商用サイト・公的機関等に関わらず,ロングテールで容易に資料の存在を確認することを目的としている.利用者が最も迅速に入手し閲覧可能な入手先へ利用者をナビゲートすることが目的である.NDLは今後利用者の資料の有力な入手手段となる電子書籍サイト等への案内を強化することを想定している._ ・電子書籍に対する永続的識別子の付与 _出版に先立って販売促進のために作られた出版前情報,出版情報は,NDLで蔵書として管理するための書誌情報には活用されておらず,また関連付けもされていない.出版情報はONIXで,書誌情報はMARCで,電子情報はDCベースでというように,書誌的事項の記述規則も共通化されず,再利用もされていない_ _著者が作品を作成した時点で,永続的識別子を付与し,販売のために作成された出版情報と,図書館での書誌情報をリンクさせる形で相互連携できるようにしていきたい.また,実際に永続的識別子を付与する手段として,JaLCを活用したDOI付与も想定している._ ## 28.8 国全体の統合ポータルの構築のために - ① 国全体の分野横断型統合ポータルの構築・提供 - NDLサーチの連携拡張(「NDLサーチ連携拡張に係る実施計画」平成27年4月策定;参考資料参照) - 国内デジタル資源へのナビゲーションの充実を図るため、国全体のメタデータの集約機能を目指す - 分野別・地域別にメタデータを集約するアグリゲータとの連携によって、国全体のカバーを目指す - 先ず、文化財分野については文化遺産オンラインとの早期の連携を目指す - メタデータの標準化・オープンライセンス化の推進 - 利活用の共通ルール化も含め、推奨ガイドラインの策定が喫緊の課題 - ② 集約したメタデータの利活用促進 - 目的別・分野別ポータルの提供及びその支援 - 震災関連コンテンツに関しては、集約したメタデータを用いて「NDL東日本大震災アーカイブ」を充実 - NDLサーチが集約・提供するメタデータを使って、海外への発信・地方からの発信など目的別ポータルの構築を(関係府省・関係機関と協力して)支援 - ③ コンテンツ利活用促進のための制度整備への協力 - 人材育成 - デジタル化研修(1.②再掲)のほか、イベントの実施 (事例:平成27年1月に実施した「Europeana」担当者及び国内有識者を招いたデジタルアーカイブに関するシンポジウムの開催) - 法制度整備 - 文化庁著作権課が進める孤児著作物の制度整備などへの協力 # 29 電子書籍と文化財を合わせたナショナルアーカイブの構築を目指して ## 29.1 電子書籍・文化財の各ナショナルアーカイブ構想のカバレージ ![[Untitled 23 3.png|Untitled 23 3.png]] 当初、電子書籍と文化財のアーカイブが別々のものとして検討されていた。 **NDLのアーカイブは両方にまたがっていた**。 ## 29.2 各種アーカイブ構築施策の一元化 ![[Untitled 24 3.png|Untitled 24 3.png]] 電子書籍、文化財、災害情報など別々に構築するのではなく、**分野を越えて1つのアーカイブとして構築**し、それぞれを目的で利用できるようにすることを提唱。 NDLサーチの基本的な考え方を踏襲し、カバーする範囲を拡大 ## 29.3 文化財を含めたナショナルアーカイブの機能イメージ ![[Untitled 25 3.png|Untitled 25 3.png]] **恒久的保存基盤の部分に電子書籍分野の概念を含めたイメージ図**。 **電子書籍と文化財を同一の枠組みで機能をイメージ**する ピンクは、特にNDLが主体となる部分 # 30 ナショナルアーカイブの機能構成 ## 30.1 必要な機能の想定 このようなアーカイブは、我が国の多様な文化を知識として保存・継承する役割、様々な分野の専門家が参加し、新たな文化を知識として創造していくための社会的な基盤としての役割、それらの知識を利用目的に応じて発信する役割、そして、これらの仕組みを統括し運用していく役割が考えられ、文化的資産を館種毎に集約している拠点と、新たな知識を創造し発信するしている拠点等が分担して構築・運用していくことが必要です。これを実現するために、以下の役割を持つ基盤が想定されます。 ## 30.2 恒久的保存基盤 > 1つの機関にすべてを集約するのではなく、各分野のアーカイブを集約する拠点が中核となって分散アーカイブを構築し、各機関の情報を相互に持ち合って、将来にわたって利用を保障する仕組みです。 >  その分散アーカイブを集合して、あたかも1つのアーカイブとして見えるようにし、個々の情報同士を意味的に関連づけて、情報間のネットワークを構築することを想定します。 >  このようにネットワーク化された情報に対して、本文の全文検索、あいまい検索、シソーラス検索などを組み合わせた検索で情報を取り出すだけでなく、取り出された情報から芋づる式に関連する情報を取り出せるようにします。 恒久的保存基盤は、恒久保存と利活用のための共通プラットフォームとして、1つの機関にすべてを集約するのではなく、各分野のアーカイブを集約する拠点が中核となって分散アーカイブを構築し、各機関の情報を相互に持ち合って、障害、災害に備えるとともに、情報のフォーマットのマイグレーションを行うことにより、将来にわたって利用を保証する仕組みです。その分散アーカイブを集合して、あたかも1つのアーカイブとして見えるようにして網羅性、完全性を確保し、個々の情報同士を意味的に関連付けて、情報間のネットワークを構築することを想定します。 このようにネットワーク化された情報に対して、分野を越えて網羅性を保証した検索インターフェースとして、本文の全文検索、あいまい検索、シソーラス検索などを組み合わせた検索で情報を取り出すだけでなく、取り出された情報から芋づる式に関連する情報を取り出せるようにします。 - 文化関係資料の価値を高め、新たな文化や情報を生み出す社会基盤 - 様々なアーカイブの横断的な利活用を推進する方策 - 様々な分野のアーカイブに共通のプラットフォームを提供し、分野横断的に検索を可能にする仕組み - 分野 - 文化財をはじめ、放送脚本・台本等々、散逸・消失のおそれのある文化関係資料については、引き続き資料の収集・保存、資料のデジタル化等を推進 - 文化財のほか、音楽、写真、映画、漫画、アニメーション、ゲーム、デザイン等の多様な分野に拡大 - 機関 - 全国の博物館・美術館等と連携を進め、組織や分野を超えたアーカイブの利活用を推進するための基盤の整備 - 基本機能 - 一般的な倉庫 - 辞書をきちんと整えて、それも一緒に保存 - データの長期利用ということが必要なファクター - アーカイブというのは将来のために作る - アーカイブの拡充 - ある保存形式とかルールが確立されると、未来基準を1つ決めれば、その方法で保存されたものは、水が流れて自然にたまるように自然発生して生成されてくる - ここにこれだけ情報を持つアーカイブがある、コレクションがあるということが認識されれば必ず黙って集まってくる - ダイナミックに自然と、これを使いたいという人がどんどんコンテンツを持ち込んでくる形でデータが集まってくる形 - どこかアクチュアルな未来資源としての活用方法と一対にしたアーカイブの形というものを、どこかで模索していかなきゃいけない - 構築の概念 - 倉庫を作るというよりも、保存方法というルールを確定すること - ボーンデジタルのコンテンツの保存。それはデザインであろうが、漫画であろうが、あるいは音楽であろうが、建築であろうが、全て共通すること - 何が見えれば残ったことになるかということに関しての議論というのが必要 - 収集と投稿機能を備えたナショナル・デジタルアーカイブの設立(福井提案3) - 具体的な施策の想定 - NDLにおいて、NDLデジタルアーカイブ及びWARP、ひなぎく目指してきたこと。デジタル文化財では「恒久的保存基盤」でのメタデータDB、業種・業態毎の分散アーカイブ全体で一つの大きなナショナルデジタルアーカイブとする。その中でNDLのアーカイブは中核的な位置づけとなる。 - 全国のアーカイブをネットワーク化し、独自の横断検索を実現(福井提案2) - 具体的な施策の想定 - NDLにおいて、NDLサーチが目指してきたこと。デジタル文化財では「恒久的保存基盤」でのアーカイブ拠点・分野・形態を問わないコンテンツの検索及び提供機能 - 税金を投じたデジタルアーカイブではオープンデータ化を原則(福井提案8) - 提案内容 - 基本的にパブリック・ライセンスを付与 - CCを付けられないものは「要許諾」と明示。その他は何らかの「CCマーク」、著作権が切れているものは、「PD」と明示 - 少なくともメタデータは「CC0」 - 具体的な施策の想定 - 「電子行政オープンデータ実務者会議」、「オープンデータ流通推進コンソーシアム」、各種オープンデータ関連の組織体での活動に期待。NDLも積極的に参画し、考えを提示する - 短期 - 市場で流通していない文化財のデジタル化 - 短期的な対処として、物理媒体のマイグレーションを自動化した分散ファイルシステムの適用 - 長期 - ディザスタリカバリー、所蔵機関のバックアップサイト。サービスの障害時に代替でコンテンツ提供 - 長期的な対処として、拠点分散を自動化したネットワークシステム(P2Pネットワーク等) ## 30.3 コンテンツ創造基盤 > 創造活動を支援する基盤です。情報全体の基本情報としてのメタデータを付与する活動、記事、章節項、文節等の単位で組織化・構造化する活動、情報間を意味的に関連づけるための基本情報としての用語辞書、典拠、シソーラス辞書等を作成する活動を想定します。 >  関連づけて利用できる情報の幅が広がるため、より高度な創造性が期待できます。 >  また、歴史的な文化財や現代文化を映像化、画像化、テキスト化する活動、構造化された情報に解題情報等を付与する活動、情報間を意味的に関連づける活動、テーマを設定してデジタルギャラリを構築する活動等が含まれます。 >  ここで生成された情報は、新たな知識として恒久的保存基盤に蓄積されていきます。 コンテンツ創造基盤は、キュレーター、ライブラリアン等の支援のもとで、それぞれの分野の専門家のみならず、広く国民も含めて、情報に付加価値を付けたり、他の分野の情報と関連付けて、二次的著作物を創造する場です。 創造活動を支援する基盤として、情報全体の基本情報としてのメタデータを付与する活動、記事、章節項、文節等の単位で組織化・構造化する活動、情報間を意味的に関連付けるための基本情報として、用語辞書、典拠、シソーラス辞書等を作成する活動を想定します。 新たな知識を創造する活動は、まず、恒久的保存基盤に格納された網羅的な情報を活用して新たな知識を創作する活動があります。関連付けて利用できる情報の幅が広がるため、より高度な創造性が期待できます。 また、歴史的な文化財や現代文化を映像化、画像化、テキスト化する活動、構造化された情報に解題情報等を付与する活動、情報間を意味的に関連付ける活動、テーマを設定してデジタルギャラリを構築する活動等が含まれます。 _ここで生成された情報は、_新たな知識として恒久的保存基盤に蓄積されていきます。 _あたかも1つのアーカイブとして利用できる異種のアーカイブと結び付いて、お互いのコンテンツが人を媒介にして、それにより新しい価値を生み出すものとして、それぞれの分野の専門家であるキュレーター、ライブラリアンの能力の発揮の場で、保有する情報に付加価値を付けたり、他の分野のコンテンツと関連付けて、二次的著作物を創造したり、元になったコンテンツへナビゲートできるようにして、ここで生成された情報が、新たな知識として恒久的保存基盤に蓄積することが想定されます。_ - 2020に向けて世界の文化交流のハブとなる - 次世代あるいは次々世代の人たちが新たな価値を作り出していくための付加価値の基盤 - 様々な分野のアーカイブを連携して横断的な利活用を図るための取組が求められる - アニメーションゲーム、メディアアートというのが入って、それをうまくつないでいく話をするのですけれども、実はすごくメディアミックスしていて、もともとキャラクターとかでつながっているから、何か一つのものが作りやすいだろうと思っていても、ここはこれで、実はかなり難しい - 文化財だけじゃなくて、漫画があったり、建築デザインが入ってきり。それこそ、思わぬところで思わぬ情報にめぐり逢う。それが刺激になって、次のまさに創造 - 考慮点 - 個々の作品の歴史や背景を海外に対してアピールするような視点 - 文化財の歴史を検証するようなことを調査する基盤、説明する仕組みが必要 - ローカルなものをどうやってグローバルな文脈にきちんと翻案できていくかということが、活用する際の非常に重要なポイント - 構築方法 - 情報を編集して、誰にでも見えるような形で、ウエブ上で、あるいは展覧会という形で外に向けて作っていく。それで文化が横断的に情報を編集することによって、大きな知になって、そうしないことには、この一番上の赤いところには全くたどり着かない - 「拠点」を国が幾つか指定し、その活動を一定期間支援 - 概念(まとめ) - 現状 - 個別のアーカイブは、ある意味で分野に閉じた価値である場合が非常に多くて、こだわりがすごく深かったりするのだけれども、ほかの分野の方々に対して開けていない。 - 今回の提案は、 - コンテンツ創造基盤を作ろうということ。すなわち、個々の分野では閉じた意味での価値として、創造され蓄積されているが、それの原作の書籍と繋がっていない。 - このコンテンツの創造機関が、それぞれの分野の専門家が他の分野のコンテンツと関連付けて、文化的な背景を示し、その元になったコンテンツへナビゲート。 - 情報を関連付けるのは専門家でなければできない。 - 例えば大学の研究者の活動では、ばらばらの論文として作成され、どこかのアーカイブにありますというレベルでは不十分。 - 意味のある形でつないで、分野を超えるとこんなにおもしろいということを示す。⇒意味のある形でつなげて、恒久的保存基盤で保持する - 現在のヨーロピアーナとの違い - 現在のヨーロピアーナは、現在のNDLサーチのレベルで、どこにどういうものがありますというのが検索できるもの。一部ギャラリ的なものも提供(NDLの電子展示会レベル)、あとは考えてごらんなさいというもの。 - 玉も石も一緒に出てくるので、基本的に件数は多いけれども、そこから何かを学ぼうとはなかなかいかないレベル - 日本がやるからには、そのレベルを超えて、玉石混交ではなくて、ちゃんとキュレーションのレイヤーが入る。全国の博物館、美術館の人たちの本当の仕事はここを作ること。 - データを磨いて、自分たちの持っているものの価値をいろいろなところに発信してつないでいくことが、これからのキュレーター、ライブラリアンの仕事 - 分野横断的な検索、複合的になった知識を、さらに一元的に発信するサイトが日本版ヨーロピアーナ。本場のヨーロピアーナとちょっと違う。 - 意見 - 2020に向けて世界の文化交流のハブとなる - 次世代あるいは次々世代の人たちが新たな価値を作り出していくための付加価値の基盤 - 様々な分野のアーカイブを連携して横断的な利活用を図るための取組が求められる - アニメーションゲーム、メディアアートというのが入って、それをうまくつないでいく。既にメディアミックスしていて、もともとキャラクターとかでつながっているから、作りやすいだろうと思っていても、実はかなり難しい - 文化財だけじゃなくて、ポップカルチャーがあったり、建築デザインが入って、思わぬところで思わぬ情報にめぐり逢う。それが刺激になって、まさに次の創造につながる - 考慮点 - 個々の作品の歴史や背景を海外に対してアピールするような視点 - 文化財の歴史を検証するようなことを調査する基盤、説明する仕組みが必要 - ローカルなものをどうやってグローバルな文脈にきちんと翻案できていくかということが、活用する際の非常に重要なポイント - 構築方法 - 情報を編集して、誰にでも見えるような形で、ウエブ上で、あるいは展覧会という形で外に向けて作っていく。それで文化が横断的に情報を編集することによって、大きな知になっていく。そうしないことには、情報発信基盤にたどり着かない - 自力でデジタル化できない文化施設や個人のためにデジタル化工房を各地に設置(福井提案1) - 各教育機関と連携した、デジタルアーキビストの育成と研修プログラムの充実(福井提案4) - 具体的な施策の想定 - デジタル文化財での「運営基盤」での大きな役割 - 無料字幕化ラボの設置(福井提案10) - 具体的な施策の想定 - デジタル文化財の「コンテンツ創造基盤」において、クラウドソーシングの環境整備と体制の構築を想定 ## 30.4 情報発信基盤 > 様々な利用者ごとの目的に応じて、恒久的保存基盤に格納された一次情報、コンテンツ創造基盤で創出された二次的情報を有機的に組み合わせて、利用できるようにする基盤です。 >  網羅的な情報から、利用目的に応じてあらかじめ適切に絞り込み、利用者の属性、スキル、利用場所に応じて、様々な画面インターフェースを用意して、利用者が必要とする情報、参考となる関連する情報を容易に得られるようにするものです。レファレンスサービスによる情報探索支援、オンラインレファレンスなども含まれます。 _「見るだけのアーカイブ」から「使い、創り、繋がり、伝えるアーカイブ」として、_広く国民による新たな知識の創造、新産業の創出、地域活性化、防災・減災、教育活用、教養・娯楽、観光、国際文化交流等、様々な利用者毎の目的に応じて、恒久的保存基盤に格納された一次情報、コンテンツ創造基盤で創出された二次的情報を有機的に組み合わせて、利用できるようにする基盤です。 網羅的な情報から、利用目的に応じてあらかじめ適切に絞り込み、利用者の属性、スキル、利用場所に応じて、様々な画面インターフェースを用意して、利用者が必要とする情報、参考となる関連する情報を容易に得られるようにするもので、レファレンサーによる情報探索支援、オンラインレファレンスなども含まれます。 国民が文化芸術を鑑賞し、また、_日本遺産(Japan Heritage)としての魅力ある_日本文化を発信する分野では、単なる分野横断的な検索だけでなく、新たに創造された知識と併せて発信する日本らしいEuropeanaの形を目指します。 - 学校の授業など教育・研究において活用したり、観光による地域活性化や経済活動の高度化に活用 - 利用者のための、利用者が使いやすいアーカイブを構築していくべきである。「見るだけのアーカイブ」から「使い、創り、繋がり、伝えるアーカイブ」への転換を図ることが求められる - ヨーロピアーナなど各国デジタルアーカイブとの相互接続の推進(福井提言9) - 日本食、ポップカルチャー、伝統文化、美術、着物、茶道 - ヨーロピアーナと相互にゲートウェイになる - 具体的な施策の想定 - NDLにおいて、NDLサーチにより、国内の主要なアーカイブとの相互連携を行っている。 - 日中韓ではCJKDLIにより三国ポータルの構築を目指している。それを東アジアに発展させる - バチカン図書館に収蔵されている約8万冊の手書き文献デジタルアーカイブとの連携も想定 - 更に、Europeana、米国デジタル公共図書館(DPLA)との相互連携 ## 30.5 運用基盤 > ナショナルアーカイブ事業の推進のために、関係府省の協力のもと、中核的な役割を担う組織を設置して、全体の戦略企画、デジタル情報の保存や利活用のための研究開発、アーカイブに所蔵された資料に関する知識とIT技術の知識等も備えた高度な専門的人材の育成、孤児著作物の権利処理、絶版作品も含めた権利情報DBの構築促進等のための方策を導き出し、解決を図っていく必要があります。 データ保存課題、人材不足問題、資金不足問題、権利処理コスト問題など、デジタルアーカイブの活性化を阻害する課題を制度的に克服する方策(人材育成策・予算措置・権利処理に関する法改正など)を導き出し、解決を図っていく中核的な役割を担う推進母体(司令塔)としての組織・体制も必要です。この基盤では、ナショナルアーカイブ全体の戦略企画、デジタル情報の保存や利活用のための調査研究、研究開発、デジタル化支援、アーカイブに所蔵された資料に関する知識、読解力とIT技術の知識等も備えた高度な専門的人材の育成、孤児著作物の権利処理や、絶版作品のデジタルアーカイブ化における所有権、肖像権問題も含めた権利情報DBの構築を促進する等の役割を持つことを想定します。 ### 30.5.1 著作権の問題 - 国会図書館との連携が制度的にきちんと見えるような形で、そうしたところがデジタルアーカイブの利活用、研究に限るとか、教育資源に限るという形で明文化されてほしい - 一点一点が文化財みたいな、あるいは書籍みたいな感じの著作権で扱ってもらっていると運用が難しいのです。だから、包括して一括資料として著作権というものを帰属させるとか - 本の著作権法というのは、大陸法の契約法ですから財産権。ところが、英米法では違うので、コピーライト、複製権の問題 - パブリックなお金が入った文化的なコンテンツに関しては、例えば非営利で使う分は認めてくれよということを前提に出す - サーチコスト、交渉コスト、送金コスト(福井氏) - 著作権、所有権、肖像権(パブリシティ権、プライバシー権) - 孤児作品や絶版作品のデジタルアーカイブ化を促進する法制度の導入(福井提案5) - 具体的な施策の想定 - 文化庁をはじめ、関係各府省による「知的財産政策ビジョン」で示された方向での制度化を求める - 権利情報データベースの構築(電子書籍は民間主導?) - 諸外国との間で、孤児著作物の相互利用協定を締結(福井提案6) - 具体的な施策の想定 - 国際連携が可能な権利情報データベースを構築し、相互連携 - 法改正で所有権、肖像権問題にも対処を(福井提案7) - 具体的な施策の想定は、提案5と同様 ### 30.5.2 物としてのアーカイブ - 本当にデジタルアーカイブと並行して必要になってくる - 紙、うるし、伝統的な日本の芸術表現の材料そのものが非常になくなりつつある - 物だけあって、技術とかが伝承されていかない ### 30.5.3 人材育成 - 必要な人材 - 行政や文化施設における専門人材は非常に不足。アーカイブスの重要性、専門施設及び地域レベルでの専門的な人材の配置。人をつくる。子どもの想像力・創造力。地域を支える人材、高度専門人材。「アーツカウンシル」という新しい制度の検討。 - アーカイブに所蔵された資料に関する知識と読解力を有し、またデジタル情報技術の知識等も備えた高度な専門的人材 - 想像力、発想力を持った人材育成が重要 - 人材確保策 - アーカイブの必要性やアーキビストの重要性等を認識してもらい、雇用を創出していく - 現職を持っている人たちの新たな能力を高めていく。近くで働いている人たちにそういうことについての能力開発を進めていく - 編集的・運用的観点というアクティビティーの創造性ということが、日本では余りにも見えてこない。アーカイブスと一対になって、それを活用していける知性やクリエーティビティーをきちんと検証していける仕組み - 日本で必要なのは、日本の資源を運用していける局面で、編集的なクリエーティビティーを発揮できる人 - この人たちを検証していかないと、そういう知性や才能が育ってこないので、その辺は是非とも一対のものとしてお考えいただきたい - サービス部門 - 知識の分野毎に専門性の高い知見と分析能力を持つ人材 - アーカイブとユーザーを繋ぐ人材多 - 様な情報リテラシーを持つ利用者に対する人的なサポート能力 - 必要となる人材像(専門性、雇用) - 人材(デジタル技術の素養を伴った、コンシェルジュ、コーディネーター等育成) - 人的基盤の構築 - ITスキル、情報の形式化、、、 - 必要な各種業務の人材確保・育成プログラム←オールマイティの人材でなく、個々のスペシャリストを確保 - 人的ネットワークの構築←物理的に一か所に集まる形でなくてもいい ### 30.5.4 普及啓発 - 文化関係資料の意義や重要性等について、国民の関心や理解を高めるとともに、美術館・博物館等の関係者にアーカイブの構築を促す # 31 【新規】LinkedData化 ## 31.1 ナショナルアーカイブの概念 ![[Untitled 26 2.png|Untitled 26 2.png]] 恒久的保存基盤を核にして、その情報を活用して、様々な分野での知識創造活動が行われ、その知識も含めて、知識利活用基盤として、様々な目的で利活用できるようにする ## 31.2 文化資産として関連付けて保存すべきインスタンス【源氏物語を例に】 ![[Untitled 27 2.png|Untitled 27 2.png]] あらゆる情報がアーカイブ全体で、関連付けられるべきとイメージした図 **今までの図書館で扱ってきたかどうかは別で、利用者からみてこれらの情報は紐づけて利用できるように**なることが望ましいと考える ~~~~ 文化財アーカイブは、コンテンツを関連付けて、 ・所蔵場所へナビゲート ・保存コンテンツとして永久保存 ## 31.3 情報を媒介して専門家と専門家を繋ぐ ![[Untitled 28 2.png|Untitled 28 2.png]] **様々な組織が持つ情報が関連付けられて**、それぞれの組織を中心に活動していた**人が繋がっていく**ことをイメージ ## 31.4 人を媒介して辞書と辞書を繋ぐ ![[Untitled 29 2.png|Untitled 29 2.png]] 様々な分野の人たちが繋がって、情報に関する情報が蓄積され、それによって様々な各種辞書が関連付けられていくことをイメージ。 ## 31.5 人と情報が関係付けられたサービス(クラウドの世界でのサービスの連携) ![[Untitled 30.png]] **2007年時点でのイメージ図** そのような仕組みは、NDLからだけでなく、様々な機関から提供されていますが、それぞれのサービスが連携することにより、より効果的なサービスとなっていきます。 1. サービスが連携できる情報提供環境として、当時の大きなパラダイムシフトの一つとして、クラウドコンピュータの世界がありましたが、今は個人の情報管理にまでインフラとして普及している。 1. クラウドコンピュータは、ネットワークコンピューティング、グリッドコンピューティング、SaaS(Software as a Service)、Webサービス等の技術を融合させた、データセンターのようなものです。 2. 個別の組織が、単独でコンピュータ資源(ハードウェア、ソフトウェア)や情報を抱えて、サービスを提供し、ユーザが、個別のサービスを利用するような形ではありません。 2. クラウドコンピュータの普及する時代には、様々な機関の情報の共有だけでなく、サービスが共有しやすくなる世界になっていきます。 3. 各機関、当館のサービスも、このパラダイムシフトに対応していかなければ、孤立したサービスになっていきます。 4. そういう時代が近く到来することを見据えて、情報の管理の仕方、サービスのあり方を考えていく必要があります。 5. 今後ますます、情報と情報が情報群、サービスとサービスがサービス群、人と人がユーザ群として有機的に関連付けられていくものと思われます。 1. 従来のように個別のデータベースを検索し、コンテンツを閲覧するような形から、クラウドコンピュータの世界のリソースを、情報サービスの所在場所を意識せずに、サービス群として利用していくことになると思われます。 2. そこでは、所蔵機関、専門家・一般個人の区別なく集合が作られて、当館のサービスは、これらの複数のサービス群、情報群の1つにすぎなくなります。 6. また、インターネットの世界での情報発信の状況が変革すると、当館が進めているウェブアーカイブ、情報探索サービスのあり方にも大きく影響します。 1. 従来のウェブアーカイブは情報を収集保存してきていますが、このようなサービスの形をそのまま保存することは困難です。どのようにしてサービスの中から情報を収集していくのかを考える必要があります。 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 次は、人と情報が関連付けられて、精緻な検索の絞込みと、ニーズに応じた閲覧ができるサービスを提供することです。 **5年程度までの方向性(クラウドコンピュータの世界の普及をイメージして)** 過去2~3年の変化。 Blog、wiki、SNS等で個人の情報が発信されるようになり、ソーシャルブックマーク機能で個人がタギングして情報を分類できるようになりました。_RSS1.0でメタデータの配信、RSS2.0やatomでコンテンツの配信まで行われるようになった。_ クラウドコンピュータの世界でのサービスのイメージ(図を作成) 5年後には、大きなパラダイムシフトがあると想定されます。その一つとして、クラウドコンピュータの世界があります。 クラウドコンピュータは、ネットワークコンピューティング、グリッドコンピューティング、SaaS(Software as a Service)、Webサービス等の技術を融合させた、データセンターのようなものです。 クラウドコンピュータ自身は、コンピュータシステムの概念ですが、システムの共通基盤(インフラ)の上で稼動することになる各サービスは、共通のサービスインタフェースを持つことが必然となっていきます。 個別の組織が、単独でコンピュータ資源(ハードウェア、ソフトウェア)や、情報を抱えて、サービスを提供し、ユーザが、個別のサービスを利用するような形ではありません。 クラウドコンピュータの普及する時代には、単に情報を共有する世界ではなく、サービスを共有する世界になっていると思われます。 Web2.0が2~3年で爆発的に普及したことを考えると、このような時代が、5年後には到来すると思われます。 各機関、当館のサービスも、このパラダイムシフトに対応していかなければ、利用されなくなります。 そういう時代になることを予測して、情報の管理の仕方、サービスのあり方を考えていく必要があります。 今後ますます、情報と情報が情報群、サービスとサービスがサービス群、人と人がユーザ群として有機的に関連付けられていくものと思われます。 従来のように検索し、コンテンツを閲覧するような形から、クラウドコンピュータの世界のリソースを、所在を意識せずに、また、インタフェースの違いを意識せずサービス群として利用していくことになると思われます。 Web2.0では、パーソナライズ、人と人の関係を活用して情報を選択してきました。また、サービスも先進的な機関が提供するWebサービスを個別に利用してきました。 次世代は、それに加えて、情報と情報、サービスとサービスの関係を組み合わせて、ユーザ群と情報群の多対多の関係で、より的確な情報の活用が可能になっていきます。 このような時代には、所蔵機関、専門家・一般個人の区別なく集合が作られていきます。その中では、当館のサービスは、複数のサービス群、情報群の1つにすぎません。 当館は、 国の情報資源を後世に残す役割と 現在のユーザのために、当館を収集・保存した情報資源を含めて、国の情報資源を的確に利用できるようにする役割を持ちます。 ## 31.6 ナショナルアーカイブにおけるLOD化 ![[Untitled 31.png]] ## 31.7 公共図書館のシステム構成イメージ ![[Untitled 32.png]] 説明は次のスライド 赤が施設としての図書館 青が施設を越えて、インターネット空間での図書館 ■壁のない図書館 図書館の枠を越えて、文献情報の枠を越えて、 所蔵場所、媒体の形態を問わず、情報の網羅性・完全性を確保 いつでも、だれでも、どこにいても、閲覧可 商用と無償の電子書籍が一体になった電子図書館サービス ■知識創造の場 ●物理的空間で集う場 異文化交流・出会い・議論の場 出版者(著作者)と読者を繋ぐ場 グループによる学習ができる公共の場 協調学習のリーダーとなりうる専門知識を持った人材の配置が必要 ●仮想空間での共同作業の場 クラウドソーシングの場の提供 ■情報(発信)提供の場 文献の提供から、あらゆる情報の提供へ 知識探索・閲覧サービス(利用者の目的、レベル、利用環境に応じてきめ細かく) 情報探索支援から、課題回答そのものへのナビゲーション ●仮想空間 あらゆる情報を探索(検索・閲覧) あらゆる情報の閲覧 テーマにより企画されたデジタルギャラリ デジタル化されていない資料の遠隔複写申込み オンラインレファレンス ●物理的空間 博物館的展示スペース(現物を閲覧・鑑賞する場) 外部公開できないデジタル情報の閲覧・複写申込み ■恒久的保存設備 ●拠点に分散したアーカイブで構成 ディザスタリカバリ― ●あらゆる情報資源の集約と意味的関連付け 分散した組織が保有する情報を、情報内の記述個所が意味的に関連付けられた知識データベースを構築 ## 31.8 Open Dataの定義 ![[Untitled 33.png]] OpenDataの定義で有名な図。 ■コンセプト(NII大向先生) ●ウェブの方法論をデータ共有に活用 ・識別子とリンク ・自由な参加 ●多様なデータの表現形式を一本化 ・テキスト・表形式・ツリー形式,,, ●既存のデータベースを活用する ・現在のウェブサービスは構造化されている ・概念の精緻化よりも今あるデータの関連付けを ・Web of DocumentからWeb of Dataへ ■LODの原則(NII大向先生) ●Linked Data = ウェブ+RDF ・あらゆるデータの識別子としてURIを使用 ・識別子にはHTTP URIを使用し、参照やアクセスを可能にする ・URIにアクセスされた際には、有用な情報を標準的なフォーマットで提供する ・データには他の情報源における関連情報へのリンクを含め、ウェブ上での情報発見を支援する ## 31.9 「ナショナルアーカイブ」の構築を目指して ![[Untitled 34.png]] 転用:もっと近くに国立国会図書館 第17回図書館総合展2015年11月10日】 NDLの役割として想定している部分を中心に置いた図 ■考察 ・出版界との連携が見えない ・電子図書館構想の実現形であるが、NDLは全面に立って推進役にならないのか? ⇒電子図書館構想を掲げ、知識インフラの構築の一翼を担うとしてきたNDLとして、その役割を極小化している(これが現体制での最大限の表現) ■ナショナルアーカイブ推進のため、国立国会図書館は次の役割を果たす。 ●「国立国会図書館サーチ」を、我が国における書籍等分野、文化財分野、メディア芸術分野(マンガ、アニメーション、ゲーム等)、地方におけるデジタルアーカイブ等の様々な領域のアーカイブを連携・横断する国全体の統合ポータルとして整備拡充し、恒久的保存基盤の端緒とする。 ●アーカイブ連携の具体的な方策、メタデータのオープン化などデータ利活用促進策、アーカイブ人財育成等の課題を共有・検討し、実務的な課題に対応するため、内閣官房や文化庁と協力し、デジタルアーカイブの連携に関する関係省庁等連絡会及び実務者協議会を開催し、ナショナルアーカイブ推進に向けた調整を進める。 ●書籍等分野では、公共・大学図書館とのアーカイブ連携の中心となり、公共・大学図書館等の所蔵資料のデジタル化を促進し、絶版等資料を中心としたデジタル化資料の恒久的保存と利活用拡大を図る。 ●書籍等以外の分野については、各分野が抱えるデジタルアーカイブ連携における課題を明確化・共有し、領域ごとのアグリゲータの果たす役割・機能の重要性の認識も共有する。その上で、メタデータがオープンに流通できる仕組みを整備し、コンテンツの利活用促進に繋がる取組を関係機関と連携・協力して行っていく。 # 32 【新規】国のアーカイブ関連政策 ## 32.1 国の情報政策 ![[Untitled 35.png]] NDLがサービスの離陸期に入ったころから、国はどのような情報政策を取ってきたか。 計画は、**各府省の進めたいことを、計画上に反映**させて、具体的な予算確保、権限範囲を明示することが目的 **過去15年の間、国の施策の方向性は大きく変わっていない**。ただ掛け声だけで、三権分立、行政内の縦割りのため施策のため、施策が連携していないのが、現実。 ## 32.2 文化資産アーカイブ構築の一環で国が支援【知財計画2015】 ![[Untitled 36.png]] まず、知財計画。6月に知財本部で決定した「知財計画」には、様々な形で、NDLの役割が明示された。政府の計画に、立法府であるNDLが、府省横並びで記載されたのは初めて。 これらが実際に実施されれば、公共図書館でのデジタル化やアーカイブ構築が進展することが期待される。 ~~~~~~ 地域中小企業の知財戦略強化と地方における産学・産産連携の促進 (統合ポータルの構築) 分散横断検索が可能な統合ポータルの構築(短期・中期)(国立国会図書館、文部科学省、総務省) (分野ごとのアグリゲーターによる取組) メタデータ形式の標準化などのアーカイブ構築の方針の策定、収蔵資料のデジタル化への協力、メタデータの集約化を行う。(短期・中期)(国立国会図書館、文部科学省、総務省) (書籍分野) 公共・大学図書館等の所蔵資料のデジタル化を促進するため、アーカイブ構築の手順等についての研修等を行う。(短期)(国立国会図書館、文部科学省) 統合ポータルとの連携強化のため、公共・大学図書館等に対し、デジタル化した資料へのメタデータ付与や外部連携インターフェース(API)を付した形での公開を支援するため助言等を行うとともに、所蔵資料のデジタル化及びアーカイブ連携のための取組を促進するため、必要な情報の周知を図る。 (短期)(国立国会図書館、文部科学省) (文化財分野) 全国の博物館・美術館等において文化財等のデジタルアーカイブ化とそのデータの利活用が促進されるよう、国におけるこれまでの取組を踏まえて、地方の博物館・美術館等に対して必要な情報の周知を図る。(短期)(文部科学省) 知財人財の戦略的な育成・活用 アーカイブ利活用促進に関連して、専門家の不足を解消するといった観点から、教育機関での組織的な育成や司書・学芸員等現職人財への研修等、アーカイブ専門人財の育成が重要 (標準化に係る国際交渉を担う人財等の育成) 国際標準化機関(ISO/IEC)における専門委員会等の国際会議で国際幹事や議長を担える人財や、国際標準化実務の遂行能力に加え、グローバルに通用する交渉力及びマネジメント力を備えた人財を育成するため、若手標準化人財の研修制度の拡充を検討する。 また、標準化をビジネスツールとして戦略的に活用することができる人財を育成するため、管理職、営業職等を対象とした人財育成プログラムを実施するとともに、大学における標準化講座の導入を促進する。(短期・中期)(経済産業省) (アーカイブ関連人財の育成) これまでのアーカイブの構築を通じて得られたノウハウや成果を活用しつつ、アーカイブの構築をけん引する人財や利活用をサポートする人財の育成を支援するため、美術館・博物館、大学・研究機関、民間施設の関係者に対し、アーカイブの必要性やアーカイブ人財の重要性の認識を広めるためのシンポジウム開催等の取組を実施する。(短期・中期)(国立国会図書館、文部科学省、総務省) (利用に係る著作権者の意思表示) 利用目的に応じたポータルサイトの構築を容易にするため、関係省庁等連絡会等における統合ポータルに掲載されているメタデータのオープン化に向けた課題の検討や統合ポータルからデータセットを抽出する機能の普及等の環境整備を進める。(短期・中期)(国立国会図書館、内閣官房、関係府省) ## 32.3 ナショナル・アーカイブ関連の国の動き - 知的財産政策ビジョン(2013年6月7日知的財産戦略本部) - 国の各施策、計画、提言 - [世界最先端IT国家創造宣言](http://www.kantei.go.jp/jp/singi/it2/kettei/pdf/20130614/siryou1.pdf)(2013年6月14日閣議決定) - 高度情報通信ネットワーク社会推進戦略本部 - [電子行政オープンデータ推進のためのロードマップ](http://www.kantei.go.jp/jp/singi/it2/kettei/pdf/20130614/siryou3.pdf)(2013年6月14日高度情報通信ネットワーク社会推進戦略本部決定) - 電子書籍と出版文化の振興に関する議員連盟(電書議連) - 「出版社の権利のあり方に関する提言(中山提言)」(2013年4月4日第7回「印刷文化・電子文化の基盤整備に関する勉強会(中川勉強会)) - デジタル文化資産推進議員連盟(文化資産議連) - 日本の文化情報戦略基盤「国立デジタル文化資産振興センター(仮称)」設立構想提言(2014年5月23日デジタル文化資産推進議連資料) - 知的財産戦略本部検証・評価・企画委員会 - [アーカイブに関するタスクフォース報告書](http://www.kantei.go.jp/jp/singi/titeki2/tyousakai/kensho_hyoka_kikaku/dai7/siryou2-2.pdf)(2014年4月11日知的財産戦略本部検証・評価・企画委員会(第7回)) - 自由民主党知的財産戦略調査会 - [知的財産戦略調査会の提言とりまとめ](https://www.jimin.jp/news/policy/pdf/pdf178_1.pdf)(2014年5月27日自由民主党知的財産戦略調査会) - [知的財産推進計画2014](http://www.kantei.go.jp/jp/singi/titeki2/kettei/chizaikeikaku2014.pdf)(2014年6月20日知的財産戦略本部決定) - [経済財政運営と改革の基本方針2014](http://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/cabinet/2014/2014_basicpolicies.pdf)(2014年6月24日閣議決定) - 文化関係資料のアーカイブに関する有識者会議(2014年6月3日~) - 大規模災害情報アーカイブス構想 【説明】 今後10年を想定した施策の方向性が、知的財産政策ビジョン(2013年6月7日知的財産戦略本部)。 **今後多少方向は見直されるとしても、大きな流れは示されている**。これを実現するためのアプローチがそれぞれの計画。 ## 32.4 「知的財産政策ビジョン」について ![[Untitled 37.png]] ■今後10年を見据えた取組 ■はじめに ●従来の事業モデルの「改善」だけでなく、事業モデルそのものを創造・転換する「イノベーション」を競争力の源泉に ★オープン化された知的活動環境を活用し、世界中で創造された価値を取り込んで事業に繋げていくことが重要 ●③デジタル・ネットワーク社会に対応した環境整備 ★利用の都度、クラウド上のコンテンツにアクセスする形態 ★クリエーターが作成するコンテンツのみならず、ユーザーが作成するものや、教育コンテンツ、更には公共セクターが保有する公共データ、ビッグデータ ★活用される場面も、教育・医療・電子商取引にまで多岐にわたるなど、従来の文芸やエンターテインメントに止まらない広がりや変容 ★検討にあたっては関連産業全体を見通した視点が不可欠 ★権利者と利用者の利害対立の構造を超えた柔軟な制度設計により、コンテンツの活用と再生産につながるサイクル ●④コンテンツを中心としたソフトパワーの強化 ★知的財産としてのマンガ、アニメ、ゲームといったコンテンツに止まらず、我が国独自の文化としてのファッション、食、伝統芸能・工芸、観光などまで含めて ■第1.産業競争力強化のためのグローバル知財システムの構築 ★3.グローバル知財人財の育成・確保(p.35) ■第3.デジタル・ネットワーク社会に対応した環境整備(p.50) ★非営利目的での利用のみならず産業利用も含めたコンテンツ利用の促進 ・クリエイティブ・コモンズ・ライセンスといったパブリックライセンスの普及(文科省) ・公共サービスにおける利用促進のための統一的なルールなどの基盤整備(内閣官房) ・魅力的なコンテンツを通じて日本のプレゼンスの向上に大きく寄与するコンテンツ産業に対して、資源配分の重点化と政策資源の充実を図る。(内閣官房)⇒デジタル化 ●3.コンテンツ産業の市場拡大に向けた環境醸成(1)新しい産業の創出環境の形成に向けた制度整備(p.54) ・クラウドサービスやメディア変換サービスといった新たな産業の創出や拡大を促進。(文部科学省) ★(2)クリエーターへの適切な対価還元に向けた制度整備 ・コンテンツの再生産につながるサイクルを生み出すための仕組みを構築する。(文部科学省、経済産業省) ★(3)新しい産業の創出・拡大に向けたコンテンツの権利処理の円滑化 ・コンテンツにIDを付与し、権利処理に係る情報を集約してクラウドなどによりネットワーク上で参照可能とするデータベースの整備とコンテンツ利用に係る対価の徴収・分配システムの整備を促進する。(総務省、文部科学省) ★(5)電子書籍の普及促進(p.60) ・海外の巨大プラットフォーム事業者などに対する交渉力向上 ・個人の作品や専門書を含む多種多様な電子書籍コンテンツ数の拡大 ・オープン型電子出版環境を実現するため、電子書籍交換フォーマットの標準化や国内外への普及促進 ★(6)プラットフォームの形成の推進 ・多様なコンテンツを提供するプラットフォーム支援を通じてコンテンツがプラットフォームをリードするエコシステムの実現の促進を支援する。(総務省、経済産業省) ★(7)ビッグデータビジネスの振興 ・大量に生成されるユーザー情報、映像・音声、センサー情報といった、価値ある知的財産を生み出すビッグデータを経営資源として捉え、データの収集・蓄積・分析による多様な付加価値の創造に資する研究開発などに取り組む。(総務省、文部科学省、経済産業省) ●4.デジタル・ネットワーク環境促進の基盤整備(p.64) ★(1)文化資産のデジタル・アーカイブ化の促進 ・コンテンツを利用するためのハードの保存や文化資産としてのデジタル・アーカイブ化及びクラウド上に存在する新しいタイプのコンテンツの記録方法についても検討が必要 文化資産及びこれらの関連資料などのデジタル・アーカイブ化を促進するとともに、各アーカイブ間の連携を実現するための環境整備及び海外発信の強化について検討し、必要な措置を講じる。(内閣官房、総務省、文部科学省、経済産業省) ■第4.コンテンツを中心としたソフトパワーの強化(p.68) ●1.コンテンツ産業を巡る生態系変化への対応 コンテンツ関連施策に対して重点的に資源配分するとともに、政府としての総合的な推進体制の在り方について検討し、必要な措置を講じる。(内閣官房 2.日本の伝統や文化に根ざした魅力あるコンテンツ・製品などの発掘・創造 ★(1)ターゲット国・地域で売るためのコンテンツ・製品の制作などに係る支援 ★(2)世界のコンテンツの中心となる人財・開発拠点の整備 ★(3)地域ブランドの確立 ★(4)日本の高度な技術力を生かしたコンテンツ制作の促進 ●3.日本ブランドのグローバルな発信(p.74) ●4.戦略的な海外展開の推進 ●5.国内外から人を日本に呼び込むインバウンドの推進 ●6.模倣品・海賊版対策の強化 ●7.コンテンツ人財の育成 ★(1)クリエーターの裾野の拡大 ★(2)若手クリエーターの育成 ★(3)グローバル人財の育成 ★(4)コンテンツ制作現場の環境の改善 ## 32.5 国のアーカイブ関連政策 ![[Untitled 38.png]] ■ナショナル・アーカイブ関連の国の動き [●世界最先端IT国家創造宣言](http://www.kantei.go.jp/jp/singi/it2/kettei/pdf/20130614/siryou1.pdf)(2013年6月14日閣議決定) ●知的財産政策ビジョン(2013年6月7日知的財産戦略本部) ★今後10年を見据えた知的財産に関する政策 ★従来の事業モデルの「改善」だけでなく、事業モデルそのものを創造・転換する「イノベーション」を競争力の源泉に ・オープン化された知的活動環境を活用し、世界中で創造された価値を取り込んで事業に繋げていくことが重要 [●電子行政オープンデータ推進のためのロードマップ](http://www.kantei.go.jp/jp/singi/it2/kettei/pdf/20130614/siryou3.pdf)(2013年6月14日高度情報通信ネットワーク社会推進戦略本部決定) ■知的財産推進計画2015 重要8施策の一つ「アーカイブの利活用促進に向けた整備の加速化」における取り組むべき主な施策: ●書籍、文化財、放送番組、マンガ・アニメなど多岐にわたるアーカイブ連携・横断の促進(統合ポータルの構築) ●分野ごとの取組の促進 ・書籍等:公共・大学図書館等の資料のデジタル化への支援、NDL資料のデジタル化の継続とデータの利活用促進 ●アーカイブ構築と利活用促進のための著作権制度の整備 ・関係省庁等連絡会及び実務者協議会の設置 など ~~~~ - 重要8施策の一つ「アーカイブの利活用促進に向けた整備の加速化」における取り組むべき主な施策: - 書籍、文化財、放送番組、マンガ・アニメなど多岐にわたるアーカイブ連携・横断の促進(統合ポータルの構築) - 分野ごとの取組の促進 - 書籍等:公共・大学図書館等の資料のデジタル化への支援、NDL資料のデジタル化の継続とデータの利活用促進 - アーカイブ構築と利活用促進のための著作権制度の整備 - 関係省庁等連絡会及び実務者協議会の設置 など ## 32.6 デジタルアーカイブの連携に関する関係省庁等連絡会及び実務者協議会の体制について(2015年9月4日 ) ![[Untitled 39.png]] ### 32.6.1 関係府省の取り組みの現状 - 文化庁 - メディア芸術等分野(メディア芸術連携促進等事業) - アーカイブ構築に関する調査研究事業等) - 文化財分野(文化遺産オンライン構想の推進等) - 経済産業省 - 一元的なコンテンツ情報の発信(コンテンツポータルサイト「JAPACON」との連携等) - コンテンツ技術の発掘と活用(コンテンツ技術の集積・発信、技術マップ2015の策定等) - 総務省 - 放送コンテンツのアーカイブ化(放送番組センター、NHKアーカイブス) - 被災自治体における震災アーカイブ構築事業(被災地域デジタル化推進、震災関連アーカイブ構築・運用ガイドライン) ## 32.7 【参考】アーカイブ立国宣言(2015年1月26日アーカイブサミット2015 ) - 提言2:デジタルアーカイブを支える人材の育成 - 専門分野に関する知見(文化・芸術・学術) - 文献を含めて、文化資産の収集・保存・修復・公開の技能 - 図書館が扱うものは、文献だけではない。 - 文化資産を取り扱うための知識・技能 - 保存・修復技術 - 文化資産に価値を見出し、情報として記述するカタロガー - 文化資産の価値を顕在化させて共有するための企画・発信するキュレーター - 文化資源と人々をつなぎ、新たな価値を創出するコーディネータ、エンベデッドライブラリアン - 文化資産を扱う活動の使命を明らかにし、その達成に向け経営資源を配分し、事業を統括するマネージャー - デジタル技術を活用したアーカイブ化のための知見 - 文化資産を取り扱う様々な局面でITを活用し、文化資産をデジタル化し情報メディアに乗せていく技術を有するアーキビスト - 著作権をはじめとする知的財産権、肖像権、契約など各種法律分野に関する知識 - 文化資産を情報として収集・組織化・保存し、公開することを実現するシステムの開発・運用管理の知識・技能 - 効率的・効果的なシステム開発を行うシステムライブラリアン - 先進技術の研究開発および実用化を目指す研究者 ## 32.8 「日本語の歴史的典籍の国際共同研究ネットワーク構築計画」 - 概要 - 研究基盤整備として、「日本語の歴史的典籍」約30万点を画像データ化し、既存の書誌情報データベースと統合させた「日本語の歴史的典籍データベース」の構築 - 国内外の大学等と連携し、[「日本語の歴史的典籍」](http://www.nijl.ac.jp/pages/cijproject/classicalbooks.html)に関する国際共同研究ネットワークを構築 - 「日本語の歴史的典籍」には、あらゆる分野の書物が含まれており、研究分野は人文科学全体、さらには自然科学系の諸分野にも及ぶことから、それぞれの分野における研究の深化はもちろんのこと、異分野を融合させた研究の展開も期待 # 33 デジタル化における連携・協力 ## 33.1 日本の主なデジタルアーカイブ 国立国会図書館は、率先してデジタル化を進め、日本での最大規模のデジタルアーカイブを構築しているとは言え、日本においては積極的なデジタル化を行っている機関が他に複数ある。 たとえば、国立情報学研究所(NII)は、学協会が刊行する学術雑誌の本文画像を提供する国立情報学研究所電子図書館(NII-ELS)や大学等が構築する機関リポジトリを横断的に検索するシステム(JAIRO等を提供している。また、国立公文書館は歴史公文書等のデジタル画像を提供する国立公文書館デジタルアーカイブや、アジア歴史関係の歴史資料を提供するアジア歴史資料センターデータベースを提供している。 科学技術関係資料であれば、科学技術推進機構(JST)は科学技術情報発信・流通総合システム(J‐STAGE)を構築提供し、また特許文献では工業所有権情報・研修館は我が国の特許関係の文献を特許電子図書館(IPDL)サービスで提供している。このように、デジタル化の進展に伴い、デジタル化関係機関は図書館・情報類縁機関に留まらず、文化的・歴史的資料を所蔵する機関に広がりつつある。 国立美術館は所蔵作品データベースにおいて所蔵資料のデジタル画像も提供を行っており、また文化庁は全国の博物館・美術館から提供された文化遺産に関する情報を提供する文化遺産オンラインを構築している。人間文化研究機構は、機構に参加する博物館・研究機関等が作成・提供するデジタル画像等を統合的に検索する研究資源共有化システム統合検索を運営する。 これらの機関が提供するデジタル化資料は、すでに膨大な数量にのぼっており、これらの存在は、国立国会図書館にとっても無縁ではない。 ## 33.2 デジタル資料のポータルシステム→移動 ## 33.3 MLA連携 資料のデジタル化に伴い、図書館資料、博物館資料、公文書等の文書の区別がなくなり、それぞれの機関の垣根が低くなってきていることは、しばしば指摘されるところである。文化機関の館種を問わず多くの機関がデジタル化を行っており、日本で2009年に行ったアンケート調査では2076館の文化・学術機関のうち、553館が何らかのデジタルアーカイブをもっているという結果が出された。7国立国会図書館では、日本を代表するデジタルアーカイブを推進しているが、他の機関への協力、連携、国内の標準化の促進等を行っていく必要があり、図書館だけでなく博物館・美術館、文書館等との連携も重要な課題となっている。 そのような視点をもって、2010年に国立国会図書館では「デジタル情報資源ラウンドテーブル」を設置した。博物館・美術館、文書館からの代表者やデジタルアーカイブの専門家を招へいし、広くデジタル化に関して意識や経験の共有を行っていくことが目的である。これからこのような場を通じて、関係機関と協力し、また活動を支援しつつ、我が国としても統一の取れたデジタルアーカイブの進展を図っていること重要になっている。 ## 33.4 国際的な視野で すでに述べたように、資料デジタル化、デジタルアーカイブにおける国際的な協力では、1995年から99年にG7電子図書館プロジェクトにおいてフランスと共同幹事国を共管した。また、ほぼ同時期UNESCOにおけるVirtual Memory of the Worldにデータ提供等で協力を行った。今日、デジタルにおける国際協力は、さらに二国間、アジア地域、全世界規模等、いろいろな形で行われている。 もともと情報の流通において、国際的な障壁は低いに越したことはない。とりわけ文化、歴史等、図書館のデジタル化は、政治・外交上の機密や、商業的な排他的権利等とは別であり、広く共有することでお互いを知り、理解を深め、共に発展できる礎になるべきものである。 しかし、英語等の言語を母国語とする国と比べ、他に同じ言語を共通の母国語とする国が存在しない日本にとっては、言語的な障壁があることは否めない事実である。国立国会図書館では電子展示会の企画などについては、できるだけ英文表記を併用することを心掛けているが、他の多くのデータベースについては、インターネットで公開していても、日本語を解さない人々にとっては、存在しないと同様かもしれない。 2010年8月、国立国会図書館と中国国会図書館、韓国国立中央図書館の東アジアの3つの国立図書館は、デジタルアーカイブを連携して進めていくことに合意し、協定を締結した。欧州で行われているEuropeanaのような具体的な計画と実施母体はまだないが、まずは経験と情報の共有とを行い、それぞれ国のポータルサービスの相互運用性を高める取組みを行うことになる。東アジアにある日本、中国、韓国の東アジア3カ国も、それぞれが別の言語を使用し、言語の問題が存在する。そのため、日⇔英、日⇔中、日⇔韓の自動翻訳システムを検索システムに実験的に導入し、今後の機能改善を図る予定である。また、LCとユネスコが中心となってワールドデジタルライブラリーに対しても、国立国会図書館は協力しているが、新たに設置された「翻訳と言語」常任委員会の共同議長に長尾国立国会図書館長が選任されている。 # 34 【新規】関係機関は協力して何をすべきか ## 34.1 文化資源の保有機関は何に留意して何をしていくべきか【私見】 ●分野ごとのアーカイブの網羅性の確保のために ★分野ごとのアグリゲータ機関の設置 分野内のメタデータの収集と、活用事例の提示 ★分野内での情報を一意にする識別子の明確化 ★Open Data化 CCライセンス等による権利の明確化 ●分野を越えたアーカイブ構築のために ★メタデータの記述要素、記述規則の共通化 ★メタデータ、情報の交換プロトコル(API)の共通仕様の実装 要素表現の違いを吸収する辞書(オントロジー)、語彙の上下関係、関連語を明確にするシソーラスの共同構築 ★Linked Data化 商用コンテンツを含めて、分野を越えた識別子の関連付け ●アーカイブの構築・運用に必要な人材育成 ★ITを活用した他分野の利用者サービスの認識 ★アーカイブを活用したサービスの運用、アーカイブシステムの構築に必要なITスキルの習得 ●国は ★知的財産政策ビジョン(2013年6月7日内閣官房知的財産本部)で示された今後10年の取り組み ★知財計画201Xに掲げた施策の確実な実施 ★文化資源のアーカイブの利活用に必要な制度面での整備 ●最後に ★アーカイブは手段。目的では利活用して新たな知識を創造すること ★権限には、責任と義務があることを認識して ★創造力、想像力を駆使して、今後10年での社会の変化を見据える ★組織の論理でなく、利用者視点で、より大きな世界を見据える ## 34.2 利活用の促進のために、情報保有機関が実施すべきこと、留意すべきこと ●分野ごとのアーカイブの網羅性の確保のために ★分野ごとのアグリゲータ機関の設置 分野内のメタデータの収集と、活用事例の提示 ★分野内での情報を一意にする識別子の明確化 ★Open Data化 CCライセンス等による権利の明確化 ●分野を越えたアーカイブ構築のために ★メタデータの記述要素、記述規則の共通化 ★メタデータ、情報の交換プロトコル(API)の共通仕様の実装 要素表現の違いを吸収する辞書(オントロジー)、語彙の上下関係、関連語を明確にするシソーラスの共同構築 ★Linked Data化 商用コンテンツを含めて、分野を越えた識別子の関連付け ●アーカイブの構築・運用に必要な人材育成 ★ITを活用した他分野の利用者サービスの認識 ★アーカイブを活用したサービスの運用、アーカイブシステムの構築に必要なITスキルの習得 ●国は ★知的財産政策ビジョン(2013年6月7日内閣官房知的財産本部)で示された今後10年の取り組み ★知財計画201Xに掲げた施策の確実な実施 ★文化資源のアーカイブの利活用に必要な制度面での整備 ●最後に ★アーカイブは手段。目的では利活用して新たな知識を創造すること ★権限には、責任と義務があることを認識して ★創造力、想像力を駆使して、今後10年での社会の変化を見据える★組織の論理でなく、利用者視点で、より大きな世界を見据える ## 34.3 司書等に求められるもの - 利用者の情報探索行動の変化に対応 - 情報の探し方は、IT技術の進展とともに変化する - 図書館員の経験や勘に基づく判断のレベルは、ITの進展とともに向上しなければならない - 人間ならではの仕事の価値 - より専門性の高い知識・ノウハウ - データベース検索技術者(サーチャー)的な業務は減少 - 機械的に可能なレファレンス依頼は減少 - 所蔵館を越え、本文内容で、より専門性の高い依頼へシフト - 専門家との人的ネットワークが必要 - 高度な情報組織化のスキル - 機械的(自動的)な組織化情報、リンク情報を修正するために、より専門性の高い知識を求められる - 高度なIT技術の利用スキル - 図書館システムを活用したデジタル化コンテンツの扱いのために、利用者以上のITリテラシーを持つことは必須。 - 更に、より高度な情報処理技術が必要となる - デジタルコンテンツ、システム関連 - システムエンジニア、デジタルアーキビスト、プリザベーションキュレーター、アーカイブとユーザを繋ぐコーディネータ等 ## 34.4 アーカイブ構築に必要なタスクと必要なスキル **図書館が扱う情報の形態が広がる**。それに対応するスキルが必要になる。 == 専門分野に関する知見 文化資産の収集・保存・修復・公開の技能 文化資産を取り扱うための知識・技能 デジタル技術を活用したアーカイブ化のための知見 システムの開発・運用管理の知識・技能 ===== ■専門分野に関する知見(文化・芸術・学術) ■文献を含めて、文化資産の収集・保存・修復・公開の技能 ・図書館が扱うものは、文献だけではない。 ■文化資産を取り扱うための知識・技能 ・保存・修復技術(媒体の保存、情報の保存) ・文化資産に価値を見出し、情報として記述するカタロガー ・文化資産の価値を顕在化させて共有するための企画・発信するキュレーター ・文化資源と人々をつなぎ、新たな価値を創出するコーディネータ、エンベデッドライブラリアン ・文化資産を扱う活動の使命を明らかにし、その達成に向け経営資源を配分し、事業を統括するマネージャー ■デジタル技術を活用したアーカイブ化のための知見 ・文化資産を取り扱う様々な局面でITを活用し、文化資産をデジタル化し情報メディアに乗せていく技術を有するアーキビスト ・著作権をはじめとする知的財産権、肖像権、契約など各種法律分野に関する知識 ■文化資産を情報として収集・組織化・保存し、公開することを実現するシステムの開発・運用管理の知識・技能 ・効率的・効果的なシステム開発を行うシステムライブラリアン ・先進技術の研究開発および実用化を目指す研究者 ~~~~~ ## 34.5 電子図書館サービスシステム構築に向けた外部機関の支援【期待】 - 流通本の書誌作成の負荷の低減 - 近刊情報・インプロセスデータ取り込み機能を実装するための情報提供、技術支援 - EXCELシートでの書誌取り込みもその1つ - 出版社が提供する販売情報、書評等を書誌情報を補強する情報として提供 - 地域資料の書誌・目次作成の負荷の低減 - クラウドソーシングでの書誌・目次作成環境の提供 - 地域資料のオープンデータ化の支援(ガイドラインおよび研修等) - 地域資料のデジタル化 - メタデータ作成 - アーカイブ構築 - 外部への提供用の標準APIの実装 - 地域資料のNDLからの図書館送信サービス - 人・もの・金の資源の確保 - 知財計画2015の推進 - アーカイブ構築の基盤整備、人財育成プログラムの実施 - iコンピテンシ・ディレクトリ - タスクプロフィール - 業務遂行に必要なタスクの集合 - タスク(業務) - スキル(タスク遂行に必要なスキル) - 知識(スキルを裏付ける知識) - 図書館職員向けタスクプロフィールの作成 - 図書館職員に必要なスキル、知識に特化して体系的に習得できるように - 必要とするスキル、知識の習得 - 各種研修による習得→教育機関、IPA等 - 優秀な人材の下でのOJT - スキル、知識の評価 - 情報処理関連試験 # 35 現状認識と、今後のNDLの活動の方向性 > NDLは、2012年に策定した「私たちの使命・目標2012-2016」の中で、「印刷出版物にとどまらず、電子的に流通する情報を含め、様々な資料・情報を文化的資産として収集し、保存します。」としています。 >  NDLは、唯一の国立図書館として、国内出版物の納本制度、公的機関のインターネット資料(ウェブサイト情報)の制度収集、民間のオンライン資料(電子書籍・電子雑誌に相当する情報)の制度収集、保存のためのデジタル化等、法律により「権限」が与えられ、確実な収集・保存・提供の実施の「責任と義務」を負っており、その責任と義務は、可能な範囲で行えばいいということではありません。しかし、物としての紙媒体の出版物については、公共図書館が保有する地域資料、美術館、博物館、文書館が保有する典籍資料をはじめとして、全てを収集できているわけではなく、また、電子書籍・電子雑誌に相当する情報は、セルフパブリッシングも含めて指数関数的に増加しており、ウェブサイト全体を丸ごとアーカイブするインターネット資料収集事業(WARP)においても、もはや全てを1つの組織で収集・保存すること自体が不可能です。 >  NDLが主体的にアーカイブするとともに他の機関の情報を併せて利活用できるようにしてきた範囲は、ヒト・モノ・カネの資源の制約により「選択的」にならざるを得ませんでしたが、国全体で、文化資産のアーカイブの網羅性を確保できるようにするためには、アーカイブの共通基盤の仕様等を提示し、他の機関に対して、その適用と分担の「協力」を求めることが重要です。 >  その概念は、パイロット電子図書館プロジェクトに始まって、「電子図書館中期計画2004」に基づいて進めてきたアーカイブ構築の考え方そのものです。「ひなぎく」で進めてきたあらゆる記録・記憶を保存する役割の発展系として、ナショナルアーカイブを推進することが、国民の期待に応える活動であり、NDLの使命・目標を達成することとなると思われます。 国全体のアーカイブ構築の中で、当館は何をしていくべきかを考えます。 当館は、「私たちの使命・目標2012-2016」の中で、「印刷出版物にとどまらず、電子的に流通する情報を含め、様々な資料・情報を文化的資産として収集し、保存します。」としています。 当館は、唯一の国立図書館として、国内刊行物の納本制度、公的機関のインターネット資料(ウェブサイト情報)の制度収集、民間のオンライン資料(電子書籍・電子雑誌に相当する情報)の制度収集、保存のためのデジタル化等、法律により「権限」が与えられ、確実な収集・保存・提供の実施の「責任と義務」を負っており、その責任と義務は、可能な範囲で行えばいいということではありません。 しかし、物としての紙媒体の出版物については、公共図書館が保有する郷土資料、美術館、博物館、文書館が保有する典籍資料をはじめとして、全てを完全に収集できているわけではなく、また、電子書籍・電子雑誌に相当する情報は、セルフパブリッシングも含めて指数的に増加しており、ウェブサイト全体を丸ごとアーカイブするインターネット資料収集事業(WARP)において、もはや全てを1つの組織で収集・保存すること自体が不可能です。 更に、「資料・情報を文化資産として収集・保存する」ということは、出版物に相当する情報の範囲ではなく、出版界、図書館界に留まらず、美術館、博物館、文書館をはじめ、様々な機関が保有する無形・有形の文化財をデジタル化した情報が含まれ、まさに「文化資産全体をアーカイブ」することです。 当館が主体的にアーカイブできる部分は、人・物・金の資源の制約により「選択的」にならざるを得ませんが、国全体で、文化資産のアーカイブの網羅性を確保できるように、当館は、共通プラットフォームの仕様等を提示し、他の機関に対して、その適用と分担の「協力」を求めることにより、当館の使命・目標の達成を目指すことが重要です。 その概念は、この20年、当館が進めてきたデジタルアーカイブ構築の発展形であり、また、「ひなぎく」で進めてきたあらゆる記録・記憶を保存する役割と同義のものとして位置づけられます。 ## 35.1 現在の姿勢からの見直しポイント - 自己分析 - 使命(求められていること) - 「あらゆる情報資源を集約して、知識インフラを構築して知の共有化と、それを利用した知識の再生産(新たな知識の創造)」⇒「知の循環(フロー)」 - 関心(やるべきと思っていること) - 法律により与えられた権限には、「実施の責任と義務」がある - 選択は、1つの組織では網羅的にできるはずがない。だからといって、できる範囲でやればいい、範囲外はやらなくていいということではない。⇒ほかに誰がやる⇒他に任せるなら、使命を他に委ねるべき - 能力(できること) - 人・物・金の資源が不足している。その状況でできることは? - 基本的な考え方 - NDLがやれることは選択的であるが、協力関係を構築して、全体で網羅性を確保できるようにすることで、使命・目標を果たすことと解釈している。(1つの組織ではできないことは他に任せ、全体で1つのものとして見えるようにすること) - 紙の出版物:網羅的に収集すると言い続けても、実際には、全ては収集できてなく、選択的になっている - デジタルは、更に初めから全てを集めることは不可能であり、各組織が分散して保持している - しかしながら、国全体では、文化資産として、網羅的に収集して、保存していくべき(当館の使命) - _全ての情報資産とは?_ - その中で取り上げられている文化的資産は、_歴史的文化財、現代文化、後世に記録として残すべき事象の記録、文献情報、ウェブ上で公開されている情報、研究成果、中間成果物、研究成果の根拠となるファクトデータ、などがあり、表現形としても、単行本、文庫本、電子書籍・電子雑誌、伝統芸術、書画、工芸品、音楽、映画、写真、漫画、アニメーション、ゲーム等のポップカルチャー、デザイン、文化スポット、街並み、ファッション、日本食文化、伝統文化、舞台、美術、着物、茶道等、_媒体を問わず、また、無形、有形を問わず、多岐にわたっており、様々な機関により分散してアーカイブされています。 - _媒体(マルチメディア)を問わず、、無形・有形を問わず、_ - _歴史的文化財、現代文化、後世に記録として残すべき事象の記録、文献情報、ウェブ上で公開されている情報_ - _学術情報:研究成果、中間成果物、研究成果の根拠となるファクトデータ、ウェブ上で流れている情報⇒ビッグデータ_ - それを実現するためには、NDLは何をしていくべきか?(制度的に実施義務があり、最大規模のコンテンツホルダーが行うべきこと) - 自ら構築、運用することは - 自ら主体的に収集、保存する情報の範囲 - 国内刊行出版物、電子出版物、 - 他機関と合わせて、1つの大きなデータプロバイダとして、利用できるようにする情報⇒リンクデータ化 - 他の機関へ協力を要請(働きかける)こと - 国全体でのアーカイブ構築を目指して、各府省の施策の連携 - 全体で網羅性を確保 - 各種アーカイブ構築、構築において関連付けが可能な標準仕様の実装 - 技術開発成果の共有、制度改正 - 国、民間を問わず、分担収集と、分散アーカイブの構築、提供⇒オープンデータ化、共通的なメタデータ付与、リンクデータ化 - 全体で1つのデータプロバイダとして見えるように全体整合性を確保する司令塔的役割を果たす。 - 相互運用性の確保のためのメタデータ、コンテンツ、通信規約(API等)の仕様調整 - 組織、分野を越えて、意味的連携ができるように識別子(URI)等の仕様調整 ## 35.2 _選択と協力_ _国としてのアーカイブの基盤においては、当館は、「恒久的保存基盤」を主管し、必要な情報を的確に取り出せるようにすること、「コンテンツ創造基盤」の分担として、文献情報等に基づく業務として、ライブラリアンが作成するレファレンス情報、調査報告書及び、電子展示会の創作を行うこと、「情報発信基盤」の分担として、国会関連情報、文献情報、ウェブアーカイブ情報等の発信サービスを行うことを想定します。その概念は、この20年、当館が進めてきたデジタルアーカイブ構築の発展形であり、また、「ひなぎく」で進めてきたあらゆる記録・記憶を保存する役割と同義のものとして位置づけられます。_ ■■■情報システム関連■■ # 36 図書館における情報システム ## 36.1 電子情報部の発足 NDLでは、以上のような次世代に向けた電子情報に関する事業を効率的、効果的に実施するために、2011年10月に電子情報部を設置した。15) 設立趣旨は、NDL全体の電子情報、情報システムの企画立案が効率的に行えるようにして、統合的に情報システム基盤の構築・運用を図る。分散して行っていたシステム関連業務を一元的に行い、現行システム・サービスを効率的に再構築・運用する。将来的な展望を持って、トータルな図書館システムを実現し、図書館の枠を超えて利用者サービスを向上させる。 2012月1月の業務・システムのリニューアルの次の目標は、知識インフラの構築であり、国立図書館として、知識情報資源のアーカイブ基盤の構築やデジタルコンテンツの利用促進等の情報流通基盤の整備を推進し、次世代の図書館サービスを提供することである。 これらの実現に向けて、先進サービス動向、技術を把握してサービス要件、システム化要件を取りまとめ、構築・運用するために高いマネジメント能力を持った人材育成・確保を進める。それに伴い、外部の有識者の実践的な助言・提案をいただくために、有識者が集まれる場として、前掲のNDLラボの運営を想定している。そこでのテーマは多岐にわたる。たとえば、技術要素では、パターンマッチング、パターン認識、マルチメディア技術、画像、映像処理技術、クラスタリング、キーワード抽出、シソーラス、テキストマイニング、関連性検出、文章解析、対話システム、情報圧縮・要約技術、情報分析技術、機械翻訳技術等がある。 ## 36.2 業務システム最適化計画の策定 2012年のシステムリニューアルにおいて、パッケージ製品を核として構築したシステムに、基幹業務・サービスを適合させました。これにより、システムの最適化は進み、またデジタルコンテンツによる利用者サービスも拡充しました。_必要なサービス要件を満たすパッケージの選定、パッケージに合わせた業務フローの見直しが十分とは言えず、結果として、多くの機能を外付け開発し、また、新しいシステムに対する利用者からの苦情も多く寄せられましたが、チューニングを行うことにより、現在は安定的に稼働しています。_2012年後半にシステムリニューアルの総括を行い、更なる最適化とサービスの向上を目指した2017年度までの業務システム最適化計画を策定しました。 - _システムリニューアル_ - _2008年度から2012年度までのシステムリニューアルの実施では、パッケージ製品を核として構築したシステムに、基幹業務・サービスを適合させ、同時に類似のシステム群を統合する取組を行った。_ - _システムリニューアルの総括として、企画(サービス要件定義)、業務要件・システム化要件定義、業務・システム構築、移行・研修の各段階での合意形成、各工程での実施内容の妥当性を評価できるスキル向上が教訓として洗い出された。_ - _システムのリニューアルにより、当館の業務・システムの最適化は進んだが、緊縮予算の中にあっても発展していく当館のサービスを業務・システムが支えるためには、更なる最適化が不可欠である。次期の業務システム最適化計画を策定した。_ - _業務システム最適化計画_ - _当館システムに求められる要件_ - _①関係機関との分散収集・保存を可能にすること_ - _②効率よく電子資料を保管・閲覧できる電子書庫_ - _③利用者のニーズに合ったユーザインタフェース_ - _④当館の情報を活かした高度な検索_ - _⑤外部システムからのスムーズなデータアクセス_ - _方針と目標_ - _①特性を考慮したシステムの統合_ - _②共通するシステム要素の集約と汎用化_ - _③継続的な業務・システムの最適化_ - _④業務を効率化する小さなツールの推進_ - _⑤外部委託範囲の見直し_ - _⑥システムハードウェアの最適化_ - _ⅰ)サーバの仮想化_ - _ⅱ)クラウドサービスの利用_ - _ⅲ)信頼性要件の見直し_ - _⑦システム運用の効率化_ - _⑧分散ファイルシステムの活用_ ## 36.3 システム開発プロセス ## 36.4 適用すべき技術標準の指針(一覧) システム化の要件を定義するに当たって、適用すべき技術の選択基準として、「技術標準適用指針」を参考にしました。 これは、個々の技術項目について館の標準を定めるうえでの基本的な**方針**して、各種の技術や標準を評価するための**原則**です。 **これに沿って、より効率的・効果的にシステムを構築できる技術を積極的に適用してきた。** - 利用者の利便性向上に資する技術の積極的な採用 - 一般利用者向けのサービスにおいては、直感的に理解できるユーザー・インターフェースや、一元的な情報の検索・参照を実現するための機能など、**利用者の利便性向上に貢献する技術を積極的に活用する**。 - オープンな標準に基づいた技術・仕様の採用 - 特別な事情のない限り、国際標準やデファクト・スタンダード等のオープンな規約に準拠した技術・仕様を採用する。また、**館内および館外のシステムとの連携インターフェース仕様は、国際標準やオープンな規約に準拠したものを採用**する。 - 技術・仕様の共通化 - システム資源の共有化とサービスの統合化を実現するため、**特別な理由のない限り、採用する技術・仕様は共通化**する。 - システムの特性に応じた成熟度を持つ技術の採用 - システムの重要度や先進性などの特性に相応する**成熟性や先進性を備えた技術・仕様を採用**する。 - パッケージ・ソフトウェアやオープンソース・ソフトウェアの活用 - 機能要件の実現手段として、**パッケージ・ソフトウェア**を活用する。さらに、同様な機能を有する**オープンソース・ソフトウェア(OSS)**が利用可能な場合は積極的に採用する。 - 資源の共同利用および柔軟な配分・拡張に資する技術の採用 - ハードウェア、ソフトウェア、ネットワーク等のシステム基盤資源を共通システム基盤として**複数アプリケーション間で共有する技術**や、その共有資源の配分や拡張を**利用状況に応じて柔軟に行うための技術を積極的に採用**する。 - 業務アプリケーションのシステム化に際しては、業務固有の要件に基づいて、共通システム基盤の採否を個別に判断する。 - システムの重要度に応じた障害対策技術の選択 - システムの障害が社会に与える**影響の程度に応じて、障害対策に係る技術を選択**する。 - 情報セキュリティを考慮した技術の選択 - システム資源や情報の保護の観点から、適切な情報セキュリティ対策が施された技術を採用する。 - 運用・保守業務の集約化・共通化に資する技術の採用 - 情報システムの運用・保守に係るノウハウの共有化と要員の活用を推進するため、**運用・保守業務の全館的な集約化・共通化**、ならびに運用・保守**作業の負担軽減に資する技術**を積極的に採用する。 ### 36.4.1 次世代システム開発研究の概要 NDLは、次世代技術の研究開発成果を活用して、これまでの単なる「情報検索」から、事実としての「知識検索」へ進化させ、知識の再利用による新たな知識の創造に寄与することを目指す。図2のようなアプローチを想定している。 これを実現するために、NDLラボの設置を想定している。 - NDLラボの設置 NDLラボは、次世代サービスの研究開発と実用化を促進するために、実用化実証実験の場と成果の利用のための研究者が集える場を想定している。概念としては、図3のように、NDLが保有しているコンテンツ、システムを研究者に提供する。研究者は、それらの資源を活用して実用化システムを開発する。その成果を、NDLのシステムに実装して次世代のサービスを提供する。 ## 36.5 情報システムの今後の役割 図書館における情報システムは、業務・システムの効率化に留まらず、今後は、社会環境変化への対応および業務プロセス改革を迅速に行い、社会的な存立意義を維持向上できるようにするために、経営戦略とIT戦略を密に連携・融合させ、最大限の効果を発揮させる業務・サービスを構築することが重要です。 - _情報システムは、今までは、人海戦術的な業務を情報システムに置き換えることによって、図書館サービスの高度化、業務・サービスの運営の効率化・コスト削減のための手段として活用してきました。政府における「電子政府構築計画」も同様です。_ - _今後は、電子情報の特性(共有・連携のしやすさ、検索の高度化、情報移動の容易さ等々)を生かしたデジタル情報時代の電子図書館サービスの構築を目指す_ - _業務実施状況の迅速な数値化、可視化により、経営の強化、業務の最適化、変化への対応を速やかに行えるようにする_ - _民間企業で積極的に導入されている組織の持つ様々な資源(人材、資金、設備、資材、情報など)を統合的に管理・配分し、業務の効率化や経営の全体最適を目指す手法を支援するツール(ERP)_ - _ビジネスプロセスを可視化しプロセスの分析、業務改善検討、モニタリングを行うことを通じて、継続的にビジネスプロセスの改革を推進するマネジメントツール(BPM:Business Process Management)の導入など_ - 図書館にとってシステムは何か? - 今までは、図書館としての人海戦術的サービスをシステムに置き換えることによる業務・サービスの運営の効率化・コスト削減のための手段 - 今後の適用すべき手法・ツールとしての情報システムは - 企業の持つ様々な資源(人材、資金、設備、資材、情報など)を統合的に管理・配分し、業務の効率化や経営の全体最適を目指す手法を支援するツール(ERP) - ビジネスプロセスを可視化し、プロセスの分析、業務改善検討、モニタリングを行うことを通じて、継続的にビジネスプロセスの改革を推進するマネジメントツール(BPM:Business Process Management) - 業務実施状況の数値化、可視化により、経営の強化、業務の最適化、変化への迅速な対応を可能にする - BPRやシステム構築を行うため、誰でも理解できる図表を段階的に作成可能で、構想初期段階から全体設計ができる(合意形成プロセスの効率化、手戻りの回避) - サービスシステムとして、知識インフラとしてのデジタルアーカイブの構築、デジタルコンテンツの生成を行うための先進技術の適用 - _戦略的業務・サービスの改善_ - _概要_ - _当館の使命・目標の達成を目指して、社会的な存立意義を維持向上できるようにするため、業務・システムの効率化に留まらず、市場ニーズ、利用動向の変化に対して、実績・予測情報の確認、分析、対応の指示を速やかに行えるように、業務・組織を再構築するための計画を策定する_ - _政府においても、従来のような業務システム最適化計画の考え方でなく、国民、組織の経営層、職員の目線での分析と改善策の検討を効率的、効果的な手法とツールを活用する方法の検討が進められている_ - _当館においても、業務・サービスの最適化の検討の効率化と、検討結果としての効率的、効果的な業務・サービスが構築されることを目指す_ - _目指す方向性_ - _「社会環境変化への迅速な対応」および「業務プロセス改革」を実現する_ - _経営戦略とIT戦略を密に連携・融合させ、最大限の効果を発揮させること_ - _高付加価値化、差別化できる事業モデルの構築_ - _効率化から競争優位性の獲得へ_ - _業務・サービスシステムにより収集した膨大な利用情報等を的確に解析し、業務に反映させる_ - _ITの活用を、業務コストの削減から、顧客満足度の高いサービスの向上へ_ - _必要な人材_ - _組織の経営全般、事業全体に関する知識と変革に対する推進力_ - _分析的・創造的思考力_ - _様々な動きに対する感度の良いアンテナ_ - _いつ、何のためにどういったITを導入するかを見極める力。_ # 37 業務システム・最適化計画2013-2017 ## 37.1 1 本計画の目的と位置付け 本計画は、業務・システム最適化の基本的方針を明らかにし、もって当館のサービス・業務において効果的・効率的に活用できるシステムを実現し、サービスや業務の目的達成をサポートすることを目的とするものである。 本計画では、現行パッケージの継続使用を前提とした上で、前最適化計画の成果の展開と残課題の解消に取り組み、新しいアプローチで業務・システムの最適化を図っていく。そして、その成果を基幹業務・サービスに係る次期システムの検討に生かし、平成32年頃の導入を想定して、パッケージの調査やトライアルの実施等の準備を進めていく。 本計画の対象期間は、平成25年度から平成29年度までの5か年である。 ## 37.2 対等な関係でのデジタルアーカイブの構築イメージ ![[Untitled 40.png]] ・PeerToPeer(P2P)は対等な立場で直接通信 ・メタデータだけでなく、コンテンツ、さらに、コンピュータ資源も共有しあう仕組み(負荷分散・耐障害性) ・P2Pネットワークで、必要なコンテンツ及びメタデータを交換(複数のサイトでコンテンツを持ち合う) == ・目録はどこからでも検索できる ・コンテンツは、一番早くアクセスできる所から受け取れる ・各機関は、各機関のユーザニーズに応じたコンテンツを「蔵書」として保持できる ・各機関は、検索システムがなくても公開できる ・障害時には他のサイトが自動的に代替してくれる ## 37.3 2 当館システムに求められる要件 「国立国会図書館業務・システム最適化計画」(平成20年国図企080327001号、平成22年10月改訂平成22年国図企101018002号)(以下「前計画」という。)の総括からの課題、リニューアル総括からの教訓、「戦略的目標」(平成25年国図企1305101号)等を踏まえ、当館システムに求められる要件を次のとおり設定する。 - 関係機関との分散収集・保存を可能にすること 「戦略的目標」の「4-1 国内関係機関との連携協力の推進」等を踏まえ、当館自ら資料を収集・保存するだけでなく、関係機関との分散収集・保存を志向する必要がある。分散された資料が散逸することなく利活用できるようにするためには、メタデータを集約する機能や、横断検索する機能が重要である。 - ②効率よく電子資料を保管・閲覧できる電子書庫 「戦略的目標」の「2-3 電子的に流通する情報の収集」を実現するには、大量の電子資料を効率よく、かつ高い堅牢性で保管する電子書庫が必要である。加えて、資料を可能な限り当時の姿のまま再生する仕組みも重要である。 - ③利用者のニーズに合ったユーザインタフェース 「戦略的目標」の「3-1 利用環境の整備」や、「多様な利用者像を認識し、既存の利用者の利便性を損なわないように配慮すること」というリニューアル総括からの教訓を踏まえ、当館資料・情報の検索をシンプルに、高速に、柔軟に行える検索システムが必要である。利用者の検索ニーズ、検索の熟練度、検索対象は異なるため、そのユーザインタフェースは利用者に応じて変更可能であることが望ましい。 - ④当館の情報を活かした高度な検索 東日本大震災アーカイブに関する「戦略的目標」である「5-2 利活用に向けた探索機能等の充実」や、前計画の総括において「先進的で高度な技術を活用したサービスを実現する取組み」が課題とされたことを踏まえ、レファレンス情報やインターネット資料等の一次情報のように当館に特有の情報を活用した検索機能を実現していく必要がある。 ⑤外部システムからのスムーズなデータアクセス 「戦略的目標」の「4-1 国内関係機関との連携協力の推進」等を踏まえ、当館のデータにAPIを通じて外部システムからストレスなくアクセスできる仕組みが必要である。 ## 37.4 3 最適化の基本方針 次の8点を業務・システム最適化の基本方針とする。 - 特性を考慮したシステムの統合 前計画の総括において「統合システムとしての洗練化」が課題とされたこと等を踏まえ、要件や業務の違いをよく把握した上で、引き続きシステムの統合による最適化を図っていく。 - ②共通するシステム要素の集約と汎用化 当館システムに求められる要件「③利用者のニーズに合ったユーザインタフェース」等を踏まえ、検索機能など複数のシステムで共通する機能を一つのシステムに集約・汎用化し、他のシステムはその機能を使う構成とすることにより、システム全体の規模を減じつつ、業務や環境の変化に柔軟に低コストで対応できるシステムを実現する。 - ③継続的な業務・システムの最適化 「戦略的目標」の「6-1 透明性の高い効率的な運営管理」や、前計画の総括において「継続的な業務・システムの最適化」が課題とされたことを踏まえ、業務最適化のためにシステムの追加開発を行うとともに、継続的に業務をパッケージに合わせて変更・統廃合することによって業務・システムの最適化を継続していく。 - ④業務を効率化する小さなツールの推進 「パッケージ機能の差異を人的コストで埋めることは妥当でない」というリニューアル総括からの教訓等を踏まえ、システムそのものに手を加えずにユーザの手間を省く「小さなツール」の活用を推進し、セキュリティの観点を含めて適切に維持管理を行う枠組みを設ける。 - ⑤外部委託範囲の見直し 「各工程での実施内容の妥当性を評価できるスキルを職員が持つ」というリニューアル総括からの教訓等を踏まえ、仕様書の作成等に関する職員のスキルを高め、工程管理事業者の利用を見直すことにより、コストを抑えながら良いシステムを構築する。 - ⑥システムハードウェアの最適化 前計画の総括において「インフラ全体の最適化」が課題とされたこと等を踏まえ、サーバの仮想化、クラウドサービスの利用、信頼性要件の見直しにより、ハードウェアに関する最適化を進める。 - ⑦システム運用の効率化 前計画の総括において「統合システムとしての洗練化」が課題とされたことを踏まえ、運用作業の共通化を進め、システムの効率的な運用の実現を図る。 ⑧分散ファイルシステムの活用 当館システムに求められる要件「②効率よく電子資料を保管・閲覧できる電子書庫」等を踏まえ、大規模なストレージを効率よく実現する技術である分散ファイルシステムを活用する。 ## 37.5 4 取組事項 ### 37.5.1 (1) 全体的な取組として、次の7点に取り組む。 - ハードウェアのリプレースに伴う仮想化・クラウド化 最適化の基本方針「⑥システムハードウェアの最適化」に従い、ハードウェアのリプレースタイミングを期に各システムにおいてサーバの仮想化に取り組み、クラウドの導入も検討する。 - ②検索UIサブシステムの構築 最適化の基本方針「②共通するシステム要素の集約と汎用化」に従い、個別システムから収集したメタデータからインデックスを作成して検索を行うサブシステムを構築する。このサブシステムは様々なメタデータ、検索要件に対応し、個別システムの既存の検索の機能・性能要件を維持できるものとする。 - ③メタデータの集約・標準化・公開 当館システムに求められる要件「①関係機関との分散収集・保存を可能にすること」「⑤外部システムからのスムーズなデータアクセス」を実現するために重要なメタデータの集約や標準化を進め、検索が外部の機関にも広がっていく仕組みを提供する。 - ④小さなツールの活用体制構築 最適化の基本方針「④業務を効率化する小さなツールの推進」に従い、ツールの作成支援・研修・コンサルティングやツールを共有する場所の整備など、ツールの活用を推進し、適切に維持管理を行うための体制を検討し、実現する。 - ⑤システム開発・運用プロセスの標準化 最適化の基本方針「⑦システム運用の効率化」等を実現するため、当館のシステム開発・運用標準を作成し、調達の最適化を進める。 - ⑥統合運用の活用拡大 最適化の基本方針「⑦システム運用の効率化」に従って運用の更なる効率化を進めるため、共通的な運用設計を推進し、統合運用対象システムの拡大を目指す。ハードウェアについても、統合運用と同様の枠組みの実施を検討する。 - ⑦IT人材の育成 最適化の基本方針「⑤外部委託範囲の見直し」等を実現するため、「国立国会図書館IT人材育成・確保計画」(平成24年国図電1203291号)に基づき、IT人材の育成を進めていく。 ### 37.5.2 (3) 先進的・実験的事項について 当館システムに求められる要件において重要な内容である次の先進的・実験的事項について、外部有識者・連携協力機関の力を借りながら調査、研究、検証を行い、その結果が有効であると判断されれば、システム化を実施する。 - デジタル化・テキスト化の推進による知識情報サービスの高度化 - 検索の高度化とメタデータの自動生成 - 一次情報の多面的利活用 - 電子情報資源の長期保存 # 38 【新規】ナショナルアーカイブ構築を担う人材の育成 ## 38.1 iコンピテンシ・ディクショナリ(一般組織でのタスクに必要なスキル・知識の辞書) ![[Untitled 41.png]] ## 38.2 知識の蓄積と提供サービス構築・運用 ![[Untitled 42.png]] ## 38.3 iコンピテンシ・ディクショナリER図 ![[Untitled 43.png]] ## 38.4 システム開発及び人材育成・確保に関して政府の新しい方法論 - 政府における業務システム最適化のガイドラインの見直し 新たなガイドライン - 政府情報システムの整備及び管理 に関する標準ガイドライン (2014年12月3日 各府省情報化統括責任者(CIO)連絡会議決定) iコンピテンシ・ディクショナリ - 新時代のビジネスモデルに求められるタスクやスキル、役割分担例 - (2015年夏 情報処理振興機構 正式版公開予定) # 41 iコンピテンシ・ディクショナリ ## 41.1 iコンピテンシ・ディクショナリとは? ![[Untitled 44.png]] ![[Untitled 45.png]] 以前は、 ITSS(ITスキル標準)、UISS(情報システムユーザースキル標準) IT産業を目指す学生やIT技術者などの個人を含め、ITを利活用する様々な組織・個人が共通して参照する**人材育成のディクショナリ―(テンプレート)として利活用**されていくことを期待 2015年夏正式公開予定 ## 41.2 スキルの構成(4つ) ![[Untitled 46.png]] 構成(4つのカテゴリ) メソドロジ ITビジネス活動の様々な局面で発揮される手法、方法などで、発揮される対象領域が広く、汎用性、応用性が高いスキルカテゴリ テクノロジ ITビジネス活動の様々な局面で発揮されるIT関連技法などで、対象領域が特定されるものが多いスキルカテゴリ 関連知識 ITビジネス活動の様々な局面で活用される、メソドロジ、テクノロジ以外の関連業務知識。**業務固有のスキルはここに分類** ITニューマンスキル ITビジネス活動の様々な局面で活用される、メソドロジ、テクノロジ以外の関連業務知識 ## 41.3 ヒューマンスキル概念図 ![[Untitled 47.png]] ITビジネス活動の様々な局面で頻繁に発揮される基本スキルカテゴリである。3分類、12スキル項目で構成され、「メソドロジ、テクノロジ、関連知識」と同様にタスクの遂行において発揮されるスキルカテゴリとして定義されている。 **このスキルは、知識ではなく、知識をベースに新たな知識を生み出したり、業務を改善していくために、どんなタスクにも共通に必要なスキル。** 知識は、外部記憶にゆだねることが可能。またルーティン化された業務も、システム化が進む。 === ●実行力・実践力 ・効果を上げるために、実行・実践環境や状況を適切に捉える力 俯瞰力 深耕力 ・効果的継続の実行と新しい取り組みや新領域へ挑戦する力 革新力 継続力 ●創造力 ・状況を認知して問題を発見し、見極め、解決案を策定する「価値の創造・問題解決」を着実に遂行する力 問題発見力 問題分析力 仮説設定力 ・複雑な状況や問題に対して、論理的思考により概念の形成、判断の構築、命題設定を行う力 論理思考力 概念化力 ●コミュニケーション力 ・情報の獲得や更なる情報の要求や内容の確認、他者への情報提供、他者に影響を与えたり、協働への引導する力 自分の考えを伝える力 相手の考え方を理解する力 共感を呼ぶ力 ## 41.4 職種を構成するスキルセットの概念 ![[Untitled 48.png]] 具体的にはEXCEL[表で作成されている。 4つのカテゴリのスキルディクショナリには小分類まで入れると相当数の項目があるが、職種(タスク)からみると、その一部が必要となり、職種ごとに必要なスキルは全体の一部である ## 41.5 iコンピテンシ・ディクショナリの利活用形態 ![[Untitled 49.png]] ユーザ企業では 組織内で実際に職種として存在するタスクを、「タスクディクショナリ」から選択する。 選択されたタスクに必要なスキルを「スキルでディクショナリ」から選択する。 そのスキルを習得するための「教育プログラム」、そのスキルレベルを評価・認定するための「IT認定試験」を選択する。 これにより、実際の業務に必要なスキルを、効率的に習得することを目指す。 キャリアパスにより、様々な業務に従事して、その時々に必要なスキルを習得することにより、ゼネラリストとして網羅的なスキルを持つ人材が確保できる ## 41.6 様々な知識体系(BOK) ![[Untitled 50.png]] 参考として、 各種ガイドラインと、各種認定試験との関係 ## 41.7 スキル標準と情報処理技術者試験 ![[Untitled 51.png]] これも参考として、スキル標準と情報処理技術者試験との関係 ## 41.8 スキル概要と情報処理試験 ![[Untitled 52.png]] これは、iコンピテンシ・ディクショナリから、スキルの部分と情報処理試験での能力評価のレベルを例示したもの。スキルには、技術的な内容だけでなく、戦略企画的なスキル、マネジメント、調達、法律等も含まれる。 ## 41.9 タスクディクショナリ # 42 情報処理技術者試験 ## 42.1 ITパスポート ITパスポート ◆ストラテジ系◆ 大分類1:企業と法務 企業活動や経営管理に関する基本的な考え方を理解する。 大分類2:経営戦略 大分類3:システム戦略 ◆マネジメント系◆ 大分類4:開発技術 大分類5:プロジェクトマネジメント 大分類6:サービスマネジメント ◆テクノロジ系◆ 大分類7:基礎理論 大分類8:コンピュータシステム 大分類9:技術要素 ## 42.2 基礎情報技術 基礎情報技術 ◆テクノロジ系◆ 大分類1:基礎理論 大分類2:コンピュータシステム 大分類3:技術要素 大分類4:開発技術 ◆マネジメント系◆ 大分類5:プロジェクトマネジメント 大分類6:サービスマネジメント ◆ストラテジ系◆ 大分類7:システム戦略 大分類8:経営戦略 大分類9:企業と法務 ## 42.3 応用情報技術 ## 42.4 タスクに必要なスキルとスキルの認定 iCDタスクディクショナリ 企画 開発 利活用 評価・改善 管理・統制 推進・支援 iCDスキルディクショナリ メソドロジ テクノロジ 関連知識 ITヒューマンスキル 実行・実践力 創造力 コミュニケーション力 # 43 MLA関連機関のIT人材育成 ## 43.1 図書館員等に求められるもの - 利用者の情報探索支援の変化 - 情報の探し方は、IT技術の進展とともに変化する - 図書館員の経験や勘に基づく判断のレベルは、ITの進展とともにアップする - 人間ならではの仕事の価値 - より専門性の高い知識・ノウハウ - データベース検索技術者(サーチャー)的な業務は減少 - 機械的に可能なレファレンス依頼は減少 - 所蔵館を越え、本文内容で、より専門性の高い依頼へシフト - 専門家との人的ネットワークが必要 - 高度な情報組織化のスキル - 機械的(自動的)な組織化情報、リンク情報を修正するために、より専門性の高い知識を求められる - 高度なIT技術の利用スキル - 図書館システムを活用したデジタル化コンテンツの扱いのために、利用者以上のITリテラシーを持つことは必須。 - 更に、より高度な情報処理技術が必要となる - デジタルコンテンツ、システム関連 - システムエンジニア、デジタルアーキビスト、プリザベーションキュレーター、アーカイブとユーザを繋ぐコーディネータ等 ## 43.2 アーカイブ構築に必要なタスクと必要なスキル **図書館が扱う情報の形態が広がる**。それに対応するスキルが必要になる。 == 専門分野に関する知見 文化資産の収集・保存・修復・公開の技能 文化資産を取り扱うための知識・技能 デジタル技術を活用したアーカイブ化のための知見 システムの開発・運用管理の知識・技能 ===== ■専門分野に関する知見(文化・芸術・学術) ■文献を含めて、文化資産の収集・保存・修復・公開の技能 ・図書館が扱うものは、文献だけではない。 ■文化資産を取り扱うための知識・技能 ・保存・修復技術(媒体の保存、情報の保存) ・文化資産に価値を見出し、情報として記述するカタロガー ・文化資産の価値を顕在化させて共有するための企画・発信するキュレーター ・文化資源と人々をつなぎ、新たな価値を創出するコーディネータ、エンベデッドライブラリアン ・文化資産を扱う活動の使命を明らかにし、その達成に向け経営資源を配分し、事業を統括するマネージャー ■デジタル技術を活用したアーカイブ化のための知見 ・文化資産を取り扱う様々な局面でITを活用し、文化資産をデジタル化し情報メディアに乗せていく技術を有するアーキビスト ・著作権をはじめとする知的財産権、肖像権、契約など各種法律分野に関する知識 ■文化資産を情報として収集・組織化・保存し、公開することを実現するシステムの開発・運用管理の知識・技能 ・効率的・効果的なシステム開発を行うシステムライブラリアン ・先進技術の研究開発および実用化を目指す研究者 ## 43.3 公共図書館職員に必要なITスキル 業務・サービスをシステムを使って運用したり、情報をデジタル化したり、今やシステムやデジタル情報を扱わないサービスは少ない。 左側は、図書館での職種を列挙してみた。これらの職種は直接システムを開発することがなくても、システムを活用してサービスを行ったり、システムに対する要件を作成したり、また、システムの調達に関わったりする。これらの職種もレベルの差こそあれ、ITのスキルが必要。 さらにそれらの計画を推進するためにも、またタイムリーな経営判断をするためにも経営層にもITに関しての知識が必要。 右側に、各職種でのITスキルのレベルを例示してみた。 ~~~~~~ ITスキル(システム、デジタル情報)が必要な図書館員の職種 組織経営層 ビジネスおよびIT戦略企画 事業実施管理 ライブラリ・ファシリテーター キュレータ カタロガー レファレンス・ライブラリアン コーディネータ、エンベデッドライブラリアン デジタルアーキビスト デジタル・プリザベーション・キュレーター システム・ライブラリアン システムエンジニア システムオペレータ 利用者ヘルプ ・・・ 役員、部長・課長も含めて全職員 ITパスポート試験レベル ITリテラシーレベルで、説明が要らないレベル システムおよびデジタルコンテンツのハンドリングに関わる職員 基本情報技術者試験レベル システム、デジタルコンテンツの利活用に関わる職員 基本情報技術者試験レベル システム化、アーカイブ化の推進役 応用技術者試験レベル システム構築、デジタル化調達担当者 外部委託に際し、委託先の言いなりになったり、だまされないレベルのスキル 応用技術者試験レベルのスキルと担当者で分担して システム実装、アーカイブ構築者 外部委託 外部委託者は、各分野の専門知識レベル ## 43.4 必要な情報リテラシー コンピュータの基礎 > ハードウェア、ソフトウェア、ネットワーク、情報システム 情報の形態と収集方法 > テキスト、音声、静止画、動画 > > 検索エンジン、音声・画像認識技術 インターネットの仕組みとWebシステム > Webアプリケーション(WebAPI、マッシュアップ)、クラウドコンピューティング等 情報の伝達 > IPアドレス、パケット通信、ルーティング、イーサーネット、無線LAN > > ソーシャルネットワーク(Twitter、Blog等)、ソーシャルメディア(WikiPedia等)の活用 ドキュメントの作成と編集方法 > 構造化文書、創造的レポートの作成(Word、マインドマップ等の活用) 情報のデータ化と分析・マイニング > 情報とデータの整理、可視化、データマイニング モデリングとシミュレーション > モデルを用いた問題解決、傾向と予測分析(Excel等の活用) プレゼンテーションの方法 > プレゼンテーション資料の作成法(PowerPoint等の活用) セキュリティと法令順守 > 情報漏洩対策、情報社会の法令 情報処理技術を活用した問題解決 > 問題解決におけるコンピュータ、ネットワークの役割 # 44 情報の利活用のために必要な要件、実現のための機能および技術要素 ![[Untitled 53.png]] 情報の利活用の促進を目指して、サービスを構築するに当たって まずは、現状の再確認です。 ===== 1. インターネット上では、指数的に、デジタル情報が増大しています。 2. 従来のように組織、マスメディアからの発信に加えて、個人から多くの情報が発信されています。 3. 情報の利用者が今や発信者にもなって、情報の質に関しても、個人からの情報にも、専門家の情報に負けないくらい質の高いものが多く見られます。 1. 実際、Q&Aサイト、個人のBlog、Wiki、SNSなどにも有用な情報が多く存在します。また最近はTwitterも普及の兆しをみせており、たかだか140字のつぶやきの中にも多くの知見が含まれています。 2. また、個人が発信する小説として、ケータイ小説だけでなく、Twitter小説も出現しています。 4. ユーザのインターネットでの情報探索の行動の目的は、まさに問題・課題の解決であり、回答が掲載された資料の所在ではなく、回答そのものを、知識として得ようとしています。 1. 多くのユーザは、インターネット情報だけで問題解決をしており、Googleなどの検索エンジンで見えない情報はないも同然とも言われています。 5. また、インターネットで流通している膨大なデジタルコンテンツを、紙資料のように専門家による手作業で目録規則に従って体系的に整理することは不可能であり、また、デジタルコンテンツのメリットを生かすこともできません。 6. このような状況の中、情報の利活用の促進を目指して、何をすべきかを考えます。 ~~~~~~ インターネット上では、指数的に、デジタル情報が増大しています。 従来のように組織、マスメディアからの発信に加えて、個人からの多くの情報が発信されています。 情報の質に関しても、個人からの情報も、専門家の情報に負けないくらい質の高いものも多く見られます。 現在のユーザの、インターネットでの情報探索の行動の目的は、まさに問題・課題の解決であり、目録などで、情報がどこにあるのかを確認するのが目的ではありません。 多くのユーザは、インターネットで問題解決をしており、Googleなどの検索エンジンで見えない情報はないも同然と言われています。 また、有用な情報は、民間、個人のデータベース、ブログなどに多く存在します。 それらのインターネット上の情報は膨大で、すべてを1つの組織で、収集・保存し、提供することは不可能です。 また、膨大な情報を、体系的に整理(紙資料の書誌に相当するメタデータ付与等の組織化)することは、専門家の人海戦術では、到底追いつきません。 個人が持つ情報の集合知は、専門家をしのぎ、質的にも劣らない可能性があります。 インターネット上の個人の知が集まれば、専門家が用意できる量に比べて格段多く、また質的にも劣らないものになる可能性があります。 膨大な情報を検索できる時代に、従来の図書館的な考え方で、単独の図書館が所蔵資料の検索から入るようなサービスを提供していては、一般のユーザからは利用されなくなります。 ![[Untitled 54.png]] ![[Untitled 55.png]] これは、(Web2.0時代の次を見据えて)このような現状を踏まえて、何をすべきかを図示したものです。 個々のデータベースのなかに隠れている情報を「見える化」すること。 それらを集合知化すること。 情報と情報の関連付けをすること。 人と人の関連付けをすること。 さらに、情報と人の関連付けをすること。 その上で、情報の選択の絞込みや、範囲の拡大、利用者属性に応じた情報閲覧環境を提供していくことです。 ![[Untitled 56.png]] 実施すべきことを、具体的に実現するために必要な機能を、考えていきます。 ![[Untitled 57.png]] まずは、データベース内の情報の「見える化」です。 一般のユーザの情報探索行動として、検索の入り口は、まずは検索エンジンです。検索エンジンで見えない情報はないも同然です。データベースを公開していても、検索エンジンでは、データベースの中までは検索できません。 また、検索エンジンで見つかった無数のデータベースを、個別に確認していくことは困難です。 個々に公開されているデータベースを、「見える化」すれば、検索エンジンや他のシステムからデータベースの中まで検索できるようになります。 データベースの中まで検索できるようになると、情報量は、また飛躍的に増加します。 ユーザの個々の検索ニーズに答えるためには、ニーズに応じて特化した多様な入り口(ポータル)が必要です。 ![[Untitled 58.png]] 次に情報の集約に関してです。 組織を超えて知識を集約すること、として 現在、図書館、公文書館、博物館などのそれぞれの機関は、多くの書物を所蔵していますが、明確な基準に沿って、分担保存されていません。 例えば、GoogleやPORTAで「源氏物語」を検索して見ると、様々な機関、個人が情報を発信しています。1つの機関だけを検索しても、全体から見ると一部に過ぎません。 個々の機関が網羅的なコレクションを構築しようとしても、原本を交換し合うのは不可能です。しかし、デジタルコンテンツなら、組織を超えて、必要なコレクションを持ち合うことが可能です。 専門家の知識を集約すること、として 図書館、文書館等の専門組織の強みは、司書、学芸員などの職員が持つ知識です。その知識は、多岐に亘っていますが、それぞれが持つ知識は、単独では網羅的ではありません。これらの知識を集合して使えるようにすることが大切です。 その方法として、古くから、ナレッジデータベースの構築が叫ばれています。 当館では公共図書館を中心とした司書による「レファレンス協同データベース」を運用し、また「ナレッジデータベース」の構築と提供も目指しているが、これらに参加する専門家が多くなればなるほど、利用価値の高いものになります。 専門家によるWikipediaのようなものを作ってもいいのではないでしょうか? 個人の知識を活用すること、として CGM(Consumer Generated Media)の活用 ここ2~3年で、組織や専門家だけでなく、一般ユーザが直接生成する情報は、膨大になってきました。それらは、個々には断片であっても、集合すると有用な情報になっています。 はてな、Yahoo知恵袋、教えてgooなどでは、専門家のレファレンス情報を凌ぐ情報提供も多々あります。Wikipediaを辞書や解題として利用して、問題解決できる場合も多いと思います。 また、ユーザの利用行動の情報、コメントも、集約するとそれ自身も他のユーザにとって、有用な情報源となります。 ![[Untitled 59.png]] 永久保存のために実施すべきことの1つとして _組織、専門家、個人が生成しインターネットで公開した情報は、どれも現在のユーザにとって、重要なものです。_ _それらは、いつの時代も歴史的文献として古い資料を閲覧利用するのと同じで、将来のユーザにとっても重要なものです。そのために、将来に亘って利用できる形で保存しておくことが必要です。_ _インターネット上の情報は消え行くものです。各サイトから消えるまえにアーカイブ機関が保存できるようにする必要があります。_ _各サイトで利用できるうちはアーカイブからコンテンツを公開できなくても、消える前に保存する必要があります。_ 現在の媒体、ファイルフォーマットは、そのままでは、将来、読めなくなります。紙で残すのが一番いいという意見も聞かれますが、動画、音声を含んでいたり、動的に生成されるコンテンツは紙では保存できません。→国際標準、業界標準を策定した団体、その仕様に基づいて製造したベンダの協力のもと、マイグレーション、エミュレーションができるようにすることが必要です。 _インターネット上の情報は、すべてを1つの組織で保存することは不可能です。_ _複数のアーカイブ組織で分担して保存できるようにする必要があります。_ _各アーカイブ組織が、自らの組織のタスクに応じて、必要なコンテンツを交換し合って保存できるようにしていく必要があります。_ _永久保存の観点からのディザスタリカバリ対策の面からも有効なことです。_ ![[Untitled 60.png]] **情報の組織化、** **【スライド】**情報の組織化として、 情報が膨大になるほど、情報の選択が必要になります。最近は、コンテンツの内容をキーワードで全文検索することで十分、という声もありますが、それでは本当に必要な情報が見逃される可能性も多くあります。 そのために情報に対する情報として、ある程度のメタデータが付与されることが有効です。メタデータは一義的には、コンテンツの作成者が付与するのが望ましいと考えます。 CGM(Consumer Generated Media)という概念がありますが、 現在、blog、wiki、SNSのようなCMS(Contents Management System)を利用した環境で生成されたコンテンツは、ユーザが意識しなくても、システムにより、自動的に、ある程度のメタデータが付与されます。 また、htmlで書かれた文書に、システムにより、マイクロフォーマットのような形で、システムが判断できる意味ある情報をもたらすことも可能になってきています。 また、フォークソノミーの1つとしてのソーシャルタギングとして、はてなブックマーク等のようにユーザが有用と思うページをソーシャルブックマークして、ユーザ自身の分類のためにタグを付与します。 統制語彙のようにあらかじめ定められた言葉でものごとを分類するのではなく、各人が任意のタグ(自然語)を追加するものです。ユーザが自ら情報群を作ることです。 より精度の高い検索を可能にするためには、情報に対して、タイトル、著者、作成日はもとより、多角的な検索のための各種分類を付与することが必要です。 自動組織化(自動メタデータ付与) それには、人手を介さないで、コンテンツの文書構造、文脈、画像や音声の特徴を、システム的に自動で認識し、メタデータを生成する、自動メタデータ付与の仕組みが必要です。 現在利用されている例としては、はてなブックマークでは、ブックマークすると、自動的にカテゴリ分類とキーワードが候補として提示されています。 現在、また、今後も、様々な機関で研究開発や製品開発が進んでいくと思われます。 情報と情報の関連付け、として 情報にある程度、メタデータが付与されれば、著作の内容、属性での類似性などで、グルーピング(いわゆるクラスタリング)して情報群を形成できます。 あとで図示する、FRBR、書誌ファミリーの概念での組織化も一つの方法です。 FRBRや書誌ファミリーの概念で、同一著作、原作から様々な媒体や形式に派生した著作物を書誌事項で体系的に把握することも有効です。 CGMの活用例として、ソーシャルタギングなどにおいて、統制語が使われていけば、より確実な分類になって、ユーザの情報だけででも、精度の高いグルーピングが可能になっていきます。 セマンティックウェブ技術の活用←分かりやすく解説 個々の情報に対して、ある程度、統制されたメタデータが付与されれば、情報の関連性も把握しやすくなり、また、オントロジーなどの仕組みにより、異なる文化で生成された情報のグルーピングが進みます。 **利用者情報の組織化** **【スライド】**図書館では、従来、利用者情報、利用情報は、情報検索、閲覧には利用してきませんでした。 しかし、ユーザの利用傾向がわかれば、ユーザの趣味、嗜好などを推定でき、同じ検索手段でも、あらかじめ、提示する情報の機械的な絞込みが可能になります。 決して、実在する特定個人のプロフィールや、行動を監視するのが、目的ではありません。 その意味では、実在する個人として登録されないと使えない申し込み機能と、情報探索のためのユーザ管理は別物として運用されることが好ましいかもしれません。 また、推定に当たっては、ユーザには、公的、私的で別の嗜好を持つことも考慮する必要があります。 例えば、情報処理の仕事をしているが、草花が好きという人がいます。どちらも自分自身ですが、それを一人の興味・嗜好と認識すると、誤った推薦をしてしまいます。 ユーザの特別な行動は排除されなければ、的確な情報の提示ができません。(人から頼まれて調べた。。。) 人と人の関係付け、として、 ユーザ個人の利用情報だけなく、複数のユーザ同士の利用傾向の類似性が把握できれば、他のユーザの利用傾向を、あたかも自らの利用傾向として認識でき、人と人のコミュニティが形成できます。そのコミュニティ内の誰かの行動は、自分の情報探索の行動にも参考になるものです。 ユーザ同士の類似性で、が作られ、そのコミュニティに参加することにより、より大きなユーザ群としての利用行動として認識できるようになります。 これは、ユーザ群が情報群を作ることです。 **情報と人の関係付け** **【スライド】**情報と人との関係付けとして、 どういうユーザ群が、どういう情報群を利用したかという形で、ユーザ群と情報群が関係付けられれば、情報の選択がより一層容易になって、インターネット上の情報が膨大になっても、的確に情報に辿り着けるようにすることができます。また、ユーザ群から情報群の中にある情報を見つけ出すことにより、通常では見つけられなかったような情報も見えてきます。このような形で、ロングテールにもつながります。 これは、協調フィルタリング(Collaborative Filtering, CF)の考え方です。 多くのユーザの嗜好情報を蓄積し、あるユーザと嗜好の類似した他のユーザの情報を用いて自動的に推論を行う方法論である。協調フィルタリングはリコメンデーション(推薦)やパーソナライゼーションに利用されている。実際にAmazon.comの「おすすめの商品」や、はてなアンテナの「おとなりアンテナ」などに応用されており、Web 2.0においてロングテールを支える要素技術として捉えることができる。(Wikipediaより) ![[Untitled 61.png]] このような状況において、情報の検索・閲覧環境として必要なサービスを想定します。 **情報の関連を活用した検索(情報の選択範囲の拡大・絞込み)** 全文検索だけでは、的確に絞り込めません。また、検索語など、適切な検索条件を、入力することは困難です。 連想検索、あいまい検索、さらに多角的な絞込み検索のために、ファセット検索、クラスタリング検索が効果的です。 異業種、異文化圏の情報の検索として オントロジー等の技術を活用した検索語の翻訳、検索結果の自動翻訳などの技術も期待しています。 組織を越えた統合検索と、関連する情報への芋づる的なナビゲーションができれば、 組織を越えた大きな集合知の中から、多角的に絞込み、関連しそうな情報を提示することが可能になります。 **利用者属性、利用情報を活用した検索および閲覧(利用者属性・利用環境に応じた情報閲覧)** **【スライド】**いわゆるパーソナライズ機能として、 ユーザの属性、行動履歴を参考に 利用場所、利用機器に応じて、最適なコンテンツを自動選択する仕組みを作ることができます。 同一原本から、様々な媒体、形式に派生したコンテンツを、利用場所・利用機器により閲覧可能なコンテンツを選別し、 利用場所:図書館内、移動中、自宅等 利用機器:PC、携帯電話、PDA等 最適なコンテンツ形態のものを利用できるようになります。 今や、インターネットはPCだけで見るものではありません。携帯電話や携帯端末での利用が増加しています。 携帯電話で近代デジタルライブラリーのようなイメージ画像を見ることは困難ですが、青空文庫なら容易に読めます。また、朗読の音声データがあれば満員電車の中でも聴けます。 協調フィルタリングの考え方に基づいて 他人の利用情報により推奨する検索が有効です。 **まとめ** 情報の利用の仕方も、技術の進展とともに変化しています。 ニーズとしての利用の仕方の調査研究も必要で、新たなニーズが見えてくれば、それに対応して、技術シーズも生まれてきます。 # 45 おわりに > デジタル情報時代において、出版物は、冊子体から動画・音声等を含むマルチメディア化されたコンテンツへ移行しつつあります。また、冊子体の原資料は文化財として保存するために、デジタル化していくことが求められています。他の文化財も保有機関においてデジタル化が進む状況において、文化的資産をあらゆる人々が将来にわたり享受、活用できるようにし、人々の創造的な活用に貢献するためには、社会全体でデジタル情報資源の「見える化」はもとより、より効率的なアクセスの保障に取り組む必要があり、組織を越えたナショナルアーカイブは重要な役割を果たすことになります。 >  産学官のそれぞれの組織は、これらの施策が同一の方向性を持って、相互に資源を補完し合っていく必要があります。NDLは、ナショナルアーカイブの構築、さらに、世界レベルでの「インターナショナルアーカイブ」の構築へと発展することを目指し、その中核的な役割を担っていくべきと考えています。 >  同時に、今後10年のデジタル情報化の進展を見据えつつ、このようなナショナルアーカイブを利用して知識創造のための情報が入手できる状況になったときに、知識創造を支援する図書館の役割は何か、また図書館に必要な機能の検討を加速させる必要があると考えます。 文化情報の蓄積と活用に関して、現在、課題とされているオープンデータ化、孤児著作物対策、 今後10年を見据えると、「社会・経済的な価値の創出」を目指した「新たな知識の創造と還流」の仕組み作りは、今後10年の目標と言える。人・物・金の資源、そして制度的課題は1つずつ解決していかなければならない課題であるが、その課題は、様々な人たちの努力により解決され、「新たな知識を創造する国民」のニーズは、より高度化していくと思われます。そのようなニーズを満足させられる図書館等の役割は大きく変革していくと思われます。 昨今、政策化する活動、ベンチャー等の若手技術者を含むIT技術者、研究者も参加して、具体的なサービスの創造、具体化を地道にかつ確実に進めるアイデアソン、ハッカソン、オープンソース、オープンデータ化の大きな2つの動きがある。出版界でも、今後10年を見据えて、今後の方向性、新しい技術を適用して、電子書籍に取り組む動きも地道に進められている。 これらの活動が同一の方向性を持って、補完しあいながら進められることが大切。 このような国全体での文化財全般にわたる大きな変革期において、当初より使命に掲げてきたNDLをはじめ、民間も含めて多くの機関が分担して担ってきたアーカイブがあたかも一つの多きなアーカイブとして、利用できるように、具体的な活動を進めてほしい。その中でそれぞれの機関が久貝的な役割を果たしていってほしい。 また図書館界においては、主たるサービスを、物としての書籍から、情報としての電子書籍を含むデジタルコンテンツへ、デジタルコンテンツを活用したコミュニケーションの場へと変革していく必要がある。それを実現するためのサービスシステムを実装し目に見える形にし、ユーザの声を聴いて試行錯誤を重ねて、実現をしていってほしい。 この20年の活動の成果により、_デジタル文化財のシステムイメージが見えてきており、_NDLは今後のデジタル文化財のアーカイブの中核となることが期待されている。 _図書館があらゆる情報を集約して利用できるようにし、コミュニケーションのハブ的役割を果たせば、信頼性の高い情報を発信する出版界をはじめとしたコンテンツクリエータ、コンテンツプロバイダーの市場が拡大して発展が期待できるのではないか。_ # 46 年表 ## 46.1 第0ステージ - 1988 21世紀型図書館としての関西館の設立構想の開始 - 1992 国立国会図書館関西館を設置する構想のとりまとめ - 関西館の基本機能を情報発信拠点とし、中でも電子文献提供サービスをその中心軸に据えた。 - 1993 産業構造審議会情報産業部会が公共部門の情報化を積極的に進めるべきとの提案を行った - 関西館の予定する機能が、電子図書館的な機能だったため、この提案の中に位置づけられた。 ## 46.2 第1ステージ【1994~2002】揺籃期・始動期 - 1994 パイロット電子図書館プロジェクト開始 - 1955.10 電子図書館実証実験プロジェクト、総合目録ネットワークプロジェクト開始 - 将来の電子図書館を想定したプロトタイプ環境を構築し、1000万ページに及ぶ資料をデジタル化。大規模ストレージに格納し、大容量のマルチメディア通信回線を用いて試行提供した。 - 1995 G7電子図書館プロジェクト - 先進7カ国首脳会議(G7)の共同研究テーマの一つに電子図書館が取り上げられ、日本がG7電子図書館プロジェクトの共同幹事国をフランスと共管した。 - 1995 新世代通信網実験協議会(BBCC)との協力実験 - 成果として、「ディジタル貴重書展」(1998)等を公開。 - 1996 次世代電子図書館研究開発プロジェクト(JIPDEC) - 1998 国立国会図書館電子図書館構想 - 以降の電子図書館構築の骨格を示した。 - 2000 国立国会図書館蔵書目録(Web-OPAC)、国会会議録検索システム、貴重書画像データベースを公開 ## 46.3 第2ステージ【2002~2008】サービス離陸期 - 10 国立国会図書館関西館開館、近代デジタルライブラリー、インターネット資源選択的蓄積実験事業(WARP)、データベース・ナビゲーション・サービス(Dnavi)を公開 - 2003 e-Japan重点計画-2003(IT戦略本部) - 2004.2 国立国会図書館電子図書館中期計画2004策定 - 2004.10 デジタルアーカイブポータルプロトタイプの開発に着手 - サービス指向アーキテクチャ(SOA)を適用。オープンソースソフトウェア(Linux, Apache, Xoops, MySQL, PHP, Dspace, chasen等)の適用、標準プロトコル(OAI-PMH, RSS, SRU, SRW等)の実装。 - 2005.4 NDLデジタルアーカイブシステムの開発に着手 - 2005.7 デジタルアーカイブポータルプロトタイプ試験公開 - 2007.10 PORTA正式公開 - 大量アクセス、大量データ、大量ユーザに対応。拡張容易性、障害時運用継続性、環境変更容易性、直感的操作性の確保(ベンダーに依存しないパッケージ、OSSの適用)。 - 館種を問わない全国の図書館との連携の強化と、博物館や文書館などの文化機関との連携の強化。国際標準のメタデータ記述要素(DCNDL)、記述規則、メタデータ交換の共通APIを利用した、商用を含めた外部サービスとマッシュアップによるサービス連携。連想検索エンジン(GETA)等を利用したあいまい検索も実装。 ## 46.4 第3ステージ【2008~2012】 発展期 - 2008.6 知的財産推進計画2008(知的財産戦略本部) - 2009.5 大規模デジタル化の実施開始(補正予算) - 2010.2 「電子書籍の標準化の調査」をJEPAに委託 - EPUBの日本語固有の縦書き、ルビ付与の仕様に関しての調査。 - 2010.4 国等の公的機関のインターネット資料(ウェブサイト)の制度収集開始 - 2010.8 日中韓電子図書館イニシアチブ(CJKDLI)協定締結 - 海外に対しては東アジアの日中韓3カ国を初めとするアジア諸国との連携の強化や、世界各国とのグローバルな協力の推進。 - 2010.8 国立国会図書館サーチ試験公開 - 2011.12 「電子書籍の流通と利用の円滑化に関する検討会議」の報告 - 「(NDLの)デジタル化資料を活用した新たなビジネスモデルの開発が必要」であり、「事業化に意欲のある関係者による有償配信サービスの限定的、実験的な事業の実施なども検討することが必要」。 - 2012.1 国立国会図書館サーチ、新NDL-OPAC、来館者管理システム等、全面リニューアル公開 - 国立国会図書館サーチの構築にあたっては、外部専門家の参画、OSSの更なる適用によるコストダウン、次世代技術の試行、共通APIの実装の働きかけによる連携先拡大の加速化を図った。また、著作単位でのグルーピング表示、キーワードサジェスト、障害者向け機能、日中韓英翻訳機能、パーソナライズ機能、スマートフォン対応といった機能を実装した。 ## 46.5 第4ステージ【2012~2014】 総括と再始動期、見直し期 - 2012.4 東日本大震災アーカイブ開発開始 - 2012.7 「私たちの使命・目標2012-2016」を策定 - 2013.1 「電子書籍フォーマット適用調査」をJEPAに委託 - 2013.3 「電子書籍の流通と利用の円滑化に関する実証実験報告書」(文化庁eBooksプロジェクト(2012.10~2013.3)) - 2013.3 東日本大震災アーカイブ(ひなぎく)公開 - 2013.5 「戦略的目標」を策定 - 「私たちの使命・目標2012-2016」を実現する中期的目標として、6つの目標の下にそれぞれ「戦略的目標」を策定。 - 2013.5 リニューアル総括および次期業務・システム最適化計画策定 - 2013.7 民間のオンライン資料の制度収集開始 - 2014.1 図書館向けデジタル化資料送信サービス開始 # 47 ナショナルアーカイブの機能イメージ 新たな知識の創造 地域活性化 新産業創出イノベーション 防災・滅災 観光 教育活用 教養・娯楽 国際文化交流 情報発信基盤(目的別) 文献・Web情報サイト 学術情報サイト 科学技術情報サイト 災害情報サイト 文化財情報サイト 日本文化の発信サイト 情報検索支援・レファレンスサービス 知識創造基盤(分野別) 創造活動 文化財(有形・無形)の映像化・画像化・テキスト化 新たな知識の創作活動 付加価値情報付け 情報間の関連付け デジタルギャラリ 創造活動支援 基本情報付与(メタデータ付与) 組織化・構造化(マイクロコンテンツ化) 辞書・典拠・シソーラス類の作成 恒久的保存基盤(目的・分野を問わない) 保存用コンテンツ 永久保存庫 書誌・所在情報 情報検索・コンテンツ提供システム(網羅性を保証した検索API) 収集業務・システム 永久保存システム(マイグレーション・エミュレーション・ディザスタリカバリを含む) メタデータコンテンツ 文化財 災害情報関連 学校文献 出版界 図書館 アグリゲーター コンテンツ保存機関 美術館・博物館・文書館 大学・研究機関、出版社、 個人、民間企業、自社・仏閣 図書館、国等 # 48 今までに作ってきた「見たこともない図書館」 ## 48.1 ・電子図書館システムやNDLのデジタルアーカイブ、NDLサーチ、電子配信等 - 「見たことがあるようなもの」にされなかった理由 - 私は情報システム屋であり、図書館屋でなかったから、そもそも図書館がどんなサービスを行ってきたかよくわかっていなかった。それは今も。。 - 当館の位置付けの再認識(私見)【2009年】 - 当館の位置付け - 世界の国立図書館の一つ - 日本の唯一の国立図書館 - 日本の公共図書館の中央館 - 使命と現実 - 納本制度のもとで、国内の刊行物を網羅的に収集して提供する使命を持っている →しかしながらすべてを収集することは不可能 - 歴史的資料は、公文書館、博物館、図書館等で、分散所蔵している - 当館単独で、すべての利用者ニーズに応えることはできない →民間DB。学術情報、MLA、日中韓、WDLとのサービス連携を視野に - サービスを提供する使命があっても、当館には技術はない →政府や民間の技術の移転が必要 - 意識の改革 - 国の機関であっても、民間レベルのサービスを - 国だからできないという先入観念を持たない - 唯一の国立図書館としての単館主義から、関係機関との対等・同列な関係での連携 - 管理指向からユーザ指向へ - サービスを提供するために情報資産を管理している - 当館の情報資源を可能な限り公開提供 - なぜ現在のような形になったのか? - 図書館システムを特別なものとして考えず、一般的な情報の探索、入手に必要なメタデータデータベース、コンテンツデータベースとして考察した - ウェブアーカイブにおいて、ロボット収集では、深層であるデータベース内のコンテンツは収集できない - Dnaviのようなリンク集では、データベースの中のコンテンツは見つけ出すことができない - →インターネット上の全てのデータベース内のコンテンツを見つけ出すことができるように - 多くのDBを統合検索するためには、個々に対応していては進まない⇒個々のDBが、共通インターフェース(API)を持って、共通のメタデータ仕様で記述されていることが効率がいい - それを決めていくにあたって重要であった判断 - 効率性。作る側も利用する側も。 - 図書館員の業務、利用者の情報探索行動において、ルーチンワーク的な作業を、何故、人手をかけて行っているのかとの疑問から、効率的なサービスの提供を念頭においていた。 - 私は、社会人になってからずっと労働集約的な業務から、IT技術を利用して効率化させ、それによって得られた時間を、より創造的な業務にシフトできるようにすることを目指してきた。「デジタルとITの活用によって、効率的で創造性のある社会を夢みる。」 - 行われた調査・分析やその中で注目された点 - 共通メタデータ仕様、通信規約 - 人間が読むことの困難なMARCでなく、人もシステムも可読なXMLベースで、図書館以外でも共通に適用可能性の高いダブリンコア(DC)ベース、従来型図書館システムの検索プロトコルであるZ39.50でなく、検索プロトコルとして、WebサービスプロトコルであるSOAPを活用したSRW(SRU/SOAP)、SRU、OpenSearch、リンクリゾルバのOpenURL、メタデータハーベスト用プロトコルとしてOAI-PMH、簡易なプロトコルのRSSを実装 - CMS(コンテンツマネジメントシステム)、RSSによる情報の機械的入手の効率化 - 2002年当時、ウェブページ上のコンテンツは、ツールを使わずにhtmlで書かれていた。そのため、個々のコンテンツのタイトル、作成日、分類等が機械的に判断しづらかった。 - ウェブページがBlogのようにCMS(コンテンツマネジメントシステム)を利用していれば、個々のコンテンツにタイトル等として付けられ、また、最新情報をRSSリーダ機能で取り出せるようになった。 - 立法府であるNDLの「電子図書館中期計画2004」で目指す事業が、政府の施策に組み込まれるように。 - NDLの前は経済産業省の外郭団体であるIPAにいたので、政府の施策に組み込まれることが、電子図書館事業を加速できると考えていた。 - e-Japan重点計画2003、2004 - _「デジタルアーカイブの推進に向けた申し入れ」(2003年7月29日 デジタルアーカイブ小委員会)により、自由民主党e-Japan重点計画特命委員会から政府に申し入れられている。_ - 国立国会図書館は、国が保存し、国民に提供すべきコンテンツのアーカイブ化に努めること - 関係府省等の協力のもと、「国立デジタルアーカイブ」のポータルサイトを運営すること - 各種ポータルサイト、地方自治体・民間のアーカイブと連携し、国民が必要とするあらゆるコンテンツへの道しるべとしての役割を果たすこと - 「国立デジタルアーカイブ」構想や「ジャパン・ウェブ・アーカイブ」構想など、統一的かつ整合的なデジタルアーカイブ政策を推進するため、内閣官房を中心として、関係府省等の間の調整・連携を効果的に行うこと - 実現する上での障壁はなかったか? - 立法府の計画が行政府の計画に組み込まれること、行政府に倣うことへの抵抗感。 - 目指したポータルとリンク集の違いが理解されづらかった - NDLが持っていない情報を提供することへの抵抗感 - 一番の課題とそれを乗り越えた方法は - ことあるごとに持論を述べる。サブリミナル効果。 - 「失敗したら私が責任を取る」。館内の否定的な空気を吹き払って、新しいチャレンジを受け入れてくれた、長尾前館長、田屋元副館長の姿勢と支援。 - 高い信念と創造的な思考を持って、リーダーシップを執る人材 # 49 これからの「見たこともない図書館」 ## 49.1 自己紹介 - 2002年、国立国会図書館に「情報システム、電子図書館サービス関連業務」の選考採用により、入館した。 - 入館する前は、 - 1995~1998年(平成7~10年)、通産省高度情報化事業の一環として、教育や行政情報の電子化、新産業創造のためのデータベース構築と共に、国立国会図書館と共同で電子図書館システムの実験と運用を行う機会を得ました。複数プロジエクトのシステムを運用する情報基盤センターにおいて、他のシステムとともに、電子図書館の実証実験・総合目録システムを実質的な責任者として運用してきました。 - 志望動機の中で、 - 情報基盤センターでの電子図書館プロジェクトを通じて、**国会図書館が多くの書籍、情報を網羅的に収集し、過去や現在の文化資料を広く一般の関覧に供し、また、電子化においては最新の技術を駆使して保存し将来に残していくことや、様々な機関が分散して保管している資料の所在を一元的に把握できるようにして、一般の人にも利用を可能にすることは、文化の発展に大きく貢献し、大変有意義なことだと感じました。** - 国立国会図書館において、総務部情報システム課長、総務部副部長、電子情報部長を歴任し、電子図書館事業や関係機関と連携した電子情報サービスの構築事業を統括してきた。 - 図書館サービスシステムの構築・運用、資料のデジタル化、インターネット資料・オンライン資料の収集・保存・提供、関係機関と連携した国立国会図書館サーチの企画・構築、東日本大震災アーカイブ(ひなぎく)の構築・運用等の事業を統括した。 - また、CIO(情報化統括責任者)として、次世代図書館サービスの構築に向けた業務システム最適化計画を策定し、業務・システムを効率化し、より創造的なサービスの実現を目指してきた。 - 2014年4月から専門調査員総務部司書監事務取扱に就任し、現在は国立国会図書館の情報化統括を担当している。 - IT関連の要員として、入館して以来、13年間、情報システムを活用した図書館サービスの構築、デジタルアーカイブの構築に直接的に関与し、また、現在は、部局を離れてフリーな立場で、助言する形で間接的に取り組んでいる。 - 13年間の実践を踏まえて、今後10年を見据えて、国としての方向性、その中でのNDLの役割として想定していることを、まとめておきたいと考えている。 - NDLとして、当館の使命・目標の達成を目指す。 - 当館は、唯一の国立図書館として、納本制度、インターネット資料の制度収集、オンライン資料の制度収集、保存のためのデジタル化等、法律により「権限」が与えられており、確実な収集・保存・提供の実施の「責任と義務」を負っております。しかし、紙媒体の情報については国内の出版物に限られており、しかも、100パーセント完全に収集できているわけではありません。更に、デジタル化された出版物は、全てを1つの組織で収集・保存すること自体が不可能です。当館が主体的にアーカイブできる部分は「選択的」にならざるを得ませんが、可能な範囲ではなく、他の機関に分担の「協力」を求め、国全体で、文化資産のアーカイブの網羅性を確保することにより、当館の使命・目標の達成を目指すことが重要です。 - 国として、文化財全体を網羅したアーカイブを構築する - デジタル情報時代を踏まえ、物理媒体としての原資料は文化財として保存するために、デジタル化していく必要があり、一方では、収集すべき出版物は、物理媒体からデジタル化コンテンツへ移行しつつあります。このようにデジタル化が進む状況において、文化的資産をあらゆる人々が将来にわたり享受、活用できるようにし、人々の創造的な活用に貢献するためには、社会全体でデジタル情報資源の充実に取り組む必要があり、デジタルアーカイブは重要な役割を果たすことになります。 - 産学官のそれぞれの組織は、それぞれの所掌範囲で「デジタルアーカイブの構築と利活用」の施策を計画していますが、これらの施策が同一の方向性を持って、相互に資源を補完し合っていく必要があります。国として、ナショナルアーカイブを構築し、さらに、日中韓、東アジアでのポータル、さらに、世界レベルでの「インターナショナルアーカイブ」の構築へと発展することを目指し、当館は、その一翼を担っていきたいと考えています。 ## 49.2 図書館情報学学生へ - 分析 - 自社ならではの強みは何か? - システム関連の実務経験 - 民間、政府機関、立法機関での国の施策との関わりと施策立案への参画経験 - デジタルアーカイブ及びポータルの構築経験 - その強みを必要とする顧客は誰か?(ターゲット顧客) - サービスの構築及び提供サイドの組織体の職員 - その顧客は何を必要としているか?(課題) - どんなサービスをどのように構築して提供して行けばいいかのアドバイス、コンサルテーション - 自らの創造力を高める - 顧客が自社を選ぶためには、どうすればよいか?(解決策) - 情報処理技術の活用の有用性を理解してもらうこと - 私の役割 - 民間、行政、立法機関で、情報システムの構築に関わってきた経験から、ノウハウ等の技術移転 - トップダウン的思考能力 - 社会の中での役割分担としての思考 - IT関連 - ITでの実現性の困難度、容易度の経験的な見極め力 - 要件定義能力、要件定義に基づくシステム化要件の定義 - デジタル化及びDB化 - 分散アーカイブ、分散アーカイブ内のコンテンツの相互運用性を高めるための、共通的なデジタル化・テキスト化仕様、メタデータの共通的な記述要素、記述規則、通信プロトコル - クラウドソーシング - 図書館の方向性 - 利用者志向、図書館は情報探索のOneOfThem。 - 知識創造を支援。知のリサイクルに図書館が一翼を担えるように - 図書館員の姿勢の現状の今後 - 現状 - 客観的な意見を述べるには、実現のための難易度、負荷を認識できていることが必要。 - 広く浅い知識により、知ったふうに言うのは、説得力に欠ける。 - 図書館は、職業柄か、そういう人が多く見受けられる。 - 利用者との関係 - 図書館員のスキルに応じた利用者が利用する。レファレンスサービスも、図書館員が可能な助言のレベルで十分な人がサービスを求める - ⇒高度な知識を必要とする人は、利用しない。 - 物と情報 - 人とシステムの協調 - 調べ方は、データベースに蓄積 - 必要なスキル - 利用者以上のITリテラシー - 創造力を駆使した要件定義 - ソフトウェア開発管理 - 「IT教育」が有益である、これだけの理由。今や「できることをやる」の時代ではない。 - [http://toyokeizai.net/articles/-/55987](http://toyokeizai.net/articles/-/55987) - コンピュータには決して代替できない創造力とコミュニケーション力こそが求められている - 学びは「詰め込み・暗記型」から、「思考や創造、表現型」へ変化していかなくてはいけない - 自分のスキルに基づいてやることを決めるのではなく、「これがしたい」というアイデア・発想ありきで、足りないリソースは世界中から集めてきて協働すればよい。 - 論理的に考え、問題を解決し、他者と協働し、新しい価値を創造する力を養ってほしい - コンピュータに関する原理的な理解があるかないかによって、社会のありとあらゆる場面における対処能力が、大きく変わってくるはず - 学校はこれからも最先端のものがあって、ワクワクする場所であるべき - 学校は、いちばん強く、安全で、つねに最先端かつ大量の情報が集まる町一番の情報基地であってほしい - これまで行われてきたような授業は、事前に家で動画を見てきてもらい、学校の教室では、より発展的な授業をする - これから図書館あるいはいわゆるMLA、GLAM及びその近縁業界に足を踏み入れる人に - レファレンサーに、より専門性の高い知識・ノウハウ - データベース検索技術者(サーチャー)的な業務は、減少 - 簡単な調べ方案内は、システムで - 所蔵館を越え、本文内容で、機械的に可能なレファレンス依頼は減少し、より専門性の高い依頼へシフト - 専門家との人的ネットワークが必要 - 高度な情報組織化スキル - 機械的(自動的)な組織化情報、関連付け情報を、修正するために、より専門性の高い知識を求められる - 高度なITスキル - 図書館システムを活用したデジタル化コンテンツの扱いのために、利用者以上のITリテラシーを持つことは必須として、より高度な情報処理技術が必要となる - どのような知識や技能、あるいはスタイルを身につける必要があるでしょうか?そういった人材はどうすれば育成することができる - レファレンサーに、より専門性の高い知識・ノウハウ - データベース検索技術者(サーチャー)的な業務は、減少 - 簡単な調べ方案内は、システムで - 所蔵館を越え、本文内容で、機械的に可能なレファレンス依頼は減少し、より専門性の高い依頼へシフト - 専門家との人的ネットワークが必要 - 高度な情報組織化スキル - 機械的(自動的)な組織化情報、関連付け情報を、修正するために、より専門性の高い知識を求められる - 高度なITスキル - 図書館システムを活用したデジタル化コンテンツの扱いのために、利用者以上のITリテラシーを持つことは必須として、より高度な情報処理技術が必要となる - 姿勢 - 図書館蔵書等の管理指向から、利用者指向に - 育成方法 - 図書館司書課程を履修する - OJT(スキルを持った人による。利害関係のある業者でなく) - 自己研さん - 大所高所からの視点、トップダウン思考 - 創造力、発想力、アイデア - 現状維持で満足しない ## 49.3 デジタル文化財関係者へ - 司令塔的役割を果たす組織体の早期立ち上げ ## 49.4 これからの図書館あるいは関連領域でどんな将来展開 - 日本の文化資産全体のナショナルアーカイブ構築 - 文献、文化財、記録・記憶、ファクトデータ等、あらゆる文化資産の網羅性を確保し、利用者の目的に応じて的確にアクセスできる知識インフラとなることを目指す - 利用者の目的に応じて、図書館、美術館、博物館、文書館で、サービスを補完しあい、網羅性を確保する ## 49.5 「それを実現するには」「過去に実現した際の経験」 - 文献に特化せず、産学官のそれぞれの組織で縦割り構築しているアーカイブ構築の施策を、全体で同一の方向性を持って、相互に資源を補完しあえるようにする - 電気製品のコンセント、プラグ類は、工業規格で統一されているから、各ベンダー製品が繋げられる。情報も同じ。図書館や文献の世界だけの規格では、民間の様々なサービスと連携(補完)できない - 過去の経験 - IPA時代 - 1985年、ソフトウェア生産工業化システム(Σシステム)でのベンダーに依存しないソフトウェア開発環境(ツール)、UNIX系のOS、ワークステーション - 1995年、全国公共図書館総合目録ネットワークでのMARCデータの統合DB及び書誌の機械的な同定(基本書誌と所蔵館情報) - NDL - デジタルアーカイブポータルのプロトタイプ、PORT、NDLサーチの開発 - 共通メタデータ記述要素、記述規則、通信規約(プロトコル) - 東日本大震災アーカイブ - 知識インフラの構築の一環で、分野を特定した実現形の先行事例として、2013年3月には、大震災に関するあらゆる記録、記憶を、関係機関と分担して収集・保存し、一元的に検索・閲覧できるようにする - NDLサーチとNDLデジタルコレクション、WARPを合体したようなシステム - 分散ファイルシステム(GlusterFS) - OAIS(ISO 14721:2012)に準拠したデジタルデポジットシステム(現在のNDLデジタルコレクション) - 情報パッケージは内容情報と保存記述情報から成る。提出用(SIP)、保管用(AIP)、配布用(DIP) - それらをパッケージ情報が包みこむ。保存記述情報には内容情報の由来を示す来歴(Provenance)、他の情報との関係を示すコンテクスト(Context)、内容情報を同定するための ID 情報である参照(Reference)、内容情報が変更されていないことを示す固定性(Fixity)の4種類 - 受入、補完、データ管理、アクセス、運用統括、保存計画の6つの機能 - インターネットアーカイブ社が開発を主導したHeritorixを適用したインターネット情報収集事業(WARP) ## 49.6 ・書誌コントロールの進展(RDA、BIBFLAME等)+コンテンツのデジタル化 - 書誌コントロール - NDLサーチ、ひなぎくの検索結果のグループ表示において、書誌レコードの機能要件(FRBR)のWORK(著作単位)での表示を意図する - RDAの記述要素に、デジタルコンテンツのメタデータがどこまで付与できるかが課題。人手での付与は、量的にも不可能。 - コンテンツのデジタル化 - 電子書籍 - リフロー型は、EPUB 3。XHTMLベースのHTML5とCSS3、縦組み、段組み、行末の揃え、禁則、ルビなどをサポート - フィックス型は、現在はPDF。テキスト埋め込みはできるが、あくまで印刷イメージであり、文書の構造化ができない - デザイン雑誌はフィックスで、記事中心の雑誌はEPUBでリフローが読みやすい - EPUBにフィックスとリフローのハイブリット型が望まれる - 長尾先生が提唱する、章節項、パラグラフ単位での検索・取り出しのためにも、全文を構造化テキストが必須である - 現在、電子書籍販売サイトが利用しているシステムごとにDRMのかけ方が異なるが、将来的には、ステガノグラフィ等の電子透かしが埋め込まれる形になるのではないか - 画像イメージ - NDLでは、容量を小さくするために保存用はJpeg2000を採用、閲覧はJpeg、印刷要求ではイメージ画像をPDF化。これから10年を見据えるとどんな? - 動画・音声は、市場で標準化されている ## 49.7 学習とそのサポート環境の変化の潮流 ## 49.8 Open Access、Open Data、Open GLAM - Open Access - 早期の公開により、その文献を活用した研究開発が促進される - Open Data - [電子行政オープンデータ推進のためのロードマップ](http://www.kantei.go.jp/jp/singi/it2/kettei/pdf/20130614/siryou3.pdf)(2013年6月14日高度情報通信ネットワーク社会推進戦略本部決定) - 機械判読1に適したデータ形式のデータを、営利目的も含めた二次利用が可能な利用ルールで公開する「オープンデータ」の取組を推進する - コンピュータが、当該データの論理的な構造を識別(判読)でき、構造中の値(表の中に入っている数値、テキスト等)が処理できるようになっている必要 - 電子行政オープンデータ推進のための具体的な取組 - 二次利用を促進する利用ルールの整備 - 機械判読に適したデータ形式での公開の拡大 - データカタログ(ポータルサイト)の整備 - 公開データの拡大 - 普及・啓発、評価 - オープンデータの活用 - 様々なイベントがあるので、それに参加する - –ハッカソン - プログラマーが集まって集中的作業をする。プロジェクトのように組織的にするのではなくて、自発的に集まり、自発的に作業をする。 - 元々は1週間とか、最近は1日とか短いものも - –アイデアソン - みんなが集まって、アイデアを出し合う。プログラムを作るところまで行かなくてもいい。 - –アンカンファレンス - 話題を決めずに発表した人が発表する - OpenGLAM原則に賛同する機関は: - 1. 作品やものに関するデジタル情報(メタデータ)をCreative Commons Zero Waiverなどの法的なツールを使ってパブリックドメイン下に公開します。 - 2. 著作権が切れた著作のデジタル画像については、新たな権利を付与せず、パブリックドメイン下にとどめます。 - 3. データを公開する際には、ディスクリプションやコレクションの一部または全体の再利用や他目的の利用を含むそのデータの扱いに関する要求や希望を明示しましょう。 - 4. データを公開する際にはマシンリーダブルなオープンファイルフォーマットを採用しましょう。 - 5. 新しいかたちで利用者と交流する機会はなるべく追求します。 ## 49.9 ・今後の国の図書館情報政策、あるいは国家を超えた連携のあり方 - 知的財産政策ビジョン(2013年6月7日知的財産戦略本部) - 従来の事業モデルの「改善」だけでなく、事業モデルそのものを創造・転換する「イノベーション」を創出すること、あらゆる分野の知的財産を対象としたビッグデータも含めたクラウド化、非営利目的での利用のみならず産業利用も含めたコンテンツの多岐にわたる利活用の仕組み(オープン化)、ユーザが共同でコンテンツを制作するクラウドソーシング、産業競争力強化のための知財人財の育成・確保、新しい産業の創出環境の形成に向けた制度整備、コンテンツの権利処理の円滑化、電子書籍の普及促進、コンテンツがプラットフォームをリードするエコシステムの実現、データの収集・蓄積・分析による多様な付加価値の創造の研究開発、日本の伝統や文化に根ざした魅力あるコンテンツ・製品などの発掘・創造等が示されています。 - このビジョンが想定する10年後の社会の姿の実現に向けて、国全体の方針として、「経済財政運営と改革の基本方針2014」(骨太方針)、「学術研究の大型プロジェクトの推進に関する基本構想ロードマップ」等、具体的な実施に繋がる計画が検討されています。 - この政策ビジョンの達成イメージに、文化資産の知識インフラとしてのナショナルアーカイブがあるのではないか - 新しい発想により、様々なイノベーションが期待できる - 有用な情報が網羅的に関連付けられて利用可能になることにより、今までは困難であった新しいサービスやビジネスが生み出される可能性がある - 国民による創造的な活動の促進 - 情報を探すための工数を、創造的な活動に時間に振り向けることができる - 物理的に利用可能な情報に基づいた研究が、網羅性の高い情報が利用可能になることにより、より高度な研究へシフト - 情報に紐づいた人同士のコミュニティにより創造活動が活性化する ## 49.10 総じて…図書館的なものの担う役割の変化? 拡大? - 情報を探し出す作業の効率化・質の向上 - 網羅的な情報から、利用者の属性、スキル、利用場所に応じた的確な情報を絞り込んで提示 - 対話及びあいまいな条件による本文情報への的確なナビゲーション - 情報を探し出せるようにするための作業の効率化・質の向上 - 主題分類単位の検索で網羅性を確保 - 専門家、図書館員等のノウハウの形式知化・DB化 - 可能な限り自動化 - メタデータ付与、組織化、構造化、本文情報間の関連付け - 新たな知識創造のコミュニティを構築 - 人と情報の関係、情報と情報の関係をリンクさせ、人と人を関連付け ## 49.11 これらの点にNDL/大学図書館あるいは大学はどう対応していくことになるか?⇒「見たことのない図書館を構築する」(美術館、博物館、文書館も同様) - 壁のない図書館 - 図書館の枠を越えて、文献情報の枠を越えて、 - 所蔵場所、媒体の形態を問わず、情報の網羅性・完全性を確保 - いつでも、だれでも、どこにいても、閲覧可 - 商用と無償の電子書籍が一体になった電子図書館サービス - 知識創造の場 - 物理的空間で集う場 - 異文化交流・出会い・議論の場 - 出版者(著作者)と読者を繋ぐ場 - グループによる学習ができる公共の場 - 協調学習のリーダーとなりうる専門知識を持った人材の配置が必要 - 仮想空間での共同作業の場 - クラウドソーシングの場の提供 - Wikipediaのように - 情報(発信)提供の場 - 文献の提供から、あらゆる情報の提供へ - 知識探索・閲覧サービス(利用者の目的、レベル、利用環境に応じてきめ細かく) - 情報探索支援から、課題回答そのものへのナビゲーション - 仮想空間 - あらゆる情報を探索(検索・閲覧) - あらゆる情報の閲覧 - テーマにより企画されたデジタルギャラリ - デジタル化されていない資料の遠隔複写申込み - オンラインレファレンス - 物理的空間 - 博物館的展示スペース(現物を閲覧・鑑賞する場) - 外部公開できないデジタル情報の閲覧・複写申込み - 恒久的保存設備(特にNDL、アグリゲータ等の拠点となる組織) - 拠点に分散したアーカイブで構成 - ディザスタリカバリ― - あらゆる情報資源の集約と意味的関連付け - 分散した組織が保有する情報を、情報内の記述個所が意味的に関連付けられた知識データベースを構築 ## 49.12 どこまで「みたことのない」ものを作ることにコミットしうるか - 「見たこともない図書館」は、デジタル文化資産のナショナルアーカイブがどこまで構築できるかによって、扱える情報、提供できる場の実効性が異なる。デジタル文化財のナショナルアーカイブはまだ構想段階だが、実現に向けた検討は進んでいる - デジタル文化資産推進議員連盟主催「勉強会」(2014年10月15日) - デジタルアーカイブ促進法の立法化を検討 - ①アーカイブ振興基本計画(2020年、2000万点) - ②全国のデジタルアーカイブのネットワーク化と統一 - ゲートウェイ化⇒ナショナルアーカイブ - ③デジタル化ラボ、字幕化ラボの設置 - ④各国アーカイブとの相互接続 - ⇒アジアの文化・技術・経済交流のハブに - ⑤公的資金で制作・収集された情報資産のデジタル - 公開を義務化・利用ルールの公開化 - ⑥デジタルアーキビストの育成と、関連技術開発 - ⑦孤児作品や絶版作品のデジタル活用促進 - まず、2020年の東京オリンピックまでに何をしていくか ## 49.13 業界の流れはこうなる、というような考えがあれば - 今後10年を見据えると - 出版界 - _出版形態の主体が紙からデジタルへ移行する時期_ - _出版物としての流通から、情報としての流通へ。_ - _出版社による電子書籍販売サービスのビジネスモデルは成熟しているであろう_ - _大半の雑誌は、電子雑誌化_ - _サブスクリプションサービスが一般化_ - _雑誌単位、記事単位_ - _少量出版物は、PODに移行しているであろう_ - _孤児作品や絶版作品、フェアユースのための法制度が導入_ - _容易に電子書籍化ができるようになっているであろう_ - _現在のような閲覧を不可にするDRMでなく、電子透かし的なDRMに代わっているだろう_ - 国 - _公的資金で作成された出版物は、オープンアクセスになっているであろう?_ - NDL - _コンテンツ生成_ - _当館所蔵資料のデジタルコンテンツ化率はかなり高くなっているであろう_ - _(関係者協議内容が見直されて)全文テキスト化も可能になって、フィックス側、リフロー型が1つになった電子書籍化も行えているであろう_ - _収集_ - 電子書籍・電子雑誌 - _収集の主体はデジタル化コンテンツになっているであろう_ - _当館によるオンライン資料(電子書籍・電子雑誌等)の収集は軌道に乗っているであろう_ - インターネット情報 - _収集するインターネット情報は、公共機関、NPO、民間に広げている。_ - _ウェブアーカイブとデジタルアーカイブの情報が関連付けられる技術も相当進展している_ - _セマンティックウェブ技術や、新しい技術開発が進み、人工知能(AI)も実用レベルになっているであろう_ - _組織化_ - _物としての組織化から、マイクロコンテンツとしての情報の組織化へ移行?_ - _情報自身、情報間の関連付けもかなりの精度で自動化されているであろう_ - _保存_ - _紙とデジタルでなく、媒体としての長期保存、情報としての利用、情報の長期保存_ - _原本性を保証する役割を果たすことが必要である_ - _一つの識別子で、バージョンを管理することは現時点においても可能となっている_ - _提供_ - _登録利用者への特別サービスが考えられる_ - _有償で、付加サービスも_ - _デジタル複写サービス_ - _認証も、マイナンバー、Open-ID_ - _図書館資料を有償で利用することの結論は10年では出ないだろう_ - 公共図書館 - _当館、公共図書館では、商用の電子書籍販売サービスを活用しているであろう。_ - _閲覧提供は、有償オンラインとして収集した情報か、電子書籍サイトかは、予想できない_ - _当館のデジタル化資料送信サービスもほとんどの図書館で利用されているであろう。_ - _(海外の図書館も、出版社への支援活動が功を奏していれば、自宅への配信も可能になっているかも知れない)_ ## 49.14 公共図書館/学校図書館についても、これは「こうなる」というよりは「こういう役割を担って行って欲しい」か - 郷土資料のデジタル化とオープンデータ化(NDLは支援) - 情報拠点 - 所蔵資料に限らず、当館を含めて外部のデータベースが利用できる環境 - コミュニケーションの場 - 文部科学省 - 地域の情報ハブとしての図書館-課題解決型の図書館を目指して(文部科学省2005/10) - ~人・まち・社会を育む情報拠点を目指して~(文部科学省2014/03) - 地方公共団体や各地の館は? - 地域のハブとして、有形・無形の文化財のデジタル化等による保存に取り組む。 - 共通プラットフォームの中に含まれるように共通仕様を実装したアーカイブを構築する⇒中央の拠点は、デジタル化、アーカイブ構築を支援する ## 49.15 「IT教育」が有益である、これだけの理由。今や「できることをやる」の時代ではない。 - [http://toyokeizai.net/articles/-/55987](http://toyokeizai.net/articles/-/55987) - コンピュータには決して代替できない創造力とコミュニケーション力こそが求められている - 学びは「詰め込み・暗記型」から、「思考や創造、表現型」へ変化していかなくてはいけない - 自分のスキルに基づいてやることを決めるのではなく、「これがしたい」というアイデア・発想ありきで、足りないリソースは世界中から集めてきて協働すればよい。 - 論理的に考え、問題を解決し、他者と協働し、新しい価値を創造する力を養ってほしい - コンピュータに関する原理的な理解があるかないかによって、社会のありとあらゆる場面における対処能力が、大きく変わってくるはず - 学校はこれからも最先端のものがあって、ワクワクする場所であるべき - 学校は、いちばん強く、安全で、つねに最先端かつ大量の情報が集まる町一番の情報基地であってほしい - これまで行われてきたような授業は、事前に家で動画を見てきてもらい、学校の教室では、より発展的な授業をする - これから図書館あるいはいわゆるMLA、GLAM及びその近縁業界に足を踏み入れる人に - レファレンサーに、より専門性の高い知識・ノウハウ - データベース検索技術者(サーチャー)的な業務は、減少 - 簡単な調べ方案内は、システムで - 所蔵館を越え、本文内容で、機械的に可能なレファレンス依頼は減少し、より専門性の高い依頼へシフト - 専門家との人的ネットワークが必要 - 高度な情報組織化スキル - 機械的(自動的)な組織化情報、関連付け情報を、修正するために、より専門性の高い知識を求められる - 高度なITスキル - 図書館システムを活用したデジタル化コンテンツの扱いのために、利用者以上のITリテラシーを持つことは必須として、より高度な情報処理技術が必要となる - どのような知識や技能、あるいはスタイルを身につける必要があるでしょうか?そういった人材はどうすれば育成することができる - レファレンサーに、より専門性の高い知識・ノウハウ - データベース検索技術者(サーチャー)的な業務は、減少 - 簡単な調べ方案内は、システムで - 所蔵館を越え、本文内容で、機械的に可能なレファレンス依頼は減少し、より専門性の高い依頼へシフト - 専門家との人的ネットワークが必要 - 高度な情報組織化スキル - 機械的(自動的)な組織化情報、関連付け情報を、修正するために、より専門性の高い知識を求められる - 高度なITスキル - 図書館システムを活用したデジタル化コンテンツの扱いのために、利用者以上のITリテラシーを持つことは必須として、より高度な情報処理技術が必要となる - 姿勢 - 図書館蔵書等の管理指向から、利用者指向に - 育成方法 - 図書館司書課程を履修する - OJT(スキルを持った人による。利害関係のある業者でなく) - 自己研さん - 大所高所からの視点、トップダウン思考 - 創造力、発想力、アイデア - 現状維持で満足しない - ディスカッション末尾ではパネリストから一言 - 大変参考になる意見交換ができました。 - デジタル情報時代はどんどん進展する。図書館が対象してきた紙の文献から、電子書籍・雑誌の形の情報になり、マルチメディアの情報となったとき、紙の文献と同等のものという範囲が不透明になっている。 - 従来型図書館を継承しつづけると、自然淘汰されていく - 最近2002年刊行の「新訂図書館活用術」という本を読んだ。図書館活用術に載っている「探す、調べる、知る、学ぶ」方法は、もう時代のニーズにあっていない。それを支援する図書館の役割も、変わっていかなければならない。 - 今の図書館員の業務も今後10年を想定すると大きく変わっていると思う。 - 今後10年を見据えたデジタル情報時代に対応できる図書館員が育成されてほしい。 # 50 図書館における情報システム # 51 文化資産の保存し将来にわたって利用を保証する組織の在り方 # 52 おわりに デジタル情報時代において、出版物は、冊子体から動画・音声等を含むマルチメディア化されたコンテンツへ移行しつつあり、また、冊子体の原資料は文化財として保存するために、デジタル化していくことが求められています。このようにデジタル化が進む状況において、文化的資産をあらゆる人々が将来にわたり享受、活用できるようにし、人々の創造的な活用に貢献するためには、社会全体でデジタル情報資源の「見える化」はもとより、より効率的なアクセスの保証に取り組む必要があり、組織を越えたナショナルアーカイブは重要な役割を果たすことになります。 産学官のそれぞれの組織は、それぞれの所掌範囲で「デジタルアーカイブの構築と利活用」の施策を計画していますが、これらの施策が同一の方向性を持って、相互に資源を補完し合っていく必要があります。当館は、ナショナルアーカイブを構築し、世界レベルでの「インターナショナルアーカイブ」の構築へと発展することを目指し、その一翼を担っていくべきと考えています。 ## 52.1 おわりに ナショナルアーカイブの意義・理念の確認、認識の共有は、もう十分? ・草の根的な活動による成果を踏まえて、大所高所の方針・計画に基づいて、 ・具体的なユーザ志向の「実用サービスの設計・構築と提供」活動へ ■ ・ナショナルアーカイブの意義・理念の確認、認識の共有は、もう十分? ・草の根的な活動による成果を踏まえて、大所高所の方針・計画に基づいて、 ・具体的なユーザ志向の「実用サービスの設計・構築と提供」活動へ ~~~~~ 知識インフラとしてのデジタルアーカイブは、 「社会・経済的な価値を創出」を目指して、様々な分野のあらゆる記録を情報として集約、相互に関連付けて知識化し、将来にわたって利用を保証。 「新たな知識の創造と還流」の仕組みを構築する 図書館は、 文化的資産をあらゆる人々が将来にわたり享受、活用できるようにし、人々の創造的な活動に貢献する ======= ■今まで 「電子図書館構想」(1998年)の実現を目指してきた 電子図書館としての知識・情報・文化の新しい基盤を含めて、図書館の枠を越えた基盤作りが、「知識インフラ」 具体的な実施の柱立てをしたのが「中期計画」(2004年) ・デジタルアーカイブ構築 ・情報に関する情報の充実 ・デジタルアーカイブポータルの構築 デジタルアーカイブとデジタルアーカイブポータルの発展形が知識インフラ 分野を限定した知識インフラの実現形の1つが「ひなぎく」 知識インフラ構築の実現形が、「文化資源のナショナルアーカイブ」 1990年代から目指す方向性は明確であり、構想レベルの議論の結論は変わらない 今は、社会や技術の進展に合わせて、実現レベルを高めるための具体的なアクションにブレークダウンしていく時。 やれるところからやるアクションは、既に様々な形で進められてきた。これからは、司令塔の役を果たす機関が、全体での方向性を踏まえてコーディネートし、優先的に実施すべきことを、具体的な実施に持っていくこと ■今後 図書館は、利用者の情報入手手段の1つ。図書館単独でできる情報の関連付けは、全体のごくわずか。 図書館も、利用者からみて情報入手手段の1つとして、デジタルトランスフォーメーションの時流に同期していかないと、旧来型の図書館利用者から、新たな利用者への拡大は望めない。 ■関係する人に向けて ●夢を実現させる強い意志 ・このような活動を推進させるためには、従前の事業にとらわれずに、将来への夢を持って、その夢を実現させる強い意志を持った若い人の力が必要です。 ●10年後、20年後の社会を見据えて ・10年後、20年後をイメージして、それを実現するために自分は何をすればいいかを考え、それを実践してほしい。 ・個人として、組織として、世の中に貢献。組織としての責任と義務を果たして、存立し続けられるように。 ・理想と現実のギャップがあった場合は、理想を追求してほしい # 53 【付録1】自分の総括と今後 ## 53.1 職歴・経験職種・スキル・技能 - 旭川高専(1970年から、5年) - 志望動機 - 中3の時、親の会社が倒産。道内の国立大学へ行くことを想定していたが、旭川には医大しかなく断念。 - 電子機器関係として電子工学を志望していたが、電気工学科しかなかった。 - 業務 - ミニコン - 科学技術系プログラミング技術 - アナログ計測をミニコンを使ったデジタル計測で - 得たスキル - コンピュータ知識、プログラミング技術(Fortran、アセンブラ) - 日本アビオニクス(1975年から、11年) - 志望動機 - 電子機器メーカ、高専卒を優遇、NECの子会社であり大企業の歯車になりたくない。5月の会社訪問でいきなり内々定 - 業務 - 事務処理系プログラミング技術 - 発注管理、在庫管理、部品展開 - メインフレームマシン - (構造化プログラミング、RDB適用) - 組織の事務処理の効率化、省力化 - プログラムパターン化(COBOL/S) - 得たスキル - システム開発の効率化手法、社内業務効率化手法 - IPA(通産省所管の法律に基づいた特別認可法人、現在独立行政法人)(1986年から、16年) - 志望動機 - 1組織の業務システム効率化だけでなく、国全体としての効率化を目指したい - 業務 - Σシステム - 企業の枠を越えて - 国としてのソフトウェアの生産性向上 - UNIX-OS - UNIX標準化団体との連携(OSF等) - 情報基盤センター - データベース、ネットワーク技術の習得 - パイロット電子図書館、総合目録、新産業創造DB - ネットワーク管理室 - 協会全体ネットワークシステム構築・運用 - 2000年問題対応 - セキュリティセンター - 国としての情報セキュリティ対策技術 - 2000年Web改ざん事件対応 - 内閣官房情報セキュリティ対策推進室専門調査チーム非常勤職員 - 得たスキル - UNIX-OS技術、TCP-IPネットワーク技術、RDBMS技術 - 情報セキュリティ対策 - NDL(2002年から、13年) - 志望動機 - ソフトウェアの生産効率化、組織の業務の効率化だけでなく、国民の情報を得るための行動の効率化 - 業務 - 企画課電子情報企画室 - eJapan戦略でのデジタルアーカイブ構築構想の立案 - 内閣官房IT担当室、総務省と連携 - デジタルアーカイブポータルプロトタイプ - NDLの情報セキュリティ基本方針・対策基準の策定 - 関西館 電子図書館課 - デジタルデポジットシステム開発方針見直し - 情報システム課 - NDLの図書館システムの再構築、運用 - 企画課・電子図書館課・情報システム課・電子情報部 - 国としてのデジタルアーカイブポータル構築 - 電子情報部長、CIO、CISO、現在も館議メンバー - 得たスキル - 過去の経験の活用であり、特にない - (図書館情報学は意識的には習得していない) - 転職について - 自分の理念を曲げずに、やりたいことができそうな組織に転籍。妻の理解。 - 退職金は、転職せずに通算だった場合の半分程度。 - 民間は、公務員の半分程度 - 年金は、共済組合員期間が13年(20年以下)では、職域加算金は半分 - 今後、厚生年金、共済年金が一本化されても、共済の職域加算金はある - 退職金、年金のために、公務員として終身雇用されることは利益があるが、今後、退職金も年金も漸減していく。自分のやりたいことのために、転職してもあまり不利益にはならなくなるのではないか。また、退職金、年金も減ることを想定し、その分を、毎月コツコツを預金していくほうがいい。 - 私自身では、IPAの退職金で住宅ローンの繰り上げ返済を少ししたので、定年前にローンがなくなった。しかし、もっと貯金をしておくべきだったと思ってる。 - メッセージ - 自分の理想を封印して組織内で妥協するか、自分の理想を追求して、組織を変えていくか、組織から飛び出すか。 - セカンドライフが楽しめる程度の蓄えは必要 ## 53.2 ターニングポイント - 日本アビオニクス - EDP部門、社内事務処理の効率化 - IPA - 1組織の業務システム効率化だけでなく、国全体としての効率化を目指したい - NDL - ソフトウェアの生産効率化、組織の業務の効率化だけでなく、国民の情報を得るための行動の効率化 - ndldap - 会計課の協力により、少額随契で構築 - 植月室長の理解、優秀な人材:塩崎 - PORTA - 優秀な人材:久古 - 長尾前館長の就任 - デジタルデポジットシステム - 関西館に異動して管理職(主任司書)に - WARPとデジデポを統合して、膨大な開発費を要する計画になっていたものを、原点に戻って分離。分離したソフトウェアが他機関でも利用しやすく。(請負業務としての発生費用を、当館の1調達で回収するのではなく、それを製品化するためのR&Dの経費として) - 基盤システム - 長尾前館長、田屋元副館長の強い意向により、情報システム課長に抜擢 - 長尾前館長、田屋元副館長の強いリーダシップ、バックアップ - 優秀な人材の配置:福林、尾張 - リニューアル準備終盤の遅延、大規模障害が発生したとき、長尾前館長が「責任は私が取るから、委縮せず進めなさい」 - NDLサーチ - 基盤システムのリニューアルの方針見直し、次期図書館サービスイメージを提示、総合目録、次世代OPAC機能を含めた、情報探索サービスの構想が了承された - 優秀な人材:小澤、原、鈴木 - 東日本大震災アーカイブ - 知識インフラの構築を目指す、「科学技術情報整備基本計画」 - 知識インフラの実現系として開発計画が了承された - 優秀な人材:河合、北島 - リニューアル総括以降(館長交代、田屋元副館長の退館) - リバウンドの時期(総括、見直し、停滞、先祖返り) - 1年以上かけたリニューアル総括により、大幅な費用削減とデジタルを含めたサービスの向上の成果を低く評価された - 将来構想会議の報告が、活用されなかった - 電子情報部は、デジタル、情報システムにより、館の業務・サービスを改革する中核的な役割を果たす方向では発展させてもらえなかった - 本来ない大震災の紙資料の収集、大規模デジタル化の実務が加わったが、人的資源の投入はされなかった - 当館保有情報の二次利用 - 最初の半年はほとんど進まず。大場課長になってから、会計課、総務課の抵抗により難航。庶務担・館議で半年以上。やっとデータ提供方針の一部改正 - ひなぎくでの収集 - ダークアーカイブ、器を用意して預かるASP的サービスも、法規の抵抗により進まず - 図書館送信、オンライン資料収集は、道筋ができた以降、電子情報部から切り離され。 - 最後の1年 - 責任者のポジションを降りご意見番に。 - 新しい方向性が検討の土俵に上がらず - 意思決定プロセスが一段と遅く、また決定内容が後ろ向きになったと感じる ## 53.3 過去の仕事の整理 - やりがいのあった仕事 - IT技術に触れる仕事全般 - 従来型図書館システムの斬新 - (図書館システムのリニューアル) - ハイブリットサービスへの一歩 - 達成感を得られた仕事 - デジタルアーカイブのポータルの構築 - 楽しかった仕事 - 情報基盤センターの運用 - データベース、ネットワーク技術の習得 - 好きだった仕事 - プログラミング - 好きでなかった仕事 - ルーティンワーク(機械的、また非効率な作業に触れたことで、一層の改善の発想が生まれた) - 内向きなシステム構築(BPRの必要性を認識できた) - できなかった仕事、心残りだったこと - 基盤システムリニューアルに専念した時期は、デジタル関係の外の動きに疎くなってしまった。また、リニューアル総括などで、内向きの対策が多くなってしまった。(否定的な結論を導こうとする総括) - 事業継続計画(BCP) - 情報システムの経営戦略での活用 - BPM/BPMNによるビジネスモデルの見直し ## 53.4 自己分析から見る性格や強み - 大所高所からの視点、トップダウン思考 - 企画はトップダウン、調整はボトムアップ - 新しもの好き - 創造力、発想力、アイデア - 新技術の適用可能性の判断能力 - 高い信頼性、性能を求める - 否定的なこと - 現状維持で満足 - できる範囲で - できない理由でなく、できる方法を。 - 影響力のある人の言葉でも、安易に信念を曲げない - 内容面でなく、進め方のネゴシエーション - 日頃思っている夢や希望 - 人やより創造的な業務に - 機械的な作業はシステムに任せる - システムにより、より創造的なサービスを提供 - 仕事に対する姿勢や心がけてきたこと - 自分らしく - 安易に自分のポリシーを曲げない - 信念に沿っって実証する - 何事も実証してみる - 理に適っていないことでは安易に妥協しない - 過ちを諦めずに指摘し続ける - 自分が持っている人脈 - NII 高野先生 - 同志社大学 原田先生 - JEPA 三瓶さん、下川さん、井芹さん、落合さん - NTTデータ 中条さん - ポッド出版 沢辺さん - ARG 岡本さん - 寿限無 岡本さん ## 53.5 私の理念 - 民間、政府機関、第三セクターへの出向、ITがらみで様々な業務に就いてきたが、一貫した姿勢は、「効率化」 - 人海戦術、機械的な業務は、システムに任せて効率化し、人はより創造的な業務を行えるように - IT技術を駆使して、国全体の情報資産へのアクセスを容易にすること ## 53.6 能力(できること) - 先進的なサービス・システム企画 - 現状からの延長でなく、先を見据えた創造性のある企画 - 新技術を適用したシステムモデル設計 ## 53.7 興味・関心(仕事) - 仕事で重視することは - 大局観、社会への貢献 - 時間の使い方で重視することは - 効率 - 仕事で手ごたえを感じることは - 社会のニーズと組織が同じ方向性を持てる時 - 上司や部下、仲間は - 一人ではできない。如何にして同じ価値観を持てるか - ルールや決まりは - 前例主義でなく、必要に応じて見直されていくべき - 出世や昇格は - 自分らしく行動した結果としてついてくるもの - 意に反した行動での出世はいつか揺り戻される - 新しいことや新たな環境は - 新しいことに常にチャレンジしていきたい - 組織や部署、チームは - 時代のニーズの変化に応じて、柔軟に変化すべき ## 53.8 興味・関心(個人の生活) - 日常生活で重視することは - 休日、時間の費やすことは - 日常手ごたえを感じることは - 他人との交流は - 日常生活での約束事は - お金や財産は - リスクや冒険へ - 健康や自分の体調は ## 53.9 やりたいこと - 恒久的保存基盤の構築 - 分散アーカイブ - 新技術の実用化 - 当館デジタル化データを利用した、イメージ+検索・読上げ可能なEPUB文書の自動作成システムの構築 - オープンソース - オープンソース、外部サービスをマッシュアップ - オープンデータ化 - 標準規約(メタデータ記述規則、識別子、API) - LinkedData化 ## 53.10 使命(求められていること) - 知識インフラの構築 - 文化的資産を将来に継承し、新たな知識が創造される社会を目指す ## 53.11 自分らしさ(生きがい)を求めて - 収入を得る - 年金受給までの生活費 - 社会・組織に属する - NDLの所掌を超えて、ナショナルアーカイブ、インターナショナルアーカイブ - 文化財アーカイブ、コンテンツ創造基盤、情報発信基盤の構築 - デジタルアーカイブ構築の次のステップをデジタル文化財で実現させたい - 各基盤が理想の実装イメージになることを見届けたい - 過渡期の構築・運営の司令塔、運営基盤の主体に参画したい - MLA連携 - 仕事を創る - コンテンツ創造環境の構築 - 古典文学と紐付けられて、利活用されることにより、新たな文化資産が創造されることが期待できる形 - 生きがいの仕事を探す - 知識インフラの実現系 - デジタル文化財の司令塔、実現に向けた実施管理組織体 - 高野教授研究室 - 社会貢献 - OpenGLAM - 代表メンバー - EPUB - JEPA特別個人会員 - 電子書籍図書館推進協議会(ELPC) - Code4Lib - アイデアソン - 趣味を生かす - 新技術の試用(ウオッチでなく実践) - 電子書籍 - EPUB - 趣味を見つける - ガーデニング - 音楽鑑賞(オーディオマニア) - J-POP、特に音。バッハのチェンバロ、ホテルカリフォルニアのイントロ - 移住計画 - まだ、余生を送る段階でない - スキルアップ(資格取得・能力開発) - 情報処理技術 - IPA時代を最後に自らプログラミング、システム構築から遠ざかった。 - 改めて、先進技術を活用したプログラミング、XML操作言語、EPUB化など、自ら行えるようにしたい - 自分が得た知識をベースに、先進技術情報サイトを構築して、運営したい - 仕組み作りから、その仕組みを使ったコンテンツ創造へ - TOEIC - マネープラン(今後の資金計画) ## 53.12 今後 - 社会・組織に属して - NDLの所掌を超えて、ナショナルアーカイブ、インターナショナルアーカイブ - 文化財アーカイブ、コンテンツ創造基盤、情報発信基盤の構築 - デジタルアーカイブ構築の次のステップをデジタル文化財で実現させたい - 各基盤が理想の実装イメージになることを見届けたい - 過渡期の構築・運営の司令塔、運営基盤の主体に参画したい - デジタル情報、情報システム関連の資源の確保 - 情報システム、デジタル関係の職員、協力者の調達 - 数十人規模で確保すべき - ナショナルアーカイブの構築 - 恒久的保存基盤の構築 - 分散アーカイブ - 新技術の実用化 - 当館デジタル化データを利用した、イメージ+検索・読上げ可能なEPUB文書の自動作成システムの構築 - オープンソース - オープンソース、外部サービスをマッシュアップ - オープンデータ化 - 標準規約(メタデータ記述規則、識別子、API) - LinkedData化 # 54 【付録2】NDLでの13年間の総括 ## 54.1 経歴 - 情報システム課長2年9か月、電子情報部長2年5か月、館議陪席は5年3か月 ## 54.2 入館時からずっと感じていたこと - 世の中の変化への対応が遅い。 - 保守的。もっと外を見て、民間、行政がやっていることを見習う。(e-JAPAN計画とか) - ⇒民間や行政への出向も必要ではないか。 - 行政以上に、役所っぽいこと。所掌主義、文書主義、前例主義、内規が絶対的なものとして位置付けていること。 - 各部局課は、所掌による分担意識が強い。 - 意思決定が遅い - 外向けよりも丁寧な解説付きの資料を作成して、説明しなければならない状況 - 曖昧な表現の文書合意。曖昧な内容のために、根拠として使っても、再度議論が発生 - 曖昧な文書による説明でなく、パワーポイント等の利用して、ポイントを明確にして合意を図る - 根回し、部会、委員会、庶務担、館議、文書決裁と、レスポンスが異常に長い - 外向けのプレゼン内容と、内部での議論のギャップ - 幹部が意識改革して、中堅、担当レベルにその意識を浸透させていくべき ⇒課長、課長補佐クラスが、危機感を持って、意識改革をしなければならない - 部局の利害調整の場になっている庶務担、館議の姿勢の改革 ⇒所掌を越えて、NDL存立のために何をすべきかを議論する場となってほしい。 - NDL内論理、図書館の世界だけで考えていること。 - 単館主義(自己完結型)からの脱却 - 囲い込み主義で、人物金の資源を使って、単独でサービスを展開しようとする姿勢。 - ユーザとして、図書館以外のサービスの状況を利用して感じる便利さを、図書館サービスに反映させる姿勢を持つこと。 - 業務的には、紙資料の蔵書目録至上主義の見直し - 紙資料とデジタル資料では、サービスと業務・システムの考え方の立ち位置が違う。デジタルでの考え方を浸透させなければならない。館外よりも館内の啓蒙活動が大変。 - 労働集約的な業務、個人のスキルに依存した業務になっている。 - 意欲に満ちた新人が、2~3年で、保守的な言動をするようになる - 要件定義ができない - 業務・サービス部門として - ユーザ要件をまとめられない - 調達部署は、要件定義をする力が必要。 - 発注者としての - システムを知らない人がシステム化要件を決めている - 業務要件に関しての知識しかなくて、システム化仕様の内容に関与しているケースが多いように見受けられる。 - ニーズと技術をマッピングする力が必要 - スキルとして、個別の要素技術の知識や技能だけでなく、要素技術をいかに選択し、適用して課題解決の実現ができるかの実務能力のある人材を求める。 - 館としての従来型サービスと、デジタルサービス全体の方向性を、大局的な視点から創造力を駆使して推進する姿勢、体制がない。 - 部局課を離れて、システム、ニーズを中立に認識できる体制が必要。 - 新しいサービスの考え方 - 管理指向から、サービス指向へ - 管理する立場でシステム化を考えている。エンドユーザが求めるサービスを如何にして提供するかの立場で考える必要がある。 - ユーザ指向 - ウェブ協調 ## 54.3 大変だったこと - 大変だったのは、やはり基盤システムのリニューアル。 - 関西から戻って、情報システム課長として、基盤リニューアル開発の見直しを指示され、新しい方針、体制を構築するまでの3ヶ月 - 計画の見直しから始めてから3年。リニューアル直後のトラブルを含めて、ハードな日々だった。 - しかし、見直しにより、次世代図書館サービスを目指す枠組みができ、次世代OPAC機能を持ち、総合目録と外部のデジタルアーカイブを一元的に検索できるNDLSearchも合わせて開発することができた。 ## 54.4 残念だったこと - 残念だったのは、 - リニューアル後、電子情報部が本格的に機能して、館全体のデジタル情報時代への対応の推進役としての役割を果たす段階で、その機能、役割の低下 - 長期にわたるリニューアル総括、最適計画を基本的な方向性と位置付けない - 情報化推進委員会、CIOの位置づけの見直し - ひなぎくに対する対応、次世代室、 - 基本問題での大局的な方向性の議論を避け、個別課題の検討を行うこと - デジタル文化財のアーカイブへの対応 - 議員先生、出版社、旧来型利用者を重視する姿勢 - デジタル情報、情報システムに関する施策の意思決定プロセスに参画できなくなった - 外部においても、キーマンとしての位置付けを外された - デジタル文化財のナショナルアーカイブの具体的な構築の道筋を付けるところまで参画できなかった ## 54.5 私の成果 - 入館時にメモとしてまとめたことが、想いよりもスローなペースだが、進められてきた。 - 館の情報化の推進には少なからず貢献できたと思う。 - e-Japan戦略へのNDLの役割の反映 - 「電子図書館中期計画2004」 - 入館後2年にやっと完成した「電子図書館中期計画2004」では、「デジタルアーカイブ構築」は当然のこととして、「情報に関する情報の充実」として、当時主題情報部で検討していた、最も図書館らしい業務として「レファレンスサービスの充実」を掲げることができ、また、当館だけで全ての情報を保有することはできないことを想定し「デジタルアーカイブのポータル」を、3本柱の1つに据えることができた。 - 背景を除くの本文が2ページにも満たないが、想いは込められた。それの実現に努めてきた。 - DAシステムが理想と乖離した費用対効果が悪く実運用が不可能と思われる設計を進めていたものの計画の見直し - 基盤システムも同様に大幅な計画の見直し - 「故田屋副館長、長尾前館長の夢」の実現の加速化 - 田屋さんが描いてきた、電子図書館構想以上のものを実現できたと思っている - 長尾前館長が描いていた「未来の図書館」の実現への道には、ほど遠かったが、部分的には、道筋をつけ、実現を加速させてきていると思う - デジタル文化財関連へのNDLの参画への誘導 - ⇒数十億円の無駄なシステム関連の開発・運用コストの削減。これがなかったら、現在のNDLは、既存の業務さえ継続が不可能だったと思われる - 出版界、公共図書館等の従来からの関係機関とは異なる新しい分野での関係機関との関係の構築 - 今後、停滞気味のこの流れを変え、推進する力が必要。 - 今後、経営会議メンバーに、ITスキルを持った人材を含めていただきたい。 ## 54.6 現在の方向性に対する懸念 - デジタルの利便性を最大限に活用した先進的なサービスの実現を推進してきた、田屋元副館長、長尾前課長が退任後、推進に歯止めがかかり、デジタルを紙資料の延長線に捉え、また、来館サービスを重視する姿勢に戻ってしまったこと - 電子情報部は、館の中核的な役割を果たす役割だったはずが、位置づけが低くなり、資源の配分も十分にされない、また、デジタル関連の役割を分断する方向で動いているのが実感 - 伝統的な書籍中心のミッションから、情報の保存機関としてのミッションへの移行 - 伝統的な書籍を扱う組織が、WARPでのインターネット収集のように、紙からデジタルへ移行したものに限らず、あらゆるインターネット上の情報を保存する役割を持ち、1つの組織があらゆる記録を持てるはずもないところで、他の機関と分散保存しているものを、一元的に検索利用できる道筋をつけた - 従来型図書館を維持していくことでは、当館の地位は低下する一方。時代の要請に沿って新しいサービスを実施していかなければ、組織の存立も危ぶまれる - 当館が対象とするものは、もはや「書籍」ではなく、「情報」であることを認識し、前へ向いていく必要がある - 蔵書構築も、当館単独での保存・提供ではなく、国全体で、情報の構築(知識インフラ)を目指し、当館の役割を再認識すべき - デジタル文化財アーカイブへの対応 - 今までの実績が評価されて、デジタルアーカイブ構想、文化財センター構想で、NDLが中核的な役割を果たすことに期待する声が上がっている - 当館での実績を十分に理解していない職員が、外部の識者に対して、状況を伝えている。その内容で外部の識者が様々な発言をしている - 議員の先生からの宿題に対して、予想して十分な検討をせずに、ショートノーティスで、資料を作成して提示している - 経営層での情報共有と合意した判断ができていないこと - NDLへの期待に対しての対応策 - 実績を踏まえて、外部に対して何を伝えるかの内容と方法 - 議員先生、財務省への説明内容 - デジタル文化財アーカイブ構築に必要な予算、デジタル化予算150億円 - 10億円の意義と今後の方向性 - デジタル化実施計画を無視した「10億円でのデジタル化」 - NDLサーチの連携方法は、デジタル文化財アーカイブの方向性が共有されていない段階での最善の提案 - 5〜10年での、市場動向、技術動向、NDLへの期待、役割の考察をせずに - 国際交換、外国資料、ILL、遠隔サービス、来館者サービスそれぞれが、同様の検討で進めている - 統合して恒久的保存基盤を検討することを認識の上で、従来のNDLサーチの役割、ひなぎくの役割、文化財としての役割ごとに、連携方針を検討することは、現時点の状況においては、次善の策。 ## 54.7 あと1年残る時間で進めたいと思っていたこと - 知識インフラの目指す、「全ての情報を知識として活用できる形にして、その知識を利用して新たな知識を創造する」を実現するための具体的な道筋が、社会で共有できるところまでいっていないこと。 - 分担収集 - 恒久的保存基盤の枠組みで、各分野のアグリゲータとの分担 - 組織化 - 物としての保存のための書誌作成の延長線からの脱却 - 保存 - 分散保存の具体的なイメージと必要な情報交換の枠組みの合意形成 - 提供 - NDLSearchの延長線上に、知識インフラとしての利用環境があることの認識の共有と、具体的な道筋 - 業務の効率化と、効率化を実現するための資源の再配分 - 合理化により切り捨てるのではなく、新たなサービスを実現するために既存業務を効率化 - 外部機関との連携(外部資源の活用) # 55 【付録3】60年を振り返って ## 55.1 経緯・感想 - 2002年に入館して、丸14年 - 館議 - 情報システム課課長で2年9ヶ月の陪席、引き続き電子情報部長で2年6ヶ月、情報化推進担当としておまけで1年、計6年3か月、メンバーとして出席、長期にわたり、出席させていただきました。 - 60年の歩み - 40年前に社会人になってから、ずっと、情報システム関係 - ソフトウェア開発、システムや情報の利用に関して「効率化」を理念としてきた - 民間での事務処理の効率化、経産省所管のIPAでのソフトウェア開発効率化プロジェクト、第三セクターのシグマ会社、パイロット電子図書館を含む情報基盤センター - NDLでの電子図書館中期計画、デジタルアーカイブのポータル、電子図書館課でのDAシステムの開発方針に見直し - 情報システム課での基盤システムその他のリニューアル - 電子情報部でのひなぎく - NDLでの感想 - 理念に沿って、意見をいい、実践してきたので、楽だった。 - 仕事としてハードだったのは、 - のんびり過ごしていた電子図書館課から、呼び戻されて、情報システム課長として、基盤システムの開発方針の見直しを担当させられたとき。3ヶ月は四面楚歌の状態。 - リニューアル前のKSS端末の設定遅れ、リニューアル後の3回の障害。 - 館議でハードだったのは、 - 陪席だった情報システム課時代で、リニューアルを進めていたころの「針のムシロ」のような館議、リニューアル推進本部会議。細かい進捗状況、課題を説明。 - 夢を語れたのは、 - 企画課電子情報企画室の時、中期計画2004を策定したころ - ポータル関係で外部の色々な方と意見交換したこと - 情報システム課長になった時、大幅に見直した次世代図書館サービス構想を館議で説明。(これによって今のNDLサーチが位置付けられた) - 電子情報部長になってから、「将来構想会議」とかで、今後の方向性を取りまとめて、報告していたころ。 - ただ、心残り(残念)は、 - リニューアルによって大幅に削減した実行予算が、次世代システムの開発予算にならなかったこと - 数年間の検討で決まらなかった電子情報部が、少し強引な判断により、設立されたが、その設立趣旨に沿った活動ができなくなったこと - _NDLの情報システム、電子情報サービスを統括。_ - _次世代に向けた電子情報に関する事業を効率的、効果的に実施する_ - _NDL全体の電子情報、情報システムの企画立案が効率的に行えるようにして、統合的に情報システム基盤の構築・運用を図る。分散して行っていたシステム関連業務を一元的に行い、現行システム・サービスを効率的に再構築・運用する。将来的な展望を持って、トータルな図書館システムを実現し、図書館の枠を超えて利用者サービスを向上させる。_ - 「デジタル文化財」のように実現に道筋が見えるところまで、こぎ着けなかったこと。推進に直接関与できなかったこと。 - この1年は、 - ソフトランディングの期間、時間が十分にあったはずだが、過去の歩みを整理しきれなかった。 - 一部の人ではあるが、理念は引き継がれたと思う - 今後 - 私 - しばらく、もしかしてずっとかも知れないが、フリーで、セカンドライフを過ごすことになる - 館議 - 戦略的情報システムを企画・構築できる体制の確保と、その内容を経営会議である館議で議論できるようになってほしい - 館 - 国の情報資源を、将来にわたって利用を保証する中核的な機関として、デジタル情報化時代にふさわしい役割を果たしていってほしい。 ## 55.2 NDL職員に向けて - 入館時に持っていた志を忘れずに - 「国だからできない、規程、内規上できない」ということはない - 管理志向からユーザ志向へ - 自分が利用者になったときどうなっていてほしいかを考える - 自分の信念が正しいと思えば、安易に妥協しない - キーマンになること。一目を置かれることにより、それなりのポジションが与えられ、自分の考えを通しやすくなる。 - 指示されたことをコツコツとでなく、高い目標の達成に向けた道筋を一歩ずつ。 ## 55.3 NDL後継者へ - 今の延長で可能な範囲での実施でなく、今後10年の社会のニーズを見据えて、創造力を持ったサービスの設計と、関係機関との共同構築 - 国全体の施策の中で、NDLの役割を考える。その役割の中で、個別の業務の進め方を考える # 56 【付録4】長尾前館長の方向性と私見 ## 56.1 「これからの課題に関して伝えてほしいこと」に対する私見(2007年6月) ## 56.2 NDLの活動を広く社会へ認識してもらう努力 - 来館者サービスだけでなく、広く社会全体を視野に入れて - 来館したくても地理的要因等で来られない人が大半。いつでもどこでも、情報がどこにあっても利用できる仕組み作りが電子図書館事業の目標。 - 一般の人に判る広報媒体(例:月報) - 一般の人に親しめる広報媒体(例:フランス図書館グラビア) - 講演会(数十名~百名程度、インターネット中継も) - 過去の意見聴取会、報告会でももっと多くの人に聞いてもらいたいものも多かった。リアルタイムでなくても、インターネットで中継できることは有益。 - 図書館の日 - 公文書館との共催イベント - NDLと公文書館は別の組織だが、資料の保存と提供に関しては重なるところも多い。政府刊行物の収集、長期保存および提供に関しては、相互に補完しあいながら分担して実施すべき。利用者に対しては、一体となってサービスを提供していることを示すことも必要。 - イベント企画の外部委託 - イベントを主催部局課で開催すると、イベント開催のロジに負荷がかかり、内容面での対応が不十分になる。また、専門でないために効果的な企画実施ができない。外部委託するための仕組みつくりが必要。 1. 56.2.1 大学図書館、公共図書館その他との協力 - 各機関との連携・協力が必要 - 「システム構築と運用」、「デジタルコレクションの構築」の2つの柱で連携・協力の実施計画を策定中。(デジタルアーカイブ事業に係る他機関との連携・協力について(改定案:平成19年6月20日)) - 特にNII、JST、公文書館との連携を重視。(デジタルアーカイブ事業に係る国立情報学研究所、科学技術振興機構、国立公文書館等との連携・協力に関するメモ(インフォーマルメモ:平成19年6月11日)) - ポイント - DAシステムにおいて、仕様策定段階から関係機関との合意に基づいて構築、協力して普及できる枠組み作り。 - 分散デジタルアーカイブの構築と提供を目指して、連携のための共通仕様の策定と実装を協議する - 資料のデジタル化において、他機関のコンテンツのデジタル化及びデータベース構築支援も視野に入れる。(まずは、京阪奈地域の図書館、資料館を対象として) - MARC等のデータベースのダウンロードサービス - PORTAにおいて、メタデータ提供用外部インタフェース(OAI-PMH、SRW、RSS等)を実装。現在、Z39.50に関しても実証準備中。 - MARCも外部と協同構築 - PORTAにおいて、関係機関との横断検索、ダウンロード機能により、メタデータ等を共有し合える仕組み作り。 - ナレッジも設計段階から外部に公開 - PORTAにおいて、レファレンス協同DB、カレントアウェアネスも含めて統合検索中。ナレッジ提供サービスも統合検索対象として想定。 - NII、大学、アマゾン、グーグルと組んで、図書館の情報の利活用を促進 - Amazonへのナビゲーション、AmazonからのPORTAへのアクセス、Googleへのメタデータ提供、検索結果にGoogleの検索結果も含めることを想定して、システム開発中。早期に、館内調整、外部への打診を行いたい。 - 電子ジャーナルの共同購入 - NII、JSTとの学位論文の遡及デジタル化、大学機関リポジトリとの役割分担にあわせて、電子ジャーナルのダークアーカイブも含めて、電子ジャーナル出版社等と調整したい。 - ウェブアーカイブに関しての有識者フォーラムでコンセンサス作り - デジタルアーカイブフォーラム(仮称)を企画中(平成19年度第4四半期) - デジタルアーカイブの構築と連携に関しての連携と分担、適用技術、共通仕様などについて、NII、JST、公文書館、(国立文化財機構、国立美術館)および適用技術に関する知見を有する機関、研究者が一堂に介して、発表する場。(講演及びパネル:関係機関、参加者:広く一般) - 事前に、個別もしくはテーマ毎に意見交換を行い、このイベントで広く一般に対して成果の発表し、事業の理解を求める。 1. 56.2.2 その他 - 国際交流 - OPACの横断検索、その機能の大学等への提供 - PORTAにおいて、外部提供仕様として、メタデータのダウンロード機能(OAI-PMH、RSS)、横断検索機能(SRW(SRU/SOAP))に加えて、図書館界で普及しているZ39.50についても実装準備中。 - IFLA等へのウェブアーカイブ働きかけ - IFLAの分科会での成果の発表及び意見交換、IFLA/UNESCOによるガイドライン策定に対する提言等も検討。(IFLAがUNESCOとともに「IFLA/UNECOインターネット宣言指針」を公開) - IIPCへの参加、WGでの分担も検討中 - 諸外国のカレントな情報の収集・分析(ウォッチャー)と国会等への提供 - 国内外のニュース等を特定部局かの担当、レファレンス業務での司書に限らず、全職員が業務を通じて入手した情報を共有して再利用できる仕組みの構築と運用が必要。(ナレッジデータベース、ナレッジコミュニケーションの仕組み) - 人材育成と交流 - 外部委員会への委嘱への積極的な対応 - 外部の委員会への参加は、兼業届け、承認手続き、毎回の事務手続きなどロジにかかる工数も多く、また出張は年度計画に計上されていなければなかなか実施できない。手続き等の簡素化が必要。 - 外部研究会への参加 - 発表ではなく、情報収集のための講演会、展示会の参加は、年度当初の実行予算で計上していないものに関して参加が困難。年度初めに有用なセミナー、講演会、展示会を把握することは難しく、必要に応じてもっと自由に参加できる運用が望まれる。 - シンクタンク等からの人材登用 - 外部の専門家を活用する方法としては、非常勤研究員等の出向、委員委嘱、常勤研究員等の出向、期限付き職員採用、選考採用、コンサルタント委託契約、請負業務発注による担当者の派遣、請負業務発注による調査業務委託等の方法がある。相手先の都合に合わせて、いろんな契約形態を可能にすることが必要。 - その他 - NDLのOB会 - 大学等への出前講義、講演会の共同開催 ## 56.3 「未来の図書館」が目指すところと、実現の状況 - 電子図書館の大切さ - 全ての国民に同等のサービスを提供 - 全て電子化して利用者に送信 - 優れた知的で柔軟なサービスを実現 - デジタル化と、コンテンツの活用(追加) - スキャンニング画像から、OCR、クラウドソーシングでテキスト化、構造化 - スキャンニング画像と構造化テキストを組み合わせて自動電子書籍 - 電子納本のための 著作権法改正 - あらゆる種類の出版物は収集、保存され、新しい創造のために利用される⇒デジタル文化財構想で、あらゆる記録、記憶を含めて、国全体で「ナショナルアーカイブ」の構築を目指す - 公共図書館等への配信のための 著作権法改正 - 容易に入手できない書籍については許諾なしに国立国会図書館から公共図書館、大学図書館まで配信⇒「図書館送信」により実現。今後10年で、インターネット提供まで目指すべき。 - 著作権者・出版社との合意のもとに貸出し料金 - ⇒実現したこと - NDLサーチ - Web2.0的サービスまで実現 - 所蔵機関、情報種別を問わない統合検索機能の提供 - 今後、Web3.0的サービスの実現を目指す - 電子読書端末 - スマートフォンも電子読書端末として有力視 - ⇒A4サイズのカラー電子ペーパー(ページものでの実現の可能性も) - これからの電子書籍の世界 - 音や映像が扱えるマルチメディア端末 - 図、表、音、動画像などマルチメディアの著作物 - 読者と電子書籍との間で対話 - 他の読者と共同で読書をしたり、著者などと対話できることになり、著作活動、読書活動に新しい世界 - ディジタル教科書 - 音や映像のメディアを用いて教科内容のより良い理解が可能 - 人工知能的ソフトウエアによる指導 - 音や映像を組み込み、内容を総合的観点から理解 - 課題 - 内部にパターン認識機能、検索機能、言語処理機能、推論機能などを持たせる必要 - 演繹的・帰納的推論や類似性検出技術、シソーラス、言語理解、シミュレーション、また動的な分かりやすい表示デザイン等を伴う新しい研究分野を形成する - 電子書籍時代の公共図書館、大学図書館 - 地域住民の求めている公共図書館 - ネットを通じたレファレンスサービス(背後に専門家のネットワークを持つこと) - 図書館スペース - 利用者スペースを広げ、個人閲覧席のほかにグループ学習エリアをもうけ、ホワイトボード、電子掲示板、Kindle2 などを提供 - グループによる学習室などの公共の場(コモンズ) - 協調学習のリーダーとなりうる専門知識をもった人 - 電子書籍の流通基盤 - 全ての(オンライン)出版物が集まり、保存され、後世の人達の利用に供せられるようになる必要がある - 出版デジタル機構が今後どうなるか - 世界で最初(?)の電子図書館 - ハイパーテキストジャンプ - しおり挿入機能、下線やメモ記入機能、自動読みあげ機能、日英・英日機械翻訳機能等を実現 - 書物、書物の章や節あるいはパラグラフなど任意の単位 - 書籍の解体と再構成 - ハイパーテキスト構造を作って、関連する知識、情報を取り出せる - 理想の電子図書館 - 知識ネットワークの構築 - 種々の因果関係によって部品同士をリンク - 同義/類似関係、反義関係、上位下位関係、原因結果関係、全体・部分関係 - 世界の電子図書館の有機的統合による言語の壁を越えた利用 - 情報検索から事実・知識検索 - 解答そのものを ドキュメントの中から取り出して与える事実検索(fact retrieval)も考えねばならない - 自然言語表現による質問文に適合するドキュメント部分を取り出す方式 - Wikipediaのような百科事典を検索対象 - 検索質問を出すことによって書誌情報でなく質問に対する答が取り出せることになる - 知識インフラの必要性 - 様々な学問分野がかかわるシステム的アプローチ - 調査:どのような研究がなされて来たか、何が未解決か、イノベーションをおこせる可能性があるか、社会に対するインパクトはどうなりそうか - 知の共有化 - 理工系の研究者だけでなく、政策立案者、人文社会系の研究者や市民もが調査してアセスメントができる環境を作る - ⇒あらゆる学問の成果は当然のこと、企業社会、人間社会、自然社会等の知識・情報を収集整理し、自由に利用できるように - 知識インフラの構造 - 研究情報基盤の整備が謳われてきたが、通信ネットワークが中心であった。 - 学術情報コンテンツ、知識コンテンツの組織的な整備 - 日本中に散在するコンテンツをクラウドに移し、そこに検索をかければ関連する全ての必要なコンテンツが得られるように - 有機的に結合され、ネットワーク的に統合化(単に情報を集めたものではない) - 分散アーカイブ内の複数のコンテンツ同士、辞書同士が意味的に紐づけられて、分野、コンテンツ種別を越えて、必要とする情報にたどり着ける仕組み - 人文社会科学を含んだあらゆる学問・研究のコンテンツ、数値データ、研究データ、研究ツール、社会状況データ等が知識の形に組織化 - 文字情報、数値情報、2次元線画像、2次元面画像、映像(2次元画像の時間的変化)、色情報、3次元(立体、空間)情報、4次元情報(3次元情報の時間的変化)、音声、音楽情報、音と映像の組合せ情報等、様々なデジタル表現形式の情報間が、人手を介さずに容易に作成できるようになっている。(未来の図書館) - 諸外国の同様なシステムとリンク - 実現のために必要な研究および技術開発 - セマンティックウェブ関連技術は相当に実用化されていると思われる。 - LOD化も相当実現していると思われる。 - 基礎技術の研究がかなり進むと思われる(未来の図書館) - A:自然言語処理技術 - 形態素解析、重要語の抽出、シソーラス・オントロジーの作成、かな漢字変換、固有名詞・未知語の認識、辞書学 - クラスタリング、分類学 - 構文解析、類似意味の文・文章の同定、否定文の解析と対立する肯定文の同定 - 人とシステムとの対話、文生成 - テキストマイニング、文章分析、自動要約、 機械翻訳、質問応答システム、対話システム - B:音声・音楽分野 - 音声分析、音楽分析、アクセント、イントネーション抽出、ポーズ区間の検出、メロディの抽出 - 音声認識、音楽から楽譜へ - 音声合成、音楽生成 - C:画像・映像分野 - パターン認識理論、特徴抽出理論、文字認識、 画像ディジタル化・圧縮技術、スペクトル分析 - 画像処理・変換技術、歪補正技術、画像認識・理解、画像検索技術、電子透かし技術 - 映像処理、映像圧縮、映像認識技術、部分映像検索技術 - マンガ、アニメ生成技術、ゲーム - コンピュータグラフィックス - マルチメディア技術、ヒューマン・インターフェイス - D:コンピュータ・ソフトウェア、情報通信 - プログラミング、ソフトウェア、システム、 OS - データベースの理論と実際 - ソフトウェア工学、デバック技術、ゲームソフト - ネットワーク・ソフト、ウェブ技術、検索エンジン技術 - 暗号理論、セキュリティ技術 - E:知識工学、人工知能 - 知識表現、セマンティック・ウェブ - 辞書学、百科辞典学 - 編集工学 - 推論技術 - エキスパートシステム、問題解決、学習 - 著作権 、 知的所有権 、 クリエイティブ・コモンズ - 情報の「見える化」(可視化) - 情報を全体で集合知化 - 組織を超えて知識を集約するこ - 専門家の知識を集約するこ - 個人の知識を活用すること - 集合知の永久保存 - 情報の組織化 - マルチメディアコンテンツの内容の類似性の検出技術 - LOD化技術 - 利用者情報・利用情報の組織化 - 情報と人の関係付け - 情報検索手段(利用方法) - 情報検索から事実検索へ - マルチメディアコンテンツ検索 - 閲覧 - 利活用(二次利用) - ディジタル時代の著作権、 その他についての検討 - 知識は万人の共有財産⇒恒久的保存基盤 - その基盤に立って切磋琢磨し創造的な仕事⇒コンテンツ創造基盤 - クリエイティブ・コモンズ - 著作物が自由に利用できるよう、著作権者が著作物の利用に条件を付す。 - オープン・アクセスの重要性 - 成果が迅速に公開され、他の研究の参考になる。 - 資料のディジタル化の必要性⇒デジタル文化資産振興センター構想の目的 - 世界中どこにいても資料を利用できる。 - 原資料はできるだけ使わず損傷等を防ぎ、長期間保存し、利用はディジタル化されたものを使う。 - ディジタル化資料を何ケ所かに分散保存 - 貴重な資料は簡単に見られないが、ディジタル化資料は誰もが見られる - 千年間保持し読みだせる電子技術の研究開発 # 57 【付録5】年表 ## 57.1 第0ステージ - 1988:21世紀型図書館としての関西館の設立構想の開始 - 1992: 21世紀初頭に関西学術文化研究都市の京都府側の一角に国立国会図書館関西館を設置する構想のとりまとめ - 基本機能を情報発信拠点とし、中でも電子文献提供サービスをその中心軸に据えた - 産業構造審議会情報産業部会が公共部門の情報化を積極的に進めるべきとの提案を行った - 関西館の予定する機能が、電子図書館的な機能だったため、この提案の中に位置づけられた ## 57.2 第1ステージ【1994~2002】 揺籃期・始動期 - 1994: パイロット電子図書館実証実験プロジェクト開始 - インターネット上のサイバー空間において、図書館における情報の蓄積と提供についてその可能性を検証する実験で、我が国で最初の、また最大規模の電子図書館の実証実験を行うところとなり、その後の国立国会図書館の電子図書館事業に多大な影響。 - 1995/10 パイロット電子図書館、総合目録ネットワーク実証実験開始 - 将来の電子図書館を想定したプロトタイプ環境**を**構築し、1000万ページに及ぶ資料をデジタル化。_その上で利用を予測して大規模ストレージに格納し、大容量のマルチメディア通信回線を用いて試行提供。_ - 1995: G7電子図書館プロジェクト - 1995: 新世代通信網実験協議会(BBCC)との協力実験 - 1996: 次世代電子図書館研究開発プロジェクト(JIPDEC) - 1998: 国立国会図書館電子図書館構想 - 以降の電子図書館構築の骨格 - 2000: 国立国会図書館蔵書目録、国会会議録、貴重書画像データベースを公開 ## 57.3 第2ステージ【2002~2012】 サービス離陸期・発展期 - 2002/10: 関西館開館、近代デジタルライブラリー、インターネット資源選択的蓄積実験事業(WARP)、データベース・ナビゲーション・サービス(Dnavi)を公開 - 2003/6? e-Japan重点計画-2003(IT戦略本部) - 「国のデジタルアーカイブ構想」、「ジャパン・ウェブ・アーカイブ構想」が掲げられた。 - 2004/2: 電子図書館中期計画2004策定 - デジタルコンテンツを広汎な利用者に提供するために、当館が国のデジタルアーカイブの重要な拠点となるということ、また国内外の多様な利用者層の需要に応じ、日本のデジタル情報全体へのナビゲーションを行う総合サイトを構築する - 「個別図書館サービスの横断的利用が可能になるようなサービスの提供を目指す」、「同じ分野、同じ利用者層をターゲットにした複数の専門情報サイトが連携して、利用者がワンストップで利用できるようにする」 - 2004/10:デジタルアーカイブポータルプロトタイプの開発に着手 - 様々なデジタルアーカイブ内の情報を統合検索する仕組みの実用性を検証 - サービスの有用性、適用技術の妥当性を検証 - SOA指向、OSS(Linux, Apache, Xoops, MySQL, PHP, Dspace, chasen, GETA等)の適用、標準プロトコル(OAI-PMH,RSS,SRU,SRW等)の実装 - 2005/4: NDLデジタルアーカイブシステムの開発に着手 - 2005/7: デジタルアーカイブポータルプロトタイプ試験公開 - 2007/10: PORTA正式公開 - 大量アクセス、大量データ、大量ユーザ対応 - 拡張容易性、障害時運用継続性、環境変更容易性、直感的操作性の確保(ベンダーに依存しないパッケージ、OSSの適用) - 可能な限り、先進技術の適用を目指す。(VMWareによる仮想サーバ環境の適用) - 標準メタデータとして、DCベースのDCNDL+α(DCNDL_Porta)を適用 - 以降、国内においては館種を問わない全国の図書館との連携の強化と、博物館や文書館などの文化機関との連携の強化。 - 2008/6: 知財計画2008(知的財産戦略本部) - 2009/5: 大規模デジタル化の実施開始(補正予算) - 冊子体としては230万冊、約2億枚の画像をデジタル化 - 2009/10: 日中韓電子図書館イニシアティブ(CJKDLI)協定締結 - 海外に対しては東アジアの日中韓3カ国を初めとするアジア諸国との連携の強化や、世界各国とのグローバルな協力の推進 - 2010/1: EPUBファイル生成APIシステムの構築構想の提案あり(hon.jp) - 2010/2:「電子書籍の標準化の調査」の委託(JEPA) - 日本語固有の縦書き、ルビ付与の仕様に関しての調査 - 2010/8: NDLSearch試験公開 - 2010/4: 国等のインターネット資料の制度収集開始 - 2010/10: 平成22年度「新ICT利活用サービス創出支援事業」(電子出版の環境整備)「EPUB日本語拡張仕様策定」オブザーバー参加 - 2011/12:「電子書籍の流通と利用の円滑化に関する検討会議」の報告 - 「(NDLの)デジタル化資料を活用した新たなビジネスモデルの開発が必要」であり,「事業化に意欲のある関係者による有償配信サービスの限定的,実験的な事業の実施なども検討することが必要」 - 2012/1: NDLSearch、新NDL-OPAC、来館者管理システム等、全面リニューアル公開 ## 57.4 第3ステージ【2012~2014】 総括と再始動期、見直し期 - 2012/4: ひなぎく開発開始 - 2012/7:「私たちの使命・目標2012-2016」 - 2013/1:「電子書籍フォーマット適用調査」を委託(JEPA) - 2013/3:「電子書籍の流通と利用の円滑化に関する実証実験報告書」(文化庁e-Booksプロジェクト(2012/10~2013/3)) - 2013/3: ひなぎく公開 - 2013/5:「戦略的目標」 - 2013/5: リニューアル総括及び次期業務・システム最適化計画策定 - 2013/7: 民間オンライン資料制度収集開始 - 2014/1: 図書館向けデジタル化資料送信サービス開始 ## 57.5 第4ステージ【2015~2024】 本格的なデジタル情報の普及期、サービスの変革期 ## <入館前情報のレファレンス> --- 1. 「国立国会図書館関西館(仮称)設立に関する第一次基本構想 」国立国会図書館編 国立国会図書館 1988↩ 2. 「国立国会図書館関西館(仮称)設立に関する第二次基本構想 : 情報資源の共有をめざして 」国立国会図書館編 国立国会図書館 1991↩ 3. 「国立国会図書館電子図書館構想」2000↩ 4. 田屋裕之.「国立国会図書館の電子図書館」.「学術情報サービス」丸善.p.25~43.2000↩ 5. 「高度情報化プログラム」通商産業省機械情報産業局編 コンピュ-タ・エ-ジ社 1994↩ 6. 「パイロット電子図書館実証実験モニタ評価報告書」 情報処理振興事業協会 1997, http://www.ndl.go.jp/jp/aboutus/elib_plan.html↩