# 12.(2009年)次期基盤システムの開発方針について【館内調整】 平成21年2月25日 加筆 平成21年2月20日 情報化推進委員会 情報システム課 中山 ## 目次 ```table-of-contents title: minLevel: 0 maxLevel: 0 includeLinks: true ``` ## 1. 背景 - 次期基盤システムについては、平成20年10月30日の館議においてILSパッケージと次世代OPACとの組み合わせで実現することとし、パッケージとしてはAlephを採用するとの報告を行ったところであるが、現行の機能をそのまま移行するには多大な費用が必要であるとの第1次見積りが提示された(平成20年12月19日情報化推進委員会)。 - さらに、当館のシステム全体のイメージを館内で共有すべきとの指摘を受けて、平成21年1月8日の館議懇談会で「次世代図書館システムの全体イメージについて」を議題として懇談が行われ、利用者からみたサービスのあり方をより明確にすべきとの意見が出された。 - 一方、利用者サービスの側からは、新たなサービス像として「新・利用者サービス2009(仮称)」が2月5日の館議・庶務担当課長会議合同懇談会で提示されている。 - また、2月12日の館議において平成21年度の推進事業の一つとして、「トータルな図書館システムの実現」について館長により決定されたことが報告された。 - 上記の状況を踏まえ、新しい利用者サービスのあり方とシステムとの関わりを明確にし、良質で安価なシステムの構築・移行を実現するため、館全体の将来システムを見通しつつ次期基盤システムの開発方針について、今回とりまとめた。 ## 2. 現行基盤システムの問題点 「次期基盤システム導入準備作業実施計画書(1.0版)」(平成20年8月 電子図書館基盤システムPJMO)によると、現状基盤システムの問題点として次の点が挙げられている。 - 運用・保守作業や機能拡張に係る経費が大きい。予算的な観点から経費の削減が必要だが、費用削減の余地が少ない。 - 複雑な業務要件を具現化して複雑に入り組んだシステムになっているため、機能拡張への対応力が低い(業務ニーズをシステムに組み込みすぎて複雑で大きなシステムになっている ) - **要約すると、現行基盤システムの運用コストが高くて、また、改善費用も高いので、改善できない。** ## 3. 開発目的 運用性、柔軟性の高い次期基盤システムを構築することにより、これらの問題点を解決し、さらに、削減された資源を活用して、社会のニーズの変化に対応した新たな利用者サービスを展開できるようにする。 - **作り直して、運用コストを下げて、下げたコストで新しい利用者サービスを構築しようということ。** ## 4. 基本方針 ### (1) 次期基盤システムは、当館全体システムを構成する次期図書館システムの一機能として検討する。 - 実施に当たっては、館長により決定のあった「平成21年度推進事業」(平成21年2月12日館議報告)に掲げられた優先的かつ重点的に取り組む事業を各部局が中心に推進することと密接に調整を図りつつ、トータルな次期図書館システムの構築と提供の実現を目指す。 - _「国立国会図書館業務システム最適化計画」に沿って、「業務・システム最適化の実施」を行い、「次期基盤システムの開発予算獲得」等により、確保した実行予算の中で、現行基盤システムの問題点を解消できるように「次期電子図書館基盤システムの導入」を目指す。_ - _「書誌データの作成・提供の方針(2008)」等の方向性に沿って、「書誌サービスの改善、効果的なデータ整備の実施」を目指す。_ - _2月5日の館議・庶務担合同懇談会で提示された「新・利用者サービス2009(仮称)」で示された今後の検討の推移を見つつ「新しい利用者サービスの実現」を目指す。_ ### (2) 次期基盤システムは、ILSパッケージと次世代OPACで構成されるとしてきたが、付加価値サービスを提供する情報探索サービスについては、利用者サービスを提供する部署、データ作成部署が中心となった別途の体制を設置し、そこで検討することとする。 - 図1の緑の横楕円の範疇で、「情報探索サービス」として検討する。 ### (3) 次期基盤システムは、 - ILSパッケージを核として、総合目録システムの要求機能要件も含めて検討する。 - 実現方式及びサービスのリリース時期は今後の検討による。 - 特殊要因等での予算要求を前提とせず、当館総予算の中で捻出可能な範囲に抑える。 - 次期基盤システムの運用経費は、現行システムの運用経費を大幅に下回ることを目指す。 - **図1の赤の縦楕円の範疇で、「次期基盤システム」として検討する。** ### (4) 情報探索サービスについては、 - 図書館ポータル部会の中で調整する準備を進めていたが、現在、「新・利用者サービス2009」の検討が進められており、図書館ポータル、次世代OPACとして範囲を限定せず、情報探索サービスとして体系的に整理されたサービスの構築を目指す。 - 当館資料と利用者をつなぐ書誌については、利用者の視点に立って今後の方針を明確にし、「新・利用者サービス2009」と並行して検討を進め、新たな情報探索サービスにおいて実現させる。 - **検討組織としては、図書館ポータル部会(情シス、電図課、参企)を拡大して、図協、電企室を想定していたが、新しい利用者サービスとして、主題情報部、資料提供部、関西館、書誌サービスの改善として、収集・書誌部が入り、全体システムとの整合のために企画課、情報システム課が入った組織を想定する。** - _一般利用者向けのサービスとして、紙、デジタルの区別なく、また当館が保有しているか否かを問わず、統合的に検索・閲覧できるサービスを提供する。_ - _システム構築に当たっては、利用者視点で、様々な検索方法等、付加価値を付けたサービスが容易に実装できるものとする。_ - **要約すると、従来の基盤システムに総合目録管理機能を追加して、パッケージを導入して、業務改善する。** - **新たなサービスとして検討している次世代OPACとか図書館ポータルは、紙、デジタルを問わない統合的なサービスとして検討しようということ。** - **【参考】の図は、利用者が得たい資料を入手するためのどのように体系的に整理されていればいいかを概念で示したもの。このように組織化すべきということではなく、このように使えるような目録システムがあればいいという例の1つ。(利用者視点では、主題を用いたものなど多角的なアプローチがある)** - **「情報探索サービス」の目録検索機能の部分は、緑の楕円の「実現形」の部分を整理し** - **個別資料として、紙資料の「NDL蔵書」、「XX図書館の蔵書」は、「次期基盤システム」がサービスする部分** - デジタルの「NDLがデジタル化」、「NDLが収集」は、デジタルアーカイブシステム。それに加えて、「XXで公開」、、を含めて、PORTA ### (5) 「NDL業務・システム最適化計画」(平成20年3月)及び「情報システムに係る予算概算要求・調達実施ガイドライン」(平成21年1月21日改訂)の趣旨、方向性に則る。 ## 5. 開発・運用予算の確保 ### (1) 現行システムの運用経費の削減 - 22年度以降の現行基盤システム運用の契約内容、作業内容、単価の再評価(センター、ハード、ミドルウェア、アプリケーション保守、ハードウェア保守、システム運用) - 現在の契約内容の妥当性を評価するとともに、SLAを下げるところまで削減する必要があれば、館としてサービスのあり方を合意し、運用業者と調整する。 - _従来からの業者の総合試験によるバグ出しに職員が参画し、調達コストも職員の工数も多大になるにも関わらず、品質が上がらない開発及び改修プロセスの見直し。_ ### (2) 次期基盤システムの導入経費の削減 - システム化要件を明確にし、業者見積もりの妥当性を的確に判断する。 - _曖昧な要件定義では、安全を見込んで工数を上積みされる。_ - _業者見積もりをベースに実施項目を削減するのではなく、業者見積もり工数の妥当性を的確に判断して予定工数を削減させる。_ - _受注者は、発注者がきちんと評価することができないと思われると工数を容易に下げない。業者見積もりがそのまま関係者に提示されるような状況を改善しなければならない。_ - _そういうことができるスキルを持った人材を確保する。職員で確保できないのであれば、支援業者に評価を求める。また、CIO補佐官、外部等に第三者評価を求める。_ - _その上で、競争原理が働く調達にする。_ - _特定ベンダーしか実施できない要件での随意契約は前提としない。競争原理が働かない状態での業者見積もりを削減させるには限度がある。時間的余裕、ノウハウの蓄積を理由に挙げるケースが多いが、そのために高くてもいいことにはならない。いかなる場合でも見積もり工数を精緻に評価する。(その時間を考えると入札のほうが効率的な場合もある)_ - 競争原理が働く調達を行う。 - _特定ベンダーしか提案できないRFPにはしない。_ - _ALEPH, Millenium だけでなく、国内ベンダー製品、OSSパッケージの組み合わせでも提案が可能な形とする。_ - 新規開発を極力なくす。 - 必須な機能ではなくて、パッケージで実現できない業務は、業務の内容や流れを見直す。 - 必須な機能で、何らかの開発が必要な機能は、パッケージベンダでしかできない仕様を極力なくす。 - 必須な機能で、パッケージの設定で容易に実現できそうもないものは、他のパッケージの適用等も検討する。 - ただ、高いからといって機能を削るのではなく、安くできる方法を考える - _他システムとのデータ交換用プログラムも含めて、モジュールを切り出して、利用できるようにする。(既存システム開発者に対して、コストパフォーマンス等、実現可能性を調査させる)_ - _雑誌記事索引等、1つのパッケージで統合的に構築することが困難な場合は、他のパッケージ等の適用も考慮する。_ _(DAでは、デジタルデポジットシステムで、デジタル化もしくはポーンデジタルの雑誌記事の管理と、検索・閲覧システムを開発している。紙の雑誌記事も同様に扱えないか?)_ ## 6. 次期基盤構築の体制確保 ### (1) 全館体制 - 21年度推進事業の中に複数部局から次期基盤に関連する推進事業があり、館全体として、連携して推進する必要がある。 - 現行PMOもしくはPMOの機能を強化した組織が核となって、「トータルな図書館システムの実現」を、推進できるようにする。 - CIO,企画、情シスだけでなく??? - 方向性、方針の決定に当たっては、館議(情報システム関連)等の場で合意を形成する。 - 次期基盤関連の推進事業の主管部局課及び各業務の主管課によるPJMO体制とする。 - 全体システムのあり方、その具体的内容を決める組織は、どこか?どんな体制を構築するか? - 全体を見渡して、遅れているところ、見検討の部分はないか。 - これに基づいたシステム導入計画(スケジュール)は? ### (2) 関係部局課 - 21年度は、関係各部局課において、パッケージのトライアルユースによる機能把握、及び、要求要件を満たせることの確認をする体制の確保が必要となる。 - _21年度当初まで、要求要件をまとめる体制が必要。_ - _21年度、パッケージソフトのトライアルユースにおいては、業務毎の各原課が主体となって、要求要件を満足した運用が可能かどうか検証していくことになる。_ - 21年度を含め、今後、次期基盤システムの導入完了までは、業務・システムを検討するために関係部局による継続的な体制が必要である。 - _検討の単位_ - _現在の主管課・導入課体制、次期基盤における検討領域、及び導入パッケージシステムの機能単位を考慮した検討単位を決定し、その検討単位ごとに代表する主管課課長を長として、次の検討を行う。その配下に作業グループを設置し、実作業を行う。_ - _業務の検討_ - _次期基盤システムで実現する業務の検討においては、検討単位ごとに、館内合意された方向性・方針に基づく検討を行い、PMO(?)が全体調整や取りまとめを行う。_ - _システムの検討_ - _次期基盤システムで実現するシステムの検討においては、検討単位ごとに、館内合意された方向性・方針に基づく検討を行い、情報システム課が全体調整や取りまとめを行う。_ ### (3) 情報システム課 - 課内の業務実施体制を再編して、要員を確保するとともに、若干名の増員を図り体制強化する。 - 業務毎の担当割 - 全体管理 (補佐1名) - 情報探索サービスの開発 (主査1名、係員2名) - NDL統合情報検索画面(GUI) - 目録検索機能、外部インタフェース(API) - 次期基盤システムの開発 (係長級1名、係員4名) - 収集領域、書誌領域、利用提供領域(NDL統合情報検索と兼ねる)、物品及び資料管理領域、総合目録領域 - データ移行・システム連携(来館者システム等) ### (4) PJMO支援等の調達による体制の確保 - 適正な仕様、費用での構築できるように、PJMO支援等の調達により、「情報システムユーザスキル標準」(平成18年経済産業省策定)等のスキルを具備する人材を確保する。 - 最適な業務・システムを、効率的、効果的に構築するためには、組織内に「情報システムユーザスキル標準」(平成18年経済産業省策定)等で示されるスキルをもって実施することが有効であるが、そういうスキルをすでに持っている人材を確保することは困難である。 - **各要求部門とアウトソーシング先との橋渡し。情報システム課から見れば、ユーザは各部局課及びその職員。各部局課から情報システム課へアウトソーシングする形。** - **スキルを持った人材を確保することは困難。しかし、スキルを持った人と一緒にOJTで実施することにより、スキルを持つことが可能。PJMO支援や非常勤職員等の登用により、そういうスキルを持った人を参画させることが有効。** - **また、やみくもにスキルを身につけることは困難であり、「情報システムユーザースキル標準」等のガイドラインとして、ハイレベル、ミドルレベル、エントリーレベルに見合った業務を行って、ステップアップすることは可能。** - **「情報システムユーザースキル標準」は、経済産業省が平成18年度に策定したもの。情報システム部門に限らず、組織において、ISに関わる全ての部署、人材を対象とする。** - **組織力強化のために利用** - **システムベンダー企業への発注時に利用** - **IS****に関わる組織及び人材の役割・キャリアパスの理解のために利用** - **組織の観点:所属メンバーの現状のスキル把握、強化すべきスキルの把握などに活用** - **キャリアアップやキャリアチェンジを図るための参照モデルとして活用** - **組織への適用** - **IS****機能の社内配置状況** - **IS****機能の個人への割り当て状況** - **業界、業態、企業固有の知識・スキル** - **タスク概要** - **共通業務** - **IS****機能をアウトソーシングした場合、発注者側の責務と役割として、受け入れ検査もしくはこれと同等の作業が発生する。** - **契約管理** ## 7. 今年度中の作業 - 21年度PJMO支援調達の準備 - 総合目録機能の要求要件定義 - ILSパッケージを利用した将来体系に、総合目録の機能も含める。 - 現在作成中の「次期基盤システム業務システム最適化計画」(以下、「計画書」)の案の取りまとめ - 全体サービスイメージとの整合 - PMO、館議懇談会等での全館的な認識の共有化を図る。 - 関係部局課の要求との整合性を確認する。 - 「計画書」へ共通認識を反映させる。 - 「計画書」の第三者評価及び見直し - 「計画書」の「将来体系」をベースにRFP作成準備 - RFPの範囲と、要求要件の記述レベルを確認する。 - ALEPHのトライアルユースの調達及び実施準備 - _関係部局課によるALEPHのトライアルユースのための調達及び、汎用図書館パッケージの機能を把握し、要求要件を満たせることを確認するための実施準備。_ ## 8. 今後 - 今後、本文書の方針に沿って、具体的な内容を詰める。 - なお、想定スケジュールを含めた全体イメージは、具体的な個別システムの連携、統合の実現方式、実現時期等の検討内容に応じて、より具体的な内容としてブラッシュアップする。 - 今後の方向性、方針の検討及び見直しに当たっては、館議懇談会(情報システム関連)等の場で合意を形成する。