# 16.(2012年)国立国会図書館サーチのコンセプト・開発経緯と今後の展開
平成24年3月24日
三田図書館・情報学会 月例研究会
## 目次
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## 1. はじめに
国立国会図書館(通称NDL)、電子情報部の中山です。
本日は、お話しする機会を設けていただき、ありがとうございます。
3年前に、関西館から戻ってPORTAのお話しをさせていただいた頃から、当館のシステムの全面リプレースを担当してきました。
この1月にPORTAの後継となるNDLサーチを含めて、当館の基幹システムがリニューアルオープンしました。
本日は、「国立国会図書館サーチのコンセプト・開発経緯と今後の展開」と題して、NDLサーチを開発するに当たって考慮したこと、どのようにデザインしてきたか、また、今後何を目指しているのかを、お話しさせていただきたいと思います。
## 2. 「知識はわれらを豊かにする」を情報処理システムの観点からみて
まずはNDLの役割についてです。前回も最初のスライドに使わせていただきました。
- 当館は、日本における唯一の国立図書館として、「知識はわれらを豊かにする」というビジョンの中で、
- (2)「日本の知的活動の所産を網羅的に収集し、国民の共有資源として保存する。」、
- (3)「利用者が求める情報への迅速で的確なアクセスまたは案内できるようにする。」、
- (4)「来館者がどこにいても、来館者と同様のサービスが受けられるように努める。」という柱を掲げています。
- 納本制度の下で国内の刊行物を網羅的に収集する当館が、国民に期待されていることは、印刷物=「物」としてではなく、「情報」として、網羅的に収集し、時代を超えて保存し、提供していくことと考えています。
- 当館の使命は、利用者が必要とする情報を確実に提供することであって、当館が保有している情報だけを提供すればいいというものではありません。
- 当館が保有している**情報は利用しやすく、**また、保有していない情報へは、**所在場所へ確実に案内すること**が求められています。
このような使命を果たすために、**資料のデジタル化及び情報の収集・保存そして提供するシステムを構築しています。**
## 3. 当館の位置づけの再認識(2004年)
当館の位置付けを再認識してみます。
- 当館の位置付け
- 世界の国立図書館の一つ
- 日本の唯一の国立図書館
- 日本の公共図書館の中央館
- 使命と現実
- 納本制度のもとで、国内の刊行物を網羅的に収集して提供する使命を持っている →しかしながらすべてを収集することは不可能
- 歴史的資料は、公文書館、博物館、図書館等で、分散所蔵している
- 当館単独で、すべての利用者ニーズに応えることはできない →民間DB、学術情報、MLA、日中韓、WDLとのサービス連携を視野に
- サービスを提供する使命があっても、当館には技術はない →政府や民間の技術の移転が必要
図書館も変わらないと、世の中で役に立つ組織として存立し続けることが困難になる危機感があった。組織の枠を越えて、時代のニーズにあったサービスの提供が必要です。
- 国の機関であっても、民間レベルをサービスを
- 国だからできないという先入観念を持たない
- 「国だからこんな程度」と言われないように
- 「立法府は政府と違う」とは言わない
- 政府でできて立法府ができないということはない。
- 当館もまだまだ変革の途上です。
- **これからも従来の枠に捉われないサービスを模索中**
- 計画倒れにならないように、できるところから進めていきたいと思っています。
## 4. NDLサーチと業務基盤システム
それでは本題に入ります。まずは、リニューアルしたシステムの中核のシステムとして、「検索サービスとしてのNDLサーチと、従来型図書館の延長の業務基盤システム」の開発経緯と目指したところを、紹介します。
## 5. NDLSearchができるまで
デジタルアーカイブポータル、PORTAの目指したのは、デジタルコンテンツの統合検索
NDLサーチが目指したのは紙・デジタルコンテンツの統合検索、当館の情報提供サービスの入り口になることです。
- 2004年3月
- 電子図書館中期計画2004が策定され
- デジタルアーカイブの構築
- 情報資源に関する情報の充実
- デジタルアーカイブのポータル機能
- の3本柱を立てました。その直後から、デジタルアーカイブポータルのプロトタイプを構築を始め
- 2005年7月
- デジタルアーカイブポータルプロトタイプ公開
- 近代デジタルライブラリと青空文庫の統合検索
- その後、プロトタイプでの意見を踏まえて、正式版の開発に着手。
- 2007年10月
- PORTA正式版公開
- 8機関、20アーカイブ
- 約800万件を対象
- 3年前に、システムのリニューアルを担当してから、次期システムの全体イメージを見直して、当館サービスの窓口となる「情報探索サービス」を含めた次期システムを計画
- 2009年4月
- NDLSearchの開発を決定
- 当館コンテンツのみへ案内するポータルは構築しない
- PORTAを取り込む
- ゆにかねっとを取り込む
- OPACサービスを拡張する次世代OPAC機能は、OPACではなく全てのコンテンツを検索するNDLサーチに実装する
- 2010年8月
- NDLSearch試験公開
- 2012年1月
- NDLSearch正式公開
- NDL-OPACのリニューアル、加えて来館者管理システム、館内サービスシステムもリニューアル
- NDLデジタルアーカイブも部分的ですがリニューアルされた
- 加えて、2月にはHPもリニューアルした
**このように、基本のコンセプトは2004****年のままで、より利便性の高いサービスを追求してきました**。
## 6. NDLSearchができるまで情報探索サービスの将来像(クラウドの世界でのサービスの連携)(2009年)
これは、3年前に、館長に提示した情報探索サービスの将来像です。
それぞれの分野、カテゴリで、サービスがクラウドの世界で連携して、網羅性のある情報として利用可能になることをイメージしています。
このなかでは、当館はデータ及びサービスを提供するプロバイダの1つとして位置づけています。
ただ、当館は巨大なデータプロバイダ
・巨大なデータプロバイダとして、中核的となる
当館が唯一の入り口になることを目指したものではなく、**様々な連携の入り口から、クラウド上のサービスを自由に利用できるようにすることを目指す**ことを想定しました。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
1. _コレクション構築、サービスの構築、サービスの提供のどれも、当館の力だけではなし得ず、関係機関の協力と連携が不可欠です。_
2. _今後のサービストレンドを踏まえたサービスの構築は、関係機関による研究開発、技術開発の成果を活用させていただかなければ、実現が困難です。_
3. _また、コレクション構築においても、7月に国立国会図書館法が改正になり、国・地方自治体、国立大学、独立行政法人等の機関のウェブを収集・保存し提供できるようになりましたが、それだけでも、すべてを当館だけで保存することは困難です。_
4. _同種のコレクションを保有する公共図書館、大学図書館を含めて、博物館、美術館、公文書館等の各機関、政府機関、民間、さらに個人が持つ有用な情報が1つの巨大なデータベースとして利用できるようにすることが必要です。_
1. _そのためには、1つのデータベースに集約するのではなく、個別の分散データベースとして提供され、他のサービスからナビゲートできるように「見える化」していただくことが重要となります。_
2. _「見える化」された各機関の持つ分散データベース、分散サービスが、相互に補完しあって、より高度なサービスを提供できるようになることを期待しています。_
_それぞれの分野、カテゴリで、サービスが連携して、網羅性のある情報として利用可能になることをイメージしています。_
_このなかでは、当館はデータ及びサービスを提供するプロバイダの1つです。_
_当館が唯一の入り口になることを目指したものではなく、様々な連携の入り口から統合的に検索できるようにすることを目指します。_
## 7. 次期図書館システムの全体イメージ(2009年3月)
これは、1月に公開したシステムの当初のシステムイメージです。
次期システム構築の背景には、経費節減がありました。
(1) 現行システムの運用経費の削減
(2) 次期基盤システムの導入経費の削減
開発目的
運用性、柔軟性の高い次期基盤システムを構築することにより、これらの問題点を解決し、さらに、削減された資源を活用して、社会のニーズの変化に対応した新たな利用者サービスを展開できるようにする。
基本方針
当初は、OPAC、PORTA、リサーチナビ、レファレンス協同DBを合わせて検索できるポータル機能の構築を想定した。
調整の結果
(1) 次期基盤システムは、 ILSパッケージを核として、当館全体システムを構成する次期図書館システムの一機能として検討する。
(2) 図書館ポータル機能、付加価値サービスを提供する次世代OPAC機能は、情報探索サービスで実現する。
(3)さらに、総合目録機能、PORTAを統合した実現イメージを想定する
**それぞれのシステムが独自に検索機能を持っていたが、共通な機能の部分をNDL****サーチに集約させる形での構築に変更された。**
## 8. 書誌・所蔵の視点でのコンテンツの体系的整理の概念(2009年3月)
これは、書誌的体系に基づいた分類のモデルの一つとして
『_書誌的記録の機能要件(__Functional Requirements for Bibliographic Records__:_FRBR)』モデルに基づいた資源の管理のイメージです。
一つの著作物は、デジタル化されたコンテンツも含めると、この体現形の例示にありますように、様々な形態のコンテンツとして派生して流通しています。
体系的に分類されていると
利用者属性(知識レベル、嗜好等)、利用環境(PC、モバイル、アクセス場所等)を考慮して、コンテンツを的確に選択できるようにすることができます。
また、選択されたコンテンツを実際に入手する際には、個別資料として管理されている資料の中から、最も入手しやすいところで所蔵しているコンテンツを選択できるようにすることが容易になります。
**NDL****サーチは、体現形と言われる、緑色の丸の部分をグルーピングして、かたまりとしてリストアップ**できることを目指しました。
**オレンジ色の丸の部分は、従来からの公共図書館の総合目録の部分で、同じ資料を複数の機関で保有しているものを、体現形のレベルで同定**しています
これがNDLサーチの中の情報のモデルとなっています。
## 9. サービス要件定義・システム化要件定義作成(2010年)
サービス要件定義書・システム化要件定義書作成までの流れ
システムの構築に当たっては、まず提供すべきサービスの要件を取りまとめました。
1. 長尾ビジョン→各種実施計画書→サービス要件として、どんなサービスを提供するかをリストアップ
2. このサービス要件に対して、「利用者ニーズ調査」、「外部サービス動向調査」を踏まえて、「サービス要件定義書」を策定
3. 「利用者ニーズ調査」では、フォーカスグループインタビュー、一般ユーザアンケート調査を行ってきました
この「サービス要件定義書」をもとに、システムとして実現するための要件を取りまとめました。
その際には、「技術・製品開発及び適用動向調査」及び、「技術標準適用指針・各技術標準適用ガイドライン」を参考しました。
この**システム化要件に沿って開発の調達仕様書をまとめ、プロトタイプシステムを構築し、公開実験を行い、反響とか意見をいただいてました**。
その意見等を反映させながら、22年度(2010)から23年度(2011)までに、機能強化して、正式版として公開しました。
## 10. 適用すべき技術標準の指針(一覧)
システム化の要件を定義するに当たって、適用すべき技術の選択基準として、「技術標準適用指針」を参考にしました。
これは、個々の技術項目について館の標準を定めるうえでの基本的な**方針**して、各種の技術や標準を評価するための**原則**です。
**これに沿って、より効率的・効果的にシステムを構築できる技術を積極的に適用してきた。**
- 利用者の利便性向上に資する技術の積極的な採用
- 一般利用者向けのサービスにおいては、直感的に理解できるユーザー・インターフェースや、一元的な情報の検索・参照を実現するための機能など、**利用者の利便性向上に貢献する技術を積極的に活用する**。
- オープンな標準に基づいた技術・仕様の採用
- 特別な事情のない限り、国際標準やデファクト・スタンダード等のオープンな規約に準拠した技術・仕様を採用する。また、**館内および館外のシステムとの連携インターフェース仕様は、国際標準やオープンな規約に準拠したものを採用**する。
- 技術・仕様の共通化
- システム資源の共有化とサービスの統合化を実現するため、**特別な理由のない限り、採用する技術・仕様は共通化**する。
- システムの特性に応じた成熟度を持つ技術の採用
- システムの重要度や先進性などの特性に相応する**成熟性や先進性を備えた技術・仕様を採用**する。
- パッケージ・ソフトウェアやオープンソース・ソフトウェアの活用
- 機能要件の実現手段として、**パッケージ・ソフトウェア**を活用する。さらに、同様な機能を有する**オープンソース・ソフトウェア****(OSS)**が利用可能な場合は積極的に採用する。
- 資源の共同利用および柔軟な配分・拡張に資する技術の採用
- ハードウェア、ソフトウェア、ネットワーク等のシステム基盤資源を共通システム基盤として**複数アプリケーション間で共有する技術**や、その共有資源の配分や拡張を**利用状況に応じて柔軟に行うための技術を積極的に採用**する。
- 業務アプリケーションのシステム化に際しては、業務固有の要件に基づいて、共通システム基盤の採否を個別に判断する。
- システムの重要度に応じた障害対策技術の選択
- システムの障害が社会に与える**影響の程度に応じて、障害対策に係る技術を選択**する。
- 情報セキュリティを考慮した技術の選択
- システム資源や情報の保護の観点から、適切な情報セキュリティ対策が施された技術を採用する。
- 運用・保守業務の集約化・共通化に資する技術の採用
- 情報システムの運用・保守に係るノウハウの共有化と要員の活用を推進するため、**運用・保守業務の全館的な集約化・共通化**、ならびに運用・保守**作業の負担軽減に資する技術**を積極的に採用する。
## 11. サービス構築の基本要件(2009年)
提供するサービスの構築に当たっては、このような基本要件を示しました。
**これにより、より利用者ニーズに適合したサービスの提供を目指した。**
- **NDLの新しい利用者サービスの方向性を打ち出す**
「網羅性、確実性、信頼性」が保証された良質な情報資源へと利用者をナビゲートする。
- **利用者オリエンテッドでユーザビリティを追求する**
利用者の検索プロセスを考慮したユーザインターフェースの提供
旧来のOPACのような検索表示にこだわらない。
- **利用者をターゲッティングする**
当館サービスをあまりりようしたことのない「一般ユーザ」。(来館での従来型OPAC利用者向けでなく)
- 探す目的が明確かつ専門的知識の獲得のためのものであり、目的とするコンテンツがNDLサイトのどこかにあるはずだという確証をもった形での利用
- どこからどうやって探せばよいかわからず試行錯誤しながら探しているうちに、Googleやリンク集、Blogや記事など、NDL以外のサイトで紹介・引用されたものをきっかけにたまたまNDLサイトに行き当たった場合の利用
- **検索エンジン経由で訪れるユーザを重視する**
NDLのサイトという認識なしに訪問したユーザを適切にナビゲートすることを重視
- **デザイン・操作性を磨き上げる**
他の優れたアイデアや工夫は積極的に取り込み、無理なオリジナリティは追及しない。
利用者の反応・評価を適時に反映させながらアジャイル的に開発を行い、プロトタイプの期間中を通じて継続的に評価・改善を重ねることで完成度を高めていく。
- **「いつでも、どこでも」を実現する**
携帯端末利用者にも、PCの場合と遜色ない高い操作性とデザインのGUIを提供する。場所と時を選ばず、情報にアクセスすることを可能とする。
- **新しい付加価値を生み出す**
民間企業や非営利団体、個人が提供しているサービスとの連携や複数の異質なサービスの組み合わせ
従来の図書館の枠にとらわれない自由な発想による付加価値創造の仕掛けを作る。
## 12. NDLサーチのシステム化要件
**サービス要件を実現するシステムの要件としては、このようなものを提示しています。**
- **情報の収集**
書籍、ジャーナル、雑誌、地図、画像、映像、音楽等のコンテンツのメタデータを収集する。
総合目録ネットワーク「ゆにかねっと」が提供している総合目録の情報もこの中に含まれる。
ただし、当館ホームページ上のテキスト情報については、全文検索の対象とすることから、収集の対象とする。
- **情報の組織化**
収集したメタデータについて、インデックスを作成して組織化し、DC-NDL形式により体系化された形でデータベースに保管する。なお、関連資料をグルーピングするなど、情報の構造的な見せ方も可能となるよう所要の対応を行う。
- **データ管理**
情報探索サービス用に収集・組織化したメタデータを最新の状態で管理する。
- **情報の検索**
簡易検索、詳細検索その他様々な方法で検索を行う。その際、利用者は必要に応じ、当館が用意するサジェスト機能やレファレンス情報、外部機関が提供する連想検索機能等のナビゲーションサービスを活用する。
- **付加価値サービスの提供**
検索機能のほか、RSS配信やブックマーク機能など情報探索に役立つ検索以外のサービスも利用者に提供する。
また、公共図書館等に対し、情報提供・収集用のAPIを強化する。
民間企業や非営利団体、個人等と連携しながら、保有する情報資源を活用した様々なサービスを提供することを目指す。
## 13. NDLシステムのリニューアル
このような要件をもとに開発、試行公開を経て、NDL-OPAC等も含めて公開となった。
24年1月には、新規に構築していたNDLサーチのほか、旧システムをリニューアルし、大きく4つのシステムに統合した。
1. 資料デジタル化の進展を踏まえ、紙資料とデジタルコンテンツの一元的な利用環境を整備、デジタルコンテンツの更なる活用を促進
2. 内外の情報資源への統合的なアクセス
3. システムの最適化、運用コストの合理化
**要件整理の段階から目指していた、ここにあるような目標は、達成できたと考えている**
## 14. リニューアルシステム群の概要
システムごとに、ここに記載のサービスを提供している
おもなサービスは個別にスライドで説明します。
- NDLサーチ
- 当館のみならず多様なデジタルアーカイブ機関との連携により、一次資料の入手手段までナビゲート
- Next-L Enju をコアに、Heritrix、Hadoop、GETAssoc 、WordPressといったOSSを活用してシステムを構築
- GETAssoc(連想キーワード)、J-Global(科学技術専門用語)連携により再検索機能を提供
- 公共図書館の総合目録(ゆにかねっと)機能を統合
- メタデータ同定、グループ化に分散処理(Hadoop)を採用
- 各種連携APIを公開
- 検索用API
- 国立国会図書館サーチの検索ができます。(検索対象範囲は、使用するAPIのプロトコルによって異なります。)
- SRU、SRW、OpenSearch、OpenURL、50、RSSに対応しています。
- ハーベスト用API
- 国立国会図書館サーチに格納されたメタデータのダウンロードができます。
- OAI-PMHで提供しています。RSSでも可能です。
- ShibbolethでのSSOとして、IDPを同システム環境に実装
- 業務基盤システム(NDLーOPAC)
・ILSパッケージ(ExLibris社Aleph)を採用、一部改修&外部開発
・収集、整理(雑誌記事索引作成も含む)、蔵書管理(出納・複写)、逐次刊行物管理、OPAC(アジア言語OPACも統合)
・MARC21準拠、書誌情報提供サービス、遠隔複写サービス
・Shibboleth SSOにはAlephパッケージ内のPDS(Patron Directory Service)にて対応
- 館内サービスシステム
・スクラッチ開発。来館利用者への一元的な情報提供、各種申込(閲覧、複写、デジタルコンテンツプリントアウト、状況照会)、東京本館・関西館・国際子ども図書館で稼働
・従来のコンテンツ/サービス別に細分化されていた端末環境を統合
・利用者カード認証(端末ログイン)時、業務基盤システムPDS経由でログイン(SSOには未対応)
- 来館者管理システム
・ゲートとカード発行機のH/W、管理システム(スクラッチ)
・業務基盤システムとMQ&REST通信にて連携し、ステータス管理
・東京本館、関西館で稼働
- Web NDL Authorities
・NDL典拠データを検索、提供するサービス
・典拠詳細画面からNDLサーチ検索が可能
・SPARQL APIを提供
・RDF、JSON形式でダウンロード可能
- 児童向けOPAC
・国際子ども図書館の開架資料検索システム。NDLサーチのサブシステムとして開発。児童用UI
## 15. NDLサーチをサービスの起点に
**今回のリニューアルでは、NDL****サーチをサービスの起点に位置づけている**
- 内外の情報資源を統合検索、一次情報の入手手段までナビゲート
- 連携対象(82DB、7千万件のメタデータを検索可能)
- JPO近刊情報センターとの連携開始
- 出版前情報から、作成中書誌、完成書誌まで一貫した提供が可能に(出版前、納本後3日程度、貸出提供直前)
- CiNii Booksとの連携により、大学図書館蔵書も検索可能に
- OpenURLによる書誌間連携を実現、横断検索について調整中
- 韓国及び中国との連携(中国国家図書館との連携が課題)
- シングルサインオン
- Shibbolethにより、OPACとのシングルサインオンを実現、今後対象拡大
- 震災アーカイブ
- NDLサーチをベースとして
## 16. NDL蔵書の検索・申込システムとしてのNDL-OPACの刷新
NDL蔵書の検索・申込システムとしてのNDL-OPACの刷新
- ILSパッケージ(ExLibris社Aleph)を採用、一部改修・外部開発
- 検索範囲の拡大
- アジア言語資料、雑誌記事索引、電子ジャーナル等を統合検索
- デジタル化資料へのナビゲート
- 近代デジタルライブラリーに加え、「国立国会図書館のデジタル化資料」も
- 書誌データの変更
- MARC21形式、ユニコードの採用
- 書誌データのダウンロード機能
- 書誌情報の迅速な提供
- 作成中書誌(インプロセスデータ)の提供
- 新機能(マイリスト、検索履歴等)
## 17. 館内利用者端末の多機能化
- 紙資料とデジタルコンテンツの統合利用環境の整備による利便性向上
- コンテンツ/サービス別に細分化されていた端末環境を統合
- デジタル化したコンテンツの閲覧・複写環境の整備
- 利用条件に対応したアクセス制御、複写制御
- 各種申込/確認
- 閲覧・複写・デジタルコンテンツプリントアウトの申込、状況確認
リニューアルオープン後、ICカードになったこと、到着モニター表示がなくなったこと、検索システムが変わったこと、遅くなったこと、デジタル複写の印字品質が悪いことなど、改善要望が多く寄せられている。
また、3回のサービス停止もあり、来館者の評価は決して高くない状況。
**システムの安定化と性能改善は来年度の優先事項として取り組むことになっている**
## 18. NDLサーチでの当面の連携イメージ
NDLサーチを核とした、他機関サービスとの連携イメージです。
まず、情報を集約
_国立国会図書館【蔵書目録、デジタルコンテンツ(当館デジタル化、収集コンテンツ)】、公共図書館、大学図書館【デジタルアーカイブ】、専門図書館_
そして、それを提供する
_提供方法として、NDL__が直接利用者に届けるサービス_
_関係機関と相互補完して利用者に届けるサービス_
_サービスプロバイダを通じて利用者に届けるサービス_
NDLSearchでは、
デジタルネットワーク時代に、**利用者に求められるサービスと機能を持ったシステムを構築し提供するためには、外部の機関との連携協力が必須**であり、当館は積極的に連携協力を行っていきます。その連携の姿勢として、次のような方針を掲げています。
- 統合検索サービスの提供
外部機関・サービスが提供するコンテンツのメタデータを当該機関・サービスの許諾を得て収集、もしくは横断検索します。
- 外部Webサービスとの連携
外部で提供されている連想検索サービスや機械翻訳サービス等のウェブサービスを有機的に組み合わせて、付加価値の高い検索サービスを実現します。
また、外部の情報サービスへの効果的なナビゲーションを実現することにより、利用者の情報探索を支援します。
- 研究開発における連携
利便性の高いシステム構築のためには、現状で確立した技術のみでは実現が困難です。
大学の研究室、官民の研究機関、ベンチャー企業等による各種の情報技術に係る研究開発を支援するために、当館の情報資源を利用した実用化・実証実験を行うことができるよう、テストベッドの場を提供します。
- 統合利用促進のための環境整備
有用なコンテンツを保有しているにもかかわらず、データベースの構築や検索サービスの提供ができない機関に対して、データベースの構築やAPI実装等を支援します。
このように、**他の機関との連携により、補完しあいながら、利用者が必要とする情報を利用できるようにすることを目指しています。**
## 19. NDLサーチの機能改善(2012年度)
1月に正式公開しましたが、来年度は、ここにあげられたような改善を想定しています。
- 統合検索サービスの強化
検索性能の向上
組織化精度の向上
異体字、表記ゆれの吸収
- 外部サービスとの連携強化
NDL-OPACとの連携改善
SSO利用者情報のリアルタイム更新
点字総目、占領期資料のNDL-OPACへの遷移
APIでの提供機能の充実
情報提供機能の強化
全国書誌の提供内容の充実(公共図書館にしかない郷土資料、ボーンデジタルも含めたものを全国書誌として)
- 研究開発・技術開発成果の活用
NDLラボでの提供機能の充実
Next-L Enjuの最新機能の取り込み
組織化精度の向上
- コンテンツ統合利用のための環境整備
NDLSearchのOSS化
## 20. 知識インフラと震災アーカイブ
NDLSearch,NDLデジタルアーカイブの発展形として,今後取り組もうとしている計画は,「知識インフラの構築」である。
経緯
国の総合科学技術会議が決定した「第4期科学技術基本計画」(2011年8月19日閣議決定)においては,研究情報基盤の整備を推進することとし,推進方策が示された。また,NDLでは,これに先立ち,「国立国会図書館における今後の科学技術情報整備の基本方針に関する提言」(第52回科学技術関係資料整備審議会(2011年1月19日))を受けて「第三期科学技術情報整備基本計画」11)を定め,「知識インフラ」の構築を進めることとした。
知識インフラとは
知識インフラとは,情報資源を統合して検索,抽出することが可能な基盤で,国内の各機関が保有する情報を知識として集約し,新たな知識の創造を促進させるもの。その知識をさらに集積・流通・活用と創造するサイクルの構築が必要である。
知識インフラ構築の一環で、先行する分野の1つとして、震災アーカイブの構築を目指す
## 21. 新たな知識の創造と還流
これは、国としての「知識インフラの構築」で、
「新たな知識の創造と還流」の概念をイメージしたもの。
様々な分野の情報が、様々な関係機関によって発信され、
それらが、連携機関によって、分担して所蔵している
その情報が、一元的にアクセスでき、ナビゲーションするものを「知識インフラ」として位置付けている
そこでは、単なる「情報の検索」でなく、事実としての「知識検索」へ進化させ、知識の再利用による新たな知識の創造に寄与することを目指す。
その**「知識インフラ」を利用して、新たな知識として創造され、蓄積されることをイメージする**
*所在場所,媒体形式を意識にした「書籍,文献単位の提供」から,所在場所,媒体形式を問わず,「情報・知識・物語の単位での提供」へ。
*メタデータの収集,探索,提供ではなく,情報の内容で,情報を関連付けし,提供する。
*人間頭脳の持つ知識とその活用の機能にできるだけ近いサービスの提供。
*ユーザの意図した情報がより的確に取り出せる「知識検索サービス」。
*より安心して利用できる検索システム。キーワード,曖昧検索を駆使した「情報探索」から,信頼性を評価した「事実検索」へ。
## 22. 知識インフラ構築に向けた有識者
そのような知識インフラの構築には、同種の情報が意味的に連携できる形になっていかなければならない。
そのために、関連する情報のコンテンツホルダーが知恵を出しあう場として、それぞれのWGを組織し、また、それらの情報を知識として活用できるシステムを構築するために、**「****NDL****サーチでの当面の連携イメージ図」の「③研究機関における連携」の実施母体として、IT****技術関連の有識者会議を想定した。**
これらのWGが集まった組織体として、「デジタル情報ラウンドテーブル」を想定している。
システム技術WGは、次世代技術を活用して、「知識インフラを構築」するために支援・助言をいただく場であるが、その具体的な活動として、震災アーカイブの構築があり、当館と総務省で共催する「東日本大震災アーカイブラウンドテーブル」の下位の「システム技術WG」としても位置付ける
## 23. NDLラボ(仮称)の設置
これは、次世代サービスの**研究開発と実用化を促進**するために設置する**実用化実証実験の場の提供と成果の利用**のための研究者が集える場の想定です。
- 研究開発を促進するために、当館は、保有コンテンツ、保有システムを、研究機関に提供する
- 研究機関等の皆さんに、それらの資源を活用して、実用化システムを開発していただく
- その、成果を、当館のシステムに実装して、次世代のサービスを提供する
この具体的な実施として、震災アーカイブの構築を位置付け、IT技術WGのメンバーを始めとする研究者が、震災アーカイブの構築環境をテストベッドとして利用していくことを想定している
## 24. 現状のNDLサーチをベースに震災アーカイブとして機能拡張(想定)
これは、現状のNDLサーチ、デジタルアーカイブシステム、電子書庫をベースに震災アーカイブとして機能拡張(想定)
来年度末には、震災アーカイブを構築して公開すると発表しています。
短期間に、効率的・効果的に構築するためにも、ベースは既存のシステムを活用することとしています。
ベースは、今回リニューアルしたシステムです。
**ピンクの吹き出しは、来年度の機能拡張を想定している部分**で、さまざまな研究機関の成果を活用していきたいと考えています。
## 25. まとめ
### 25.1. 知識インフラ構築に向けたNDLサーチの今後の展開
目指すところは、「知識インフラの構築」であるが、知識インフラ構築の一環で、先行する分野の1つとして、来年度から再来年度にかけて、震災アーカイブの構築を目指す
震災アーカイブは、この1月にリリースした、NDLSearchとNDLデジタルアーカイブをベースに機能拡張して構築することを想定している。
震災アーカイブで実証された技術・スキームで、2014年度頃から、本格的な知識インフラの構築と提供を目指していきたい
### 25.2. NDLサーチは、知識インフラのポータルに
次世代図書館サービスで想定しているイメージは、知識インフラと≒です。
- 知識インフラの提供を目指して
仮想的な図書館:図書館同士の壁を越えて
知識を蓄積し提供する場所
物理的な組織の壁を越えて
MLA(美術館、図書館、博物館)の館種、学術(大学、独立行政法人)、民間(企業の研究所等)の業務業態を越えて
- 情報の内容で関連付け
現在のNDLサーチの到達点は、メタデータレベルでの統合検索
これからは、1つの社会で共有する中立的な知識構造、知識システムとして、
資料、記事が、分解されて、さまざまな観点から情報同士がリンクされた巨大なネットワーク構造
関連付け
情報に固有の、共通的な知識の体系化、構造化
人それぞれの観点での、利用者の要求に応じて知識を関連付けてられるもの
- NDLSearchは、知識インフラの入り口
情報そのものの組織化と、取出し機能(発見・閲覧)を担う
そのために情報を組織化
_メタデータの自動付与_
_類似性のある情報の検出と分類(自動リンク付け)_
コンテンツの内容での検索
_マルチメディア情報の内容検索_
- 知識インフラの目標イメージ
他の知識との関係がチェックされ、新しい関係のリンクが付けられていく仕組み
_情報が単に記録されていくのではなく、_
自分のほしい情報そのものが出てくる仕組み
**自分のほしい情報の書かれている本を取り出して、書かれている個所を探すのではなく、自分のほしい知識そのものが出てくる仕組み**
**このようなサービスを提供する入り口になることを目指しています。**