# 25.(2014年)デジタル化資料送信サービスと今後の展開
―知の共有化と新たな知の創造を目指して―
神奈川県図書館協会 会報No.246
2014年4月1日発行
国立国会図書館(NDL)は、新たな図書館向けサービスとして、当館がデジタル化した資料のうち、絶版等の理由で入手が困難な資料を、公共図書館・大学図書館内で閲覧・複写ができる「図書館向けデジタル化資料送信サービス」を開始しました。当館による資料のデジタル化は、当館が収集した原資料を文化財として保存するとともに、デジタル化により利活用の機会を拡大することを目的としています。現時点において、当館が保有する資料のうち、和図書90万点、古典籍9万点、和雑誌107.5万点、博士論文14万点等、計230万点をデジタル化しました。このうち著作権が切れているもの48万点は、既にインターネットで公開しており、残りの182万点は従来、当館施設内でのみ閲覧可能でしたが、今回のサービス開始により131万点については、当館に来館しなくても、近くの公共図書館・大学図書館等の端末で閲覧できるようになりました。これにより著作権が切れていない絶版本の利活用の機会が拡大するとともに、利用統計を公開しますので、図書館等での閲覧頻度の高い資料は、出版社においてプリントオンデマンド(POD)、電子書籍等で復刻されることも期待されます。
このサービスを含め当館の電子図書館サービスでは、資料を文化財としてあらゆる人々が将来にわたって享受、活用できるようにするため、資料のデジタル化、インターネット情報の収集(WARP)及び電子書籍・電子雑誌等の収集(eデポ)に取り組み、当館の保有する資料を提供するとともに、国内の各機関が分散して保有する情報資源を活用するための統合検索サービス(国立国会図書館サーチ)を提供しています。今後は、これらの事業を発展させ、デジタル化された記録・記憶の本文内容で関連付け、知識として共有化を図り、新たな知識の創造活動に活用できる「知識インフラ」を構築しようと考えています。「NDL東日本大震災アーカイブ(ひなぎく)」は、知識インフラ構築の先行事業と位置付けています。
デジタル化資料送信サービスを含めて情報の利活用の機会を拡大させるサービスと、新たな知識の創作活動を支援するサービスにより、著作者、出版社、将来にわたる利用者のそれぞれに利益が享受される形で共存共栄し、知識が国の文化財として蓄積していくことを目指しています。